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ペットや住宅地も注意!怖い感染症を媒介するマダニ予防・対策法

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2013年1月、日本国内でも初めて感染者が報告された「重症熱性血小板減少症候群」。マダニに刺されることが感染経路ですが、致死率が30%近くにもなろうかと言う危険な新型ウイルス感染症です。

2015年5月末現在で、感染者数122人に対して34人の方が亡くなったと言う報告が上がっています。患者の血液に接触することで人から人への感染の可能性もゼロではありませんが、基本的にはマダニに刺されないことが最大の予防です。

人への寄生例も多い病気を媒介するのは屋外型の大きなダニ!

ダニと言うとどうしても屋内にいるコナダニやイエダニなど、数は多いけれどサイズは小さいものを想像しますよね。しかし、マダニ類はサイズが大きく目に見えないと言うことはありません。

農作業や林業などで山や草むらに入って喰いつかれることが多いそうですが、草の葉っぱなどに乗っかっていて、人や動物が近くを通るとそちらに移動して喰いつきます。

見た目も気持ち悪い大きなダニだが危険性は病気の媒介にある

重症熱性血小板減少症候群を媒介する中心的存在のフタトゲチマダニは、空腹時でも2~3mm、おなかいっぱい血を吸った後だと1cm以上の丸い形になるので、目に見えるところにいる限り見落とすことはないでしょう。

もう一つのベクター(媒介者)と考えられているタカサゴキララマダニに至っては、最大で2.5~3cmくらいになると言いますからダニと言うより小型のゴキブリか短足の蜘蛛といった風情ですね。

こんなのに喰いつかれることは想像したくありませんが、草むらなどに普通にいて、人への寄生例も結構多いそうです。

また、このほかにもベクターの候補として挙がっている虫が何種類かありますが、いずれもマダニです。ですので、マダニに喰いつかれないことが大変重要なのです。

このサイトでも、いくつかの予防に関する記事が上がっていますが、今回は少し突っ込んでお話ししてみましょう。

生命にかかわる重症熱性血小板減少症候群と言う病気

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重症熱性血小板減少症候群はウイルス性の病気です。SFTSVと言う略号で呼ばれるこのウイルスは2011年に中国で初めて見つかりました。

しかしながら、日本で見つかった感染者は、渡航歴のない人が最初だったことからも判るように日本国内でも普通に感染の恐れがあります。

さらに、遺伝子解析によると中国で見つかったものと日本で見つかったものは遺伝子型が少し異なるようで、どちらが大元の発生原因であったにせよ、海を渡ったのは結構前なんじゃないかと考えられているようです。

まだ特効薬がなく致死率の高い重症熱性血小板減少症候群

主なベクターは先にお話しした2種類の大型のダニです。基本的に暖かい所に住む生き物ですので、日本国内での感染例は九州・四国・中国に集中しており、一部近畿地方でも見られるようです。

しかし、マダニの検査から得られた結果では、北海道で採取されたマダニからも重症熱性血小板減少症候群のウイルスが検出されていますので、日本全国どこにいても油断は禁物ですね。

ところで、この重症熱性血小板減少症候群とはどんな病気なのでしょうか。

SFTSウイルス(SFTSV)に感染すると6日~2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。

(中略)

治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。

かなり危険そうな感じですよね。ですので、マダニに刺されるようなことがないように充分注意する必要があるのです。

特効薬がないから、症状を抑えるお薬を使いながら、自分の体力で回復するしかないわけです。そのためか、患者数も死亡者数も50歳台から増え始め60歳~80歳台が中心的です。

とは言え、回復こそされたものの、未成年での発症例もあるようですから、体力を過信しないようにしましょう。

マダニを防ぐにはどうしたら良い?徹底的に予防・対策を頭にいれて!

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基本は肌を露出しないことです。マダニは林や森、住宅地の草むらなど、完全にアスファルトで囲まれた都会の真ん中以外、どこにでもいる虫です。

ですから、街の真ん中であっても草むらなどに入らないように注意しましょう。また、仕事で農地や森林、川辺などに入る際には、肌を出さないようにしましょう。

長そで長ズボンの常識が薄れてきているのかもしれない

アウトドアでは長そで長ズボンが基本です。これは外傷を防ぐと同時に、こうした害虫から身を守るためなんですね。しかし、単に長そで長ズボンだけでは安全ではありません。

少なくともズボンの裾とそで口は絞って、できればブーツや厚手の靴下、長い手袋などで抑えるのが良いですね。これは森林にいるヒルなどの、他の害虫を防ぐのにも役立ちます。

頭には帽子、首筋も虫の侵入を防ぐように服装を整えましょう。本当のところを言えばスズメバチ駆除の作業スタイルがベストなんですが、さすがにあれでは仕事やレジャーに差し支えます。

また、夏場にそこまで重装備をすると熱中症が怖いですよね。そこで、喰いつかれた時の対処をよく知っておいて、感染の危険性をできるだけ減らすようにしましょう。

マダニに喰いつかれても気づきにくい

もちろん目に見えるところに、そんなでっかい虫がぶら下がっていたらだれでも気が付きます。しかし、身体の裏側にくっついていたら見えませんよね。マダニに刺されても痛みがないので目に見えないと気付かないことが多いのです。

また、マダニは一度喰いつくと数日間は喰いついたまま満腹するまでゆっくり血を吸います。ですので、アウトドアで作業したりレジャーを楽しんだ後は、必ず裸になって全身をくまなくチェックしましょう。

背中などは誰かにしっかり見てもらってください。また、髪のボリュームのある人は、髪の中にもぐりこまれていないかもしっかり見てくださいね。

自分で取り除かない方が良い

マダニは人間や動物に喰いつくと、接着剤のような物質を出して肌にがっちり固定されます。ですので手でつまんで引っ張っても取れません。むしろマダニの身体をつまむことでマダニの体液が逆流し、病原体を貰ってしまいます。

さらに、マダニ自身も満腹するまでは固定が外れないので、無理に引っ張ると口の部分が身体からちぎれてしまいます。そうなると病原体を持った可能性がある口の部分だけが人の身体に残るのです。

ですので、気持ち悪いかもしれませんが、マダニが喰いついているのを発見したら、そのまま皮膚科へ出かけて取り除いてもらってください。必要があれば小さく切開して取り除くこともあるようですが、多くの場合そこまでの必要はないでしょう。

確定的な情報ではありませんが、マダニから感染症を貰う可能性は、喰いつかれてから48時間を超えると急に上昇するそうです。

言い換えればそれ以前であれば比較的安全なので、慌てて自分で取り除こうとして感染する危険を冒すより、落ち着いてお医者さんに出かけましょう。

虫よけスプレーの使い方

害虫が気になる季節と言えば虫よけスプレーがまず思い浮かびます。マダニには効かないのでしょうか。

実はマダニにも有効な虫よけスプレーもあります。有効成分にディートと言う薬物が、おおむね5%以上含まれているものであれば1.5時間程度は虫よけ効果が持続します。日本では12%濃度が最大認可量だそうです。

ただし、塗り漏れのないように塗っておかないと、虫よけ効果が薄れますので、顔などにも日焼け止めなどの上からしっかり塗っておいてください。

さらに強力な虫よけスプレー

日本では人間用には売られていませんが、アメリカで販売されているペルメトリンを主成分とした虫よけ剤は非常に強力です。

人間に直接つけるのではなく、衣服や道具などに外から付けておくだけで良いというものです。ただし猫や魚には猛毒ですので取り扱いに注意が必要ですね。

アメリカ在住でハンティングをする知人が、少し歩き回っただけで数十匹の鹿ダニ(マダニ)が取りついてくる環境の中で使用した経験を聞きました。

それによると、藪の中に隠れ、木にもたれて5時間くらい地面に座り込んで獲物を待っていても、マダニが一切つかなかったそうです。40日くらい、あるいは6回の洗濯まで有効だそうですので、屋外作業用の衣服に使うと良いかもしれませんね。

衣服や猟銃などの道具にしっかりスプレーして、数時間乾かすだけだそうです。商品名は “Permethrin Premium insect repellent” です。「ペルメトリン高級虫よけ剤」と言ったところですね。

アメリカのアマゾンで売っていますので、日本へ送ってもらう手続きを採るか、転送サービスを利用してください。全部英語で手続きを進めますから少し敷居が高いかもしれませんが、なかなかお値打ち品だと思いますよ。

ペットが持ち帰ってくることもあるので注意が必要

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草むらにいるマダニ類はイヌやネコに取り付くことも少なくありません。一旦動物の肌に食い付いたマダニは、人に乗り換えることはありませんが、病原体がイヌやネコから人間に移るかどうかはまだ不明です。

でも、他の病気はマダニから動物に感染し、動物から人間に移ることもあるので、動物にもマダニ対策を行っておく必要があります。

イヌの散歩では草むらに入れない

住宅地の草むらにもマダニが住んでいることは良くあります。ですので、散歩の折などに犬が行きたがっても、草むらには近づけないように注意しておきましょう。

ネコの場合はそうも言ってられません。完全な室内飼いでない限り、ネコはどこにでも入って行きますので、マダニにくっつかれる可能性は充分にあります。

しかしながら、イヌでもネコでももっとたくさん拾ってくる虫がいます。そう、ノミですね。これが家の中に入ってくるともう大変ですから、完全な予防が求められます。

ノミの防除に有効なお薬は数多く出ていますが、その中でマダニにも有効なものがあります。サイズの違いこそあれ、イヌにもネコにも使えて非常に効果が高いのは商品名「フロントライン・プラス」です。

獣医さんに処方してもらわないと入手できない上、サイズによって1本1200~2000円と比較的高価です。しかもノミとりなら1か月くらいは持続しますが、マダニ防除には20日間くらいの有効期間です。

しかしながら、ホームセンターやペットショップで売っている、効き目の弱い防除剤に比べると確実で安心ですから、人間と動物の両方のためにここは一つ奮発して下さい。

獣医さんで処方してもらえる薬は他にもありますが、マダニにも有効なのは、イヌ用の首輪ボルホカラーくらいでしょう。

マダニは他の病気も媒介する害虫!とにかく”危険”という認識を持って

マダニは重症熱性血小板減少症候群の他にも、重篤な症状をもたらす他の病原体のベクターです。ですので、マダニに喰いつかれると言うのは病気になる原因と考えて対策しましょうね。

マダニによって媒介される病気は、生命にかかわるくらい重症化する病気も多いので、マダニは強い毒虫であると言うくらいの認識を持って対処すべきです。

ツツガムシもマダニの仲間

厳密にはダニ目ツツガムシ科の虫なのでマダニとは科が違いますが、有名なツツガムシ病はマダニが媒介する日本紅斑熱と同類のリケッチア感染症で、症状もよく似ているので、これもマダニの媒介する病気と考えましょう。

日本紅斑熱は頭痛・発熱・倦怠感に始まり関節痛や筋肉痛、赤い斑点ができる病気で、症状が重いと生命にかかわることもあります。ツツガムシ病も潜伏期間がやや長いだけで症状は同じです。

ライム病もマダニが媒介する病気です。インフルエンザのような症状に始まって心臓や目、神経系やリンパ節にまで悪影響を与える病気です。

このようにマダニは様々な病気を媒介しますので、とにかく気を付けましょう。

移入種の毒グモとして有名なセアカゴケグモ、足の長さを除いた胴体の大きさはマダニとそんなに差がありません。セアカゴケグモは刺されると激痛が走りますから皆さん注意してますよね。

でも、生命への危険性と言う意味では、刺咬症に痛みを伴わないマダニの方が危険である場合も少なくありません。ただ、マダニは自分の足で歩いて家の中に入ってこないのが救いでしょうか。

ですから、くれぐれもご自身やペットたちが連れて帰ってこないよう気を付けて下さいね。

野生動物とマダニの関係

なお、私たちの比較的身近にいる動物で最もマダニが良く寄生するのはシカとイノシシです。滅多にシカやイノシシを飼っている人はおられないでしょうが、野生のシカなどを見つけても、あまり触らない方が良いですよ。

イノシシなら危険そうなので手を出さないと思いますが、シカも結構危険な動物です。マダニが直接シカから人に移ることはないと思いますが、頭突きをしてくるので怪我をしないよう離れて見守りましょうね。

奈良公園にいるシカのように、人馴れした個体でも、季節によっては気が荒くなってます。また、シカせんべいなどの餌をやる時に目の周りを見て下さい。ダニがいるとしたら大抵そこです。

病気を持っているかどうかは判りませんが、ダニがびっしりついているシカのいる草むらには大抵の場合ダニもいます。ですので充分気を付けて下さいね。

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