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知っていた?男性不妊症、治療の現実

男性不妊治療を受けた経験がある、とカミングアウトする芸能人や著名人が増えました。テレビで記者会見を観たという人もいるでしょうし、書店では彼らが出版した自伝が並んでいます。

男性不妊の原因はさまざまですが、よく知られているのは、子どもの頃おたふく風邪に罹患したケースです。他にも、がんなどの治療で放射線治療を受け、生殖機能を失うケースがあります。

不妊治療は女性が受けるイメージが強い

男性不妊治療は主に泌尿器科が担当していますが、「どこへ行けばいいかわからない」という人は少なくありません。女性不妊はマスメディアで頻繁に取り上げられるようになり、認知度が高くなりましたが、男性不妊に関しては未だほとんど取り上げられないのが実際です。

WHOの基準では、性生活を2年以上持っているのに妊娠に至らなければ、不妊症に該当します。マスメディアのイメージによる誤解があるのか、不妊治療は女性が受けるものと思い込んでいる人は若い人にも見かけます。ですが不妊症の原因は、

  • 男性4割
  • 女性4割
  • 不明2割

と、両性に差異はありません。

男性不妊とは?

精子数が1ミリリットル中2000万未満で、乏精子症と診断されます。1回の射精で排出される精子量は2~6ミリリットルですが、正常値は4000万で、200万以下になると妊娠が困難になってきます。

また、無精子症は精液中に精子を観察できない状態です。原因にもよりますが、精巣内から精子を採取する手技が確立されたことで、男性不妊の治療方法に選択肢が増えました。

男性不妊の原因は前述のような、おたふく罹患や放射線治療の他に、ストレスや喫煙も影響を与えます。また、精子は37度以上の熱に弱い性質を持つため、サウナが日課という男性の中には不妊症の診断を受ける事例もあります。

加えて男性不妊には、射精が困難な勃起不全(ED)も含まれます。ですので、たとえば糖尿病や心臓病といった疾患が原因で性行為が難しい要因があれば、男性不妊として別に治療が必要なこともあります。

男性不妊治療がパートナーの女性に負担を掛けてしまいがちな理由

顕微授精による体外受精を選択するしかない無精子症なら妻の協力が必須ですが、精子の製造能力に問題がなければ、射精までの通路を作りなおすことで解決できますし、勃起不全でも薬物治療や外科的手術で根治治療を望めるケースは多くあります。

ですが検査結果で妻側に問題がないことがわかっていても、治療では妻が主体になるケースが非常に多いのが現状です。大きな原因のひとつが、男性不妊専門医の不足です。日本ではまだ50人程度しかいませんし、東京や大阪など大都市に集中しているので、利用できる人は限られてしまいます。

また、不妊治療に臨むカップルは女性側がすでに肉体的なタイムリミットが近づいているケースが多く、時間を掛けて治療するより、体外受精を行う方が効率的という事情もあります。

こういったことを背景に、男性側のみが治療すれば自然妊娠を望めるケースであっても、女性側も肉体的な治療負担が掛かりがちになっているのです。

周囲の理解が何より大切

不妊の原因に性の差異がない以上、男性不妊も女性不妊と等しく公的助成が広がるべきでしょうし、一部企業で取り入れている不妊治療休暇を男性も利用できるようにする必要があります。

しかし、男性は社会的な負担が重くなりがちです。夫婦の主な収入を夫が担う家庭も多いので、男性がじっくり時間を掛けて不妊治療に通うのは難しいのです。

何より必要なのは周囲の理解ですが、特に男性不妊症の当事者は「まるで人間として欠陥品と言われているような気持ちになった。自信が持てなくなった」と感じやすいようで、妻以外の誰にも話せないという人もいます。

治療のゴールはあくまで妊娠・出産ですが、ゴールが見えにくく苦しむカップルは少なくありません。子どもは結婚すれば当たり前に作るものではありませんし、あえて子どもを持たない選択をする夫婦もいます。

最近は結婚前のブライダルチェックで生殖機能に問題がないか調べるカップルも増えました。独身の人であっても、なるべく早い段階から将来のライフプランについて、パートナーとじっくり話し合う機会を持つのがベストと言えそうです。

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