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食後の眠気は低血糖症の症状かも!原因を知ってすべき対策と治療法

血液・血管に関する病気、もしくは血中の成分バランスが原因となる病気は多いです。特に、血中の糖に関する病気には、現代人の多くが苦しめられていることを、おそらくみなさんは認知していることと思います。

血中に溶け込んでいるブドウ糖のことを血糖(けっとう)と呼び、その濃度のことを血糖値と呼びます。血糖値が高くなると、糖尿病をはじめとするさまざまな生活習慣病の原因になり、高い確率で生命の危険を伴います。

ですから、血糖値が高くなってはいけないと、みなさんは普段から注意しなければならないと感じていると思います。すでに血糖値が高い人は、食事や運動といった生活習慣の管理に頭を悩ませているかもしれませんね。

ただ、確かに血糖値が基準値よりも高い状況は回避すべき状況ではありますが、だからといって、血糖値が低ければ低いほどよいというものではありません。何ごとにも限度というものがありますから。

それどころか、血糖値が低くなりすぎることで、生命維持が不可能になるという、ある意味血糖値が高い状況よりも恐ろしい事態を招くことにもなりかねません。血糖値が高すぎる状態を「高血糖」と呼びます。おそらくみなさんも一度は聞いたことがあるでしょう。

これに対し、血糖値が基準値よりも低い状況を、「低血糖」と呼びます。つまり低血糖は、生命の危険と隣り合わせの状況なのです。今回は低血糖に関するお話をしていきます。

怖い!あぶない!注意して!低血糖症の症状

上記ですでにお話しましたが、低血糖を招くと生命の危険の可能性生じます。低血糖状態では、運動機能が著しく低下し、強い眠気を催したりします。運転中にそんなことが起こったらたいへんなことです。

ですから、低血糖の状況を招くと、いろいろな意味で危険と隣り合わせであるといわなければなりません。低血糖の状況が断続的に現れる症状を、「低血糖症」と呼びます。低血糖症は非常に怖い病気です。

それでは、低血糖症の主な症状について、今度は具体的なところまで踏み込んで見ていくことにしましょう。

血糖値が低いと何が問題なの?

健康意識が高まっている日本人にとって、血糖値が高いことが生活習慣病における諸悪の根源となっていることは、おそらく多くの人が常識としてとらえているはずです。その意識が強すぎて、血糖値の低さに関しては言及されていない印象も強いです。

では、血糖値が低いことの、いったい何が問題になるのかということについて、その大まかな考え方の指針を示しておきたいと思います。冒頭でも述べたとおり、血糖とは、血中に溶け込んでいるブドウ糖のことです。

血糖値が低いということは、血中のブドウ糖の濃度が低いことを意味します。ブドウ糖が少ないことで何らかの問題が起こるということは、ブドウ糖にそれだけの役割があるということも意味します。

ブドウ糖の役割とは、身体全体のエネルギーの供給です。つまり、身体を動かしたり、脳が思考したりするための原動力に、ブドウ糖は本来なっていなければならないのです。

ところが、血中ブドウ糖濃度が不足することによって、必要な動作が十分に行われなくなり、必要な思考も行われなくなってしまいます。たとえば、危機回避のための「反射」にも影響が及ぶリスクが生じます。

そして、ものが考えられなくなることによって、正常であれば招かなくてもよい危険を回避できない事態も招きます。こういった弊害が、低血糖症では頻繁に見られ、非常に危険な環境の中で生活しているのと同じ状況になります。

これが低血糖症の非常に怖く、危険なところです。では、低血糖症の具体的な症状にも言及していくことにします。

低血糖症が起こると、具体的にはどんな症状を発症するの?

低血糖症を発症すると、いろいろなトラブルが現れますが、概ね以下のような症状を発症することが想定されます。いずれもブドウ糖不足により、身体全体に十分なエネルギーがいきわたらないことで起こる症状です。

低血糖症の症状

慢性疲労(異常な疲労感)、起床時の疲れ、昼食後の強い眠気、生あくび、集中力の欠如、無気力、めまい、ふらつき、物忘れがひどい、目のかすみ、浅い呼吸、甘いものが無性に食べたい、胃腸が弱い、口臭、失神発作、偏頭痛など

上記のそれぞれの症状について、主要なところは少し説明を加えることにしましょう。

低血糖症によって慢性疲労、起床時疲労を発症しやすい理由は?

慢性疲労というのは、そのイメージのとおり、常日頃いつも疲れている感じがする症状の総称です。ただ、低血糖症による慢性疲労の場合、特に起床時にその症状が顕著化することが多いです。

朝なのに疲れがひどいのが、低血糖症による慢性疲労の特徴です。疲れがとれていないといった生易しいものではなく、ひどい疲労感によって、上体を起こすことさえできなくなってしまうこともあります。もちろん低血圧とも異なります。

低血糖症は、エネルギー不足を引き起こすというお話をすでにしてきました。エネルギー不足というと、バリバリ仕事や運動をしていて燃料切れを起こした・・・といったイメージかもしれませんが、そうではありません。

低血糖症を発症すると、もちろんスポーツなどの運動機能もそうですが、脳の働きも極端に鈍くなります。そして、栄養を吸収する小腸の働きも極端に鈍くなります。つまり、理想的な栄養吸収ができなくなってしまうのです。

その結果、起床時間になっても、起き上がろうという意思も弱く、起き上がるためのエネルギーさえ残っていないという事態を招くのです。「朝がつらい」という、精神面の理由とは明らかに異なる肉体的なトラブルを、起床時に起こしやすいのです。

また、低血糖症は生命の危険をも伴う怖い症状なので、生体に血糖値を上昇させようとする機制が働きます。そのため、血糖値の乱高下が起こりやすく、これによって交感神経系が常に活性化された状態になります。

交感神経系の異常が原因で自律神経系が異常をきたすと、身体は常に疲労しているように感じられるのです。ですから「血糖値の乱高下」という要因も、低血糖症による極度の疲労感の原因になります。

低血糖症を発症して昼食後の強い眠気を誘発する理由は?

昼食後に急な睡魔に襲われる人は少なくありません。そのひとつの原因に、お昼ご飯を食べて血糖値が上昇し、その上昇を食い止めるための機制が働き、血糖値が下降することが考えられます。

血糖値の上昇を食い止めるための機制とは、インスリン(インシュリン)の分泌です。食事から摂取した炭水化物・糖質が吸収されるにつれ血糖値が上昇すると、インスリンが分泌して血糖値が下がり始めます。

血糖値には基準値が設けられていることは間違いありませんが、ある数値になると急に体調の変化が現れるといったデジタル的傾向はありません。血糖値の変化の大きさによって体調に変化が現れやすくなります。

つまり、血糖値がふだんから高い人でも、血糖値が下降することによって何らかの体調変化が起こるのです。そういった一連の血糖値下降による体調変化のひとつが、「昼食後の睡魔」なのです。

ですから、朝の疲労感は低血糖症によって起こる症状ですが、昼食の後の強い眠気の場合、ご飯を食べたことで「低血糖症のような症状」が起こっているだけの場合もあります。

ただ、もともと血糖値が低めの人は、血糖が下降すればすぐに血糖値は基準値を下回りますので、これは「低血糖症のような状況」ではなく、「明らかな低血糖症」が起こったことによる強い睡魔であると判断すべきでしょう。

また、インスリン過剰分泌などの症状がある人も、食事のあとの低血糖症が起こりやすいといえます。そういう症状がある患者さんは、食事後によくよく注意していただきたいと思います。

お昼の睡魔の対策としては、もちろんご飯類やパン類、麺類などの炭水化物(糖質)を昼食として摂取してはいけないわけではありません。ただ、対処法として必ず副菜となる野菜類や肉、魚類なども一緒に摂取することが望ましいです。

とはいえ、なにごとにも限度がありますので、肉にしろ魚にしろ野菜にしろ、過剰摂取は絶対に控えなければならないことは言うまでもありません。

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低血糖症を起こすと生あくびが出る理由は?

まずは、「生あくび」ということばから確認しておきましょう。生あくびということば自体よく耳にすると思いますが、その割には、ことばの意味がイマイチ明確になっていないと感じる人も多い気がします。

「生あくび」を手元の辞書でちょっと調べてみたところ、「中途半端なあくび。生欠伸」とあります。正直、わけのわからない説明です。いくら辞書の説明とは言え、これではちょっとイメージしづらいですよね。

そこで、生あくびではないあくびにはいったいどんな種類があるのかを考えてみます。生ではないからといってあくびを煮たり焼いたりするわけではもちろんなく、「単なるあくび」が対になる種類であることに気づきます。「あくび≒生あくび」とも「あくび⇔生あくび」ともいえそうです。

あくびは、不随意反応の一種である生理現象だと説明されます。不随意反応とは、簡単に言えば「反射」のことです。反射は危機回避を目的とした機制の一種ですが、あくびもその中に含まれることになります。

あくびはみなさんもしたことがあると思いますが、あくびって、危険回避どころかリラックスしまくりではないか・・・と思える気もします。あくびはいったいどんな危険を回避しようとして起こる不随意反応なのでしょうか。

上でもちょっと触れましたが、「あくび」を漢字で書くと、「欠伸」となります。「欠」の意味はわかると思いますが、「伸」は何かというと、これは「深呼吸」のような意味があるそうです。深呼吸、確かに身体は伸びますね。

つまり、深呼吸が足りない・・・そう、「酸欠」を意味しているのが「あくび」なのです。つまりあくびをする目的は、足りなくなった酸素を深呼吸によって補おうというところにあります。すなわち、あくびは「酸欠」という危機を回避する行動なのです。

眠気は、酸欠によって起こることがあります。おそらくこのことを知っている、あるいは経験したことがある人は多いと思います。では、生あくびはどうかというと、「あくびではあるものの、酸欠以外の要因で出るあくび」と説明できます。

酸欠によって脳の機能が低下します。低血糖でも脳の機能が低下するというお話はすでにしています。酸欠が原因にしても低血糖が原因にしても、脳の機能は低下します。すると、やはり生体反応として機制が働くことになります。

酸欠の場合は「あくび」という機制が働き、低血糖の場合は「生あくび」という機制が働くのです。これが低血糖症によって生あくびが出る理由です。生あくびのように、何らかの生体反応が現れる低血糖を「反応性低血糖(症)」と呼びます。

ただ、低血糖症の多くが、自覚性のないまま重度化してしまうことが多いので、生あくびが出なくても、普段から血糖値が低い傾向にある人は十分注意が必要です。また逆に、低血糖症以外の重篤な病気で生あくびが出ることもあるので要注意です。

低血糖によって胃腸障害も起こる!

飲み食いが過ぎれば誰だって胃腸障害を起こしますから、むしろ過飲食による高血糖の人ほど胃腸障害を起こしやすいようなイメージがあります。しかし実際には、低血糖の人ほど胃腸障害が起こりやすくなります。

胃腸が弱い人は食欲不振の傾向にありますので、食の細さがますますの低血糖を招くといった悪循環がつくられてしまうこともあります。では、なぜ低血糖が胃腸の弱さを招くのでしょうか。

実は上でもすでにその理由の1つをチラっと書いているのですが、まずはシンプルに、胃腸の動きが鈍くなってしまうことが理由に挙げられます。朝になると身体を起こせないほどの症状が出るのが低血糖症です。胃腸の動きだって当然悪くなります。

そしてもう少し詳しい話をすると、低血糖症を発症すると、消化酵素の分泌が低下し、また、分泌した消化酵素の働き自体も弱まる傾向にあります。結果的に、胃腸が弱くなり、低血糖が胃腸障害の原因にもなるのです。

一見関係性に乏しいように感じられますが、低血糖と胃腸の機能にも、実はかなり密接な関係性があるということをご理解いただけたかと思います。対処法としては、特に夏場の汗をかきやすい時期は、塩分をしっかり補給することが挙げられます。

偏頭痛の原因は低血糖症かも!?低血糖による偏頭痛やその他症状

偏頭痛は、なかなか原因がわからないことが多いです。それだけ、偏頭痛が起こる原因が多様なのですが、そのひとつに、低血糖も含まれます。偏頭痛が起こる直接の原因は、血管が拡張されることです。

低血糖の場合、通常の血液量ではブドウ糖の不足によって十分なエネルギーを脳に補給できません。そのためここでも機制が働いて、脳への血液量を増やすために血管が拡張されます。このときに、偏頭痛特有の痛みを覚えることになります。

このように、いろいろな症状が低血糖によって現れます。他にも、血糖値が変動するたびに出る筋肉痛も、低血糖の典型的な症状です。また目のかすみや物忘れも、目の組織細胞や脳細胞へのエネルギーが不足して起こります。

さらに、めまい、ふらつきなども同様の理由で起こります。低血糖が重篤化すると、フラフラになってやがて失神に至ることもあります。そのときに頭を強く打って致命傷を負うリスクも高まります。

よくいわれる「うつ」に似た症状を呈することもあります。低血糖によって自律神経系の乱れが生じやすいですから、精神的に不安定になりやすいことが原因です。偏頭痛やうつによる頭痛の際には、ナイアシンという薬を処方する病院が多いです。

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どうなったら低血糖症?基準はあるの?

ここまでは低血糖症による症状についてお話してきましたが、上記の症状が出たら低血糖症です・・・と言ってしまうと、さすがにあまりにも乱暴ですよね。低血糖症かどうかがわかっていれば、上記の症状の予防にもつながりますから。

そこで、まずは低血糖症を定義し、明確な基準を知っておいたほうがよいでしょう。低血糖症かどうかを知るためには、病院やクリニックなどで検査をする必要があります。その検査方法を、以下にご紹介しましょう。

低血糖症かどうかを知るための検査は、「ブドウ糖負荷試験(Oral Glucose Tolerance Test=頭文字をとってOGTT)」と呼ばれる試験の実施によって行います。この試験は5時間の検査になります。

空腹時に75gのブドウ糖(グルコース)が入った飲料を飲んで、十二指腸上部で吸収されたブドウ糖の濃度(血糖値)が血液の中でどのように変化するかを、5時間かけて9回の採血で調べます。(ブドウ糖の一部は、口腔内や胃からも吸収されます。)同時に、すい臓から分泌されるインスリン値(IRI)や体温も調べます。

この検査によって低血糖症かどうかを診断します。そしてその基準は以下のとおりです。

① 5時間のOGTTで絶食時の血糖値より50%mg/dl以上上昇しない
② 5時間のOGTTで絶食時の血糖値より20%mg/dl以上下降した
③ 5時間のOGTTの間にどの時点でも1時間に50mg/dl以上下降した
④ 5時間のOGTTで絶対値50mg/dl以下を記録した(65mg/dl以下は疑わしい)
⑤ 血糖値のカーブにかかわらずOGTT施工中に、めまい、頭痛、混乱、発汗、憂うつ等の症状があらわれた(以上、Drニューボルトによる)
⑥ 血糖値がなだらかな曲線を描いていても、インスリン値の変動が明らかである場合、その数値が実際の数値とは限らない
⑦ 血糖曲線が正常でも体温の上下が著しいときは採血の間に血糖値の変動が起きていると考えられる
⑧ 血糖値が正常でも曲線に小刻みな山がいくつもある場合、血糖値の急落および血糖値を上昇させるホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の動きがある(以上マリヤ・クリニック院長 柏崎良子医師)

以上の8つの項目から医師が総合的に判断し、低血糖症であるかどうかを診断します。参考までに、一般的な血液検査でもわかる各項目の基準範囲などの情報を以下に示しておきます。

  • 空腹時血糖:80~100mg/dl
  • 血糖値のピーク:負荷後30~60分
  • 血糖の最高値<160mg/dl
  • 血糖の最低値:負荷後3~4時間後
  • インスリン過剰分泌の診断基準:インスリン値>50μU/mlとなった場合

上記の検査結果の一例を以下に示します。たいていグラフと表で検査結果を参照することになりますが、グラフのほうがわかりやすいです。

OGTT結果サンプルグラフ
OGTT結果サンプルグラフ2

正直この項目は、知識がない人にとってはあまりにも専門的すぎてしまう内容かもしれませんので、詳しくは、検査時お医者さんによくレクチャー・アドバイスしてもらっていただきたいと思います。

それはさておき、いったいどうして低血糖症などという怖い病気を発症してしまうのか、その原因については気になるところですよね?そのあたりについて、次のところでお話します。

低血糖症を引き起こしている原因は何?

低血糖の原因はいろいろ考えられますが、多くの場合、その原因は後天的な要因であると考えられます。つまり、身体のどこかに何の異常も起こっていなければ、低血糖症のような症状が現れることはまずあり得ません。

ということは、低血糖症が起こっている人は、身体のどこかに何らかの異常をきたしていることになるわけです。そして、その多くが、ご自身の食生活(飲酒を含む)に起因して起こるトラブルであるといわれています。

その意味では、低血糖症も糖尿病と同じく生活習慣病のひとつに数えられるともいえるでしょう。では、低血糖症の原因について、具体的なお話をしていくことにしましょう。

やっぱり・・・糖質の過剰摂取は低血糖症の最大の要因!

低血糖症も、広義においては「糖尿病」とされることもあるようですが、一般的には、血糖値が基準よりも継続的、もしくは断続的に高い症状が糖尿病です。これに対し、低血糖症は真逆で、血糖値が低い症状です。

ただ、血糖値をコントロールする役割は、すい臓のランゲルハンス島という組織から分泌されるインスリンが担っているという点で、どんな病気でも健常でも不変です。ということは、低血糖症の原因として、すい臓機能の低下が挙げられます。

また、すい臓機能が低下することによって、インスリン過剰分泌が起こったとしても、甲状腺機能によってこれを食い止めることが、本来はできるはずなのです。ところがそれができていないということは、甲状腺にも何らかの原因が考えられます。

では、どうしてランゲルハンス島(すい臓)や甲状腺に問題が起こるのかというと、やはりその多くが、「私たちの食生活」に問題があるといわざるを得ません。中でも、糖質の過剰摂取が最大の要因となります。

あまりにも糖質を過剰に摂取してしまうと、インスリンを常に生産し、分泌していることになりますので、その製造元であるランゲルハンス島に異常をきたすことも十分すぎるほど考えられます。

もちろん、インスリン過剰分泌のストッパーの役割を担っている甲状腺機能についても同様で、しょっちゅうストッパーをかけていると、あるとき「もうやーめた!」という具合に仕事を放棄してしまう気持ちは、みなさんも理解できるかと思います。

いずれにしても、私たちの食生活を含む生活習慣が異常なら、身体の各機能も異常をきたすのは目に見えて明らかです。なにしろ同一の生体なのですから、どこかが破綻すれば別のところも破綻するに決まっています。

忘れていただきたくないのは、私たちがどんなに暴飲暴食をしても、身体は一生懸命私たちの健康を保つために働いている、ということです。その仕事をやめてしまうということは、身体もその持ち主の暴挙に愛想を尽かしたと解釈していただきたいものです。

そして、愛想を尽かされてしまった以上、一生懸命身体に謝って節制をこころがけるしかありません。酷使した分、少しでも身体をいたわってあげるために、節制するしかないのです。

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やっぱり・・・アルコールやカフェインの過剰摂取が低血糖の原因になる!

なんとなく、糖質の過剰摂取が糖尿病や低血糖の原因になりそうな気はしましたよね?そして、他にも何らかの原因があるとすると、やはりアルコール(お酒)やニコチン(たばこ)、カフェイン(コーヒーなど)の過剰摂取が原因になりそうな予感は、みなさんにもあったと思います。

過度の飲酒、過度の喫煙、そしてコーヒーなどのカフェイン飲料のガブ飲みを継続すると、血糖値が上昇しやすくなることがわかっています。いわゆる「嗜好品」と呼ばれる製品の摂取・利用です。もちろん「過度」であることが問題なのです。

今は「糖質ゼロ」などと宣伝しているアルコール飲料が注目されているようですが、裏を返せば、アルコールには糖質を含んでいることになります。とすると、過度な飲酒習慣が糖質の過剰摂取を招きます。その後は、上でお話したのと同じプロセスをたどり、やがて低血糖症を発症します。

同様に、過度の喫煙やコーヒーなどのカフェイン飲料の多量摂取が習慣化すると、血糖値を上昇させ、やはりすい臓機能、甲状腺機能の低下を招き、やがて低血糖症を発症することになります。

まだまだいろいろ低血糖症の原因がある

他にも、諸悪の根源となっている「ストレス」が低血糖症の原因になることがあります。過度なストレスの蓄積は、自律神経系の不調をきたします。自律神経系は、ホルモンバランスを調整する働きがあります。

アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモン物質の分泌は、インスリンの分泌とも密接にかかわっており、自律神経系の異常によって、インスリン分泌に異常をきたすことがあります。甲状腺ホルモンの分泌異常も同様です。

また、ビタミンやミネラルの摂取があまりにもおろそかになりすぎると、やはり低血糖症の原因になると考えられます。ということは、やはりはじめの糖質過剰摂取の部分にもオーバーラップしますが、「バランスのとれた食事」はなんだかんだ言っても重要なのです。

インスリン注射量の過剰は危険!

内服薬などの開発により、近年はその数が減少傾向にあるといわれていますが、糖尿病患者さんの中には、ご自身でインスリン注射をして血糖値をコントロールしている患者さんもいると思います。

実は、このケースで低血糖を起こしてしまうと、たいへんな危険を伴います。つまり、インスリン注射量が何らかの理由で過剰になってしまったケースです。インスリン過剰注射による低血糖が原因の死亡例もたくさんあります。

お酒の飲みすぎで酩酊状態でのインスリン注射、ひとり暮らしの方による注射、あるいは単なる油断・・・・いろいろな原因は考えられます。いずれにしても、インスリン注射量の過剰による低血糖だけは注意していただきたいと思います。

やっかいな低血糖症をどう治療すべきか

低血糖治療の主な方法は3パターンあります。「食餌療法(食事療法)」、「運動療法」、「栄養療法」の3パターンです。これからそれぞれの対処方法について説明しますが、いずれにの方法にも共通して実行してほしいポイントがあります。

それは、「できるだけ楽しく実行する」ということです。治療ですから、基本的には楽しくないことです。とはいえ、食事にしろ運動にしろ栄養にしろ、制約が加わることでストレスとなると、上でお話したとおり逆効果の危険性があるからです。

このことにまずは留意していただき、それぞれの療法の説明に入りたいと思います。

低血糖症の治療は食事療法が基本!

低血糖症に有効な食事療法は、すい臓に休息を与えるような食事を継続することです。できるだけ糖質や脂肪の吸収を抑え、ビタミンやミネラルの補給を積極的に行います。その効果は、だいたい1~2か月程度で現れることが多いです。

ちなみに、糖質というのは主に炭水化物ですが、それ以外にも、砂糖はできるだけ摂取を控えることが推奨されます。それでは、いくつかポイントを挙げていくことにしましょう。

  • 1回の食事を少量だけに抑え、食後2時間くらいのタイミングで間食(ナッツ、無糖ヨーグルトなど)を挟む
  • 落ち着いた雰囲気の中でゆっくり、のんびり食事する(満腹中枢を刺激する)
  • ビタミン類、カルシウムを豊富に含む食材を摂取する
  • 炭水化物の摂取に先立って、野菜類を食べる(糖質の吸収を遅らせる効果)
  • 食事の時間は長くおかず、できるだけ一定を保つ

もちろん病院などの医療機関で実施する入院治療の場合、もっと徹底した食事・栄養管理が行われることになります。上記はご自宅で食事療法を実施する際に最低限考慮していただきたい内容になります。

食事療法と同時に行うと効果的!運動療法について

運動である以上、まずは身体を温める、ウォームアップからはじめる必要があります。その後、徐々にハードな運動を実行していくという流れは重要です。ウォームアップをしっかりやっておかないと、ケガにつながります。

ケガをすると、これが治るまで運動療法を低血糖症治療に取り入れられないことになりますので、まずはケガに注意して運動療法に励んでください。もちろん、できるだけ楽しんでいただくことも大切です。

で、そのウォームアップの内容ですが、まずは朝起きたときに、ベッドや布団の中で意識的に「伸び」をしましょう。ネコやイヌは、目覚めと同時にかなり豪快な伸びおよびあくびをしますが、実は小動物の彼らにとっては非常に理にかなったウォームアップになっています。

私たち人間も、あれをマネて、朝起きたときに豪快に伸び、そしてあくびをしましょう。気分的にもスイッチが入るはずです。その後、「ラジオ体操」程度のウォームアップを、手を抜かずにしっかりとやりましょう。

ここからが本格的な「運動」になります。たとえば、かかとだけでジャンプする運動、つま先立ち運動(1日の生活を意識的につま先立ちで過ごす)、自転車やハイキング、スケートなどといった比較的ハードな運動を行います。

ただし、ケガ防止のために、それぞれの運動の前にアキレス腱を伸ばす運動をしたり、ひざや腰、股関節などの関節をやわらかくしておくウォームアップも都度行っていただきたいと思います。ケガ回避と運動を兼ねたウォームアップになります。

ここまでが、「筋力アップ」を目指した運動です。そしてここからは、「心肺機能アップ」を目的とした運動です。つまり、持久力をつけましょうという目的で行います。ここは水泳、テニスや自転車、縄跳び、持久走などがよいでしょう。

ちょっとここまでを表にまとめてみることにしましょう。

①ウォームアップ 伸び(あくび)のあとのラジオ体操などを入念に
②筋力アップ(その前にアキレス腱や柔軟運動を必ず!) かかとジャンプする運動、つま先立ち運動(1日の生活を意識的につま先立ちで過ごす)、自転車、ハイキング、スケートなど
③心肺機能(持久力)アップ(その前にアキレス腱や柔軟運動を必ず!) 水泳、テニス、自転車、縄跳び、持久走など

ただ、こうして表を改めて眺めてみると、入院治療ならまだしも、自宅での治療で毎日これらを実行するのは難しいといわざるを得ません。そういうときは、毎日する必要はありません。

無理にしようとすると、ストレスの原因になります。そして、毎日しないことで、逆に計画を立てる「楽しさ」を感じるチャンスが生まれます。楽しい、おもしろいという感情は、ホルモンバランスにも好影響を与えます。

①だけは毎朝実行していただき、今日は何をしよう、明日はどうしよう、その次は・・・という具合に、ぜひ楽しんで②③のカリキュラムを組んでいただきたいと思います。もちろん、運動自体もケガなく楽しくやっていただきたいものです。

基本はなんといっても”栄養”!低血糖症治療の栄養療法について

栄養療法については食事療法ともオーバーラップしてくるところもあると思いますし、また、方法自体もいろいろあるでしょう。ですからここでは、食事療法とはセパレートで考え、数ある療法の中の一例という形でご紹介します。

  • プロテイン(たんぱく質):1日30g
  • ビタミンBコンプレックス(複合体):1日150mgずつ
  • ビタミンC:1日3000mg
  • 亜鉛:1日15mg
  • カルシウム、マグネシウム:それぞれ1日1000mg、500mg
  • ヘム鉄:貧血の度合いに応じた必要量
  • カリウム
  • セレニウム、クロム:1日200μg
  • ビタミンA,E:それぞれ10000U以上、400U以上
  • レシチン
  • EPA、DHA

以上のように、低血糖症の治療は、手術をしたり特殊な薬を飲んだりといったオーソドックスな治療とは異なり、多少の努力を必要とする治療になります。それだけに、明るく楽しく、ストレスを溜めないようなスタンスで取り組みたいものです。

予防も治療も、まずは生活習慣の見直しを!

さて、ここまで低血糖症に関するあれこれをお話してきましたが、いかがでしょうか?率直な印象を言えば、基本的には自分の生活を何とかすることで、低血糖症は予防も改善もできるではないか!ということになるでしょう。

もちろん中には(今回はご紹介しませんでしたが)、生活習慣の問題とは無関係に起こる低血糖症がないわけではありません。ただ、多くは生活習慣と非常に密接なつながりがあるということを、まずはご理解いただきたいと思います。

ストレス社会ともいわれる現代において、ストレスフリーで明るく楽しくやっていくことは難しいとは思いますが、精神面の健康もまた、生活習慣というくくりに組み込んで考えていただくと、なお良い傾向かと思います。

一緒にがんばっていこうではありませんか、みなさん!

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