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高血圧を予防したいなら!予防に適した生活習慣のイロハ

血圧を隣り合って測る男女

若くて健康だからと不摂生をしていませんか。その乱れた生活習慣を続けていくと知らず知らずのうちに血圧は高くなっていきますよ。

血圧が高い状態が続くと動脈硬化と言って血管はだんだん硬くなっていってもろくなってしまいます。頭の中の血管が破れてしまったら、それは脳卒中です。

脳卒中は寝たきりの原因となり、家族に大きな負担をかけてしまいます。せっかく長生きできたとしてもずーっとベットの上での生活ではもったいなくないでしょうか。

若くて健康なうちにこそ生活習慣を正し、高血圧を予防しましょう。

日本における高血圧患者の現状と高血圧が危険な理由

日本の高血圧患者さんは4300万人いると試算されています。内訳は男性2300万人、女性2000万人です。男性の方が少し多くなっています。

2014年に「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」が日本高血圧学会から発行されました。このガイドラインは治療を標準化することが目的です。

言い換えますと、どの病院に行っても、どの先生に治療していただいても同じような治療を患者さんが受けられることを目的としています。

治療の標準化が目的ですが、このガイドラインにはどのように予防すればよいのかも書かれています。生活習慣をどのように変えれば高血圧を予防できるのか、ここではそれをご紹介したいと思います。

加齢に伴い増加する高血圧症

平成22年に厚生労働省が実施した「国民健康・栄養調査」の結果によると、30歳以上の男性の60%、女性の45%が高血圧の基準に該当しました。
(平成22年国民健康・栄養調査結果の概要 – 厚生労働省)

同じく厚生労働省が実施した循環器疾患基礎調査の30年間の結果を見ても一貫して加齢に伴い高血圧の有病率が上がっていることが分かります。

高血圧症の90%を占める本態性高血圧は原因が不明と言われています。ただ、高血圧の危険因子は分かっています。「加齢」は高血圧の危険因子の1つです。時間を止めることは出来ませんので、高血圧は避けては通れない病気なのでしょうか。

高血圧の危険因子

「加齢」は高血圧の危険因子ですが、高血圧の危険因子は1つだけではありません。

  • 塩分の取りすぎ
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス
  • 遺伝的要因

これらが高血圧の危険因子と言われています。「加齢」と同様に「遺伝的要因」も避けることは出来ません。でもその他の危険因子は生活習慣を変えることで避けることが出来きます。そして生活習慣を修正することで高血圧を予防出来るということが報告されています。

高血圧は脳卒中と心疾患の最大の危険因子と言われています。さらに高血圧が煙草に次ぐ日本人の死亡原因であるとする報告もあります。

高齢化社会でますます増えていくことが予想される高血圧

日本人全員のうち65歳以上の人が何割いるのか。それを計算したものを高齢化率と言います。

この高齢化率がどんどん上がってきています。内閣府が発行している平成27年版高齢社会白書よりますと高齢化率は以下のように推移しています。

日本における高齢化率の推移
1985年 10.3%
1990年 12.1%
1995年 14.6%
2000年 17.4%
2005年 20.2%
2010年 23.0%
2014年 26.0%
先進国の中で日本が最も早い速度で高齢化率が上昇してきています。なんと恐ろしいことに団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ。2016年現在42歳~45歳の世代)が65歳以上を迎える2060年には高齢化率が39.9%になると試算されています。

高齢者が増えればそれだけ高血圧患者さんの数が増加することも予想されます。高血圧患者さんが増えれば脳卒中、心疾患の患者さんが増えます。高血圧に伴う重大な合併症を患う患者さんが増えればそれだけ膨大な金額の医療費が掛かります。

厚生労働省の「最近の医療費の動向-MEDIAS-」によりますと平成25年度の一人当たり医療費は30.8万円です。そして75歳以上の一人当たり医療費は92.7万円です。
(最近の医療費の動向-MEDIAS- 平成27年2月|厚生労働省 より)

75歳以上の方は平均で約100万円も年間に医療費が掛かっているのです。そして日本には「高額療養費制度」というものがあります。

後期高齢者医療制度に加入している75歳以上の人の場合、どれだけ医療費が掛かったとしても月の自己負担の上限は外来の場合12,000円、外来+入院で44,000円です(所得区分が一般の方の場合です)。

自己負担を超える部分は健康保険で賄われますが、健康保険料をだれが払っているかというと現役世代と呼ばれる働いて税金を納めている人たちです。

高齢者が少なくて若い人が多かった時代はみんなで少しずつ負担をして社会保障を維持するということが可能でしたが、高齢化率が40%と言われる2060年にこの制度が維持出来ているでしょうか。

高血圧で国が亡びる!?

2014年では2.4人の現役世代が1人の高齢者を支えている計算になります。それが2060年には1.3人の現役世代が1人の高齢者を支える計算になります。将来日本の社会保障が破綻してしまうことは決して大袈裟な予測ではありません。

いつまでも健康で、いつまでも現役で輝き続けるためにも今から出来ることをしておくことはとても大切なことだと思います。子どもたちの世代に大きな負担をかけさせないためにも、日本と言う国を次の世代に引き継いでいくためにも健康を意識することはとても重要です。

では何をすればよいのでしょうか。
高血圧の予防こそがもっとも効果的な対策ではないかと思います。

脳卒中と心疾患に掛かる医療費は

高血圧は脳卒中と心疾患の最大の危険因子です。脳卒中を起こした場合医療費はいくらかかるでしょうか。以下のような試算があります。

病名 入院費用の相場
脳内出血        3,073,793円
脳梗塞        2,576,184円
不整脈/心不全/心房細動など        1,375,465円

実際、平成24年度の日本全体での脳血管疾患と虚血性心疾患の医療費はそれぞれ1兆7,772億円と7,421億円でした。

NPO法人 寝たきり半分推進協議会の理事 内場廉先生は次のように言っています。「寝たきりの半分は脳卒中が原因。脳卒中の原因は動脈硬化」と。

寝たきりになると本人だけでなく家族にも大きな負担を強います。高血圧は動脈硬化をもたらします。

高血圧を予防するには生活習慣をどう変えれば良いのか

腎臓病やホルモンの異常など原因が明らかな高血圧を二次性高血圧と言います。これは高血圧全体の約10%だと言われています。大部分は原因が不明な本態性高血圧です。

原因不明と言われていますが、本態性高血圧は生活習慣を修正することで予防出来ることが証明されています。

自分自身や家族の将来の幸せのためにも、そして日本の未来のためにも生活習慣を見直して高血圧を予防したいものです。

では実際にどのように生活習慣を変えれば良いのかご紹介していきたいと思います。

塩分を控えること

WHO(世界保健機関)のガイドラインでは1日当たりの食塩摂取量を5g未満にすることがつよく薦められています。

日本人は塩分摂取量が多いと言われていますが、実際どれくらいの塩分が摂取されているのでしょうか。平成23年国民健康・栄養調査結果の概要によりますと平均食塩摂取量は10gを超えているそうです。

なぜ海外に比べて日本人は塩分の摂取量が多いのでしょうか。日本における塩分摂取量の90%は味噌や醤油などの加工食品からの摂取であると言われています。

加工食品の塩分量をチェックするときには注意が必要です。加工食品の栄養成分表示はNa表示にするように日本では決められています。

Naが食塩では何gになるのかを知るには計算をする必要があります。日本高血圧治療ガイドラインではNaに2.5を掛けて食塩量を計算するように薦められています。

それぞれのご家庭の味を変えることは簡単なことではないと思います。ましてや外食では塩分の調節は難しいのではないでしょうか。ただ味を変えなくても塩分の摂取量を減らすことは出来ます。

沢山食べればそれだけ塩分の摂取量が多くなります。少なく食べれば塩分の摂取量は減ります。

少なく食べることは次にご紹介する体重減少にもつながりますので、まずは食べる量を減らすことは塩分摂取を減らすことにもつながると意識されては如何でしょうか。

痩せること

太っていると高血圧になるリスクが高くなります。太ったなあ、太っているなあとお感じの方はダイエットをして高血圧を予防し健康な身体を維持するようにしましょう。

太っていると高血圧のリスクが上がるだけではありません。太っていることでリスクが上がる疾患には以下のようなものがあります。

  • 糖 代謝異常
  • 脂質 代謝異常
  • 尿酸 代謝異常
  • 脳梗塞
  • 脂肪肝
  • 月経異常
  • 妊娠合併症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 肥満低換気症候群
  • 整形外科的 疾患
  • 肥満関連腎症

などです。痩せることのメリットは計り知れないものということは明白ですよね。

ではどのくらい痩せれば良いのかという話ですが、これはBMIと呼ばれているものが基準となります。BMIはBody Mass Indexの略であり、以下の計算式で算出します。

体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m

体重65kg、身長170cmの方の場合は、65÷1.7÷1.7=22.49となります。

このBMI25未満が目標値として高血圧治療ガイドライン2014には定められています。BMIが25以上のひとは25未満になることを目標にし、25未満の方はそれを維持するのが良いでしょう。

BMI25未満が難しそうな方でも、体重が4kg減少すると統計学的に意味のある血圧値の低下が得られるとのデータがあります。こちらも一つの目標にされてはいかがでしょうか。

食べ物の種類に気をつけること

食事の取り方に注意することで高血圧を予防することが出来ます。以下のような食べ物や栄養素を積極的にとることがすすめられています。

  • 野菜、果物
  • 魚油
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維
  • 不飽和脂肪酸

個々の食品や栄養素に血圧を下げる力が十分でないとしても、それらを組み合わせることで血圧を下げる効果が強くなると言われています。

一方で次のような栄養素は控えることがすすめられています。

  • コレステロール
  • 飽和脂肪酸
  • 炭水化物

塩分制限のところでご紹介いたしましたが、日本人は塩分摂取量が欧米人に比べて多く、世界的目標水準の倍量の塩分を摂取していると言われています。日本人が摂取する塩分の90%が味噌や醤油などの調味料から取られているとも言われています。

食事は人生の楽しみの一つであり、将来起きるかもしれない起きないかもしれない病気を過剰に心配して、味気ない食事に急に切り替えても、それ自身がストレスになる可能性もありますし、長く続かないことも予想されます。

いきなり塩分量を半分にするのは難しいかもしれませんが、ほんの少しでも塩分を控えることを意識はしても良いかと思います。薄味も慣れてくれば平気になると言います。

そして、これも先ほどお話し致しましたが、食べる量自体を減らすことで塩分の摂取量を少なくすることが出来ます。

さらに、ここでご紹介をした食事の工夫です。

お野菜や果物を沢山とることは塩分制限の面からもとても意味があります。野菜や果物にはカリウムが沢山含まれているからです。カリウムはナトリウム(塩分の元)を体の外に出す働きがあります。

塩分を完全に控えることが難しいのであれば取りすぎた塩分を体の外に出してしまえばよいという発想です。

ただ、重い腎臓病を患われている方の場合は危険な場合もあるので注意が必要です。それに果物は糖分も多いので体重の管理をする上では気をつけていただきたい食べ物です。

運動すること

有酸素運動が血圧によい影響があることははっきりとしています。血圧を良い状態に保つだけでなく運動は次のことにもよいとされています。

  • 体重の減少
  • 体脂肪の減少
  • ウエストが細くなる
  • こインスリン感受性の改善
  • 血清脂質の改善

などなど。

早歩きのような運動を毎日30分以上することが理想的で、10分くらいの運動を3回に分けて行っても効果があります。

運動は高血圧の予防に優れていますが、既に高血圧に掛かっている人やお年寄りの方では急な激しい運動がかえって体に害になることがあるので注意が必要です。

お酒を控えること

少しのお酒は心血管病のリスクをさげるというデータがあります。でも大量の飲酒は高血圧の原因となります。お酒を飲み過ぎることは高血圧の原因になるだけではなく次のような重病の原因ともなります。

  • 脳卒中
  • アルコール性心筋症
  • 心房細動
  • 夜間睡眠時無呼吸

酒量の目安は以下のようになります。女性ではこの半分です。

日本酒 1合
ビール 中瓶1本
焼酎 半合弱
ウイスキー・ブランデー ダブル1杯
ワイン 2杯弱

タバコをやめること

意外なことにタバコを吸う習慣のある人が高血圧になるかどうかは実ははっきりとは分かっていません。ただ腎血管性高血圧という一部の高血圧の危険因子であることは明らかになっています。

タバコの長期的な血圧への影響は明らかになっていませんが、次の病気の発症に強く関わっています。

  • 冠動脈疾患
  • 脳卒中

問題は受動喫煙者でもこれらのリスクが上がることです。

二十歳以上であれば喫煙は法律で認められています。癌や脳卒中、心臓病のリスクがあることを理解した上でご本人がタバコをお吸いになるのはある意味自由です。しかしタバコを吸わない周りの人をこれらの危険にさらすことは許されるのでしょうか。

昔は家の中でもオフィスの中でも会議中でも商談中でもタバコを吸っていました。今やタバコが吸える場所はどんどん少なくなって来ています。喫煙率も年々低下しています。

JT全国喫煙者率調査によると成人男性の平均喫煙率は昭和41年がピークで83.7%でした。ほぼ全員が吸っているような状況だったのではないでしょうか。それが最新のデータである平成26年になりますと30.3%にまで減少しています。

昔に比べて今は、禁煙はしやすくなっています。医薬品を使えば苦痛を感じることなくタバコを止めることができます。

以前は禁煙を開始しても周りの人が吸っているのでついもらいタバコをしてしまい禁煙に失敗することも多かったかと思いますが、今や周りで吸っている人は珍しいくらいになっています。お酒の場ですらタバコが吸えるところは限られるようになってきています。

過去の日本の疫学調査の結果から試算したところ、タバコが一番の死亡原因であるととの報告が2011年になされています。

タバコをやめること、これがこの記事の中で一番大切なメッセージです。

生活習慣を正すことは組み合わせることでより効果が上がる

  • 塩分を控えること
  • 痩せること
  • 食べ物の種類に気をつけること
  • 運動すること
  • お酒を控えること
  • タバコをやめること

高血圧予防に対するこれらの効果をご紹介してきました。

そしてこれらは単独で行うよりも組み合わせて行うことでもっと効果が上がることが分かっています。極端にどれか1つだけに取り組むよりも出来そうなところから少しずつ始めてやれることを少しずつ広げていくことが長く続けるコツではないでしょうか。

正しい生活習慣は一生身につけるべきものです。継続は力なり、ですね。

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