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コレステロール改善には高価なオリーブオイルの効能が高い?

もう、コレステロール値改善にオリーブオイルというのは、すっかり定着しましたね。しかし価格は千差万別、ブランドやグレードもよく分からないことが多いかもしれません。オリーブオイルの健康効果にはさまざまなものがありますが、血中コレステロール値の改善に的を絞った場合、実はオリーブオイルの種類や値段には、ほとんど関係がないと言っても良いのです。

オリーブオイルってお高いです

実際、お店に出かけてオリーブオイルを買おうと思っても、値段にとても開きがあるし、そもそもどの種類を選んだらいいのか分からないってことは多いでしょう。家族の中にオリーブオイルの香りが苦手な人がいたりして、結局サラダ油を買っちゃった、なんて人も多いかもしれません。

オリーブオイルは食べ物ですから、まずは美味しいことが一番なのですが、それには好みもありますので、今日は健康、特に血中コレステロール値の改善に注目して、どんなオリーブオイルを選んだら良いのかのお話をしましょう。

オレイン酸

まずは血中コレステロール値の改善や、便秘の解消について働いてくれるという特質ですが、これはオレイン酸という脂肪酸が、大変高い比率で含まれていることによるものです。オレイン酸という言葉はすっかり有名になりましたね。

脂肪酸の種類による健康への影響

オレイン酸は、健康に良いとされる不飽和脂肪酸の中で、最も酸化されにくい一価の不飽和脂肪酸だということはご存じだったでしょうか。難しい言葉では「酸化耐性が高いモノエン脂肪酸」という呼び方をします。

多くの不飽和脂肪酸は、二価以上の多価不飽和脂肪酸(ポリエン脂肪酸)ですが、不飽和度が上がれば上がるほど酸化されやすくなるという弱点を抱えていますし、酸化した脂肪酸・油脂が健康に悪いのは言うまでもありませんね。

油の酸化という点にだけ着目すれば、飽和脂肪酸が一番酸化されにくいのですが、飽和脂肪酸は動物性脂肪に多く含まれ、悪玉コレステロールを増やしてしまう欠点があるので、避けられているものでもあります。

オリーブオイルが効果を持つ脂質の血中指標

血中脂質には、大きく分けて三種類の指標があります。一つはコレステロールではなく単なる脂肪ですが、中性脂肪が多すぎると、動脈硬化や心臓病につながります。ただ、オリーブオイルはこの数値の改善に直接役に立つことはありません。

さらにHDLコレステロール(高比重リポ蛋白・コレステロール複合体)は、末梢から肝臓へ余ったコレステロールを回収する重要な役目を持っているものです。善玉コレステロールとも呼ばれ、これが不足すると心筋梗塞の危険因子になりますが、残念なことにこれもまた、オリーブオイルが直接役に立てるものではありません。

もちろん、中性脂肪や善玉コレステロール値の改善にも、他の働きを介してオレイン酸は有用ですので、オリーブオイルがダメってわけではありません。でも、オリーブオイルが一番活躍するのはLDLコレステロール(低比重リポ蛋白・コレステロール複合体)、いわゆる悪玉コレステロールの低減なのです。

中性脂肪や善玉コレステロール値の異常は「危険因子になりうる」というものですが、悪玉コレステロールが多すぎるという事は、心筋梗塞など心臓の血管の病気の絶対的危険因子なのです。そしてオリーブオイルはこの値の低減に役立つのです。

一方、リノール酸という、植物性油脂に大量に含まれることでおなじみの不飽和脂肪酸も、同じように悪玉コレステロールを減らす力を持っています。しかし、同時にアレルギーや炎症に深くかかわる物質に代謝されることもあって、特に日本人では過剰摂取が問題になっています。

どんなオリーブオイルが良いのでしょう

ですので、油を摂るならオレイン酸の多いものをという事になったんですね。高級食材であるイベリコ豚に限らず、豚肉の脂身も実は意外とオレイン酸を多く含んでいます。でも、動物性脂肪に含まれるのは、半分くらいが悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸ですから、美味しくてもほどほどにしておきましょうね。

さて、そこでオレイン酸が多いのはどういうオリーブオイルかという問題です。オレイン酸は、オリーブオイルの主成分である油脂の部分に含まれています。健康に寄与する他の物質は、油脂ではなく不純物の方に含まれているんですよ。

日本では農水省の規定があって「食用オリーブ油」または「食用精製オリーブ油」とされているものには、オリーブを原料とする油以外の混入や添加物の残留は一切禁止されていますから、油脂の成分はどれもほとんど同じレベルなのです。

ですからオレイン酸の含有量は、超高級品から100円ショップものまで、おおむね同じと考えて差し支えありません。言い換えれば、脂肪酸による血中コレステロール値の改善や、便秘の改善への貢献度について、値段は関係ないと言っていいでしょう。

もちろん、保存状態が悪くて酸化したりしているのはダメですよ。また、後で説明しますが、あまり安物だと味が悪くて、生で食べると胃腸の具合が悪くなる可能性はあります

オリーブオイルに期待される美容・健康効果

オリーブオイルは上でお話ししたように、血中コレステロール値や便秘を改善してくれる効果が一番有名です。さらにそれだけではなく、抗酸化作用によって人の体の酸化ストレスを減らしてくれたり、抗炎症作用によって病気のリスクを下げてくれるということもついでに紹介しておきましょう。

もちろん、これらは健康に寄与する部分ですが、酸化ストレスは老化に深くかかわっていますし、便秘や良くない血中コレステロール値は、お肌に大きなトラブルを引き起こします。そして、皮膚トラブルの解消に抗炎症作用を持つものが良いのは、言うまでもありません。

ですから、オリーブオイルは健康に寄与することによって、美容にも大きな恩恵をもたらしてくれるものと言えるでしょう。そして、残念ながらオレイン酸による恩恵以外の部分は、ある程度グレードに依存する部分もあるのです。

抗酸化物質

オリーブに含まれる抗酸化物質は、主にポリフェノール類といくつかの化学物質ですが、ポリフェノール以外は抗酸化作用よりも抗炎症作用の方が目立つようですので、そちらに回しましょう。ポリフェノールにも種類がありますが、代表格はフラボノイドのルテオリンです。

では、ポリフェノールがたくさん含まれているオリーブオイルはどれでしょうか。これはさまざまな化学処理によって失われやすいものですので、一切の化学処理を行っていない「エクストラバージン・オリーブオイル」に、最もたくさん含まれています。

エクストラバージンにもピンからキリまでありますが、お値段によってポリフェノールの含有量が左右されるものではありません。一つ言えることは、ポリフェノール類には苦みがありますので、苦味系の油にたくさん含まれていると言えるでしょうが、苦みの強い油はたくさん使いにくいので、あまりこだわる必要はありません。

抗炎症物質

オリーブに含まれる抗炎症物質は、同時に抗酸化物質でもありますが、特徴として抗炎症作用を挙げたいものを選びました。オレオカンタールという物質です。食品から得られるものとしては、高い抗炎症作用を持つものとして知られています。

この物質は、同時にオリーブオイルの辛み成分でもあります。しかも沸点が150度前後と低いので、煮炊きレベル以上の加熱をしちゃうと飛んで行ってしまいます。したがって生で食べるのがベストですね。

この条件を満たそうと思うと、エクストラバージンの中でも品質が高く、生で食べるのがおいしいというものを選ぶのが最も好ましいでしょう。上の二つに比べると、ちょっとお高いオイルを選ぶことになるかもしれませんが、それでも超高級品が必要というわけではありません。

条件を満たすには

お得にこれらの条件を満たすには、二種類のオイルをお求めになるのがお勧めです。一つは加熱用、一つは生食用ということです。加熱用には高級油は必要ありません。いずれにせよ、オリーブの風味や抗炎症物質、それに抗酸化物質の一部は加熱によって失われますので、「食用オリーブ油」と表示されたものであれば何でもOKです。

むしろ安物の方がオリーブの香りが薄いので、苦手な人にも苦にならないかもしれません。加熱用のオリーブオイルからは、オレイン酸の作用による血中コレステロール濃度の改善や、便秘の改善効果だけが期待できると言って差し支えないでしょう。

一方、生食用にはエクストラバージンの、強いて言えば緑色が濃い物が良いでしょう。一番のおすすめは、9月から12月くらいにかけて日本でも販売される「オリオ・ノヴェッロ」です。場合によってはワインのように「ヌーヴォー」と表示されることもあります。

ただ、これは賞味期限が半年から9ヶ月と油にしては短いため、一年中楽しむというわけにはいきません。またお値段も結構高めですね。比較的リーズナブルなシチリア産ノヴェッロあたりでも、500mlで3,000円くらいでしょうか。多くの場合5,000円コースです。

また、そんなにお高いのは勘弁してほしいとか、ない季節はどうするんだとかいうことになりますと、イタリアのパスタメーカーあたりが出している、250mlで600円から800円くらいのものがお勧めです。一般のエクストラバージンの賞味期限は、ボトリングから18ヶ月です。

いずれにせよ、オリーブオイルは嗜好品の要素が強い食品ですので、いくつかお試しになって、お好みのものを見つける楽しみを知って頂くのが良いかと思います。どんなものをお選びになるかはご自由ですが、油の劣化がひどいので、ペットボトルや透明瓶入りのものは避けてくださいね。

さて、最後にアドバイスを。せっかく買ったおいしいオリーブオイルも、日にちが立つと油の香りが失われてきます。そうなったら加熱用に回しちゃいましょう。そうすればいつでも美味しくて新鮮な油が楽しめますよ。

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