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精神科3分診療はなぜ起こる?患者が語る精神科診察室の実状とは

精神科3分診療は本当に起こっているのか?

精神疾患が多くの人に認知され始めてからは、精神科治療の問題点も社会的に知られるようになりました。そこで垣間見えた問題に「3分診療」があります。

ニュースなどでたまに問題になっていますが、精神科の受診をしたことがない人にとっては、精神科ではどういうことが行われているのか、あまり実感の湧かない事だと思います。

実際に行った事のある患者からすると、精神科で3分診療が行われていることは事実です。3分診療の対象になるもの、それは初診以外の薬を処方するだけで良い患者さんが主になります。

特に軽度の方や、社会性は保たれているような方、生活の管理はなんとか行えているような方には、医師も大丈夫だと思うのか、初診以外は薬の効きの確認、体調の確認くらいで終わってしまう傾向にあるようです。

そこで患者さんも「特にありません」「大丈夫です」といった回答のみになると、3分どころか1分くらいで終わってしまう事もあります。本当はもっと喋りたい、けど喋っても良いか分からない、喋り下手である、などといった理由で喋れず、伝えなくてはいけないことも伝えられないまま毎回終わってしまう方もいるそうです。

(余談ですが、初診はほとんどの精神科が少し長めに時間をとります。家族構成や家庭環境、生育歴、どういう性格であるか…など、今困っている症状と一緒に様々な話しを聞かれます。)

薬さえもらえればいいやと考えている患者さんにとっては、3分診療は悪い事ではないかもしれません。しかし自分の事を聞いてほしい、もっと色々なアドバイスが欲しい等と感じている患者さんにとっては、不快な気持ちになるはずです。

加えて、精神科は小さな病院でも混んでいるところがほとんど。2時間3時間待って、診察は3分で終わるとなると、通う気が失せてしまうようです。そうなると理想の病院を探し求め、ドクターショッピングに走る患者さんもいます。

また、たったの3分で患者さんの何が分かるのか?経過観察と状況に応じた薬物処方はできるのか?といった疑問も寄せられ、社会問題化しているのが現状です。

患者が求める精神科と現実の精神科

患者目線で考えると、患者が精神科に求める治療は今と昔では大分変わったように見受けます。昔は精神科の敷居がとても高く、気軽に行けるような雰囲気ではありませんでした。大量の薬剤処方、適当な診断などの問題は、社会で精神科が認知されず、実態が不透明な時代に多くあったようです。

しかし今はそうではありません。精神疾患は遺伝的要因だけでなく、心因や環境要因なども関係することが分かってきました。むしろ遺伝的要因よりもストレスや環境が大きな引き金になる事も。

そういったことは一般の社会にも認知され、患者さんは医学的な治療はもとより、””心に寄り添った治療””も求める傾向になったと思います。

それは知識が広まったからだけではなく、現代社会にも患者の望みの変化が感じられます。なぜなら、現代はストレス社会で無縁社会だからです。

核家族が増え、外部とうまくコミュニティーを築けなかったとき、すぐに孤立しやすく、悩みを相談しにくくなるどころか、自分の置かれた状況自体が悩みへと変わります。こういったとき、寂しさ・虚しさ・不安…といった感情は募りやすくなります。

すると不眠症状などの不調が生まれやすくなり、不調が出れば患者さんは精神科や心療内科の門を叩きますが、こういった心理的なことが原因で起きた不調は薬物処方だけではどうにもなりません。

その心理的なストレスを取り除かなくては、次々に症状が出てくるばかりなのです。そしてそういった患者さんは誰かに悩みを聞いてほしい、心の面を救ってほしいと感じることが多いようです。

しかし精神科の医師からは、あくまで医療の面で治療を行い最善の薬を出す、そして時間厳守で患者さんを平等にさばく、というような雰囲気を感じてしまいます。要するに精神科は愚痴聞きの場ではないのですね。

医師は医師として仕事をこなしているのは患者さん自身も分かっていると思います。しかし患者さんは大多数の人間としてではなく、誰にも変えられない個として、心と向き合って診てもらいたいのでしょう。この患者さんと医師との溝が「精神科3分診療」という形で浮き彫りになってしまったのではないでしょうか。

ただ、全ての病院が3分診療で患者の治療を済ましているわけではありません。良くコミュニケーションをとってくれる医師もいますし、現代患者のニーズに答え大病院でなくともカウンセリングやデイケアなどを併設している病院もあります。

3分診療を避けるには、まずは自分も言いたい事を全て話すよう努力すること。それはメモでも良いですしどんな不自然な形でも良いのです。それでもダメなら上記のような病院に変えるのが、今のところ患者にできる全てになります。

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