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知人もC型肝炎と聞いたけど、どうして治療方法が違うの?

C型肝炎ウイルスに感染していることが分かった場合には、すぐに現在の状態を詳しく調べて治療を始めなくてはいけません。ただ同じ「C型肝炎」という病名でも、その治療方法はいろいろとあります。

もし知り合いがC型肝炎の治療を受けたことがあったとしても、その時のやり方と今のあなたの治療方法は違うかもしれません。C型肝炎の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。それは日々進化しています。

感染が分かったなら、すぐに治療計画を立てる

検査でC型肝炎ウイルスに感染していると言われても、たぶん今の時点では何の症状も出てはいないでしょう。肝機能にも異常がない場合もあります。だからと言って、「今は大丈夫だから、何か症状が出てから医者に診てもらおう」などと考えないでください。

症状が出てから診てもらったのでは手遅れなのです。肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、そのためにC型肝炎になっても、自分で気になる症状はなかなか現れません。ですからC型肝炎ウイルスが体の中にいることが分かったら、すぐそれに対して対策を立てていかなくてはいけないのです。

人によってC型肝炎の進行度合いはまちまちです。それだけでなく、C型肝炎ウイルスの種類や量も人によって違います。それらを全て調べた上で、医師はこれからの治療方針について、総合的に判断してくれます。

C型肝炎治療の一番の本質は、C型肝炎ウイルスを体の中から排除することです。そのためにはインターフェロンを使った治療が必須です。ただ、そのインターフェロン治療にもいくつか方法があります。

ウイルスによって治療方法は異なる

インターフェロン治療の進め方は、C型肝炎ウイルスの遺伝子型や量によって違ってきます。ウイルスの量によって治療の進め方が違うことは、何となく納得がいくと思います。ウイルスが多くいるほうが治療効果の高い薬を使い、治療期間も長くなります。

では、ウイルスの遺伝子型とは何なのでしょうか。実は同じC型肝炎ウイルスと言っても、その遺伝子はいくつかのタイプに分類できます。その中で特に日本人に多いのは1b型で、7割はこのタイプになります。残りの人は2a型、2b型です。

この遺伝子型の違いによって、インターフェロンの治療効果も違ってきます。日本人に多い1b型は、インターフェロンの効きが悪いのです。それに比べて欧米人に多い2a型、2b型は、インターフェロンの効きが良く、80~90%はウイルスを完全に排除して完治できるとされます。

一番治療が難しいのは、1b型でウイルスが多いという場合です。治療期間が長く、副作用も出やすくなります。ただ、昔は5%ほどの方しか完治できないとされましたが、新しい薬が開発されるにつれて治療効果はとても上がってきています。少し前では50~60%、最近では80%前後にまで上がっています。

■1b型でウイルスが多い場合
インターフェロン注射(ペグインターフェロンという、インターフェロンよりも効く時間の延びたタイプのものが使われます)とリバビリンとソブリガードという飲み薬

■2a型、2b型でウイルスが多い場合
インターフェロン注射とリバビリンという飲み薬

■1b型、2a型、2b型でウイルスが少ない場合
インターフェロン注射のみ(ただし1b型のほうが長く続けます)

基本的にはこのように治療を進めることが多くなります。ただし患者さんの年齢や他に病気があるかなど、ひとりひとりの状況によっても違ってきます。

インターフェロンとは、もともとはウイルスが侵入してきた時に、それと闘うために人の体の中で作られるものです。C型肝炎のウイルスに感染した時には、体が作ったインターフェロンだけでは足りなくなるため、外から注射で補っています。

リバビリンは、ウイルスが増えるのを抑えます。リバビリンだけで使っても効果はなく、インターフェロンと一緒に使うことでその効果を発揮します。なぜ一緒だと効果が出るのかなど、詳しいことについてはまだよく分かっていないこともある薬です。

ソブリガードは、ウイルスに直接働いて、ウイルスが増えるのを抑えます。同じような作用の薬は最近いくつか登場しており、それが使われることもあります。これらの薬の登場により、インターフェロンの治療効果はどんどん上がってきています。

初回治療か、再治療か

インターフェロン治療が初めてか、それとも以前の治療では効果がなかったための再治療なのかによっても違ってきます。再治療では、基本的にはインターフェロンとリバビリンを組み合わせることが多くなります。

ただしその場合にも、ひとりひとりの状況によって、多少治療方法は違います。前回の治療でなぜ効果が出なかったのかなどを検討して、状況によってはインターフェロンだけを単独で使っていくこともあります。またウイルスについてもっと詳しく調べることもあります。

1b型はインターフェロンが効きにくいのですが、遺伝子の並び方によっては、インターフェロンが効きやすいものがあることが分かっています。インターフェロンが効きやすいことが分かれば、インターフェロンを使って再治療をしていったほうがよいですし、効きにくいようなら別の方法をとることもあります。

肝機能を安定させて、進行を防ぐ(肝庇護療法)

インターフェロンを使っても効果が期待できない、高齢のためインターフェロン治療は向かない、その他いろいろな事情があってインターフェロン治療ができないと判断される人もいます。その場合には、今の肝臓の状態を安定させて、これ以上進行しないようにすることが目的の治療になります。

体の中にウイルスがいても悪さをせず、肝炎が安定していれば問題ないのです。慢性肝炎の進行を遅らせることで、肝硬変や肝ガンも防げます。そのためには、強力ミノファーゲンCという注射や、ウルソという飲み薬などが使われます。強力ミノファーゲンCは、肝細胞の膜を強くしたり、炎症を鎮めて肝炎の進行を抑えます。

ウルソは胆汁成分のひとつで、胆汁の分泌を促したり、肝臓の血流を増加させることで肝細胞を守ります。肝機能を安定させるための薬は、他にもいろいろあります。また血液を抜いて、体内の鉄分を減らすことで肝機能を安定させる瀉血療法という治療法もあります。

インターフェロンなしでウイルスを排除させる新薬登場!

C型肝炎を完治させるためには、体内からウイルスを排除することが必要で、そのために今まではインターフェロンが不可欠でした。しかし最近、インターフェロンを使わなくてもウイルスを排除できる飲み薬が発売されました。

今までのインターフェロンを使った治療は副作用が多かったり、年齢などの関係で使えないという人もいました。新しく発売された薬は、インターフェロンが使えない人にも使え、副作用も少なくすむという画期的なものなのです。

この薬の登場により、インターフェロンを使わずにC型肝炎を完治させられる時代がくるかもしれません。ただし今のところこの薬が使えるのは、インターフェロンを使った治療ができない人のみになっています。この薬によってC型肝炎を完治できる可能性は高くなります。

ただしこの薬が効かないウイルスがいることも分かってきているため、それに対する注意も必要になるでしょう。C型肝炎の治療方法は日々進化しています。10年前と現在とではかなり違ってきているのです。そして今後さらに、治療効果がよく副作用は少ないという治療法が出てくるかもしれません。

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