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自覚症状は何もないのに!それでもC型肝炎の治療は必要なの?

何も気になる症状はないのに、検査をしてみたらC型肝炎だと言われてしまったという方は、突然のことにびっくりされているでしょう。そして中には、今のところ特に体調が悪いと思うこともないのだから、まだ治療を始める必要なんてないのではないかと思っていませんか。

C型肝炎はほとんど症状を感じることなく進んでいく病気です。そして何かおかしいと気付いた時には、かなり悪化してしまっていることも多いのです。そうなってからでは手遅れです。そうなる前に治療を始めて、進行を抑えていくことが大切なのです。

肝臓はダメージを感じにくい

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。ダメージを受けても痛みを感じることはなく、予備の肝細胞もたくさんあるおかげで、すぐ代わりの肝細胞が仕事を続けていけます。自己再生能力も高く、一度壊れてしまった部分も自分で治して、また元通りの仕事ができるようになります。

なんと肝臓を半分切り取ってしまっても、4ヶ月後には元の大きさに戻るというのです。そして以前と同じように機能していくことができます。そんな肝臓の優れた特徴は、C型肝炎にとっては逆に欠点となってしまいます。肝細胞が炎症を起こしていても何の痛みも出ないために、そのことに気付けないのです。

慢性肝炎の自覚症状は疲れやすい、だるい、食欲がないなどです。でもこのような症状を訴えるのはほんの1割くらいの患者さんだけです。それにこんな症状があっても毎日仕事で忙しいせいかと思うくらいで、病院を受診することはないかもしれません。

そうしてほとんどの患者さんは、自分の肝臓がダメージを受けて悲鳴をあげ始めていることにも気付かないまま、日常生活を送っていきます。そして体調が悪いという自覚が出てきた時には、もう手遅れになっていたりするのです。

気付かぬうちに急性肝炎、そして慢性肝炎へ

C型肝炎はC型肝炎ウイルスに感染することで発症します。感染してもすぐには発症せず、1~4ヶ月の潜伏期間を経て急性肝炎を起こします。急性肝炎の症状はだるい、食欲がない、腹痛や下痢がある、熱が出たり頭痛がしたりするといったことです。

しかし症状は軽く、気付かないままということも多くあります。人によっては黄疸が出ることもありますが、1ヶ月くらいで治まっていきます。このように、急性肝炎になってもその自覚もないままに症状は治まっていきます。そしてこのまま体内からウイルスがいなくなることもあります。

つまり発症した自覚もないままで、肝炎が完治してしまう人もいるのです。しかし7~8割の患者さんの体内には、ウイルスが居座り続けます。ただ体内にウイルスが居座っていても、症状は何もありません。肝機能の検査結果も正常なままで、何一つ自分で気がつく変化はないのです。

この時、ウイルスは肝臓をすみかとしています。見つからないよう肝細胞に隠れて、ひそかに増殖を続けていくのです。このまま数年間は、はっきりした自覚症状もないまま過ぎていきます。そしてある時、ウイルスの侵入に気付いた私たちの免疫システムが、ウイルスを追い出し体を守ろうと動き始めます。

実はこれが肝炎の原因です。免疫システムがウイルスを排除しようと闘っている最中に、肝細胞を壊していってしまうのです。この闘いはじわじわと長期的に続いていきます。これが慢性肝炎です。ただ壊れた肝細胞はまた再生されていくため、肝臓で起きていることに自分では全く気付けません。

進行すると肝硬変、そして肝ガンに

慢性肝炎は、ウイルスの状態によって良くなったり悪くなったりを繰り返していきます。そして肝臓は少しずつ硬くなっていってしまいます。これが肝硬変で、ここまで症状が進行していても、それでもまだ自覚症状がないということもあります。

C型肝炎ウイルスに感染してから20~30年かけて、徐々に肝硬変になっていきます。そして肝硬変になった人の7割が、10年以内に肝ガンを発症してしまうとされます。

こうならないようにするためには、早期にC型肝炎を発見し、ウイルスを体から排除するための治療を始めることです。ウイルスが排除できれば、C型肝炎は完治できるのです。(完治後も念のために肝ガンの検査は必要です。)

C型肝炎の進行度合いは自覚症状を信じない

C型肝炎の進行度合いを知るのに、自分の自覚症状を信じてはいけません。かなり悪化するまで自覚症状は出ないと思ってください。そして自覚症状が出てからではもう手遅れになっていることも多いのです。

自分のC型肝炎がどのくらい進行してしまっているのかは、血液検査やエコーなどで知ることができます。血小板の数を調べることで、肝臓がどれくらい硬くなってしまっているかを知ることができます。硬くなるほど血小板の数は減っていってしまいます。

またAST(GOT)やALT(GPT)を調べれば、肝細胞がどのくらい炎症を起こしているかが分かります。ASTやALTはアミノ酸の合成を促す酵素で、普段は肝細胞の中にあります。しかし肝細胞が炎症を起こして壊れてしまうと、血液の中に流れ出してしまいます。つまり肝細胞の炎症がひどいほど数値が高くなるのです。

これによってC型肝炎の進行スピードが分かります。血液検査の結果により、他にもいろいろなことが分かります。そして血液検査以外にも、肝臓に超音波を当ててはね返ってきた画像で診断するエコー検査や、肝臓の組織をわずかに採取して直接検査する肝生検などもあります。

医師はこれらのいろいろな検査の結果から、C型肝炎の今の状態やこれからの進行状況を推測します。そして患者さんの合併症(高血圧症や糖尿病があるなど)や年齢などもふまえた上で、その後の治療方針を立ててくれます。

もちろん疑問や不安に思うことがあれば、しっかり医師に相談をし、十分に納得した上で治療を進めていくことが大切です。ただ、自覚症状が出てから治療を始めればよいとそのまま放置してしまったのでは、場合によっては命に関わる状態になってしまうことを忘れないでください。

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