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C型肝炎の感染原因と知識

C型肝炎はウイルス感染に起因する肝炎で、生命の危険が脅かされることが多い肝疾患です。

C型肝炎を発症する直接的な原因、つまりウイルスの感染経路はいろいろ考えられます。

間接的な原因も多様です。そうしたC型肝炎の原因、病態、治療方法、検査方法などについてお話します。

C型肝炎はウイルスの感染が原因で発症する

C型肝炎はC型肝炎ウイルスと呼ばれるウイルスが感染することで発症する病気です。C型肝炎ウイルスはHCVと呼ばれることが多く、ここでもそのように呼ぶことにします。

C型肝炎はHCVが血液を介して感染することで発症します。HCVの主な感染経路は、

  • 輸血(ただし、1992年(平成4年)以前)
  • 輸血が必要な手術
  • 血液凝固因子製剤の投与(1998年以前)
  • 長期にわたる人工透析(特に1992年2月以前からの透析患者)
  • 臓器移植
  • 薬物乱用、タトゥー、ボディピアス
  • 生理中もしくは出血を伴う性交渉

 
など、どれも血液感染の可能性が生じる行為です。上記以外にも、母親がHCVキャリアである場合母子感染のリスクがあります。

C型肝炎の感染原因については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
肝硬変や肝がんになりやすい『C型肝炎』は血液が感染原因!?
一度は調べてみて!輸血経験がなくても、C型肝炎の可能性はあり

HCVウイルスの特徴は?

HCVは非常に感染力が強いウイルスです。というのも、HCVに感染すると10年、20年といった長い時間をかけて確実に肝臓を蝕み、最終的に「肝細胞がん」という最も恐ろしい肝疾患を発症するリスクが極めて高いからです。

そして、それだけの長い期間、体外に排除されず、体内で駆除もされず常駐する「持続型ウイルス」であるのも特徴です。仮に肝硬変や肝細胞がんといった重篤な肝疾患を発症しなくても、現段階でHCVは完全に駆除(つまり完治)することが難しいウイルスです。

そのため、健常者と同等の生活を送りながらも、HCVを保菌しているC型肝炎患者も多く、その患者は症状の有無にかかわらず「HCVキャリア(感染者)」と呼ばれます。

キャリアである以上、血液を介した他者への感染のリスクがあるため、生活する上で十分な注意が必要になります。

C型肝炎は症状が現れにくいため肝機能検査や血液検査が重要

肝臓は「沈黙の臓器」などと呼ばれ、肝臓に何らかの異変が起こったとしてもすぐには気づかないことが多いです。そのため、対処が遅れがちになるのが肝疾患の特徴のひとつです。このことはC型肝炎にもそのまま当てはまります。

それだけに、上記のHCV感染経路となりうる行為を経験したことがある人で肝機能検査を受けていない人は、一度肝機能検査や血液検査を受けることが望ましいでしょう。

C型肝炎の血液による感染については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
C型肝炎は肝ガンになることも!まずは気軽にC型肝炎検査をして

C型肝炎はどのくらいの人がかかっているの?

日本人でHCVに感染している人は、2000年の段階ではおよそ200万人と推定されます。その年齢別の内訳は、以下のグラフのとおりです。

日本におけるHCV感染者数の推定グラフ

HCVに感染するとどうなるの?

C型肝炎はHCV感染が前提になりますが、感染者の約30%が免疫機能によりウイルスが除去されます。しかし感染者の7割がC型肝炎を発症します。

C型肝炎の症状は、HCV感染発覚後の急性肝炎の形で発症することが多いです。

感染が確認されてから1~6か月程度で急性肝炎を発症します。急性肝炎が発症した患者のうち、20~30%の患者は治療によって治癒しますが、70%~80%の患者はその後もキャリアのまま生活を送ることになります。

また急性肝炎を発症した患者の中には、まれに劇症肝炎を発症することもあります。HCVキャリアのうちの半数は「無症候性キャリア」と呼ばれる分類に属します。無症候性キャリアとは、キャリアではあるものの、特定の症状が現れない患者です。

無症候性キャリアの多くはその後慢性肝炎患者と定義されることになりますが、症状としては軽微である場合がほとんどです。一方で、残りの半数の患者も当然慢性肝炎患者ではあるものの、無症候キャリアの患者とは違って、かなり重度な症状が現れます。

このタイプの症状は「活動性の慢性肝炎」と呼ばれます。活動性慢性肝炎の場合、そのうち15%~30%の患者が肝硬変を発症します。肝硬変を発症した患者のうち、年間で5~7%の割合で肝細胞がんを発症します。

活動性慢性肝炎の場合、肝硬変を発症しなかったからといって油断はできません。活動性慢性肝炎の患者のうち、肝硬変を発症しなかった患者のほとんどが肝細胞がんを発症します。

また、無症候性キャリアの患者の中にも、時間の経過とともに活動性慢性肝炎へと移行するケースがまれにあり、最悪のケースは肝細胞がんを発症することもあります。上記の内容を模式的に表すと、次のようになります。

C型肝炎の自然経過の簡略図

C型肝炎の治療にはどんな方法がある?

C型肝炎の治療には、大きく分けて4つの方法があります。

  • インターフェロン療法
  • 新規抗ウイルス薬の投与による治療
  • 肝疵護(かんひご)療法
  • 瀉血(しゃけつ)療法

 
現段階で最も有効かつ、別の治療法と並行して実施することができるという意味で汎用性が高い治療方法が、インターフェロン療法です。

インターフェロン療法はどんな治療方法?

現段階では、C型肝炎治療において最も有効であるとされるのがインターフェロン療法です。この治療法の有効性は、広範囲の年齢、症状に対応できる点にあります。

従来のC型肝炎治療は対症療法が多かったのに対し、インターフェロン療法は原因治療(病気の根本的な原因を除去するための治療)であることからも、多くのC型肝炎患者に推奨される治療方法です。

C型肝炎の発症原因はHCVの感染ですから、インターフェロン療法ではHCVをできる限り排除するという明確な目標が立てられ、その目標に向かって治療が行われます。HCVが排除されると、肝硬変や肝細胞がんへの移行のリスクが大幅に軽減されます。

インターフェロン療法は、多くの場合注射による治療です。注射剤には複数の種類が現段階で採用されています。もちろん内服薬の抗ウイルス薬の服用と併用で実施されることも多い治療法です。

進化を続けるインターフェロン療法と併用薬

インターフェロン療法は時代とともに進化を続けています。1992年以降行われてきた注射療法に加え、飲み薬の併用が可能になりました。さらには2003年に、「ペグインターフェロン」という薬が開発されたことにより、インターフェロン療法は大きな広がりを見せます。

ペグインターフェロンも従来通りの注射薬ですが、週1回だけの注射で治療が可能なため、精神的、肉体的、そして経済的な負担がそれぞれ小さくなりました。

そして、ペグインターフェロンの開発によって、難治例が報告されるC型肝炎の治療にも大きな可能性が見出されたのです。

インターフェロン療法の難治例について

再三お話してきましたように、C型肝炎は、HCVの感染によって起こる病気です。ただ、HCVに感染した患者が一様に「キャリア」と呼ばれて一意的な治療が行われるわけではありません。

実は、感染したHCVの血中濃度や、HCVの遺伝子によってC型肝炎のタイプが異なるという特徴があります。HCVの血中濃度が高ければ高いほど難治性C型肝炎であると考えられます。

日本人の場合、およそ70%が「1型」のC型肝炎であり、そのほとんどが「1b型」と呼ばれる遺伝子を持つウイルスに感染しています。インターフェロン療法では最も難治度が高いとされるのが、1型の遺伝子を持つウイルスに感染したC型肝炎なのです。

しかしペグインターフェロンの登場により、2009年以降は内服薬のリバビリンの服用との併用治療が可能になり、完治率が飛躍的に向上しています。

現在ではおよそ8割の1b型C型肝炎が完治するようになった!

ペグインターフェロンの開発に加え、2013年にテラプレビル、シメプレビル、2014年にはバニプレビルが開発され、1b型C型肝炎の完治率は年々上昇しています。

これらの薬剤は、「直接作用型抗ウイルス薬(DAA)」と呼ばれる薬で、C型肝炎ウイルスを直接破壊することができます。

こうした研究開発の努力が今ようやく報われるようになり、現在では1b型ウイルスおよび高いウイルス濃度で感染した患者の完治率は、73~89%にまで上昇したのです。

また新薬の開発は常に進化しており、インターフェロンのように副作用のない「ハーボニー」という治療薬も開発されています。

C型肝炎を治療できる新薬、ハーボニーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
C型肝炎を克服!100%治療できる新薬ハーボニーとは

C型肝炎の治療の必要性についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
自覚症状は何もないのに!それでもC型肝炎の治療は必要なの?

C型肝炎の治療方法、種類については、以下の記事で詳しく紹介しています。
知人もC型肝炎と聞いたけど、どうして治療方法が違うの?

C型肝炎の検査を受けてみよう!

一度感染してしまったらなかなかその病魔から抜け出すことができないのがC型肝炎ウイルスHCVです。

かつては不治の病に近いイメージもあったC型肝炎も、上記でお話したとおり、近年はその治療薬の飛躍的な進化で治療可能な病気というイメージに変化しつつあります。

万一HCVに感染したとしても、あきらめずに治療することで未来がひらけるようになりました。しかし感染したかどうかをチェックする必要がありますので、「もしかしたらC型肝炎かな・・・」などといった不安がある人は、まずはC型肝炎の検査を受けてみていただきたいと思います。

C型肝炎の検査は、「HCV抗体検査」と呼ばれます。HCV抗体が陽性の場合、現在からさかのぼった過去にHCVに感染したことがあることを意味します。

ただ、現在持続的に感染しているキャリアである場合だけでなく、治療によって完治した人もまたHCV抗体は陽性を示します。この点には注意が必要です。

現状を知るためには「HCV核酸増幅検査」が有効

HCV抗体検査は、過去にHCV感染の経験がない人で、現在のHCV感染状況を知る上で有効です。これに対し、過去に感染経験があり、治療によってHCVウイルスが駆除されたかどうかを知るためには、「HCV核酸増幅検査」が有効です。

HCV核酸増幅検査は、HCV遺伝子の血中における有無を調べる検査です。もし「陽性(有)」の場合は、過去の感染経験とは無関係に、現在キャリアであることを示します。

この場合は当然治療が必要になるわけですが、その際にHCVの型も一緒に調べて治療方法や治療効果などを探る大きな手がかりになります。

どんな病気もそうですが、C型肝炎についても早期発見は今後の治療の大きなヒントになりますので、不安があるという人は、どうか臆せずにこれらの検査を受けていただきたいと思います。

C型肝炎の患者が受けられる補助はどんなものなの?

C型肝炎の患者は、医療費の負担を軽減する目的でいくつかの補助を受けることができます。補助の内容は、大きく分けると医療費助成制度、高額療養費制度、後期高齢者医療制度の3タイプの制度に定められます。それぞれについて説明していきましょう。

C型肝炎の医療費助成制度って、どんな制度なの?

B型・C型肝炎患者のインターフェロン治療、C型肝炎患者のインターフェロンフリー治療については医療費が助成されます。(平成28年6月1日現在)

自己負担額については以下のようになります。

区 分 自己負担限度額(月額)
世帯の市町村民税(所得割)課税 年額が235,000円以上の場合 20,000円
世帯の市町村民税(所得割)課税 年額が235,000円未満の場合 10,000円

(国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎情報センターより)

C型肝炎の高額療養費制度、後期高齢者医療制度

家計に対する医療費負担の軽減を行う制度が高額療養費制度です。また75歳以上の後期高齢者に対する医療費制度(原則1割負担)は、C型肝炎の治療にも適用されます。

厚生労働省から資料が公開されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
高額療養費制度を利用される皆さまへ – 厚生労働省

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