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お酒の前にウコンは諸刃の剣?肝臓に負担を掛けてしまうことも!

お酒にウコン、もうお約束の組み合わせになった感がありますよね。宴会シーズンにはきっと、ウコン製品が売れまくっていることでしょう。しかしちょっと待って下さい。

ウコンは肝機能を高めて、お酒に対する身体の力を強めてはくれますが、場合によっては身体を痛めつけることにもなりかねません。例えば肝炎を発症している方など、肝臓にトラブルを抱えている方がウコンを飲むと、かえってトラブルを悪化させてしまう事もあるんですよ。

お酒とウコン

悪酔いしないためにお酒の前のウコン。二日酔い防止にお酒の後のウコン。飲んでみて効果を感じたことのある人も少なくないでしょう。ありがたい健康食品ですよね。一方、ウコンを飲んだのに効果がなかったとか、どうもウコンを飲んでから調子が悪いと言う人も結構おられるようです。

一番の原因は気の緩み

ウコンを飲んでお酒の席に臨んだら、思ったより酷く酔ってしまった、なんて方もおいででしょう。その一番の原因は気の緩みです。「ウコンを飲んだのだから、少々お酒を過ごしても大丈夫」と思って、酒量を過ごしてしまったのが不調の原因ですね。

ウコンは魔法の薬ではありません。ウコンを飲んでいようがいまいが、お酒を飲み過ぎれば調子が悪くなります。お酒を飲み過ぎれば当然、身体全体に負担がかかって、後でひどい目を見るということですね。

そもそもお酒の成分であるアルコールは、致死量が推定されている毒物であるということを忘れないで下さい。個人差はありますが、例えばウィスキーのボトル一本を30分以内に飲むと、推定致死量に達する可能性があるんですよ。

ウコンの薬効と副作用

お酒に関するウコンの有効成分は、クルクミンというポリフェノールです。ポリフェノールですから抗酸化作用がありますね。色々な研究が行われた結果、肝機能の補助を行ってくれる可能性があり、お酒の影響を減らしてくれることが示唆されていて、そのことが古くからの経験と合わさって、お酒に関する健康食品になったというわけです。

では副作用とは何でしょうか。ウコン自体の肝臓への好ましくない影響のうち、クルクミンが持っている悪い要素は「傷ついた肝臓をさらに悪くする」というものです。

動物実験ではクルクミンを、正常なマウスと、発症はしていないけれどB型肝炎ウィルスのキャリアであるマウスに投与しても、どちらも肝機能への影響はなかったと報告されています。一方、急性肝炎を発症したマウスにクルクミンを投与したところ、急性肝炎による肝障害がより強くなったそうです。

調子が悪い時は避けましょう

つまり、健康診断や持病の治療で血液検査を受けた時に、ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GPTの数値のいずれか、あるいは全部が悪く肝臓の病気を指摘された時には、ウコンを飲まない方が良いのです。特にγ-GTPはお酒の影響の出やすい指標なので、飲まれる方は要注意ですね。

また、LDHという指標もあります。これは肝臓の他、さまざまな病気で数値が上がりますが、先の三つを補助する意味合いで検査することが多いようです。お酒が原因で肝臓を悪くしたタイプの人ほど、ウコンのような健康食品に頼りたくなるものですが、これは完全に逆効果、ウコンもお酒も飲むのをやめましょう。

さらに、クルクミンはHGFという肝細胞再生を促進する因子を阻害することも分かっています。つまり、肝臓の持つ強力な再生能力を邪魔してしまうという事ですね。ますますもって、肝臓の病気を指摘された時には危険だという事になります。

なお、先に挙げた血液検査の三つの指標のうち、他の二つが正常でAST(GOT)だけが悪い時は、ウコンや肝臓の心配より、心筋梗塞とか膠原病などもっと重病の恐れがありますので、しっかりお医者様にかかって下さいね。

鉄分の功罪

ウコンと言えば鉄分豊富な植物です。鉄分が豊富という事は、貧血気味の人に良いかもしれませんね。一方で、やはり肝炎を患っている人は鉄分が過剰気味になるので、鉄分を制限する療法が行われます。

そんな人が鉄分豊富なウコンを食べちゃうと具合が悪いですよね。実際のところ死亡例を含め、鉄分に起因するウコンの副作用がけっこう報告されているそうです。

製品化されたものは安全?

世の中にはウコンを主成分に据えた、さまざまな健康食品がありますが、メジャーなものなどはこうした副作用情報をいち早く取り入れて、鉄分を減らしたものを市場に出しています。やはり死亡例があるとか言われると怖いですからね。

ですので、鉄分の沈着による肝障害の発生・増悪などについては、あまり心配はなさそうです。しかし、ウコンに期待する主な効果はクルクミンに由来しますし、肝臓に病気を持っている人に害を与えるのもクルクミンですから、肝臓にトラブルがある時にはウコンを避けるべきですね。

中国製は要注意

中国製というと、何か変なものが混じっているんじゃないか、という先入観で見てしまいがちですが、そういう問題ではありません。ちょっとはそうした不安もありますが。

もともとは漢方薬

ウコンは漢方薬として用いられてきた経緯があり、そこから民間薬としての現在があると言えるでしょう。インドから中国を通って日本に来たものですから、むしろ中国の方が本場なのです。カレー粉の黄色い色も、書画骨董や着物を保存する袋の黄色い色も、このウコンによるものなのですよ。

ウコンには種類があります

ウコンドリンクなどの宣伝でお聞きになったこともあるでしょうが、ウコンには種類があります。普段私たちがウコンと言っているのは、いくつかの種をひっくるめたクルクマ属(ウコン属)のことなんですね。

そのクルクマのグループには、アロマチカ(春ウコン)、ロンガ(秋ウコン)、ゼドアリア(紫ウコン)やロンガの変種でクルクミンの多いクニッツ(薬ウコン)などが含まれます。カレーや健康食品に使われる本来のウコンはロンガ(秋ウコン)なのですが、名前に混乱があるんですよ。

日本の漢方では春ウコンを姜黄(きょうおう)、秋ウコンを鬱金(うこん)と呼んでいます。一方、中国では春ウコンを鬱金(ウージン)、秋ウコンを姜黄(ジャンホァン)と呼んでいます。漢字表記が見事に逆になっているんですね。

ですから中国の製品や原料で鬱金とされたものをウコンだと思って求めると、場合によっては違う生薬を食べてしまうことになりかねないのです。同属異種ですから、ある程度効能に近いものはあるんですけど、お薬を間違うのってやっぱり怖いですよね。

本末転倒にならないように

このように、ウコンは肝臓を守ってくれる要素と、傷ついた肝臓に追い打ちをかける要素を併せ持っています。そして実はまだ、研究途中で分かっていないことも少なくないのです。また、肝臓病じゃないなら安心とは思わないで下さい。

肝臓は異常に対して自覚症状の出にくい臓器であることは有名だと思います。健康診断などで数値の異常を指摘されても、自覚症状がないからウコンでも飲んでおけば大丈夫なんて考えると、取り返しがつかなくなるかもしれません。

肝臓に関する血液検査の指標

ここで参考までに、血液検査で肝臓の状態を示してくれる指標について簡単に説明しておきましょう。この数値に異常があったら、ウコンは避けた方が良いですよ。

【AST(GOT)】:肝臓組織・心筋などが破壊されて出てくる物質です。この数値だけが高く、他の指標が正常な場合、心臓病が疑われます。
【ALT(GPT)】:肝臓の細胞が破壊されて出てくる物質です。この数値とASTの両方が高い場合、肝炎から肝癌まで幅広い肝臓の病気が疑われます。
【γ-GPT】:アルコールが原因で肝臓に炎症が現れたり、胆石などの影響でも数値が高くなります。この数値だけが高い場合は、禁酒して再検査になるでしょう。
【LDH】:肝臓を含む様々な病気で反応する数値です。肝臓のトラブルが疑われたら、LDH1~LDH5の細目に分けて再検査されるでしょう。

ウコンで宴会対策も良いですが、上のような指標で異常を指摘されたら真摯に受け止めて、ノンアルコールドリンクに切り替えるぐらいの勇気を持って、宴会に臨んでくださいね。

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