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アルコール性肝炎はイヤだ!肝臓をいたわる上手なお酒の飲み方

みなさんはお酒がお好きでしょうか。男性であれば、すぐに「はい」という返事が聞こえてきそうですね。日本人男性の多くは、仕事の帰りにお酒を飲んだり、家で晩酌をしたりするのが好きなようです。

いやいや、外国人と比べてまだまだ飲まない方だと言う人もいるかもしれませんが、外国人はアルコールを分解する酵素の強さが違います。日本人には日本人のお酒の飲み方があります。

寡黙にアルコールを代謝してくれる肝臓

「肝心要」という言葉があるように、肝臓はとても重要な臓器です。肝臓は代謝の中心であり、糖質、たんぱく質、脂質を代謝し、血液に乗せて全身に送り出す働きや、アルコールを含めた毒物の解毒、ホルモンの合成等、多くの役割を果たしています。

肝臓は普段、何割かの力しか使っていません。多少無理がかかっても、まだ大丈夫だと頑張り続けてしまいます。そのため肝臓がSOSを出すころにはもう治療が困難になっていることが多く、肝臓は沈黙の臓器と言われています。

肝臓におけるアルコールの分解方法には二つの道があり、一つはアルコール脱水素酵素(ADH)によるもの、そしてもう一つはMEOS(ミクロソームエタノール酸化系)と呼ばれる代謝工程です。

ADHは生まれながらにして限界が決まっていますが、MEOSはある程度鍛えることが可能で「飲み慣れる」というのは、MEOSの機能が亢進することが関与していると言われています。

どれだけ飲むとアルコール性肝炎になるの?

アルコール性肝炎は、アルコールの摂りすぎによって肝障害を引き起こすもので、アルコール性脂肪肝から悪化したものをいいます。肝細胞が壊死し、線維化を起こすと肝硬変にもなる、命に関わる病気です。

一般的には、一日3合以上の飲酒を5年以上、もしくは一日5合以上の飲酒を繰り返すことで肝臓に炎症などの障害が出てくると言われています。血液検査では、肝機能を表す指標であるAST、ALT、γ-GTPが上昇し、身体には黄疸などの症状が現れます。

アルコールと上手に付き合う方法

前述した内容を読んで、自分は一日に3合分も飲んでいないからいいやと思っていませんか?日本酒1合とビール500mlは同じ量のアルコールを含んでいます。ジョッキで3~4杯飲むと、すぐにこれだけの量になってしまう計算です。

それに、アルコールの代謝能力は人それぞれですので、自分は弱いかもしれないと思っていたほうが良いですね。ここからは、アルコールとの上手な付き合い方を、逸話を検証しつつ紹介していきます。

どれくらい飲めばちょうどいい?お酒の量と頻度

適量のお酒が身体に良いとよく言われますが、適量とはどのくらいを指すのでしょうか。社団法人アルコール健康医学協会によると、一日の適正な飲酒量は次の通りだとされています。

  • ビール:500ml(中ビン1本またはロング缶1本)
  • 日本酒:180ml(1合)
  • 焼酎:110ml(0.6合)
  • ウイスキー:60ml(ダブル1杯)
  • ワイン:180ml(グラス1杯半)

一日にこれくらいの量のお酒を飲んでいると、全く飲まない人や、これ以上飲む人に比べて、死亡率が低いという研究結果があります。つまり、上に示した量を適正として、この程度なら身体に良いと言っているわけです。また、一週間に2日はお酒を一滴も飲まない休肝日を設け、肝臓を休ませてあげるとより良いとも言われています。

すきっ腹にお酒はNG?牛乳は効果有り?

おなかが空いた状態でお酒を飲むと、すぐに酔ってしまうような気がしませんか?それは化学的に根拠があることなのです。胃が空っぽの状態でお酒を飲むと、液体であるアルコールはすぐに胃に到達し、あっという間に小腸へ流れ込みます。

するとアルコールがすぐに吸収され、血液中のアルコール濃度が急上昇してしまいます。このような飲み方を続けると、胃や肝臓に大きな負担となります。お酒を飲む前には何かを胃に入れておいた方が良いということですね。

そこで出てくるのが牛乳です。飲酒の前に牛乳を飲むと良いと言われていますが、これはその通りです。牛乳にはたんぱく質や脂質がほどよく含まれているので、消化に時間がかかり、その間にアルコールを胃に留める働きをしてくれるのです。

たんぱく質と脂質を含んだものなら、牛乳以外でも同じ効果がありますが、摂りやすさを考えるとやはり牛乳が一番優秀でしょう。近年の研究では、オレンジの果汁もアルコールを早く代謝してくれることが分かってきました。

飲みすぎた後のウコンやシジミは効果があるの?

最近よく見るのは、ウコンやシジミの成分を抽出した栄養ドリンクです。これらは、クルクミンやオルニチンという成分を売りにしているのです。しかし結論から言うと、まだヒトに対して有効であるとはっきり言える研究結果はないと言います。

クルクミンとオルニチンは肝臓の働きを助ける作用があり、動物実験では有意な結果がありますが、ヒトにおいての有意な結果はないとされています。しかし、日本では昔から二日酔いにはシジミの味噌汁を飲むと良いという経験則があります。

先人の知恵は、後に科学的根拠があると証明されることが少なくありません。オルニチンも近い将来、そのような研究結果が発表されるかもしれませんね。

晩ご飯はお酒だけ!これってアリ?

お酒を飲み終わった後、無性に炭水化物が食べたくなりませんか?たくさん飲みながらたくさん食べたというのに、お酒の後についついラーメン屋に行ってしまうのは、身体の中で、アルコールを分解する最中に生成したNADHという成分の仕業です。

NADHが過剰に作られると、糖質の代謝系が乱れて脳へ送られるブドウ糖の量が減ります。すると脳がブドウ糖不足を訴えるのです。脳の悲鳴はシグナルとなり、摂食中枢を刺激して私たちは「炭水化物を食べたい」と思ってしまいます。

十分な量のご飯を食べていたとしても、この反応は起こってしまうのです。こうしてお酒を飲むと食べ過ぎてしまう人もいれば、中には、ご飯を食べずにお酒だけでご飯を済ませてしまう人もいます。

そうした栄養バランスの偏りは、アルコール代謝とは別の意味で肝臓に負担をかけてしまうことに繋がります。お酒を飲んでも、主食、主菜、副菜をきちんと食べることが大切です。それができなくなる量のお酒は飲まないようにしましょう。

また、お酒を飲んだ後、身体は脱水症状に似た状態になります。アルコールは決して水分補給にはなりません。アルコールを代謝するためには十分な水が必要です。意識して水を飲むようにしましょう。

お酒と賢く付き合う方法をいくつかご紹介してきましたが、いかがでしたか?アルコールは薬にも毒にもなるものです。飲みすぎに注意し、適量を飲めば、きっとみなさんの健康を支えてくれる頼もしいパートナーになるはずです。

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