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閉経で発症しやすくなる8つの病気とは?女性に起こる体の変化

女性の一生にいくつかの区切りがあるとすれば、その一つが「閉経」という体の変化にあたるのではないでしょうか。妊娠・出産という女性の役割を終え、生理は止まります。「毎月のわずらわしい生理がなくなって楽になったわ!」と気分の軽くなる女性も多いようですね。

ただし単に生理が止まるだけではなく、体のさまざまなところにも変化が起こっているため、発症しやすい病気も増えてくるんですよ。ここでは閉経で発症しやすくなる8つの病気を紹介します。予防のためにも女性の方は参考にしてみてくださいね。

骨粗しょう症

骨密度が低下して骨がもろくなる「骨粗しょう症」は、特に高齢の女性に多いことがよく知られています。骨粗しょう症も50歳頃に訪れる閉経を境に多くなる病気の一つで、卵巣から分泌されている「エストロゲン」という女性ホルモン量の減少が原因です。

エストロゲンには、骨にカルシウムをとどめて骨密度を高める作用があるため、閉経で急激にエストロゲンが減少してしまうと、一気に骨のカルシウムが少なくなってしまい、骨粗しょう症を引き起こします。骨粗しょう症が重症になると、骨折しやすく治りも悪くなります。そのため一度骨折すると、日常の動作が不便になったり、最悪の場合は寝たきりになったりすることも。

【対策】
骨の材料となる栄養素をしっかり摂ることが第一。日本人はカルシウム・ビタミンDが不足しやすいので注意しましょう。

骨の材料となる栄養素

【カルシウム】
骨粗しょう症予防には、1日に700~800mgが目安です。

干しえび(大さじ1)…497mg
がんもどき(大1個)…270mg
牛乳(200ml)…240mg
プロセスチーズ(20g)…126mg
ひじき(5g)…70mg

【ビタミンD】
カルシウムの吸収に欠かせない栄養素です。成人女性は1日に5.5μg必要です。

紅鮭(一切れ)…33μg
さば(一切れ)…11μg
卵黄(1個)…3μg
乾燥きくらげ(2個)…2.6μg
しらす干し(大さじ1)…2.5μg

【ビタミンK 】
骨の形成を促進する栄養素です。成人女性は1日に65μg必要です。

納豆(1パック)…240μg
ほうれん草(50g)…130μg
卵黄(1個)…25μg

骨を丈夫にするには、適度な運動も必要です。骨に適度な体重をかけることで骨密度が高まるのです。紫外線を避け過ぎるとビタミンD不足になるので、適度に日光も浴びましょう。また、集団検診などで定期的に骨密度をチェックするようにしてください。骨密度の低い場合は、薬を用いた治療も必要になります。

生活習慣病

閉経によって、高血圧・高脂血症・糖尿病・動脈硬化といった生活習慣病にもかかりやすくなります。これらは脳血管障害や心疾患といった大病につながっていくので注意したいですね。

これらの病気はどちらかというと、中年以上の男性に多いといったイメージがありませんか?確かに閉経前の女性は男性よりも少ないのですが、閉経後の女性には生活習慣病が急激に増えるのです。これらの病気もエストロゲンの影響で起こっています。

女性は30代をピークにエストロゲンの分泌量が減少し始め、閉経で分泌量がぐんと低下します。そのため40代頃から生活習慣病の予備軍が増え始め、閉経後にはもっと発症しやすくなってしまうのです。

高血圧

更年期から血圧の上昇が始まり、閉経後に高血圧症の女性が急増します。40代で1割、50代で4割、60代で6割近くの女性が高血圧症なのです。エストロゲンには血管を拡張する作用があり、エストロゲンが十分に分泌されている間は血圧がコントロールされています。

ところがエストロゲンの減少が始まってからは、その作用が弱くなってしまうため、若い頃は低血圧だった女性でも高血圧に変わってしまうことも多いのです。

【対策】
男性に多い高血圧と同様に、意識して対策を心がける必要があります。

  • 減塩
  • 規則正しい生活
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

特に更年期から閉経を迎える頃の女性は、多忙で家庭や仕事のことでの悩みも多い世代です。そのため精神的なストレスが強くなり、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

交感神経の緊張が続くと血圧が上昇するので、相談相手を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけたりして、ストレスを減らすようにしたいですね。また、高血圧は動脈硬化の直接の原因につながるため、積極的に対処することが望ましく、必要に応じて治療を受けることにもなります。

高脂血症

エストロゲンは脂質代謝に関与しており、分泌が十分な場合には、血液中の脂質の量をコントロールすることができます。そのため、エストロゲンの減少する閉経後には、高脂血症が起こりやすくなってしまうのです。

血液中に増えた中性脂肪や悪玉コレステロールは、血液をドロドロにし、動脈硬化の原因となるアテローム(血管壁に生じるこぶ)の材料になります。危険なので、高血圧同様に積極的に予防していかなければなりません。

【対策】
食生活と生活習慣も大きく影響するので、閉経後は次の対策を意識していきましょう。

  • 脂肪分やカロリーを控えた食生活
  • 血液をサラサラにする野菜・果物・青魚・ナッツ類・オリーブオイルを多めにとる
  • 適度な運動

高脂血症は内臓脂肪型肥満の方に多いのですが、エストロゲンは内臓脂肪の蓄積を防ぐ作用があるため、閉経後のスリムな女性には、内臓脂肪が蓄積している「隠れ肥満」が増えます。スリムな方でも油断せずに、定期的に健診を受けるようにしてください。

糖尿病

糖尿病は予備軍を含め、男女ともに患者数の増えている病気です。特に女性は閉経前に比べ、閉経後にはおよそ6倍の高さで糖尿病を発症しやすくなるので注意が必要です。エストロゲンにはインスリンの感受性を高めて、血糖値を抑える作用があります。

そのため閉経前より血糖値が下がりにくくなってしまい、糖尿病が発症しやすい状態になるのです。また内臓脂肪が多いと、インスリンの効きも悪くなってしまいます。閉経後に内臓脂肪が増えやすいことも、糖尿病の発症リスクを高めているのです。

【対策】
閉経したら閉経前よりも血糖値を意識した食生活を心がけたいですね。

  • 炭水化物や甘い物を控える
  • 食事は野菜から食べて血糖値の急上昇を防ぐ
  • 食物繊維を多くとる
  • 食事のカロリーを抑える
  • 飲酒を控える
  • 運動をして血液中に余った糖をエネルギーとして使っていく

特に肥満の方、中年以降太り出した方、高血圧や高脂血症のある方は糖尿病を併発しやすいので、定期的に健診を受けて血糖値を把握するようにしてください。

動脈硬化

男女とも高血圧、高脂血症、高血糖が原因で発症しやすいのが動脈硬化です。中年では男性に多かった動脈硬化も、閉経後は男性と変わらないくらいに増えてしまいます。エストロゲンには血管をしなやかに保つ作用があり、閉経前は生活習慣病に縁のなかった女性も、血管が硬くなり自然と動脈硬化になりやすくなるので油断してはいけません。

【対策】
基本的には上記で挙げた高血圧、高脂血症、高血糖を防ぐ対策が重要です。特に次の対策はしっかり心がけてください。

  • 中性脂肪や悪玉コレステロールを増やす動物性脂肪を控える
  • 善玉コレステロールを増やす青魚・野菜・ナッツ類・オリーブオイルを食べる
  • 禁煙する

特に糖尿病や高脂血症のある女性は、脳卒中や心疾患のリスクが高くなりやすいので、該当する方は適切な治療を受け、動脈硬化の発症や進行を食い止めるようにしてくださいね。

乳癌

乳癌は昔に比べ増えてきている病気です。その理由は、乳癌の原因となっているエストロゲン量の増加。食の欧米化、妊娠・出産回数の減少、長寿が乳癌に関与していると言われます。

エストロゲンのせいで乳癌にかかるのに、分泌量の減少する閉経後に発症しやすくなるのは、女性の体にも分泌されているアンドロゲンという男性ホルモンが、脂肪組織でエストロゲンに変えられるためです。

乳癌は、女性の癌の中では患者数・死亡数とも第1位になっています。ただし他の癌に比べると治りやすいので初期に発見、治療をすれば予後は良好です。ですから乳癌検診を定期的に受けて、早期発見に努めることがとても重要になってきます。

【対策】
食生活が大きく影響しています。閉経前から規則正しい食生活を心がけることが大切です。

  • 動物性脂肪(脂の多い肉・乳製品)を控える
  • 細胞の癌化を防ぐ緑黄色野菜をたくさん食べる
  • 抗がん作用が期待できるオメガ3脂肪酸(青魚に含まれる)をとる
  • エストロゲンの働きを調整するイソフラボンを食事からとる(大豆製品)

イソフラボンに関しては、「多目的コホート研究(JPHC研究)」によって、味噌汁をたくさん飲んでいる女性ほど乳癌が少ないことが発表されています。また油揚げや納豆など、大豆製品にも乳癌の発生を抑える効果があり、閉経後に大豆製品をたくさん食べる女性は特に乳癌が少なくなるとのことです。

乳癌の原因となるエストロゲンは脂肪組織で作られていることから、脂肪の多い女性ほど乳癌のリスクが高いということになります。中年以降は乳癌を予防するという意味でも、肥満にならないよう注意したいですね。またどの癌も加齢と共に増加します。子宮癌にも注意してください。

膀胱炎

女性ホルモンが減少することで、泌尿器系の病気にもかかりやすくなります。女性ホルモンには膀胱や尿路の機能を正常に保つ作用があるからです。特に閉経後には膀胱炎が発症しやすくなります。加齢による膀胱の機能低下に加え、女性ホルモン減少によって膀胱の粘膜が弱くなり、細菌に感染しやすくなることが原因です。

【対策】

  • 日頃から水分をこまめにとり、排尿で細菌を洗い流すようにする
  • 頻尿・排尿痛といった症状が見られたらすぐに受診する

閉経後の膀胱炎にはホルモン剤がよく効きます。こじらせると慢性膀胱炎になりやすいので、早めに適切な治療を受けることがのぞましいです。

萎縮性腟炎

「萎縮性膣炎」とは、膣内の善玉菌が減って悪玉菌が増えるために炎症を起こす病気です。膣内の善玉菌(膣乳酸かん菌)はエストロゲンの作用によって分泌が促進されるため、閉経後に発症しやすくなるのです。老人性膣炎とも呼ばれています。

症状には、

  • 膣の灼熱感
  • 出血
  • 色の濃いおりもの
  • 乾燥感
  • かゆみ
  • 性交痛

などがあります。

【対策】
悪玉菌は便に含まれる大腸菌であることが多いので、陰部を清潔に保つことが発症の予防になります。受診すれば膣洗浄や女性ホルモンの処方で良くなります。

ホルモン補充療法について

エストロゲンの分泌量が減少することで発症する上記のような病気は、ホルモン補充療法で症状を改善させることができます。ホルモン補充療法はエストロゲン、黄体ホルモン、またはその混合を薬で補う治療法です。錠剤、ジェル、パッチがあります。

いったん減少したホルモン量が増えるので、さまざまな症状が改善する大きなメリットがあり、更年期障害や婦人系の病気の予防にも用いられているメジャーな療法です。ただしむかつきや不正出血などの副作用や、乳癌のリスクを高める可能性も示唆されているため、治療を受けるかどうかは担当医とよく相談して考える必要もありますね。

第二の青春を謳歌しましょう

このようにたくさんの病気を書き並べてしまいますと、閉経後のことが憂うつになってしまうかもしれません。しかし50歳からは「第二の青春」と言われているように、再び自分の時間を楽しむことのできる素敵な世代でもあるのです。

閉経によって起こる体の変化を理解しておけば、適切に対処することができ、若々しさを維持することが可能になります。健康管理をきちんと行い、趣味や勉強など充実した時間を増やすようにすると、いきいきとしたシニアライフを過ごすことができるでしょう!

キャラクター紹介
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