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初夏における熱中症対策に欠かせない、「暑熱馴化」の方法とは

2014年5月、立夏に当たる5月5日が「熱中症対策の日」として、日本記念日協会の認定する記念日に登録されました。例年暑さを感じる日も増え始める5月は、暦の上で初夏に当たります。

ところが、まだまだ夏本番ではないことから、暑さに対する油断も起こりやすく、熱中症を警戒する人は少ないのが現実ではないでしょうか。しかし、体が暑さに慣れていないこの時期こそ、熱中症対策に注意を払うべきなのです。

体温調節には発汗が重要

人の体は、体温を下げるために、呼吸や体表面からの熱放散を利用します。皮膚血流量の変化をはじめ、発汗、すなわち汗をかくことも、この体温調節に密接に関係しています。

汗をかき、それが蒸発する際の気化熱によって、体温が下がるという仕組みです。つまり、周囲の気温が高くなったり、自らの体温が高くなったりした時、汗の量を増やすことによって、体温を下げようと試みるのです。

こうした体温を調節する反応が正常に働くことで、人の体温が一定に保たれます。特に、周囲の気温が30℃を超えるような暑熱環境下において、この発汗による体温調節が重要であるとされています。

ところが、冬の間は気温が低く、夏のように発汗量が多くなりません。つまり、一般的に、人の体は寒い季節には汗をかきにくくなるということです。

また、血液量にも季節変動が見られ、寒い季節には減少します。もしそのままの状態で突然暑い環境に身を置くことになれば、皮膚血流量の変化や発汗が正常に促されることは難しいでしょう。

この現象が、「暑さに体が追いつかない」と表現されるメカニズムの一つと言えます。いわゆる「夏バテ」と称される体調不良を起こしたり、熱中症のリスクを高めたりといった、危険な状態に陥ってしまうことになります。

運動をして暑さに体を適応させよう

暑さに対して体がなれること、適応することを、「暑熱馴化」と言います。この暑熱馴化が適切になされること、そして真夏のような暑熱環境の到来に先駆けてなされることが、熱中症対策としてとても重要であると言えます。では、この暑熱馴化は、どのようにしたら起こるのでしょうか。

「暑さに慣れれば良い」という発想からは、入浴やサウナといった方法が思い付くかもしれません。確かに、こういった手段で汗をかくことによっても暑熱馴化は促されますが、馴化が完了するまでに時間が掛かってしまいます。

最も効果的に馴化がなされるのは、暑熱環境下での運動であるとされています。この運動も、ウォーキングのような低強度のものではなく、心拍数が130程度にまで上昇し「ややきつい」と感じるような持久性トレーニングである必要があります。

さらに、運動の直後に糖質・たんぱく質を中心とした栄養補給をしっかり行うことによって、血流量の増加も適切に促されます。こうした運動を、1回当たり1~2時間、1週間程度連続して行うことで、暑熱馴化は完了します。

実現可能な方法を模索して

こうした連続的な運動を行うことが理想的ではありますが、現実的には「ハードルが高過ぎる」と言う人も少なくないかもしれません。

しかし、ここで注意が必要なのは、暑熱馴化は可逆的なものであり、維持されなければ徐々に元に戻ってしまうということです。

暑さに馴化するための取組みをスタートさせたら、継続させることが必要になります。既述のように、ウォーキングのような低強度の運動や、入浴やサウナといった方法でも、非効率的にではありますが、馴化は促されます。

暑熱馴化において、その手段の中心となるのが「暑熱環境下でのややきつい持久性トレーニング」であることは必至ですが、日常生活の中で実現可能な工夫を継続し、馴化を後退させない努力も重要と考えられます。

勿論、暑熱馴化を目指したトレーニングの中で、無理をすることは禁物です。特に、暑さや運動に慣れていない取組み初期は、15分に1回程度の頻度で休憩を入れながら行うと良いでしょう。また、汗の量も増えますので、運動の前からこまめな水分補給を行うことも、お忘れなく。

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