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これで熱中症対策は完璧!応急処置と予防があなたと大切な人を救う

夏の家族

過去5年の年間平均死者数および救急搬送者の年間平均人数はそれぞれ約1万人と約4万3千人。

この数字は熱中症によるものです。日本の夏はとても危険な状態になっています。

1898年からのデータで日本の年平均気温は100年あたりで1.16の割合で上昇していること、また特に1990年代以降高温となる年の頻度が多くなっていることを気象庁は報告しています。

35度を超えた日を猛暑日と言います。東京では1961年以降2009年までの約50年間で猛暑日が年間10日を超えた日は1995年の1年だけでしたが、2010年以降猛暑日を超えた年は既に3回を数えています。

心頭を滅却しても熱中症は防げません。本当に効果的な熱中症の予防法と応急処置法を知りご自身とご家族の健康を守りましょう。見ず知らずの人でも熱中症の人を見かけたら助けてあげられるようになりましょう。

日射病とどう違うの?熱中症の症状と重症度を見分ける方法とは

最近は 熱中症という言葉を聞く機会が多くなりました。夏に近づくにつれて各企業も熱中症を意識した商品のPRに力を入れています。2016年には「熱中症対策にぴったり」とうたって塩分を460mg配合した炭酸飲料も発売になりました。

ニュースを見ても熱中症に関する報道は多くなっています。2016年6月1日には早くも熱中症に関するニュースが流れていました。5月23日からの1週間で熱中症により救急搬送された方が877人いらっしたとのことです。

一昔前は夏になると「日射病に気をつけなさい」と言われましたが日射病と熱中症は違うのでしょうか。熱射病という言葉もお聞きになられたことがあるかと思います。それぞれどう違うのでしょうか。

熱中症
「暑さに身体が適応出来ずに起こる全身の不調の総称」。つまり熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病を総称して熱中症と呼ばれる。
日射病
太陽の光によって起こる障害のことを言うが、正式な医療用語ではない。

また熱中症はそのレベルごとに、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病と診断名称があるのです。

熱中症のレベルごとの症状と名称

暑さに身体が適応出来ずに起こる不調。その暑さの原因は日光だけではありません。室内に居ても熱中症になることがありますので、最近は日射病という言葉があまり使われなくなってきたのです。

とは言え夏の暑い時期に太陽のつよい光によって体調を崩される方がいらっしゃるのも事実です。日差しの強い時は日傘や帽子などを使って直射日光を浴びないように気をつけましょう。

それぞれ熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病について具体的に見て行きましょう。

熱失神の症状と応急処置

人間は恒温動物と言って常に体温を36度から37度に保つように出来ています。

普段じっとしていても食べた物を燃焼することで体の中では熱が作られています。運動をすれば熱はもっと作られ体温はあがります。温度の高いところにいたり、強い日差しや照り返しを受けても体温はあがります。

上がった体温を36度から37度に保つように体はいくつかの反応をしています。

その1つが「身体の表面近くの血流が増える」ことです。熱は高いところから低いところへうつる性質があります。皮膚より空気の温度が低ければ、皮膚表面の温度は空気の中に逃げて行きます。

体温が上がると、血流を皮膚表面に多く集めることで体の中の温度を下げるようと人間の体は反応をします。

普段は血が巡らないような皮膚の細かい血管にまで血液が行ってしまうと全体の血液の量は不足してしまいます。

血液の量が不足すると血圧が下がります。血圧は血液量×末梢血管抵抗だからです。

血液は各臓器に酸素と栄養を運んでいます。血圧が下がることで脳へ行く血液の量が減り、充分な酸素が脳へ送られなくなります。

熱失神では脳が酸欠状態になるため、

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 顔が白くなる
  • 速くて弱い脈になる
  • 速くて弱い脈になる

ひどくなると意識を失ってしまうことも、またいきなりバタンと倒れてしまうこともあります。

熱失神の応急処置法

熱失神は体温が上がって皮膚への血流が増えた結果脳への血が巡らなくなり起こる症状です。ですので、体温を下げて、脳への血流を増やすことで応急処置をします。

体温を下げるためには以下の処置が有効です。

熱中症の応急処置

  • 涼しい場所に移動しましょう。
  • 衣服を緩めて体温が逃げやすいようにしましょう。
  • 霧吹きで全体的に水を掛けて団扇で仰ぐと効果的です。
  • 濡らしたタオルを首の後ろや脇の下にあててあげましょう。
  • 氷やアイスノンをあてるのも有効ですが冷え過ぎてしまうことがあります。震え出したらやめましょう。

脳への血流を増やすには以下の対応をしましょう。

  • 横になって頭よりも足を高くあげる
  • 手や足を体の中心に向かって揉む

そして水分の補給をしましょう。塩分、糖分を含んだものが良いですよ。

日本神経救急学会の熱中症重症度分類では熱失神は軽症に分類されています。熱失神は熱中症の初期症状です。熱失神に気が付いたら重症化しないように適切に対応しましょう。

熱痙攣の症状と応急処置

熱中症になると痙攣(けいれん)を起こすことがあります。熱中症の熱痙攣と熱性痙攣は良く似た言葉ですが別の症状です。起こる原因が違います。

と言っておきながら恐縮ですが熱性痙攣ははっきりと原因が分かっていません。発熱に伴う痙攣なのですが、熱によって脳に何らかの異常が起きて痙攣がおきると考えられています。

熱中症の熱痙攣は体内の塩分が不足するために起きる痙攣です。

ではなぜ熱中症になる塩分が不足すのでしょうか。それは汗と一緒に塩分が体から出てしまうからです。

体温が上がると、体温を一定に保つために体は体温を下げようと反応します。その1つが汗をかくことです。

汗をかいて、その汗が蒸発するときに体の熱を取ってくれます。気化熱といいます。水分は水蒸気になるときに熱を必要とします。その熱を周りから集めるのです。汗が蒸発するために皮膚の熱を奪って集め、その結果、体表面の温度がさがるという仕組みです。

そして汗はなんと意外なことに血液から作られるのです。血から汗になるときは水分だけでなく、電解質も一緒に汗に含まれます。電解質の中でもっとも多いのがナトリウム(塩分です)。

汗がしょっぱいのは多くの方がご経験からご存知だと思います。

汗で水分と一緒に塩分が抜けてしまった時に、水分だけ補充すると、体の中の塩分濃度は下がってしまいます。

筋肉が収縮するときは筋細胞の中にナトリウム(塩分)が入っていきます。ナトリウムが入ってくると筋肉細胞は緊張して収縮します。ナトリウムが不足していると筋肉を収縮させる働きが落ちるので痙攣が起きます。

これが熱中症の熱痙攣の仕組みです。

痙攣は手足に突然起こります。全身の痙攣はありません。筋肉が硬直してとても強い痛みが起こることがあります。

熱痙攣の応急処置法

熱痙攣を起こした場合、まず意識があるかを確認してください。意識があって吐き気もないようでしたら水分と塩分を補給しましょう。スポーツドリンクがお手ごろでよいでしょう。塩分を補給することで症状は回復します。

次に涼しいところに移動して、痙攣しているところストレッチしましょう。痛みが和らぎます。

また衣服を緩めて熱を体から逃がしやすくしてあげましょう。上昇した体温をさげる効果があります。

先程の熱中症重症度分類では熱痙攣も軽症に分類されていますが、油断は禁物です。水分補給をお忘れなく。

熱疲労の症状と応急処置

熱疲労は言葉のイメージから暑いところにいて疲れを感じた程度に思われるかもしれませんが、熱失神や熱痙攣よりも重い症状です。重症度分類で中等症に分類されているのが熱疲労です。

熱疲労と夏バテも言葉から受ける印象が似ていますが別のもので、熱疲労は体温を下げるために汗を過剰にかいて水分と電解質を失い脱水になり、循環血流量が減少して、血圧が下がった状態です。

熱疲労では色々な症状が同時に出現します。

  • 倦怠感(だるい)
  • 疲労感(つかれた)
  • 脱力感(力が入らない)

など文字通りの症状が強く現れます。その他に以下の症状や意識障害が起こることもあります。

  • のどの渇き
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 目眩
  • 立ちくらみ
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 興奮
  • 錯乱
  • 昏睡
  • 意識消失
大量に汗をかいた結果、ショック状態になることもあります。ショック状態と言っても「ガーン!」のショックではありません。

ショックとは血圧が下がって各臓器に充分な血液が送られなくなり酸素や栄養が届かなくなる状態のことです。多臓器不全になるため命の危険がある状態なのです。

熱疲労の応急処置法

熱失神や熱疲労と同様に熱疲労が起きた場合でも涼しいところへの移動、上昇した体温を上げること、水分・塩分の補給を行います。

症状が改善すれば良いですが熱疲労は最重度の熱射病の前段階です。医療機関で診ていただいた方がよいでしょう。

熱射病の症状と応急処置

熱射病は熱中症の重症度分類で重症に分類される非常に危険な状態です。命の危険があります。

熱失神、熱痙攣、熱疲労などの状態がさらに進んで体温上昇、脱水がもっとひどくなって体温を調節する脳の機能が働かなくなってしまった状態です。

脳の体温を調節する機能が働かなくなってしまっているので、体温が上昇しているにも関わらず、体温を下げる体の反応が起こりません。体温が高いにも関わらず汗をかかず、皮膚は乾燥しています。体温は40度近くまで上がっています。

熱射病の応急処置

熱射病になったら死に至ることも稀ではありません。直ぐに救急車を呼んで下さい。そして直ちに体温を下げて意識を回復することにつとめてください。

全身に水をかける

首すじ、脇の下、もものつけ根には太い血管が通っています。ここに氷やアイスノンをあててください。

脚を頭より高くあげる
体を横にして足を頭より高く上げます。手足の先から付け根に向けてマッサージをして下さい。血を体の中心に集めて、脳に血が行くようにします。

可能であれば水分、塩分を補給してください。ただ、吐き気や嘔吐で水分を飲めない場合があります。

熱中症で救急車を呼ぶタイミング

熱射病と気がついた場合は即救急車を呼んで下さい。それ以外の熱失神、熱痙攣、熱疲労でも救急車を呼ぶべきタイミングがあります。それはどのような場合でしょうか。

消防庁が作成した熱中症対策リーフレットには以下の場合には救急車を呼ぶことが推奨されています。

  • 自力で水が飲めない
  • 脱力感や倦怠感が強くて動けない
  • 意識がない
  • 意識がおかしい
  • 全身のけいれんがある
これらの場合は「ためらわずに救急車を呼んで下さい」と消防庁が言っていますので遠慮はいりません。

それでも気が引ける、判断に迷うような微妙な場合でしたら119番に電話をして下さい。状況を伝えて救急車を呼ぶべきか、相談して対応の指示をあおぐことができますよ。

熱中症の予防法を完全制覇!水分補給のコツと食事や日常でできること

熱中症は非常に身近で危険なものです。日頃から熱中症の予防に努めましょう。

やっぱり水分補給が一番!塩分入りの経口保水液をつくって飲もう

こまめに水分を補給することです。のどが渇いていなくてもマメに水分を取るようにしましょう。のどが乾いてるのを我慢するのはやめましょう。

その際、できればスポーツドリンクや経口保水液のように、体に吸収されやすく塩分やミネラルが補給できるもので水分を補給するほうが良いでしょう。

経口保水液は水道水を使って家でも簡単に作れます。水1リットルに対して、砂糖を40g(大さじ4杯半)、塩を3g(小さじ半分)入れてかき混ぜます。レモン果汁などを絞ると飲みやすくなります。

大量の汗をかいた時に水分補給をするのは重要な行為です。しかし、血液に水分を送り込むためには、水分だけ摂取しても効果はありません。ほとんどの水分が尿になって排出されてしまうのです。

ここで重要なのが塩分です。汗と共に体外に排出されてしまう塩分は血液にとっても重要な成分で、塩分が不足していると血液は造られません。水分の補給には塩分を含んだドリンク(スポーツドリンクなど)を利用しましょう。

しかしこれは汗をかいた時の対処法であり、日常の熱中症予防にはなりません。熱中症の予防の観点から考えてみると、暑い季節は普段から水分の多い血液を作ることを意識しましょう。

アルコールは喉の渇きを癒すということにおいていえば全く役にたちません。それどころか、逆に喉の渇きを加速させる要因になり得ます。くれぐれもご注意ください。

衣服でも熱中症予防ができる!高齢者と子供は様子をよく見て

また、通気性や吸湿性の高い肌着や衣類をつけることも熱中症の予防になります。特に高齢者は暑さを感じる機能が衰えるため、普段よりもこまめに肌着を替えるようにしたり、水分を多めに摂ることが必要です。

子供も体温調節機能が未熟なため、暑さを発散することができにくくなっています。小さな子供は自分で暑さを訴えることができないので、汗をかいていないか暑さで苦しそうでないか、こまめに状態を確認しましょう。

室内でも熱中症に注意!こもる空気を流れさせよう

そして熱中症は屋外の炎天下の時に起こるものという思い込みをなくしましょう。室内でも湿度が高く蒸し暑い状況なら、気温や日光に関わらず、熱中症にかかりやすいのです。

特に、風通しの悪い室内では熱中症にかかる危険性が高まります。空気がこもると湿度が高くなりますので、できるだけ空気の流れを良くして、空気中の水分を拡散するようにすると、湿度が下がり熱中症の予防につながります。

エアコンが使用できない場合でも、扇風機などを使って常に風通しを良くしておくことが大切です。

職場などでは、パソコンやプリンターなどOA機器をたくさん使用している部屋も、室内の温度が高くなりやすいので注意して下さい。

野外室内、環境や場所に関係なく熱中症は起こると考えてくださいね。

食事から熱中症を予防する!

熱中症の予防にはタンパク質が一番です。タンパク質にはアルブミンと呼ばれる物質が含まれており、この成分が水分を血液中に呼び込む作用があるのです。手軽なのが

  • 牛乳
  • チーズ
  • ヨーグルト

などの乳製品ですね。特に軽い運動や汗をかいた時に、麦茶ではなく牛乳を飲むことで自然に血液の水分量が増えるのです。

夏はソーメンや蕎麦など炭水化物中心の食生活になりがちなのですが、これでは血液中の水分が減る要因となるでしょう。

暑さで夏バテぎみの人も多いと思いますが、牛乳やヨーグルトであれば無理なく食べられるでしょう。美味しく食べて水分量をアップするのです。

また、ミネラルも重要な成分です。ミネラルと言っても種類が多いので、今回はナトリウム(塩分)とカリウムに焦点を当てていきたいと思います。この二つのミネラルは身体の中で重要な役割を担っており、非常に厳密に濃度が調節されています。

ここでカリウムが豊富な熱中症予防効果が期待できる食べ物をご紹介しましょう。

梅干し
塩分とカリウムが含まれていてすぐに食べられます。梅干しに砂糖やはちみつを加え、梅干しドリンクにしてもいいですね。

さらに梅干しにはクエン酸が含まれており、疲労を回復する効果があります。特に運動後は炭水化物とクエン酸を摂取すると疲労回復の速度が上がります。炎天下の練習を続ける運動部員は休憩時間に梅干しの入ったおにぎりを食べると、熱中症予防と疲労回復の二つのメリットがあります。

夏野菜を代表するキュウリやトマト
キュウリやトマトには水分やカリウムが豊富に含まれています。カリウムは塩分不足にも働きかけてくれます。

キュウリやトマトは身体を冷やす食材としても有名です。身体にこもった熱を一気にクールダウンしてくれます。そのまま生で食べられるので、夏の食卓には積極的に摂取していきたい食材です。

スイカ
日本の夏を代表する食材といえばスイカですね。スイカの90%以上は水分です。カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富であることから、熱中症対策には高い効果が期待できる食材となっています。

食塩をふりかけて食べる方も多いと思いますが、その効果はバッチリ!スポーツドリンクと同等の効果があるといわれています。

じゃがいも
じゃがいもはお野菜の中でもカリウムの含有量はトップクラスと言われています。熱中症対策として効果的なカリウム補給となります。夏の暑さにカレーやポテトサラダなどはいかがでしょうか?
味噌汁
水分と塩分を補給するのにはお味噌汁が効果的です。1年中通しても日本の食卓はやはりお味噌汁が定番です。夏の暑い時には冷やしたお味噌汁も良いですよ。ジャガイモを入れれば栄養素も最高となります。

冷え性や高齢者は特に注意!冷房、エアコンの正しい使い方

まだまだ暑い日が続くなか、お年寄りや冷え性の方など、冷え過ぎを嫌ってエアコンを利用しないという方達も居ます。

しかし気温と共に湿度も高い日本の熱帯夜は、適切にエアコンを利用しないと熱中症の危険があります。

少し暑くなってきたな。と思う頃から身体を徐々に慣らすことによって真夏の熱中症への予防が始まるのです。

室内で起きる熱中症は高齢者の方に多くみられます。

これはエアコンを嫌う人が多いというのもありますが、高齢者の方は体温調節機能の低下により気温の感じ方が鈍くなっている場合があり、エアコンを適切に使用できていない場合が多いからではないかと考えられます。

冷房の設定を24度以下にし外気に触れたとき温度差があればある程、身体への負担は大きくなります。

就寝中の熱中症を防げ!快適に眠るために

冷房をつけて眠り、朝起きると身体がだるい…こんな経験はありませんか?

人の神経は温度に敏感なため、空調が効きすぎている部屋で眠るとそこだけが使われっぱなしの状態になり、朝には疲れてしまって居る事が原因です。

人間が適度に寝汗をかきながら快適に眠るには、28℃~29℃が適切と言われています。意外に暑めだな?と感じませんか。

冷房やエアコンの使用は温度を下げるのが目的では無く、湿度を下げる事が重要なのです。冷やし過ぎには注意しましょう。

また扇風機で風をおくる事によって、肌の体感温度を下げる事が出来ます。眠るときは風が直接あたらないよう、出来るだけ離して首をふらせ、時折ふわりと風を感じられる様にしましょう。

夜はそうそうありませんが、日中気温が35℃を越えるような場合、扇風機だけを利用するのは絶対に避けてください。扇風機による風が熱風となり、熱波になると逆に熱中症を誘発する原因となり、乳幼児の場合においては死に至る危険性が高いです。

冷房は嫌い、電気代がかかる、と言って熱い夜を過ごしてはいけません。電気代より医療費が高くついてしまっては、元も子もありませんよね。

地面に近いほど熱の影響を受けやすい、これは室内でも同じことが言えます。大人にとっては快適でも、背が低い子供やペットは暑いと感じることもあります。

室内の温度、湿度管理をする場合は下の方も確認しておくと安心です。

見落としがちな熱中症の危険スポット&シチュエーション

熱中症にかかりやすい危険スポットを1つずつ紹介していきます。熱中症になるのは直射日光が当たる屋外だけとは限りません。

実はここが一番多い!自宅の部屋の中で熱中症に

意外かもしれませんが、熱中症で救急搬送されるケースで一番多いのが自宅での発症なのです。一番リラックスできる自宅、しかもリビングや寝室等でそのようなことが起こるのはショッキングですよね。

その一番の原因はエアコンを使用しないことにあります。節電やエアコンが苦手など様々な理由があると思いますが、特に高齢者の方はエアコンを使用せずに我慢しているケースが多いようです。

予防策は適度にエアコンを使用することです。就寝中も切らずに一定の温度を保つことをお勧めします。何らかの事情でエアコンが使えない場合は扇風機で代用したり、窓を開けて外気を取り込むようにしましょう。

見落としがち!高温多湿になりがちな浴室

浴室はすぐに高温多湿になるので熱中症が起こりやすい環境と言えます。 夏場に熱いお湯に浸かり大量の汗を流してスッキリしたい、そんな方も多いと思いますが実はかなり危険な行為になります。

入浴前に必ず水分を補給しましょう。飲む量はコップ1杯程度で十分です。また浴室の換気をする、お湯の温度を低めに設定することをお勧めします。これだけのことを守るだけで浴室での熱中症リスクを減らすことができます。

主婦の方は特に気をつけてほしいキッチンでの熱中症

キッチンで熱中症にかかるケースも多く報告されています。これは調理の際に高温多湿になる為です。特に揚げ物、麺を茹でたりする場合にリスクが上がります。夏場はそうめんなど冷たい麺が大活躍しますが調理の際は注意が必要です。

またキッチンは他の部屋に比べて冷房器具が整備されていないケースが多いです。熱いキッチンの中で我慢しながら料理をしている方も多いのではないでしょうか? この環境が大変危険なのです。

予防策としてはキッチンの換気を徹底する、扇風機などの簡単な冷房器具を設置することをお勧めします。夏場は極力揚げ物等をせず、スーパー等のお惣菜で済ませてしまうのも1つの方法だと思います。

狭い空間が危険!トイレでの熱中症

見落としがちな場所の代表格、それは自宅のトイレです。個室なので熱がこもりやすく大変危険なスポットと言えます。 窓がない、あっても開けられないお宅も多いことでしょう。換気扇をつけても真夏にはどうしても高温になりがちです。

またトイレで熱中症になった場合、個室なので助けを求められなかったり発見が遅れてしまうケースがあります。発見が遅れると重症化しやすいので注意が必要です。

換気扇をつけて個室内の空気を循環させましょう。窓や換気扇がないお宅はできる限り換気扇を設置してください。換気扇をつけても真夏には十分ではありませんので、簡易的な扇風機等を設置するのも良い方法です。

クーラーが効いたオフィスも注意が必要

クーラーが効いたオフィスで熱中症になるケースがあります。「クーラが効いているのにどうして?」と疑問に感じるかもしれませんが、これは節電対策でオフィスの温度が高めに設定されている場合があるからです。

節電対策でオフィス内を28℃位に設定している会社も多いと思います。席によってはこれ以上の温度になっていることも考えられ、熱中症を発症するには十分な環境と言えます。

可能であれば空気を循環させるサーキュレーターを設置してもらうことをお勧めします。オフィス内が一定の温度に保たれやすくなります。難しい場合は衣服を工夫したり、卓上のミニ扇風機等を購入しましょう。

油断しがちな朝晩のウォーキング

熱中症対策として日光が出ていない朝や夕方以降に運動をしている方も多いと思います。もちろん日中に運動するよりは熱中症リスクは減りますが、日光が出ていないからといって必ずしも熱中症にならないわけではありません。

実際、早朝のウォーキング・ジョギングで熱中症にかかり救急運搬される方は少なくないのです。夏場は朝でも意外と気温が高く、少し運動しただけでも汗をたっぷりとかいてしまうのです。

運動前後の水分補給は忘れずに行いましょう。梅干や塩飴などで塩分を補給することも重要です。また早朝でも意外と日光は強いので帽子の着用は忘れないようにしましょう。

熱中症にかかりやすい状況とは?WBGT(熱中症指数、暑さ指数)をチェック

熱中症を起こす環境に関連しているのは気温、湿度、日射量などの輻射熱です。私達の体は汗を皮膚の表面から蒸散させることで体温を下げているのですが、湿度が高い環境だと汗が蒸散しにくいために体に熱がこもりやすくなってしまいます。

そのため、湿度が高い日は熱中症にかかりやすいのです。熱中症は真夏の炎天下でかかることが多いもの、と思う人もいるかもしれませんが、実は気温がそれほど高くなくても湿度が高い梅雨時に室内で熱中症にかかってしまう人も少なくないのです。

気温が高いと熱中症を意識する方は多いと思います。確かに30度以上で注意が必要で35度を超えると熱中症の発症リスクが上がるとする情報もあります。

しかし熱中症では気温よりも危険度を反映する指標があるのです。

熱中症指数、暑さ指数のWBGT温度とは

それがWBGT温度です。Wet-Bulb Globe Temperatureの略で、日本語では湿球黒球(しっきゅうこっきゅう)温度というものです。

いずれにしても覚えにくい名前ですが、環境省もそれを自覚しているようで「暑さ指数」と呼んでいますね。

これは熱中症を予防する上で大切な数値なのですが、呼び方を工夫しても残念ながらご存知のない方の方が多いのではないでしょうか。

環境省が提唱する暑さ指数は気温を連想させます。WBGT温度は湿度と温度が決まった割合で合わさったものですから、蒸し暑さ指数と言った方が現実を反映しているように思います。民間の熱中症指数は使い道を良く表しています。

この熱中症指数は熱中症を予防するためにアメリカ軍が開発しただけのことはあって、熱中症の予防に非常に役に立ちます。

暑さ指数(WBGT)の算出式

屋外での算出式
WBGT(℃) =0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
室内での算出式
WBGT(℃) =0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

※単位は摂氏度(℃)

湿球温度、黒球温度、乾球温度という耳慣れない言葉も熱中症指数の普及の障害になっているように思います。

湿球温度=湿度、黒球温度=日当たりの温度、乾球温度=気温を表しています。

ここでは暑さ指数を計算するときの割合にご注目下さい。屋外、屋内ともに湿度は70%です。光のあたっている温度(黒球温度)は屋外20%、屋内30%です。そして、気温を表す乾球温度は屋外では10%、屋内では計算にも含まれていません。

このことは熱中症のリスクを予測する上では気温は他の要素に比べて重要ではないことを表しています。

重要なのは湿度なのです。

体温が上がっても汗が直ぐに乾く環境であれば体温はさがります。気化熱で体温が放出されるからです。気温が高くても乾燥しているところではあまり暑さを感じないのはこのためです。アメリカ西海岸をご想像下さい。

気温が高く湿度も高い場合は、汗はかきますが乾きにくいので熱が下がりにくい状態になっています。汗をかいても体温が下がらないため、もっと汗をかくようになります。極端な例がサウナですね。

汗はどんどん出る、体温は下がらない、よって熱中症にかかりやすくなっています。湿度が75%を超えると汗をかいても乾きにくくなりますから、熱中症に注意です。湿度は50~60%くらいに調節できると良いですね。

WBGT温度計は手軽に購入できる

このように、暑さ指数は「気温、湿度、輻射熱」から割り出し、その結果で熱中症の危険度をチェックするというものです。

ただし暑さ指数を計る場合は、乾球温度計、湿球温度計、黒球温度計という特殊な温度計が必要になります。

そんな温度計どこに売っているの?と思うかもしれませんが、一般向けにも市販されているので、WBGT温度計とネット検索すればすぐに見つかると思います。

amazon「WBGT温度計」検索結果ページ
amazon「WBGT温度計」検索結果ページ

デジタル式やアナログ式などタイプもいろいろありますし、暑さ指数の高い日にはアラームで知らせてくれる機能が搭載されている物もあります。

小さいお子さんを外で遊ばせたり、仕事で外回りをしたりという人は、一つ持っておくと熱中症予防にも役立ちます。値段も1,000円~5,000円前後となっていますので、購入しやすいと思います。

環境省で公開されている大まかな指針

21℃未満 ほぼ安全。
22℃~25℃ 日常生活はほぼ安全。運動時は注意。
25℃~28℃ 警戒。特に激しい運動時はこまめな給水が必要。
28℃~31℃ 厳重警戒。なるべく炎天下に出ない。激しい運動は避ける。
31℃以上 危険。涼しい室内で過ごす。原則として運動は中止。

暑さ指数が25℃を超えると熱中症が多発しやすくなります。これは目安として気温が28℃~31℃くらいにあたりますが、湿度や日照条件、生活強度によってはこれより気温が低くても熱中症にかかる可能性がありますので注意してください。

熱中症には後遺症がある!?脳や腎臓が危ない

重症になると命にかかわる恐ろしい熱中症ですが、軽症でもあなどってはいけません。中には後遺症の症状に悩む人も少なくないからです。

熱中症にかかってしまっても適切に治療すれば症状は消え回復します。

熱中症はⅠ度~Ⅲ度までの重症度に分かれていて、意識障害や高熱を伴うⅢ度のような熱中症にかかると最悪の場合で死亡、助かっても一部の人には脳障害や腎障害が残る可能性も出てくるのです。

死亡したり重い後遺症が残ってしまうのは、高熱によって体温調節機能が失われ多臓器障害や脳障害が引き起こされてしまうからです。

軽い熱中症も油断禁物

軽い熱中症の場合、高熱が出なければ予後は良好で重い後遺症が残ることはないとされています。ただし、軽い熱中症で回復したとしても後遺症として不快な症状が出てしまうことも少なくありません。

例えば後遺症にはこのような症状があります。

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 耳鳴り
  • 熱がこもる感じ
  • 筋肉痛
  • 関節痛

熱中症にかかってから2週間~1か月間程度このような症状がみられます。

軽症とはいえ、やはり熱によって体にある程度のダメージを受けているのが原因です。

筋肉中の細胞がダメージを受けるために筋肉痛が起こったり、筋肉中のミオグロビン(色素たんぱく質)が血液中に流出するために腎臓に負担がかかったりしてしまうのです。また、自律神経のバランスが乱れるために頭痛や吐き気といった不快な症状を伴ってしまいます。

ただの夏バテと間違えられそうですが熱中症にかかった時のダメージが原因とも考えたいですね。

もし熱中症の後に不快な症状が続く場合には、症状を放置しないことがのぞましいです。場合によっては症状が長引くおそれもあります。

通常の病後と同じでまだ体調が万全な状態に戻っていない時期ですので、無理をしないようにして過ごすようにしましょう。時々首筋を冷やして脳をクールダウンしてあげるのも効果的とされます。

高齢者だけじゃない!熱中症になりやすい人の特徴は?

熱中症ではお年寄りの方が亡くなったニュースが多く報道されているように思います。そのため熱中症イコールお年寄りの病気というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

確かに熱中症でお亡くなりになる方の70%は65歳以上の方です。でも熱中症で救急搬送される方でみると65歳以上の方の占める割合は50%弱です。

熱中症で救急搬送される方の半数は65歳以下の方です。そして死亡数の30%は65歳以下です。熱中症の発症率に年齢差はないという報告もあります。

熱中症になりやすい青少年と成年者、熱中症になると重くなりやすい乳幼児と高齢者。これからを生きる現代人はどの世代も熱中症に注意しなければならないということです。

一見、体力もあり暑さに強いように見える青少年・成年の世代こそ、油断せずに熱中症対策を心がけなければなりません。

また同じ世代、同じ生活環境でも熱中症になりやすい人となりにくい人がおり、中には猛暑でなくても熱中症になってしまう人もいるのです。

熱中症になりやすい人とは

  • 体調をくずしている
  • 肥満、肥満気味である
  • 運動不足である
  • 汗をかきにくい体質である
  • 食生活が偏っている
  • 心臓病を患っている
  • 糖尿病を患っている
  • 自律神経失調症、精神疾患を患っている
  • 以前熱中症にかかったことがある

体調が悪くなっている人は、脱水や体温調節機能の低下を起こしやすいため、熱中症にかかりやすくなってしまいます。

例えば寝不足だったり二日酔いだったり。胃や腸が弱っている、下痢気味、ただ単に疲れている人も対象ですね。とくに下痢気味だと脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。

持病の治療で薬を服用している人は、薬の副作用で脱水を起こす場合もあります。

また体脂肪率の高い人は脂肪が体の熱の発散を妨げるため暑さに弱くなってしまいます。肥満にはさまざまなリスクがあることからも、ダイエットしたほうが身のためといえるでしょう。

ちなみに性別では男性に熱中症患者が多くなっています。これは熱を生み出す役割を持つ筋肉が女性より男性に多く、男性の体温が上昇しやすいためです。

高齢者は部屋で「室内熱中症」に、10代は運動中、成人は作業中に熱中症を引き起こしやすい傾向があります。若い世代の場合、学生の部活動やレジャー活動、気温が高い環境での労働を伴う機会が多いため、熱中症が多くなっているのです。

熱中症は本人が活動に夢中になって知らないうちに発症しやすいことや、若くて体力があるので油断してしまうことも、若い人の熱中症につながっているのでしょう。

若い人の場合、病院に搬送するほどでもない軽症で済むことも多いのです。しかし放置しているとあっという間に重症に陥り最悪の場合は命に関わる可能性もあるので、若くて健康な人でも活動時は暑さ対策とこまめな給水を怠ってはいけません。

もちろん熱中症になりにくいタイプの人も加え、全ての人が熱中症をしっかり予防しなければならないのは言うまでもありません。また紹介した「熱中症になりやすい人」に該当しても対策をきちんと行えば熱中症も怖くありません。

日頃から自身の健康管理をしっかり行い、気温の高い時期は体調の変化に注意しながら熱中症予防を心がけようにしていきましょう。

熱中症経験者の体験談

熱中症を経験した方の中には熱中症対策をしていても熱中症になったという人がいます。こまめに水分、塩分をとっていても熱中症になったですとか、帽子をかぶって直射日光を避けていたなどです。

熱中症対策を行っていても熱中症にかかるときはかかります。

そして体験者の中には手足の痙攣や吐き気、めまいなどを経験していてもそれが熱中症とは気付かなかったという人もいます。

熱中症が具体的にどのような症状であるか分からないにも関わらず、自分は熱中症ではないと判断してしまうのです。

その結果、救急車を呼ぶことをためらいます。周りの人が救急車を呼ぼうとしてもそれを止めてしまうこともあります。

救急車を呼んでたいしたことがなかったら恥ずかしい、という心理が働くのです。でも、経験者の多くは「あのとき救急車を呼んでおけばよかった」と思います。 あるいは「早く病院に行っておけばよかった」と思うのです。

熱中症にかかると、顕著な症状はしばらくすれば落ち着きますが、多くの人が長期間に渡る後遺症を経験します。

そのことで人生のチャンスを逃していしまうこともあるかもしれません。

また、熱中症の経験者の中には急に気分が悪くなってその後意識を失い、気が付いたら病院にいた、という方もいます。発見が数十分遅かったら亡くなっていたかもしれない、という場合もあります。

どんなに本人が熱中症に対する知識を持っていてもいざという時に意識を失ってしまっては対処しようもありません。

熱中症になった人の中にはたまたま近くにいた人が看護師さんであったために適切な応急処置をしていただけて命拾いをした、という人もいます。

熱中症の被害者0社会を目指しましょう

1人でも多くの人が熱中症に対する正しい知識を身に付けてほしいと切に思います。

自分や家族だけでなく見ず知らずの人であっても、熱中症を疑うような人がいたら適切な応急処置と119番への連絡を早急に行ってください。

熱中症による被害者を0にするような社会になること願っています。

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