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高齢者の心不全が疑われる早期発見ポイントとリスクを低下させる行動

仲の良い老人と女性

最近「アンチエイジング」が注目されていますが、皆さんはこの意味をご存知でしょうか?アンチエイジングとは「加齢と戦う」医療のことで、いつまでも若々しく生きる意味があります。

しかしこれは人間の生き方の問題でもあり、お爺さんが若い女性と社交ダンスで鼻を伸ばしているのもアンチエイジングですよね。

医療の世界では人間の細胞を老化させない技術が研究されており、近い将来人間の寿命は150歳にまで伸びると指摘する専門家もいます。しかし現実はそんなに上手くは行かないもので、やはり歳を取ると身体にガタがきてしまいます。

「昨日まであんなに元気だったのに…」高齢者にとって最も注意しなくてはいけない心臓のトラブル「心不全」について紹介します。

病名のようで病名でない!心不全とは

新聞やテレビのニュースで著名人が亡くなった場合に、「原因は心不全と思われます。」と真面目顔なアナウンサーが話しているのを見かけます。

「そーか…心不全かぁ」と納得ししてしまうのですが、心不全ってよく考えたら意味が解りません。心不全とは病気の名前なのでしょうか?

心不全は症状の総称であって病名ではなかった

山口さんのお爺さんはいつも元気で、今日も大好きなゲートボールに出かけました。いつも通り朝ごはんを食べたお爺さんは、ジャージに着替えて道具を持って自転車で家を後にしたのです。

しかしお爺さんが家に帰ってくることはありませんでした。お爺さんはゲートボール中に倒れてそのまま亡くなってしまったのです。

お爺さんの死因は心臓が止まってしまう「心不全」であり、医師からもそのように説明を受けました。しかし詳しい説明を求めた家族に医師は「真の病名は解剖しなくては解らない」と告げたのです。

実はあくまで心不全は症状の総称であって病名ではありません。ここのポイントをまとめてみます。

【心不全は病名ではない】

「お爺さんが亡くなったのは心不全が原因です。」の意味は「お爺さんが亡くなったのは心臓の病気のどれかが原因です。」と言うことです。つまり心臓が停止したことで死亡した症状(現象)であって決して病名ではありません。

真実の原因を知るためには、医師が話したとおりに解剖を行って調べる必要があります。

心不全は心臓のポンプ機能の低下した状態

心臓は身体中に血液を循環させるポンプの役割がありますが、心不全とはこのポンプ機能が低下した状態を表します。

上で紹介した山口さんのお爺さんの例では、ゲートボール中に心臓の機能が低下して十分に血液を供給できなくなったことが死亡の原因と考えられています。

きっとお婆ちゃんレディーに良いところを見せようとして張り切ってしまって心臓に大きな負荷をかけたのかもしれませんね。

近年このように高齢者の心不全が増加傾向にあることが、「日本心臓財団」のホームページに記載されています。高齢者が発症する心不全の真の原因とは何なのでしょうか?

山口さんのお爺さんは心不全での死亡と診断されました。しかしそれは「心臓が原因で死亡した」と言う意味でしかありません。

心不全を引き起こす病気はコレだ!代表的な4つの心臓病

心不全という状態の意味

あくまで心不全は心臓が機能を低下させている状況であり、それ自体が病気でないことがわかりました。それではどのような病気が心不全の状況を作り出すのでしょうか?

高齢者の突然死に多い心筋梗塞

心臓が急に機能を停止して血液の循環がほぼ止まってしまうのが「心筋梗塞」です。心臓には「冠動脈」と呼ばれる、動脈が何らかの原因により詰まってしまい、心臓の筋肉に酸素や栄養が行き渡らなくなるのが原因です。

酸素の供給が停止してしまうと、心臓の筋肉(心筋)は壊死してしまい、強い痛みを感じることになります。痛みは胸だけでなく背中に出ることも多いようです。

さらに症状が進行すると心臓の機能が低下して最終的には、心臓は停止して死亡してしまいます。

心筋梗塞は発症してから治療開始までの時間が最も重要で、症状を我慢すると死亡率が格段に上がってしまいます。特に高齢者では多少の痛みを我慢する傾向にあることから、注意しなくてはならない病気です。

冠動脈の流れが悪い狭心症

心筋梗塞を発症させる手前の病気が「狭心症」です。冠動脈が詰まっているのですが、血液はかろうじて流れており、心筋の壊死を発症させるまでには至っていません。しかし、酸素や栄養は慢性的に不十分であり、心臓の機能も著しく低下しています。

この状態で運動など身体的な負荷をかけると、心臓に負担がかかり心停止することもあります。つまり心筋のオーバーロード状態と言う訳です。

狭心症では「胸の痛み」が特徴の発作を繰り返す特徴があり、大抵は30分程度休憩することで心臓が落ち着きを取り戻します。しかし、発作を繰り返すことで心臓の負担も大きくなり、心筋に損傷を与えることもあります。

狭心症には以下の2つのタイプがあります。

  • 安定型:運動や肉体的な負荷がかかった場合に発作が起きる
  • 不安定型:肉体的負荷と関係なく突然発作が起きる

狭心症では安定型と不安定型がありますが、症状の危険性は不安定型の方が高いことが言えます。不安定型は心筋梗塞に進みやすい状態と考えて下さい。

心臓の機能障害が心不全を起こす心筋症

心臓は臓器の中でもマッチョな臓器であり、大部分が筋肉で作られています。「心筋症」は心臓の筋肉に障害があることで、ポンプ機能に障害を生じさせる病気のことです。

心臓自体の機能障害によって起きる症状を「特発性心筋症」、全身の病気が原因で機能障害が起きるものを「特定心筋症(二次的心筋症)」と分類しています。

日本では多くの心筋症が「肥大型心筋症」「拡張型心筋症」であり、心臓の筋肉が厚くなったり、心臓が肥大してしまったりする病気です。

心筋症の原因と高齢化は関係ないと考えられていますが、高齢者は筋力が低下することで心臓に負荷がかかり、症状が悪化することがあります。高齢者は体力の衰えによって心筋症のリスクが高まると思って下さい。

高齢になると増加する心房細動

人間の心臓は2つの「心房」と、同じく2つの「心室」の4部屋で作られています。これは小学校の理科で習うのですが、それらを「左心房」「右心房」「左心室」「右心室」と呼びます。

心臓は電気刺激によって規則正しい伸縮を行いますが、この電気刺激が何らかの原因で乱れると心房の伸縮が早まってしまい、心房細動が発症します。

通常であれば人間の心臓の伸縮は1分間に60回~100回程度です。しかし心房細動では400回~600回もの伸縮が起こり、伸縮と言うよりも痙攣のような動きともとれます。

しかし、この乱れた動きは心房のみ起こることが多く、心室には影響が見られないことから、心房細動の状態に気が付かない人もいます。

慢性的な心房細動であっても無症状であることもあり、健康診断で指摘されるまで気が付かない人も珍しくありません。しかし悪化すると心室の脈も乱れる「不整脈」を発症して、「動悸」「息切れ」などの症状を引き起こすこともあります。

また心房細動の持病を持った人が、そのまま歳を重ねると心筋を弱らせて心筋症などの原因にもなることが解っています。

専門家の調査によると心不全を発症した患者の40%程度が、慢性的な心房細動を患っていたと報告があります。無自覚だからといって心房細動を放置すると、高齢化した時点で心臓の急停止が起こる危険性があったのです。

心不全は心臓の病気の総称でした。心筋梗塞や狭心症など様々な病気が隠れていたのです。

高齢者の心不全が疑われる早期発見ポイント

人間も高齢になると身体の節々にガタがきて、色々な不調に悩まされるようになります。しかし、心臓が元気であれば、その他はなんとかなりますよね。(脳もダメかな?)

早期発見のためにも高齢者の心不全を疑うべきポイントがあります。代表的な5つのポイントを紹介します。

【早期発見ポイントその1.】高血圧の人は心臓にも気を使おう

高齢者には高血圧の人が多く見られ、70歳以上ではその7割程度が発症しています。高齢者の高血圧には以下のような特徴があります。

  • 血圧の上の血圧(最高血圧)が高くなりやすい
  • 血圧が変動しやすい
  • 血圧は高いのに脳の血流は少ない
  • 糖尿病と併発している
  • 心臓の病気を起こしやすい
  • 脳の病気を起こしやすい

皆さんも血圧を測定したことがあると思いますが、血圧には「上」「下」があり、それぞれ「収縮期血圧:最高血圧」「拡張期血圧:最低血圧」と呼ばれています。

つまり収縮期血圧は心臓が収縮した時の血管圧力であり、拡張期血圧は心臓が膨らんだ時の圧力のことです。

高齢者は収縮期血圧が高くなる特徴があり、心臓から血液を送る際の圧力が高まった状態です。高齢になると血管が細胞の老化で硬くなり弾力性も失われてきます。

そうなると血液を押し出しても血管は広がらずに圧力が上昇してしまうのです。また動脈硬化が進行することで高血圧を発症しているケースもあります。

血管の圧力が高くなると、血液を送り出すポンプである心臓にも大きな負荷がかかります。

口に水を入れてストローで吹き出させるとします。太いストローでは短い時間で簡単に全ての水を吐き出すことができますが、細いストローでは強く吹かなくては出ないので顔が真っ赤になってしまいますよね。

心臓も同じで血管に弾力がなく細くなってしまうと、必要な血液を送り出すために強い力が必要になるのです。そうなると心筋にも負荷がかかり、慢性化することで心機能を低下させてしまうのです。

60歳を超えたら自宅で毎日に血圧を測定して、血圧の変化には注意しなくてはいけません。

【早期発見ポイントその2.】急激な体力低下は心不全の前ぶれ

高齢になると筋力が低下することから、体力もなくなり坂道や階段を登っただけで「ハァハァ」「ゼィゼィ」言ってしまいます。また長時間立っていることができなくなる場合もあります。

しかし、そのような状態は突然やってくるものではありません。

「先週は問題なく登れた階段なのに、今日は息が上がってしまう」「坂道が途中で休憩しないと登れない」このように急激に体力が落ちたと感じた場合は、心臓に問題がある可能性があります。

また朝は元気なのに夕方近くになると、体力を使い果たしてグッタリとなってしまうのも、原因は心臓にあるのかもしれません。

急激な体力の衰えを老化と思い込まないで、心臓に問題がないかを調べるようにしましょう。

【早期発見ポイントその3.】むくみや体重増加は心不全の前ぶれか

心臓の機能が低下すると血液の流れも悪くなることから、身体中の細胞に水が溜まりやすくなってしまいます。細胞は酸素と栄養を得ることでエネルギーを生成しますが、そこで作られた老廃物を水と共に排出しなくてはいけません。

しかし血流が悪くなると、その働きが阻害されて細胞は効率よく老廃物や水を排出できなくなるのです。その結果、手や足、顔などにむくみ症状が現れます。

また血流が悪くなることは腎臓の働きにも悪影響を与えます。腎臓は血液から不必要な水分や老廃物を濾過する臓器ですが、血流が悪くなるとその濾過機能が滞ってしまうことになります。

つまり水分を飲んでも排出が上手くできなくなり、体内(血液中)に多く蓄積される結果になります。その結果体重が増加してしまうことがあるのです。

高齢者には「頻尿」など尿が出やすいイメージがありますが、これは回数の問題であって尿量の話しではありません。回数ではなく尿量について気にすることも大切です。

むくみや急な体重増加は心臓の機能が低下しているサインかもしれません。心不全を起こす前に対処しましょう。

【早期発見ポイントその4.】消化器不良が続いたら心不全に注意

心臓からの血液の流れが悪くなると、思いもしない悪影響を臓器に与えてしまいます。「胃」「腸」「肝臓」などの臓器も多くの血液を必要としている臓器であり、血流が悪くなるとその機能も低下してしまいます。

特に食事をした後に胃がもたれたり、下痢や便秘を繰り返したりした場合は、心臓に問題がある可能性があります。

「歳だから胃が弱くなった」のではなく、心臓に異常があるかもしれません。高齢者の消化器異常は心臓も気にかけなくてはいけません。

【早期発見ポイントその5.】長く続く咳や痰は心臓に問題が

人間は呼吸によって空気を吸うことで、酸素を得ていますが、この「ガス交換」を行っているのが「肺」です。肺は膨らませたり萎めたりすることで、空気を取り入れて末端の組織である「肺胞」で酸素を抽出します。

肺の中は基本的に空気しか入っていないのですが、何らかの原因により水が溜まることがあります。これが「肺水腫」で、主に血管から染み出した体液が肺に溜まってしまいます。

肺に水が溜まってしまうと肺に空気を取り込むことが困難になることから、「咳」「息切れ」などの症状が出て酸素レベルが低下して最悪では意識を失ってしまいます。

肺水腫は肺の損傷や感染症、肺ガンなどで見られることが多いのですが、心臓の機能低下によって発症することがあります。つまり心臓の機能が低下すると、血流の流れも悪くなります。

そうすると肺の血液循環も悪くなり、肺に血液が溜まってしまう状況を作り出すのです。肺に溜まった血液は血管を圧迫して、徐々に血液から体液が染み出してしまい肺水腫を発症させます。

肺水腫になると「陸で溺れてしまう」状況になるので、咳き込んで「ハァハァ」と荒い呼吸になります。また肺に水がたまることで、痰が出やすく泡状の痰が見られます。

このような症状が出たら肺だけでなく心臓も疑うようにしましょう。

心不全は早期発見が大切です。早期に発見すると治療効果も高く完治させることも可能です。

高齢者が心不全を起こさないために!リスクを低下させる行動

高齢者は常に心不全を発症させるリスクがあるのですが、日常生活で少しの注意を行うだけでリスクを低下させることが可能です。リスクを低下させる行動を紹介します。

【リスクを低下させる行動1.】無理な運動は控える

心臓に負担をかける行為の中でも、高齢者が注意しなくては行けないのが「運動」です。よく高齢者向けの運動推進キャンペーンなどがありますが、普段運動していない人が真に受けると大変なことになる可能性があるのです。

特に50歳くらいまでに運動を習慣づけていない人は、70歳を過ぎて運動を開始することで、心筋を悪くしてしまうこともあります。

また急激な運動によって「心筋梗塞」や「脳梗塞」を発症させる危険性も否定できません。運動を行う場合には事前に医師と相談して、どの程度の負荷まで大丈夫なのか確認することも大切です。

また携帯用の脈拍計(時計タイプ)を利用して、心臓の鼓動を意識することも効果的で、脈拍が1分間に100回を超えない程度の運動に留めるようにして下さい。

【リスクを低下させる行動2.】食事で塩分を取りすぎないように

塩分の多い食事を続けていると高血圧になることはご存知だと思いますが、これは血液中の塩分濃度を薄めるために水分量が増えることで起きる現象です。

つまり血液中の塩分濃度は一定でないと、様々な障害が身体に起きてしまいます。そこで塩分が多くなると血液中に水分を多く含ませて、薄めてしまう作用が人間にはあったのです。

しかし血液に水分が多く流れ込むことは、血液量を増やしてしまい血管をパンパンに膨らませてしまいます。そして高血圧となり、心臓に負担を与えてしまうのです。

特に高齢者は代謝が弱いので、塩分(ナトリウム)の排出に時間がかかり、血液中の水分増加による高血圧になりやすい特徴があります。60歳を過ぎたら特に塩分には注意したいですね。

【リスクを低下させる行動3.】水分を摂りすぎると心臓に負担が

暑い季節はつい麦茶やジュースなどを沢山飲んでしまいますけど、それが心臓に負担を与えていることを知っている人は少ないようです。若者であれば多少過剰に水分を飲んでも、余分な水分は汗や尿となって直ぐに排出されます。

しかし高齢者ではそうはいきません。過剰に水分を摂取すると、その多くが体内に残ってしまい、血液量の増加を招き心臓に負担を与える可能性があります。

特に高齢者で腎臓に持病があって尿量が少ない人は、飲む量と排出する量を把握していないと、どんどん身体に水分が蓄積されてしまうのです。

医師から指摘されない状態であっても「最近、オシッコがすくなくなったなぁ」と感じたら、水分の摂取を控えるようにしましょう。しかし必要な水分まで制限しないように注意して下さいね。

【リスクを低下させる行動4.】規則正しい生活は心臓も喜ぶ

過労は心臓に負担を与えて心不全を起こす原因になります。高齢者は普段から疲労には注意して、十分な休息を心掛けるようにしましょう。特に注意したい生活習慣は以下の通りです。

  • 規則正しい食事
  • 排尿、排便(便秘に注意する)
  • 休息を十分にとる
  • 睡眠時間を十分にとる
  • その他

食事と睡眠は特に重要で、毎日規則正し時間に食事をとったり、睡眠をとったりすることは身体を休めて心臓の負荷を軽減させます。高齢者は心臓のためにも規則正しい生活を行いましょう。

【リスクを低下させる行動5.】アルコールはほどほどに

高齢者の中には「お酒は百薬の長だ」と屁理屈を言って、毎晩大量のお酒を飲む人がいます。確かに適度のお酒であれば、血流を促進して睡眠を誘導する作用があります。

また楽しいお酒はストレス解消にも効果的ですよね。しかし適量とは実はグラス1杯程度であり、それを超えると心臓に負担を与える結果になります。

お酒を飲んだ時に心臓が「ドクドク」するのを聞いたことがあると思いますが、アルコールは心臓の鼓動を速めて心筋に負担を与えてしまいます。

近年の研究ではアルコールが動脈硬化を促進して、心筋梗塞を発症させる原因になるとの報告もあります。「歳をとったら楽しみは酒だけじゃ~」と言われるかもしれませんが、心臓のことを思うならば加減したほうがよいですね。

【リスクを低下させる行動6.】喫煙は血管を細めてしまう原因

50歳を過ぎた私の子供時代は、「大人は煙草吸う」のが当たり前の感覚でした。周りの大人は皆煙草を吸っており、特に男性は煙草を吸わない人が見つからないくらいの喫煙率でしたね。

現在では健康意識の高まりから、全体的な喫煙率は減少しています。(女性は上がっているのかな?)しかし昭和の時代では喫煙は大人の印でもあったのですね。

しかしこの喫煙行為が心不全の原因になることをご存知でしたか?煙草に含まれる成分「ニコチン」は依存性のある有害物質ですが、これには血管をギュッっと収縮させる作用があります。

つまり喫煙すると身体に入り込んだニコチンの作用で、血管が細くなってしまうのです。これは心臓の冠動脈も同様で収縮してしまいます。この収縮は急激に起こることから心臓に大きな負担となってしまうのです。

さらに血管が収縮することで、心臓も動きを速める必要があり、これも負担となります。煙草は心臓に負荷をかけるものだったのですね。

ここで私が知人の医師から聞いた話しを紹介します。

吉田さんはヘビースモーカーでしたが、60歳の時に心筋梗塞を発症して緊急手術を受けました。手術も終わり医師からは、これから私が許可するまで絶対に禁煙して下さいと念を押したそうです。

回復は順調で長かった入院もあと3日、退院日も決まったその日に事件は起こったのです。看護婦が吉田さんの様子を見に来ると、吉田さんの姿がみえません。車椅子もないのです。

吉田さんは心臓に負担がかからないように、入院中は車椅子を使用していたので遠くに行くことはありません。奥さんと看護婦が必死で探した結果、ついに吉田さんを発見したのです。

吉田さんは病院の玄関のすぐ横で車椅子に座っていましたが、ぐったりとして遠目からも亡くなっている様子が解ります。

そして近づいた奥さんが見たものは…「手に握った煙草と落ちた吸い殻でした…」

これは実話で如何に煙草が心臓に負担をかけているのかが解ります。全員がこのようになる訳ではありませんが、ニコチンの作用を甘く見てはいけない教訓になりますよね。

吉田さんの死因は「心不全」で、ニコチンにより心臓に負担がかかったことが心筋症を発症させたと考えられているそうです。

お酒と違って煙草は「百薬の長」と呼べる部分がなく、単に健康に悪い嗜好品です。心臓を大切にしたいのなら、まずは禁煙することが大切だと言うことです。

【リスクを低下させる行動7.】熱いお風呂は止めましょう

温泉に行くとお爺さんが「なんだぁこの湯ぬるすぎじゃ」と怒っている姿をたまに見かけます。(本当です)

私は軟弱なのかお風呂の温度は40℃~41℃程度が適温であり、健康番組でも「40℃のお湯に長く入りましょう」などと特集を組んでいますよね。

しかしお爺さんはそうは言っていられません。「湯は43℃以上と決めているのじゃ~」と一歩も引かないのです。中には45℃もある高温のお風呂に、平気で入っているお年寄りも少なくありません。

このような人が増えればダチョウ倶楽部も熱湯風呂に入りにくくなりますが、この行為は心臓にとって心不全を発症させる原因になってしまいます。

実は身体を温めることは血管を拡張して血流を改善させます。これで考えると入浴は血流をよくして血圧を下げると考えてしまうかもしれません。

しかし考えて下さい。熱いお湯に入ると身体の筋肉がギュッと緊張しますよね。これは熱いお湯の刺激に交感神経が反応して、筋肉を収縮して熱から身体を守っていたのです。これを「ヒートショック」と呼び心臓に大きな負担となります。

熱湯風呂の半身浴で1時間も入れる人なら別ですが、一般的な人間であればこれは無理です。どんなに熱いお風呂が好きなお爺さんであっても、身体には大きな負荷がかかっていることを理解しましょう。

つまり熱いお風呂は筋肉を収縮させ、血管を細くして高血圧を引き起こしてしまう原因となります。

ダチョウ倶楽部も言っています。「じょうだんじゃないよ~」…そう心臓にとっても冗談ではなかったのです。

【リスクを低下させる行動8.】早期発見を見逃さない

実は心不全の原因である多くの病気は早期に治療することで、命の危険を脱することができます。心筋梗塞であれば「6時間のリミット」あり、6時間以内に治療を開始することで心筋の壊死を大幅に防ぐことができます。

そのため早期発見が大切で「早期発見ポイント」をよく理解して、症状が当てはまる時には循環器の専門医で検査を受けるようにしましょう。

また高齢者の中には「我慢を美徳」とする人や、家族に「我慢を強いる」人がいます。その人にとって我慢は美徳かもしれませんが、我慢しても得は全くありません。

自分や家族で「おかしいな?」と感じたら、迷わず病院で検査してもらいましょう。

高齢者は心臓に優しい生活を心がけましょう。もしかしたらギネス的な長寿が待っているかもしれませんよ。

高齢者は生活習慣病にも注意してもらいたい

高齢者の中には持病を持っている人が多く、その代表的な病気が「糖尿病」です。糖尿病は生活習慣病の代表であり、一部を除いて普段の生活習慣に発症原因があるのです。

このように生活習慣病を発症していると高血圧になりやすく、血管も早く老化が進んでしまうことが解っており、それが心臓に負担を加えて心不全の原因になります。

心臓を守るためには持病をしっかり治療することも大切なポイント言えるでしょう。

現在では医学も進歩しており軽い心不全では、投薬による薬物療法で治すことも可能です。またカテーテル治療やステント治療で血管を広げることもできます。大きな手術になることは稀なので、安心して検査を受けるようにしたいですね。

最初に紹介した山口さんは残念ながら亡くなってしまいましたが、もしかしたら今回紹介した症状が事前に出ていたのかもしれません。それをしっかり理解していたら…残念でなりませんよね。

山口さんのようにならないために、60歳を過ぎたら心臓のチェックを心掛けて下さい。さあ…見逃さないで下さいね。貴方の心臓は元気に動いていますか?

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