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風邪?身体がだるいのが治らないのは心臓病かも知れません!

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風邪は万病のもとなどと言いますが、多くの病気の初期症状が風邪と同じであることからそう言われたとされています。

ところが、心筋炎や心膜炎は、そもそも風邪を引き起こすウイルスや細菌などが心臓に感染することで発症することも珍しくない病気なのです。

ですから、風邪と同じ症状が出るのは当たり前ですし、区別するのも難しいと言えるでしょう。

風邪のウイルスが心臓に取りつき「心筋炎」に

風邪のウイルスと言えばアデノウイルスにライノウイルスが有名です。
あと風邪と言っていいのか微妙ですがインフルエンザウイルス。

さらに夏風邪のウイルスとして知られるのはエコーウイルスやコクサッキーウイルスです。
コクサッキーは手足口病の原因ウイルスでもありますね。

これらのウイルスは、何かのはずみで心臓の筋肉や心臓を包んでいる膜に取り付いて病気を起こすことがあるのです。

心臓の筋肉に取り付くと「心筋炎」を発症しますが、これの発生頻度は人口10万人当たり115人と言うデータがあるようです。1000人に1人あまりの割合です。

割合少ない数字とも言えるのでしょうが、風邪を引いた人10万人じゃなく、単に人口10万人に対してなので、決して無視できない数字です。そして、そのうち一部の人が危険な劇症型心筋炎に進み、その半数が命を落とされます。

細菌やカビが原因の場合は「心膜炎」に

一方、心臓を包んでいる内外二枚の膜に炎症がおこる「心膜炎」と言う病気もあります。心膜炎、あるいは特に問題になることが多い外側の膜に特定して、心外膜炎と言うこともあります。

ウイルスの他、風邪の原因になる細菌のレンサ球菌やマイコプラズマ、普通は害にならないコウジカビの一種であるアスペルギルス、最近注目の結核菌など、様々なものが心膜にとりついて心膜炎を発症します。

心膜炎自体は症状が出ずに知らない間に治ってしまっていることもある一方、慢性化すると手術が必要になる病気ですので注意が必要です。

また、慢性化しなくても心膜の炎症が原因で、2枚ある心膜の間に液体がたくさん溜まると心臓が止まりますので液を抜く手術が必要になるのです。

ただの風邪か心膜炎か?症状で判断するポイント

もともと原因ウイルス・原因菌が風邪と同じですから、風邪の症状が出るのは当然です。風邪の症状と同時に以下のものがあれば特に注意が必要です。

  • 不整脈
  • 呼吸困難
  • 不安感
  • 風邪のものとは異なる胸の痛み
  • 風邪のものとは異なる息苦しさ

呼吸困難は風邪でものどや気管支の炎症がひどいと起こりますが、座った姿勢で体を前に傾けると呼吸が楽になる場合、必ずお医者様にそのことを告げましょう。

姿勢変化で呼吸困難が楽になる場合、心外膜炎によって心膜の間の液体が異常に増える状態になっている可能性がありますから、お医者様はそれに応じた検査を行って下さるでしょう。

もしそうであった場合でも、比較的簡単な手術ですぐ良くなる一方、放置すると命にかかわりかねませんから、我慢せずにお医者様に症状を告げて下さい。

突然手足が冷たくなって不整脈を感じたら緊急事態!

一方、心筋炎の場合は全く無症状の場合があるかと思うと、風邪のような症状から一転してひどい症状に移行する場合もあります。

風邪のような症状がある時に、突然手足が冷たくなって不整脈を感じたりしたら、すぐに病院に駆け込んだ方が良いです。場合によっては救急車を呼ぶのも一つの方法ですね。

町のお医者様ではすぐに対応できる機材がないかも知れませんので、心臓外科のある病院が一番良いです。

劇症型急性心筋炎

このように、風邪のような症状から急に変化が現れ、失神したり呼吸困難に陥ったりなど、急性心不全へと移行する病気を劇症型心筋炎と言います。

20世紀には治療法がなく、患者が亡くなるケースが多かったそうですが、今ではPCPSと言う、いわゆる人工心肺装置の簡易版とも言うべき装置が専門病院などに普及するなどして、半数程度が助かるようになったそうです。

注射針のように血液循環の管を二本皮膚に突き刺すことで装着できることから、数分しか準備に必要としないことが救命率の向上に役立っています。

心筋の特殊性

心臓の筋肉は再生しないと言うことは良く知られていると思います。実は心筋に限らず、筋肉の細胞は再生しません。しかし、再生しないのなら、傷ついた筋肉はどうやって治っているのでしょうか。

この再生しないという言葉は、専門家の説明が私たち一般人に伝わりきれなかったことが原因の誤解だと思います。正確には「一旦筋肉として完成したら、細胞分裂は起きない。」と言うことなのです。

普通の筋肉が損傷を受けると、そこに線維芽細胞と言う他の細胞より早く分裂増殖する細胞がやってきて、新たな筋肉を作ると言う働きがあります。

そして、心筋の場合でもごく軽度の損傷ならこの働きである程度は修復できるんです。しかし、例えば肉離れの時を考えてください。肉離れで傷んだ筋肉が戻るまで、数日は動かさないよう安静が必要ですよね。

心臓の筋肉が傷んだからと言って、数日間動かさなかったら死んじゃいます。

ですので、身体は壊れた心筋細胞の代わりに、再生可能ではあるけれど動く能力を持たない、身体を構成している普通の細胞で置き換えて心臓としての形を保つようにしているんですよ。

これが心筋は再生しない、と言うことの意味なのです。

心筋症の後遺症につながる

心筋は、自律神経の命令で血液を送り出す心臓のポンプ機能を担っていますので、そのうちの一部が収縮機能を持たない細胞に置き換わってしまうと、ポンプとしての能力が劣化します。

ポンプ機能が衰えるとむくみや食欲不振に始まる慢性の心不全に陥る恐れがあります。これが心筋炎の後遺症です。

運動はもちろん、身体を使う仕事も厳しくなってきますので、こうした後遺症が残らないようできるだけ初期に心筋炎の治療を行うのが良いのです。

心筋炎と心膜炎の詳しい症状は?

とは言え、先にお話しした通り風邪との見分けがつきにくいだけに厄介ですよね。風邪をひいただけで「心臓が悪いのかも知れません」と言ってお医者様にかかるのも気が引けます。

そこでもう一度症状の特徴をまとめますので、当てはまることがあったらお医者様に必ず伝えて診断を受けてください。

心筋炎の症状

風邪と並行して、あるいは風邪の症状が1週間以上続いた後に、

  • 胸の痛み
  • 身の置き所がないような体のだるさ
  • 呼吸困難
  • 不整脈

こういった症状が表れた場合、心筋炎が疑われます。

お医者様に相談して心電図を取ってもらいましょう。心電図にはかなり特徴的な傾向が出ますので、ただのひどい風邪か、心筋炎かの区別は一発でつくはずです。

心膜炎の症状

風邪のような症状と並行して、

  • 胸に刺すような痛みがある
  • 胸の中に鈍痛がある
  • 胸の痛みが肩や首に響く
  • 呼吸困難(姿勢で楽になる)
  • 息をすると胸の痛みが強くなる

などが表れた場合、心膜炎の可能性があります。

特徴的であった場合、聴診器による診察で判断できる場合もありますから、必ず聴診器を当ててもらいましょう。もちろん心電図や心エコー検査も有効です。感染症が原因と疑われる場合、血液検査もされるでしょう。

心筋炎にせよ心膜炎にせよ、風邪の症状に続いてお腹が痛くなったり下痢をしたりする消化器症状が起こり、それに続いて心臓の症状に繋がる場合もありますので覚えておいて下さい。

いずれにせよ風邪は市販薬で対応するより、症状に少しでも疑問があったら、お医者様に聴診器を当ててもらうのがベストだと言えるでしょうね。

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