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難聴の原因が耳でも脳でも心でもなく、本当は心臓だった!?

難聴、耳が聞こえにくいという症状は、耳垢がたまっただけというものから、心の病が原因で聞こえないというものまで、大変範囲が広いものです。その中でも意外に見落とされがちなのが、初期の心臓疾患による難聴です。

中年以降で耳が聞こえにくいなと思ったら、まずは耳鼻科。そして原因が明快でなければ、心臓疾患対策を行って様子を見てみましょう。

難聴の幅広さ

耳が聞こえにくい、耳が聞こえないという病気は、大きく分けて三つの原因があります。一つは音が耳の奥に伝わらない伝音性難聴。一番軽いものは耳垢が原因で詰まった場合ですね。

変わったところでは、耳掃除をしていてはがれた耳垢が外に出ず、鼓膜に貼り付いて聞こえがおかしくなることもあります。また、先天的に耳の管の形がおかしくて聞こえが悪い場合もありますが、比較的軽症のことが多いので、耳鼻科で見てもらえば簡単に解決することも多いです。

もう一つは、伝わった音を内耳の奥や脳が上手く受け取れないために起こる、感音性難聴。難聴の中でも最も多く、また種類もたくさんあるので一口には語れません。

最近よく話題になる突発性難聴も、この感音性難聴の一つですし、今日ご紹介する心臓に原因のあるものも、この感音性難聴に分類されます。

そして耳や脳に原因がない機能性難聴。これは耳鼻科の範疇ではなく、むしろ心療内科や精神科に分類される病気ですので、また別の機会に譲りましょう。

感音性難聴はなぜ起こる

感音性難聴の原因は実に様々です。例えば携帯音楽プレーヤーでイヤホンを使って音楽を聴き続けただけで、音響傷害によって引き起こされる場合もあります。大音量の音楽はもちろんですが、どの程度の音量なら安全というのは個人差があるようですね。

また、脳腫瘍や頭がい骨骨折という重病・重傷が原因になることもありますし、老人性難聴という加齢によるものもあります。その中で心臓血管系の病気が原因で起こる感音性難聴が今日の話題です。

血液の循環が悪くなるのが原因

もちろん、心臓血管系の病気があると全身への血流の状態が悪くなりうるのですが、実際の研究では心筋梗塞などの心臓血管障害を患った人が、その後で低音難聴をきたすことが多いという事から、この関係が分かってきました。

ご存知の通り心筋梗塞は、動脈硬化が原因で血栓ができて心臓への血流が途絶え、重大な症状をもたらす病気です。さらに、その血栓がはがれて血流に乗り、脳の血管を詰まらせてしまった場合を、心原性脳梗塞といいます。心臓に原因がある脳梗塞ということですね。

そして脳の近くにある内耳にも細い血管が張り巡らされていて、血流量に非常に敏感な組織でもあります。ですから逆に難聴が心筋梗塞のサインになる場合があるという事なのです。

低音難聴

タイトルは読んで字のごとく、低音が聞き取りにくくなる難聴のことです。耳が聞こえにくくなったと言うと、特に若い人ならともかく、40代になってくると「年齢のせい」で片づけられやすくなります。

しかし、加齢による難聴は高音ほど聞こえなくなるのが特徴ですから、低音難聴は加齢以外の原因を疑うべきなのです。

メニエール病

めまいや耳の詰まった感じなどとともに、低音難聴を伴う病気にメニエール病があります。有名な病気なのでご存知の方も多いでしょう。

生命に係わることはないものの、早く治療しないと非常に治りにくくなる病気なので、低音が聞こえにくくなってきたら、どちらにせよ耳鼻科に急がれた方が良いですね。

耳鼻科で耳の聞こえの検査を行い、その結果低音難聴が見つかったら、メニエール病の検査になると思います。それでもしメニエール病、もしくはその前段階ではないと診断されたら、「様子を見ましょう」になる可能性が高いですね。

自分の身体は自分で守る

もし、低音の聞こえが悪く、はっきりした病名がつかない状態という事になったなら、まずはご自身の体の状態を振り返って下さい。危険因子は次のようなものです。

  • 高血圧(収縮期:140mmHg以上または拡張期:90mmHg以上)
  • 高血糖(HbA1c 5.2%超)
  • LDLコレステロール異常高値(140mg/dL以上)
  • HDLコレステロール異常低値(男性40mg/dL以下、女性50mg/dL以下)
  • 中性脂肪異常高値(150mg/dL以上)
  • メタボ体形(男性 腹囲90cm以上、女性 腹囲80cm以上)
  • 喫煙習慣あり
  • 飲酒習慣あり

もしどれか一つにでも当てはまるようであれば、まずは動脈硬化のリスクを減らしましょう。

これらの危険因子はすべて動脈硬化につながります。一つでも当てはまれば、既に血栓とまでは言わなくても、その原因になるものがあなたの血管の中に貼り付いている可能性がある、という事ですね。そこで対策です。

  • ナトリウム摂取量(塩分)を減らす:高血圧の改善
  • 体重の適正化と糖質の摂取量を減らす:高血糖の改善
  • 動物性脂肪の摂取を減らし植物性にする:LDLコレステロールの低減
  • 禁煙と適度な運動:HDLコレステロールの増加
  • 糖質の摂取量を減らし、禁酒する:中性脂肪の低減
  • 摂取カロリーの適正化と適度な運動:メタボ体形の解消
  • 禁酒・禁煙

あなたの状況に合わせてこのような対応を取ることで、動脈硬化やそれに起因する血管障害の可能性はうんと減ります。また、動脈硬化の検査を受けてみるのも一つの手ですね。検査といってもそれほど大げさなものではありません。

一つはCAVI検査。両手両足に血圧計のカフのようなものを巻いて、血圧測定と同じように圧力をかけて抜くだけの簡単なものです。これで血管年齢を割り出したりしてくれます。もう一つは頸動脈の超音波エコー検査です。

頸動脈が狭くなっていないかとか、頸動脈の中にプラークと呼ばれる変なふくらみがないかをチェックしてくれます。いずれも痛みなどは全くありません。しいて言えば頸動脈のエコー検査は、ちょっとくすぐったいかもですね。

この検査の結果次第では、投薬治療という事になるかもしれませんが、心筋梗塞を予防できる効果的な検査と治療ですから、お近くの病院で相談してみて下さい。血液検査の結果次第では、保険対応になって安く受けられるかもしれませんよ。

低音難聴は神のお告げ?

今のところ、低音難聴と心臓血管障害のタイミングについての研究は、充分ではないようです。つまり、心筋梗塞で倒れた後から低音難聴がやってきたケースも数多いため、必ずしも予兆とも言い切れないのです。

しかし、そのことは裏返せば、心筋梗塞発症前に心臓血管性の低音難聴が出たという事は、極めてラッキーな事と言えるでしょう。そのタイミングで動脈硬化関係の検査を受けたり、自分で食事や生活を見直して対策したり、様々な対応が取れますよね。

せっかく神のお告げとでもいうべき予兆を身体に感じたのなら、「たかがこのくらい」と思わずに、ありがたく受け入れて病気を未然に防ぐのがベストですよ。

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