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舌が白い、黄色い、ブツブツのできものができる?舌で不調をチェック

舌を出し指さす女性

「舌診」という言葉、聞いたことはありますか?これは中医学の診察で行われる、舌の状態をみて体の中の状況を知るという診断方法です。

「舌は内臓の鏡」と言われるほど、舌には体の中の状況が現れるとされます。舌をみることで体の中の状況をどのように知ることができるのでしょうか。体が健康な場合には、どんな状態の舌になるのでしょう。

舌のチェックを習慣にすることで、自分の体調変化にも気がつきやすくなります。普段のちょっとした体調管理に、舌のチェックを役立ててみませんか。

自分の舌を観察してみよう!でもやみくもに見てもダメなんです

舌の表面の細胞は新陳代謝が盛んで、3日ほどで新しいものに入れ替わるとされます。そのため体調の変化に対しても反応が出やすくなります。全身的にはまだはっきりとした症状の出ていない時期から、舌にはそのサインが出ることが多いのです。

ではまずは実際に自分の舌を観察してみてください。鏡の前で口を開け、力を入れずに舌を出してみましょう。舌は何色で舌についた苔はどんな状態になっていますか。

普段、鏡を見ない日はあまりないと思いますが、鏡で自分の舌を見るという機会は意外と少ないのではないでしょうか。

自分の舌を毎日観察して、舌の様子と体調の変化のつながりを意識してみても面白いかもしれません。健康な時と、疲れがたまったり風邪気味で体調が悪い時などを比較してもよいでしょう。

正しい舌のみかたとは?

舌の状態を観察することで体の中の状況を知り診断をする「舌診」を行うためには、まず舌をきちんと観察することが大切になります。

舌診では舌の色、舌の形や厚み、舌に付着した「舌苔」の色や状態、舌の動き、そして舌の裏側の様子などを見ていきます。これらの舌の状態は「舌象(ぜっしょう)」と呼ばれます。

舌を観察するときには次のようなことに注意しましょう。

  • 舌は、力を抜いて自然に前へ出す
  • 理想は自然光での観察、無理な場合には十分な明るさの照明の下で観察をする
  • 食後すぐの観察は避ける
  • 観察の場所やタイミングなど、毎回同じ条件の下で行う

舌を出すときに緊張したりして力を入れてしまうと、色や形などが正確に観察できなくなってしまいます。あまり力まないで、自然に平らに出すようにしましょう。

観察をする際には光も大切です。できれば自然光の下がよいのですが、毎回それは難しいでしょう。その場合には十分な明るさのある照明の下で行って下さい。

蛍光灯の種類によっては多少色が違ったり、壁の色の影響を受けてしまうこともあるため、毎回同じ場所の同じ照明の下で行うのがよいでしょう。

観察のタイミングも大切です。食後は食べたり飲んだりしたものの影響で舌苔が染まりやすいため、食直後は止めておきましょう。熱いものや冷たいものによっても舌が刺激され、色が変わってしまいます。

また朝起きてすぐは舌苔が厚めになっています。いつでも同じ時間帯に観察を行うことで普段の状態との違いもわかりやすくなります。毎回、同じ照明の下で同じ時間帯、同じタイミングで観察する習慣をつけるとよいでしょう。

舌は変化していきます

舌の状態はその時々によって変化します。病気のときはもちろんですが、お酒を飲み過ぎたり不摂生が続いたりといったような日常のちょっとした出来事によっても舌は変化していくのです。

例えばお酒を飲み過ぎると、舌は赤くなります。冷たいものを飲み過ぎたりして体が冷えると、舌は白くなります。暴飲暴食が続いてしまうと、舌苔は厚くなっていきます。

そして季節や年齢によっても変わります。秋冬のような乾燥した季節には舌も乾きやすくなります。湿気の多い時期は舌苔も湿っぽくなります。また歳をとると体内の水分量は減るためにに、舌にもそれが現れます。

女性の場合には生理の前後でも変化します。自分の舌がどんなときにどう変化していくのかを観察してみてください。

舌の部位と臓腑の関係性

舌診では舌全体を4つの部位にわけ、それぞれの部位は各臓腑の状況と関係していると考えます。各臓腑の状況が変化すると、その臓腑と関係のある舌の部位も変化するとされるのです。

「臓腑」というのは単に「内臓」という意味だけでなく、内臓も含めた体全体の機能を表しています。舌の部位と臓腑には次のような関係性があると考えられています。

  1. 舌尖(舌の先):「心肺」心臓・肺だけでなく循環器、呼吸器全体などまで含む
  2. 舌中(舌の中央):「脾胃」消化器系、代謝系、リンパ系などまで広く含む
  3. 舌辺(舌の左右辺縁):「肝胆」肝臓・胆のうだけでなく自律神経系なども含む
  4. 舌根(舌の奥):「腎」腎臓だけでなくホルモン内分泌系や生殖器系などを含む

病気が体全体に広がっている場合には舌全体に変化があり、まだ病気が体の一部だけの場合には舌の特定に部位に変化が見られるとされます。

このように中医学や漢方ではそれぞれの内臓の状態をバラバラに考えるのではなく、体全体をひとつにつなげてみていきます。舌を見ることで、全身の現在の健康状態、病気の深さや進み具合、病気の特徴などがわかってくるのです。

考えてみたら、普段自分の舌を見ることってあまりないですね。これからは、舌のことにもっと興味を持って観察するようにしてみましょう。

理想の舌とは?ー淡紅色で舌苔がうっすらとつく状態

では、理想的な舌とはどのような舌なのでしょうか。

心身ともに健康で理想的な舌は、次のような舌になります。

  • 舌の色:赤すぎず白すぎない、淡紅色(薄いピンク色)です
  • 舌の大きさ:適度な大きさと厚みで、大きすぎたりやせすぎたりしていません
  • 舌苔:白く薄く、均等に舌の表面についています
  • 舌の硬さ:硬すぎず柔らかすぎずに動きも滑らかで、舌の縁に歯形はありません
  • 舌の湿り気:乾燥しすぎず湿っぽすぎず、適度な湿り気です
  • 舌の裏側:舌の裏にある2本の静脈が、全然見えないかうっすら見える程度です

ただし年齢とともに体は変化し、それにともなって舌の状態も変化していってしまいます。歳を重ねるごとに、理想的な舌でいることはだんだんと難しくなっていってしまうのです。

理想的な舌の状態と多少違っていても、特に気になることもなく異常もないということでしたら大丈夫でしょう。

舌の状態から体の中の状況を知ろう

では、舌の状態からどのようなことがわかるのでしょうか。

舌の色や形、舌苔の状態の違いによって、体の中では次のような状況になっていると推測されます。自分の舌の状態の参考にしてみてください。毎日観察するとその変化にも気がつくようになるでしょう。

ただし実際の舌診ではもっと細かく観察し、また舌以外の情報とも合わせて総合的に判断していくようになります。

もっと詳しいことが知りたいときや気になる症状があった場合には、漢方や中医学の専門家に相談するようにしてみてください。

舌の色について

舌全体の色をみてください。健康な状態ならば、淡紅色をしています。淡紅色よりも赤みがなく白っぽくなっていたり、逆にもっと赤くなっていることもあるでしょう。紫色や青っぽくなっていることもあるかもしれません。

それぞれの舌の色によって、体は次のような状況と推測されます。

  • 淡紅色(うすいピンク色):健康です。
  • 白っぽい:栄養状態が悪く、エネルギー不足です。疲れやすいでしょう。
  • 赤い:体の中に炎症が起きたり熱がこもっています。赤みが濃いほど重症です。
  • 紫色:血行が悪くなっています。
  • 赤みがなく青っぽい:体が冷えています。抵抗力も落ちているでしょう。

白っぽい舌は、顔色が悪かったり元気のない人で見られます。消化器系の病気やうつ病などの心配もあります。貧血もあるかもしれません。

赤っぽい舌は、体の中に炎症が起きているときや熱がこもってしまっているときです。水分不足により熱が冷ませないこともあります。赤みが濃くなるほど、炎症は重くなります。胃炎や肝炎、糖尿病などの可能性もあります。

キュウリや冬瓜、ゴーヤ、ナス、トマトなどには熱を冷ます効果があります。唐辛子などの辛いものは控えたほうがよいでしょう。

紫色の舌は、血液がドロドロになり血行が悪くなっています。血液がドロドロになると高血圧や動脈硬化、狭心症、心筋梗塞なども心配です。血行の悪さは老化にも繋がるため、気をつけておきましょう。

アジやイワシ、サンマなどの青魚は血液をサラサラにしてくれる効果があります。動物性の脂肪は血液をドロドロにしてしまうので控えましょう。

赤みがなく青っぽい舌は、体が冷えてしまっています。冷たいものばかりを口にしたり、クーラーのきき過ぎた環境にいませんか。体の冷えた状態が続くと抵抗力が落ち、風邪などひきやすくなるので注意しましょう。

舌の形や状態について

舌の形や大きさ、状態はいかがでしょうか。大きくはれぼったかったり、薄くやせていたりするかもしれません。また人によっては舌の縁に歯形がついていることもあります。

それぞれの状態によって、体の中は次のような状況だと推測されます。

  • 大きくはれぼったい:余分な水分がたまっています。
  • 薄くてやせている:栄養や水分が不足しています。
  • 縁に歯形がついている:体力が衰えています。
  • 舌の裏の血管が怒張している:血行が悪くなっています。

大きくてはれぼったい舌は、体の中に余分な水分がたまっています。むくみ、神経痛、めまいなどあるかもしれません。鼻水やくしゃみなどアレルギー症状が出ることもあります。情緒不安定なこともあります。

薄くてやせた舌は、栄養や水分が不足している状態です。高齢者に多く見られる舌になります。

舌の縁に歯形がついてしまっているのは、体力が衰えてしまっている状態です。体力が充実していれば舌は硬くしまっているのですが、体力が衰え抵抗力が低下してくると舌は柔らかくなります。

舌がはれぼったいようなら水分がたまってしまっています。情緒不安定になっていることもあります。舌が白っぽいようなら疲れがたまっています。胃腸が弱っていることもあります。

舌の裏側には2本の静脈があるのですが、健康な状態ならこの静脈は全然見えないかうっすら見える程度です。しかしこの静脈がはっきり太く盛り上がって見える場合には、血行が悪くなってしまっています。

舌苔について

舌の表面についている舌苔の色や状態はどうなっていますか。理想は白い舌苔が舌の表面に薄く均等についている状態です。舌苔には適度な湿り気もあります。

体調が悪くなると舌苔が厚くなったり、黄色や褐色になったりします。健康なときよりも湿っぽくなることもあれば、逆に乾燥してはがれやすくなることもあります。

もしも舌苔が次のような状態でしたら、体の中の状況はこのようになっていると推測されます。

  • 舌苔が白く湿っている:体が冷えています。
  • 舌苔が白く乾燥している:体の中に炎症があり、乾燥しています。
  • 舌苔が黄色い:炎症や感染症があります。
  • 舌苔が灰色:病気が悪化してきています。
  • 舌苔が厚い:食べ過ぎで胃腸に負担がかかっています。
  • 舌苔が湿っぽい:冷えていたり、水分が過剰になっています。
  • 舌苔が乾燥している:炎症などにより熱がこもり、水分が不足しています

舌苔が理想よりもっと白っぽく湿っている場合には、体が冷えてしまっています。白い舌苔に厚みがあり、粘った状態でべったりとついているようなら冷えが強く湿気もたまっています。

冷たいものの摂り過ぎには気をつけましょう。暴飲暴食をしたり食生活が不規則になっているときにも、このような舌になることがあります。

白くて乾燥した舌苔の場合には、風邪などの感染症にかかっていたり炎症が起きていて、体は水分不足になり乾燥しています。

舌苔が黄色い場合には、感染症や炎症などがあり熱もあるでしょう。薄い黄色の舌苔ならばまだ初期の段階ですが、濃い黄色の舌苔になってくると症状はだんだんと悪化してきています。

そして舌苔が白や黄色から褐色、灰色になってくると、病気はもっと悪化し重くなってきていると考えられます。さらに悪化すると舌苔は黒くなってきます。

舌苔が厚くなってきた場合には食べ過ぎや水分が多くなっていることが考えられます。胃腸に負担もかかっています。

舌苔が湿っぽい場合には、水分が過剰になったり体が冷えてしまっています。舌苔が乾燥している場合には、熱がこもって水分が不足してしまっています。

このように舌の色や形、舌苔の状態などを観察することで、体の中のいろいろな状況が推測できるのです。

この他に舌の動きも観察します。例えば舌の動きが悪いようでしたら、栄養や水分が不足し体力も落ちているというようなことが考えられるのです。

ここにあげたものは舌の大まかな状態だけになります。舌の状態は人によってもっと細かく違っていて、実際の舌診ではそれらを詳しくみていきます。また舌以外の情報とも合わせて判断をしていきます。

気になる状態があったり舌診に興味があるようでしたら、一度、きちんと中医学や漢方の専門家にみてもらうとよいでしょう。

舌を見るだけでいろいろなことがわかるんですよ。まずは毎日、自分の舌を観察してみてください。

舌が白い!その原因として考えられること

鏡に自分の舌を映してみたとき、舌が異常に白くなってしまっていたらびっくりしますよね。舌が白くなってしまっている原因としては、次のようなことが考えられます。

舌が白い原因:舌苔

舌苔は舌の表面の細胞が増殖・角化した状態です。そこに食べカスや口の中の細菌がくっつき繁殖すると、それが口臭の原因にもなります。

口臭のその他の原因としては歯周病や虫歯などの口腔疾患、副鼻腔炎などの呼吸器疾患、胃炎などの消化器疾患などが考えられます。

もちろん食べ物の影響もありますし、起床時や空腹時、疲れたときなどにはほとんどの人で口臭が出やすくなります。実際には臭わないのに口臭があると思い込んでしまう「自臭症」も問題です。

このように口臭の原因にはいろいろなことが考えれるのですが、その中でも舌苔は大きな原因になります。

舌苔は次のような時に増えてしまいます。

  • 歯ブラシがきちんと行われず食べカスが多い
  • 唾液が少なくなって口の中が渇いている、口呼吸をしている
  • 風邪など感染症や消化器系の病気などにかかっている
  • 免疫力が低下している
  • ストレスが多い
  • 舌の動きが少ない
  • 薬の影響 など

舌苔を取るために、「舌ブラシ」を使われる方もいるでしょう。ただあまり頻繁に舌ブラシをしすぎないようにしましょう。また歯ブラシで舌苔を取ることも止めたほうがよいです。舌の粘膜を傷つけないように気をつけてください。

舌苔がひどくても、それ自体は急いで治療が必要になる病気ではありません。ただ舌が白くなる病気ですぐに治療をしたほうがよいものもあるため、気をつけてください。

舌が白い原因:口腔カンジダ症

舌の表面や口腔内に白い膜ができてしまう症状です。できてしまってすぐの場合には、拭き取ることで簡単に除去できます。拭き取られた部分は赤くただれてしまったり、出血してしまうこともあります。

症状が悪化していくにつれ、拭き取ろうとしても拭き取ることができなくなってきます。

これは主に「カンジダアルビカンス」という真菌に感染したことが原因となって起こる感染症です。乳幼児や高齢者などの抵抗力の弱い人で起こりやすくなります。

また抗生剤、ステロイド剤、抗ガン剤などを使っていることによっても起きやすくなります。他にも、入れ歯を清潔に手入れしていないと発症しやすくなります。

原因となっている薬を止めたり、抗真菌剤を使うことで治っていきます。

舌が白い原因:舌白板症

舌全体ではなく、部分的に形が不定形の白斑ができてしまっている場合には舌白板症かもしれません。白斑は舌だけでなく、口腔粘膜にできてしまうこともあります。

この白斑は拭き取ろうとしても拭き取ることができません。特に痛みなどもありません。

男性に多く、若い人よりも高齢者にできやすくなります。タバコや、虫歯などの際の詰め物やかぶせた物などが原因になっているとも考えられています。

約5−10%がガン化してしまうこともあるとされるため、もしもできてしまったときには念のため必ず、医療機関を受診しておきましょう。

切除するなどの治療を行ったあとも、再発することがあるとされます。そのため定期的に検査をしていくようにしたほうがよいでしょう。

舌が白い原因:扁平苔癬

幅1−2mmくらいの白いレース状の模様ができます。表面がただれたようになっていることもあります。口の中だけでなく、手足の関節部や陰部などにできることもあります。

この扁平苔癬もまれにですがガン化してしまうことがあるため、定期的に経過観察はしていったほうがよいでしょう。

このように舌が白くなってしまったり、口腔粘膜が白くなってしまう原因はいろいろな考えられます。もしも口の中が白い、普通とは違う気がするなど気になることがあれば、一度、歯科や口腔外科を受診してみるとよいでしょう。

また口内炎や舌炎を何度も繰り返してしまうという場合にも気をつけて下さい。全身的な病気が原因となって、口内炎などの症状が出ているのかもしれません。口内炎を繰り返す病気としてはベーチェット病やクローン病、口腔ガンなどが考えられます。

口内炎が2週間以上経っても治らない、治ってもすぐできてしまう、痛みや腫れがひどい、逆に口内炎のようなものがあるが全然痛みがないなど、通常の口内炎と違うような症状があれば一度医療機関でみてもらう方が安心でしょう。

もしも口の中に明らかな異常がある場合には、まず歯科や口腔外科、内科、耳鼻咽喉科などで相談してみましょう。

中医学では、病名ではなく証(しょう)を診断する

体調が優れないといったとき、西洋医学では血液検査やCT、MRIなどいろいろな検査をして異常を見つけ出そうとします。そして異常が見つかると病気と診断され、治療が始まります。

それに対して中医学では患者自身が感じている症状や、医師が見たり触ったりして行った診察から総合的に診断して治療を行っていきます。患者の「病名」を診断するのではなく、「証」を診断して治療を進めるのです。

検査をしても異常はなく、でも何となく体調が悪くて健康とも言えないような状態を東洋医学では「未病」と言います。これは今は病気ではないものの、このまま何もしないで放っておくと病気になってしまう可能性もある状態とされます。

東洋医学ではこの未病の段階でも治療を始めることができます。体全体のバランスをみて、本来の健康な状態に戻すための治療を行っていけるのです。それにより、病気になってしまうことを防げます。

なんとなくダルい、体が重い、眠れない、食欲がないといったときには、中医学や漢方の専門家に相談してみてもよいかもしれませんね。
ちなみに診察の仕方は、西洋医学での診察とは少し違うんです。

中医学では医師が五感を使って診察する

西洋医学では、血液検査やCTといったような検査をすることで病名を診断します。それに対して中医学では「四診(ししん)」という診察方法が行われます。それにより「証(しょう)」を診断して、治療に使う漢方薬を決めていきます。

四診とは「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」の4つの診察方法です。これは医師が患者を見たり触れたり、声を聞いたりなど五感を使って行う診察の方法になります。

望診
医師が目で見て観察することによって診察します。体型や顔色、姿勢、舌の状態、皮膚は乾燥しているかなどといったことを見ます。「舌診」は望診に含まれます。
聞診
医師が聴覚と嗅覚を使って診察します。患者の声の調子や咳の音、体臭、口臭などから診断します。
問診
西洋医学での問診と同じように症状、既往歴、家族歴などを問います。その他にも尿や便の状態、睡眠について、月経について、食欲について、精神状態についてなど西洋医学より詳しく聞きます。症状とは関係なさそうなことも聞きます。
切診
医師が直接患者に触れて診察します。脈に触れる「脈診(みゃくしん)」やお腹に触れる「腹診(ふくしん)」などがあります。中医学では脈診は行われますが腹診は行いません。日本漢方では腹診が重要な診察法とされます。

これらの診察方法によって患者の「証」を診断するのです。証とは患者の体質や状態を現したものです。これは「陰陽」「虚実」「気血水」といったものを「ものさし」にして診断を行います。

こうして証が診断されると、治療に使う漢方薬も決まってくるのです。

面白いことに西洋医学で同じ病名が診断された患者に、中医学でも同じ証が診断されるというわけではありません。そのため西洋医学で同じ病名で同じ薬が処方された患者であっても、中医学では違う漢方薬が処方されることもあります。

西洋医学で同じ病名で同じ薬が処方されていても、中医学では違う漢方薬が処方されることがあるなんて面白いですよね。とても奥が深そうです。

「漢方」「中医学」「東洋医学」はそれぞれ少しずつ意味が違います

「漢方」「中医学」「東洋医学」などいろいろな名称があります。似たような意味で使われることが多いですが、これらは完全に同じ意味というわけではありません。

全てのルーツは、2千年以上前の古代中国で生まれた伝統医学にあります。日本には5−6世紀頃に伝えられたとされ、そのころ「医学」といえばこのひとつしかありませんでした。

その後江戸時代になると、オランダから新しいタイプの医学が入ってきました。このとき元々あった医学と区別するために付けられた名称が「漢方」「蘭方」だったのです。

「漢」とは中国という意味で、「方」は方剤、つまり生薬(薬効のある植物、動物、鉱物などを乾燥させたり簡単な加工をしただけのもの)を組み合わせて作られた薬やその調合の技術という意味です。

漢方は古代中国から伝わったのち、長い歴史の中で日本独自に変化し発展してきました。そのため現在の中国での医学と同一ではなくなっています。

中国で受け継がれ、現在も行われているものが「中医学(中国医学)」です。元々は中国国内でも地域ごとにいろいろな伝承医学があったのですが、50年ほど前にそれらが整理・統合されて「中医学」として確立されました。

このように「漢方」と「中医学」は完全に同じものではありません。もちろんその起源は同じものですから、本質的な部分では大きな差はないでしょう。

そして「東洋医学」は東洋で生まれた伝承医学という意味です。日本の漢方や中国の中医学だけでなく、ほかにもインドのアーユルヴェーダ、チベット医学などが含まれる場合もあります。

「漢方」「中医学」「東洋医学」とどれも同じような意味で使っていましたが厳密には違うんです。でも西洋医学ではできないような治療もできるようなので、選択肢のひとつにしていきたいものですね。
キャラクター紹介
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