TOP > > 止まらない生あくびは危険信号!あくびとは違う生あくびとは

止まらない生あくびは危険信号!あくびとは違う生あくびとは

あくびをする女性

生あくびと言う言葉は、良く使う割にどんなあくびなのかと問われると説明しにくいですよね。でも実は簡単なのです。生あくびとは「眠気を伴わないあくび」のことです。

もちろん、退屈で仕方がないときなんかにも生あくびは出ますし、眠気はないけれど疲労感がある時にも出ます。

とは言え、この生あくび、意外な病気を知らせていることもあるんですよ。

生あくびがサイン?眠気を伴わないあくびが出る病気や症状

あくびが出るメカニズムはずいぶん研究が進んできていますが、そもそもなぜあくびが出るのかと言う部分についてはまだまだ判らないことが多いのです。

ですので生あくびについても「こういう働きで生あくびが出るから、このような病気が隠れている」とは言えません。一方、「このような病気は生あくびを伴う」と言う事は観察でデータが得られています。

熱中症は生あくびを伴うので要チェック

私たちの身の回りで起こり得る、生あくびを伴う身体のトラブルと言えば、まず「熱中症」が挙げられます。ちょっと意外に感じる方が多いかもしれませんね。熱中症の初期症状には次のようなものがあります。

  • 大量の汗
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 筋肉痛
  • こむら返り
  • 体温上昇
  • 顔のほてり

これらと並んで生あくびが出るようなら熱中症の可能性があります。真夏の屋外などでは、皆さん熱中症に注意しておられますのでまだ良いのですが、春や秋といった季節の室内でも熱中症は起ります。

こうした場合に、生あくびと共に上のような症状が起こったら、まず室温を下げ、水分と塩分をしっかり摂りましょう。経口補水液があればベストですね。赤ちゃんやお年寄りには特に注意です。

片頭痛の前兆現象としての生あくび

片頭痛には前兆現象を伴う場合があります。有名なのは視界に拡がる光のギザギザ、閃輝暗点ですね。
ギザギザの光が見える閃輝暗点!解決には眼科より神経内科?

この現象は非常に特徴的なので注目を集めやすいのですが、実は生あくびも片頭痛の前兆現象として良く見られるものなのです。

片頭痛は視床下部と言う脳の部位に原因があると考えられています。またあくびを呼び起こすシグナルも視床下部にある神経核から出ていますので、関連性があるのは自然なことなのです。

とは言え、普段から服用しておいて片頭痛を和らげる予防薬はありますが、予兆があった時に飲んで頭痛を防ぐ薬はありません。

ですので、片頭痛で悩んでおられる皆さんは自分流の片頭痛対策をお持ちだと思います。そこで、生あくびが出たような時には、あらかじめその対策を行ってみてください。

生あくびは乗り物酔いの初期症状

バス旅行などの際の車酔いが一番わかりやすい例ですが、乗り物酔いは、だいたい頭が重く感じられて生あくびが出るのが最初の症状です。

さらに進むと冷や汗や生唾が出たり頭痛を感じたりします。さらに進むと気持ち悪くなって最終的に嘔吐してしまうと言う順序ですね。もちろん個人差はありますが、概ねこの順序が多いようです。

ですので、生あくびが出始めたら締め付けの強い服を緩め、気分をリラックスさせて乗り物酔いに備えましょう。窓が開けられればそれも悪くありません。船酔いや飛行機酔いの場合も似たような症状が出ますね。

船の場合はデッキに出てみるとか、揺れの少ない場所に移動すると言う方法がとれますが、飛行機はそうもいきません。生あくびが出たら寝てしまうのも一つの方法です。

その際には「食事はいりません」とか「食事は後にして下さい」と言う札が前のポケットに置いてある航空会社も多いので、それを出しておきましょう。

反射性失神の前兆としてあくびが出ることがある

例えば血液検査の採血や歯医者さんでの治療の際に、生あくびが出ることを経験される人は意外に多いようです。これは痛みや強い不快感が原因になって、頻脈・除脈や血圧低下などから失神する「反射性失神」の前駆症状のことが多いです。

反射性失神自体は悪い病気ではありませんので心配ありませんが、こうした場面での生あくびは、無意識に身体がそのシチュエーションを嫌っていると言う事ですので、担当している人に気分が悪くなった旨を伝えましょう。

採血の場合などは、横になって採ってもらうだけでも気分が悪くなることを防げます。座面が高い採血用の椅子の場合、失神して椅子から落ちると、どこかに頭やお顔をぶつけて怪我をするかもしれません。

反射性失神を含めた失神については、次の記事に詳しく掲載されていますので参考にして下さい。
こんなにもある失神の原因!気を失うのは貧血だけではない

ここまではメジャーな生あくびでした。特に注意が必要なのは熱中症です。生あくびの段階で対処できると重症化しないで済むことが多くなりますよ。

中には危険なあくびも!注意したいあくびが出る病気や症状

かつてよく言われた酸素不足によるあくび、つまり空気が悪くなったり脳の血流が悪くなったりすることによってあくびが出ると言う説は、ほとんど否定されています。

また、一時期唱えられた「脳を冷やすためのあくび」も、発熱時にあくびが出るとは限らないことから、定説とはなりませんでした。

また、あくびも生あくびも、特定の病気と結び付けられるものは少ないのですが、そんな中でも2つの症候性のあくびには注意が必要です。

低血糖発作はあくびで始まる

健康な人ではめったに起こりませんが、糖尿病予備軍になってくると反応性低血糖と言って、食後に血糖値が上がり過ぎた反動で血糖値が急降下する現象が起こります。

こうした場合、食後であるにもかかわらず空腹感が現れることがあります。この空腹感に伴ってあくびが出るようであれば、さらに注意が必要です。尿糖が現れていなくても、一度糖負荷検査など糖尿病の検査を受けて下さい。

反応性低血糖では、強い眠気も伴うことがありますので、「生あくびじゃないから大丈夫」だとは思わないで下さい。

また既に糖尿病で治療を受けている人の場合、治療薬によって血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こすこともあります。治療薬に添えられている注意書きをよく読んで、低血糖を起こさないよう注意して下さい。

糖尿病の治療薬を飲んだり注射したりしている人の場合、ブドウ糖を常に所持するよう指導されているはずです。空腹感と共にあくびが出始めたら、ブドウ糖を摂って血糖値を安定させましょう。

あくび・強い空腹感が低血糖の初期症状です。さらに血糖値が下がると、認識力が落ちて会話が続かなくなったり、無気力になったりします。この症状は他の人から指摘されることが多いようです。

さらに進むと動悸・発汗・手足の震えがおこり、最後には痙攣や昏睡から最悪死に至ります。このため、低血糖に対応するためにブドウ糖を摂るのは必要な対処ですが、身体に負担がかかることも忘れてはいけません。

ですので、普段から低血糖を起こさないような、食事と服薬のルールを守った生活を送って下さい。お医者さんや薬剤師さんによる服薬指導・自己注射指導には厳密に従って下さい。

ショック症状はアレルギーや消化管出血でも起こる

あくびは起立性低血圧のように、それ自体には特に危険性のない症状でも、血圧が下がることによって引き起こされることがあります。もちろん起立性低血圧によって失神等が起こる場合や、基礎疾患がある時は治療が必要です。

一方、急激に血圧が下がる症状としてショック症状があります。消化管出血のように外から見て出血が判らない場合でショック症状が起こると危険です。もちろん吐血や下血を伴えば出血は確認できます。

ショック症状には次のような原因があります。

1.出血
 外傷による出血
 消化管出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸憩室炎など)
 後腹膜内への出血(大動脈瘤破裂など)

2.体液の減少
 脱水、嘔吐、下痢、多尿
 腸閉塞(大量の消化液が腸内に貯まることによる)
 広範囲熱傷(皮膚からの漏出して体液が失われる)

3.心疾患
 急性心筋梗塞
 急性心筋炎(ウィルス性など)
 心筋症
 心臓弁膜症
 各種の不整脈、極端な徐脈・頻脈

4.心臓の外からの拘束・閉塞、血管閉塞
 重症の気胸(緊張性気胸)
 心タンポナーデ(心膜炎、胸部の怪我など)
 肺塞栓 (肺の動脈に血栓が詰まる)

5.血液分布異常(血管拡張)
 感染症(敗血症)
 毒素性ショック症候群(黄色ブドウ球菌感染症)
 アナフィラキシー(激烈型アレルギー反応)
 神経原性(脊髄損傷など)
 内分泌性(副腎機能低下症、甲状腺機能低下症)

6.薬物中毒・副作用

こうした中で、比較的私たちの生活の近くにあるのは、大きなけがによる出血のほか、消化管潰瘍による出血やひどい嘔吐・下痢による脱水、そしてアナフィラキシーでしょう。

いずれの場合も、ショック症状の初めには生あくびを伴うことが多いので注意しておいて下さい。アレルギーによるアナフィラキシーショックは、食物アレルギーや蜂に刺されたことによるものがあります。

アナフィラキシーについての緊急自己注射薬を処方されている人もおいででしょう。次の記事に参考になる内容がありますのでご覧ください。
こんなにもある失神の原因!気を失うのは貧血だけではない

ショック症状は生命に関わりかねない危険なものです。普段から知識を持っておいて、いざという時に慌てないようにしておきましょうね。

あくびが出る理由はいまだに判っていない

眠い時にあくびは出ますが、どうやら眠気を覚まそうとして出ているのではないかとも考えられています。例えば猫のあくびを見ればよく判りますね。猫は起きる時に大あくびと伸びをします。

私たちも「眠気を我慢している時」にあくびを連発しているような気がします。もちろん、退屈な時に集中力を維持するためにあくびが出ることもありますね。

あくびの指令は視床下部から出ている

視床下部と言うのは、間脳の一部をなしている部分で、自律神経と内分泌機能を総合的にコントロールする部分です。脳とは言っても考える脳ではなく、生命を維持するための脳です。

その一部に室傍核(しつぼうかく)と言う神経細胞の集まりがあります。その中にある、オキシトシンと言うホルモンを分泌する神経細胞から「あくびをしなさい」と言う信号が発せられているのです。

ここまでは判っているのですが、その室傍核オキシトシン分泌細胞に信号を出させるメカニズムがまだ未解明なのです。

オキシトシンは平滑筋の収縮作用がありますので、分娩の際にも働いています。また、心臓や腎臓、膵臓にもオキシトシン受容体があります。

オキシトシンと言うホルモンは別名「幸せホルモン」とも言われています。中枢神経にも働きかけて幸せな気分をもたらしてくれるのです。ですので、あくびをすると言う事はストレスの緩和にも役立つ可能性があります。

あくびと伸びは不可分かも知れない

あくびと言う漢字は欠伸と書きます。この欠と言う文字はもともと「あくび」と言う意味を持っていました。欠けると言う意味もありましたが二義的だったようですね。

そして「伸」は文字通りの意味です。ですので欠伸(あくび)と言うのは「あくび」と「のび」をすると言う事なんですね。先に例示した猫の例を見ても判るとおり、多くの哺乳動物ではあくびと同時にのびをしている様子が見られることがあります。

伸びにもリフレッシュ効果があることは皆さん経験的に感じておられるでしょう。状況が許すようであればあくびをするときには思いっきり伸びてみるのも悪くありませんよ。

気持ちよく伸びをすると本当にリフレッシュできます。あんまりやっているとヘレンさんに「先生たるんでますよ」って言われちゃいますけど。

レアケースとして子供のてんかんやお薬の副作用もある

ほとんど気に留めるレベルではないのですが、オピオイド系(麻薬系)の鎮痛薬を減らしてゆくときに生あくびが出ると言う現象が見られることがあります。

また、子供のてんかんのうち、激しい痙攣を伴わない物にあくびに見える痙攣が起こる場合もあります。ただ、どちらにしても非常にレアケースなので、豆知識程度にご紹介しておきます。

てんかんはレノックス・ガストー症候群と言う難病で、軸性強直発作の弱いものはあくびや伸びと見分けがつかないことがあります。

なお、時々てんかんの欠神発作を欠伸発作と取り違えていることがありますが、あくびにに見えるのはあくまで強直発作(きょうちょくほっさ:全身のけいれん)であって、欠神発作は短時間の意識消失発作です。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る