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CTによる断層撮影検査での被曝は本当に健康被害がないのか?

CT検査と言えば、外からではチェックできない体内の様子を見る事ができる画期的な医療機器でしたが、最近では被曝の心配をする方も増えて来ています。医師に聞いても大丈夫と言われるだけで安心出来ないという方のために解説しましょう。

胸部X線が健康診断で全員に行われるのはなぜ?

胸部には心臓や肺などの重要な器官があります。骨に包まれている部分もあり、たとえばエコー検査では骨で隠れる部分の撮影が難しいのですが、X線の場合には正常な部分と異常のある部分が一目で分かる画像が撮影出来るので望ましいとされているのです。

始まりは国民病とも言われていた結核の早期発見が目的でもありました。今では結核は治る病気と認識されていますが、当時はまだ亡くなる人もおり、子供などは体力がないために悪化するケースも多かったので、感染者を増やさないためにも病気を早く見つける必要があったのです。

具体的な数値

ここで胸部X線の被曝量を見てみましょう。人体に影響が出ると言われているのは1000ミリシーベルト以上とされていますが、胸部X線を1枚撮った場合には0.1ミリシーベルトの被曝と言われているので、1万分の1の量となります。

頭部の場合、平均して40~60ミリグレイというデータもあります。胸部と違って、頭を輪切りにしたような撮影方法なので、何枚も撮る必要があり、この回数で心配を抱く人が多いのは事実です。X線量×回数、と考えてしまいがちだからです。

しかしX線は撮影する部位に対して必要量だけが放出されていますので、一部分に繰り返し当たるわけではありません。人体に影響が出る1000ミリシーベルトまでになるには、繰り返し当てるか、大量に一度に当てるかしない限りは有り得ないのです。

歯科医で撮影されるレントゲンでは胸部のさらに数十分の1の量ですから、毎日1枚ずつ撮影するような異常なケースでもなければ影響の出る数値にはほど遠いというのが医師の判断です。

唯一、被曝量が大きくなりがちなのは胃部のX線です。10分ほどの撮影で約15ミリシーベルトというデータがあります。他の部位は一瞬の撮影(頭部は一瞬の撮影の繰り返し)なのに対して、胃部だけはバリウムの動きを見ながら撮らなければならないので、撮影中ずっとX線を放出しているからなのです。

ミリシーベルトとミリグレイの違いって?

単純に言うなら、シーベルトの値の方がグレイの値よりも小さい単位です。シーベルトというのは、放射線が人間に直接当たった時の影響を判断する値なのに対して、グレイは物に当たった時に与えるエネルギーの大きさを判断するための値なのです。

分かりづらいですね。単純に言うと、1グレイ=0.8シーベルト、が基本です。ミリグレイでは数値が小さくなり過ぎて分かりづらい場合などはシーベルトで表される場合もあるので、混乱しやすいかもしれません。

日常で浴びる放射線量

そもそも、日常私達が暮らしている環境には「自然放射線」というものがあり、これは住んでいる地域や移動手段などによって違いますが、大地からの放射線が多い地域では普段から10ミリシーベルトの線量の中で暮らしていると言われています。

これは人工放射線と言って、正常に動いている原子力発電所周辺の線量や、病院で受ける撮影での線量よりもぐっと多い数値です。しかしがん患者が飛び抜けて多いというデータは今のところありません。医師が大丈夫、と言うのはこういったデータを把握しているからなのです。

それでも気になる場合には

放射線というものは日常に溢れています。太陽からの光にも含まれていますから、生活する上で被曝していないという状態は、極端な言い方になりますが有り得ないのですね。しかし太陽の光も浴びすぎると皮膚がんになるというケースもありますから、大事なのは「浴び過ぎない事」というのは定説です。

自然界の放射線を防ぐのは難しいですが、例えば人工のものなら工夫して減らす事は可能です。例えば、胃部のX線が気になるならバリウム検査を胃カメラに変更してもらっても良いでしょう。胸部検査でマンモグラフィの回数を減らしてエコーにする人もいるようです。

歯科医では最近、デジタルレントゲンを採用しているところも出て来ました。こちらは通常のレントゲンのさらに数十分の1の量と言われていますので、最低限まで押さえる事が可能です。

数値を見る限り、数度のCT撮影を怖がる必要はないと言えるのは確かです。ただ、環境や体力によって心配な人もいるでしょうから、減らしたいと思うなら、健診の方法を見直してみたり、本当に必要な撮影かどうかを医師と話し合ってみるのも良いのではないでしょうか。

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