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心臓病を起こしやすい性格がある?4つのタイプと病気の関係

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性格と特定の病気の発症リスクには大きな関連のあることが分かっています。心臓病・がんといった大きな病気を引き起こしやすい性格もあるというのです。

ここでは心臓病のリスクが高いタイプAとタイプD、がんのリスクが高いタイプC、日本人の心臓病のリスクを高めているタイプBについて説明しています。

性格は病気の発症リスクに関連している?タイプA~Dとは

1950年代、アメリカの心臓内科医フリードマンとローゼンマンは、性格が心臓病・突然死と関係しているとして、人には心臓病を起こしやすい性格「タイプA」とそうでない性格「タイプB」がいることを提唱しました。

アメリカの心理学者L・テモショックとサイエンスライターH・ドレイアは、がんになりやすい性格があるとして「タイプC」を提唱、またオランダのJ・デノレットらはネガティブな性格の「タイプD」も心臓病のリスクが高いと指摘しています。

A・B・C・Dのアルファベットで分類される4つのタイプには、どのような特徴があるのでしょうか。

アグレッシブでせっかち型のタイプA

フリードマンらは、病院の待合室で心臓病の患者達が座る椅子だけが妙に早くすり切れることに気付き、心臓病患者が共通してイライラしやすく、このせっかちな性格が心臓疾患を招いているのではないかと考え、研究を重ねました。

そして彼らに共通する行動パターンから、せっかちで攻撃的な気質の人達Aggressive(攻撃的)な性格の「タイプA」と名付けたのです。また、タイプAとは反対の、のんびりして大らかな性格を「タイプB」としました。

Western Collaborative Group Study研究によると、カリフォルニアで約3,100人の健康な男性を8.5年間追跡研究したところ心疾患の発症頻度はタイプBよりタイプAのほうが約2.4倍多かったことが報告されています。

タイプAの特徴

タイプAの人には、性格や行動パターンに次のような傾向がみられます。

  • 性急
  • 攻撃的
  • 責任感が強い
  • 早口・動作が早い
  • 大声
  • 言動が挑戦的
  • 多動

興味のある方は、チェックリストで調べてみましょう。これは、日本で広く用いられている、前田聡氏の虚血性心疾患患者の行動パターン「簡易質問紙法」です。質問に対して該当する所に○をし、合計点を出してください。

タイプAのチェックリスト

質問 いつもそうである しばしばそうである そんなことはない
1.忙しい生活ですか 2 1 0
2.毎日、時間に追われる感じがありますか 2 1 0
3.仕事や何かに熱中しやすいですか 2 1 0
3.熱中していると、他のことに気持ちの切り替えができにくいですか 2 1 0
5.やる以上は徹底的にやらないと気がすみませんか 4 2 0
6.仕事や行動に自信を持てますか 4 2 0
7.緊張しやすいですか 2 1 0
8.イライラしたり怒りやすいほうですか 2 1 0
9.几帳面ですか 4 2 0
10.勝ち気なほうですか 2 1 0
11.気性が激しいですか 2 1 0
12.他人と競争する気持ちを持ちやすいですか 2 1 0
合計

合計点が17点以上になった人はタイプAです。また点数が高いほどその傾向は強くなります。

(参照…日本心臓財団「心臓病や突然死と性格や行動(タイプA)が関係するって本当?」)

タイプAはアメリカ、そして日本にも割と多い性格です。しかしアメリカと日本のタイプAは少し異なるようです。

アメリカは野心的で行動的、日本はどちらかというと責任感が強く、一度に多くの仕事を抱え込んでいつも時間に追われる仕事人間型です。日本の連帯感を大切にするお国柄がタイプAを増やしているようです。

どの職場にも必ず1人はいそうなタイプですよね?タイプAの長所はタフで仕事もバリバリこなせるところ。短所は怒りっぽく完璧主義過ぎるところでしょうか。この性格が心臓病を招いているようです。

タイプAに心臓病が多い理由

タイプAに虚血性心疾患が多い理由には、次の2つが挙げられます。

  • 強いストレスを受けやすく、ストレスが心臓の血管に大きな負担をかける
  • 多量飲酒・喫煙をする人が多く、生活習慣病を引き起こしやすい
私達の体は、ストレスを感じると自律神経の交感神経が緊張するように作られています。交感神経は別名「闘争と逃走の神経」と呼ばれ、生物が外敵(ストレスも含む)に遭遇した時、身を守るために攻撃または逃走の体勢を整える目的で備わっています。

この時、神経伝達物質のアドレナリンとノルアドレナリンが放出され、心機能が亢進して心拍が速くなったり、血管が収縮して血圧が急上昇したりします。

また血液中の血小板のはたらきが高まって血液がドロドロになる上、血圧が上昇して血管壁に大きな負担がかかるため、動脈硬化が起こりやすくなってしまいます。

当然このような状況が頻繁に起こると、心臓に血液を供給する冠動脈にも動脈硬化が起こりやすくなり、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の発症リスクが高まってしまうのです。

さらにタイプAはほかのタイプに比べ、男女とも大量飲酒や喫煙をする人が多いことも分かっています。飲酒や喫煙が動脈硬化の大きな原因になっていることは言うまでもありません。

タイプAの人は行動パターンを改善しよう

感情の中で最も体に負担をかけるのは「怒り」「敵意」だといわれています。まさに怒りや敵意を感じやすいAタイプは他のタイプよりも心臓病と突然死のリスクが高く危険。行動パターンを改善して心臓にかかる負担を抑えることが薦められています。

タイプAの行動パターンを修正する方法が公開されていますので、こちらに紹介しておきます。

金沢医大で用いられたA型行動の具体的15項目の修正行動

  1. よく笑う
  2. ゆっくり話す
  3. 時計を使わない
  4. ゆっくり食べる
  5. 自分の非を認める
  6. 新しい記憶を蘇らせる
  7. 三食をゆっくり楽しむ
  8. 家族へのプレゼントをする
  9. 拳を握ったり、貧乏ゆすりやしかめっ面をしない
  10. 腹が立ったら間をおく
  11. 相手の目をよく見る
  12. 自分の時間を30分とる
  13. 配偶者への愛情表現を怠らない
  14. 追い越し車線に入らない
  15. 銀行やスーパーでは順序良く並ぶ

セカセカしない、他人を攻撃しないことで自分に向けるストレスを減らすことができ、神経を無駄にすり減らすことを防ぐことにつながります。

タイプAとは逆・のんびりしたタイプB

タイプAとは性格や行動パターンが反対のタイプをタイプBといいます。

タイプBの特徴

  • のんびりしている
  • 非攻撃的
  • 内向的
  • 無理をしない

タイプBの人はどちらかというと自律神経の副交感神経が優位にはたらきやすく、タイプAの人に比べ穏やかでリラックスしている印象があります。その分、タイプAみたいにイライラしてストレスが溜まることは少なくなります。

日本人のタイプBも心臓病になりやすい?

ところが、タイプAより健康だと思われていたタイプBを調査してみると意外な結果が。

欧米人を対象とした研究では、タイプBはタイプAより虚血性心疾患のリスクが低いことが分かっているのですが、日本人ではタイプBでも虚血性心疾患のリスクが高くなりやすいが分かっています。

多目的コホート研究は、アンケートによって日本人の男女を「タイプA」「ややタイプA」「ややタイプB」「タイプB」の4グループに分け、行動パターンと虚血性心疾患の関連について平均約11年半の追跡調査を行いました。

分析の結果、男女合計では統計学的に有意な虚血性心疾患の発症リスクの差は見られませんでした。

男性では、前述の仮説に反して、「タイプB行動パターン」グループで「タイプA行動パターン」グループに比べて、発症リスクが1.3倍高いという結果が見られました。

次に「タイプA行動パターン」グループでは、「タイプB行動パターン」グループに比べて、身体活動量は多いものの、虚血性心疾患危険因子である喫煙、多量飲酒、日常ストレスの保有率が高いことが、男女共に認められました。

日本人のタイプBに虚血性心疾患が多いのは、欧米人とは違う日本人の気質が影響しているといわれます。日本人の自分を犠牲にして和を大切にしようとする気質が、タイプBの人の大きなストレスになっているのです。

タイプAはストレスが溜まりやすいものの、飲みに行ったりしてストレスを発散させることも上手なのですが、タイプBは内向的なためストレスが内に溜まりやすくなってしまうのです。

「日本人ならタイプAでも心臓病のリスクは低い」というわけではありません。タイプAの人はもちろん心臓病のリスクが高いのですが、日本人のタイプBはタイプAとは違うストレスを抱え込みやすいため、心臓病のリスクの高い人もいるということです。

そのほかタイプBはストレスによって次の病気にかかりやすいともいわれています。

  • 神経性胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 過敏性腸症候群
タイプBの長所は協調性が高いところ、短所は消極的なところです。タイプBの人はストレスを内に溜めないよう、ストレス発散法を見つけましょう。

いい人が多いけどがんのリスクが高いタイプC

タイプCの”C”とはCancer(がん)のこと。タイプA・Bが心臓病のリスクについて分類されているのに対し、タイプCはがんのリスクが高い性格・行動パターンを示しています。

テモショックらは150人以上のメラノーマ(悪性黒色腫)患者に接触し、患者の約4分の3が共通して「極端にいい人」であることに気付きました。そこから研究が始まり、がん患者に共通する性格や行動パターンをがんのリスクが高いタイプCとして提唱しました。

タイプCの特徴

  • 怒りの感情を表に出さない。怒りの感情に気付かないことが多い。
  • 悲しみ・不安などのネガティブな感情を経験したり表に出すことが合いい。
  • 忍耐強く控え目。権威に対して従順。
  • 周囲を気を使い過ぎ、極端に自己犠牲的になることが多い。

タイプCの人は内側にストレスを溜めこみやすく、このストレスががん細胞を抑制する免疫を弱めてしまうため、がんにかかる人が多いのだと考えられています。

また免疫力の低下により、リウマチやさまざまな感染症にかかりやすくなってしまうことも示唆されています。

タイプCのチェックリストでセルフチェックしてみましょう。該当する項目に○をつけ、○の数を合計してください。

  • 怒りだすことはめったになく、物事を冷静に受け止めることができる。
  • めったに泣かない。
  • 自分は人より劣っている。
  • 人に助けを求めるのが苦手だ。
  • 自分を主張するほうではない。
  • 自身の要求より家族・友人・恋人の要求に気が向く。
  • 自身の要求より家族の要求を優先する。
  • 頼みごとが断れず、嫌でも引き受けてしまうことが多い。
  • 権威のある人には逆らわないようにしている。
  • 遊びでも競争ごとは苦手だ。
  • 元気のないことが多い。
  • 親しい間柄の人に不当な扱いをされたと感じることがある。
  • 自分が我慢して同調したほうが、人間関係はうまくいくと思う。
  • 相手が親しい間柄の人でも断れない。
  • 感情的にならないよう、なるべく早く気を静めようとする。
  • 自分の人生はつまらないと思うことが多い。
  • 親しい間柄の人とはうまくいっているが、何かが足らない気がする。
  • もし自分が強気に出たら人は拒絶すると思う。
  • 自分はいい人だと思う。
  • 人からはいい人と思われたい。自己中心的だと思われるのは嫌だ。
  • うまくいかない時でも、前向きな態度でいるのが一番だと思う。

誰でもいくつかの項目に該当するのが普通ですが、○の数が10個以上あればタイプC、15個以上なら極端なタイプCだということが考えられます。

(参照…創元社 リディア・テモショック/ヘンリー・ドレイア共著「がん性格タイプC症候群」P.455~456)

タイプCは日本人に多いタイプです。長所は周囲への気遣いが上手で人あたりが良いところ、短所は嫌と言えずストレスが溜まりやすいところです。

タイプAのストレスは心臓に負担をかけるイライラ型、タイプCのストレスは免疫力を低下させる自己犠牲型といえるでしょう。

ネガティブでストレスのたまりやすいタイプD

タイプDはネガティブなタイプ。タイプAと特徴が異なるものの心臓病のリスクが高いとしていわれて近年注目されているタイプです。

タイプA・B・Cが登場し、アルファベット順にタイプDとしたわけではありません。タイプDの”D”とはdistress(悲観・抑うつ・孤独)を意味しています。

デノレットらは、ネガティブな感情と社会的な抑制から構成され「社会的孤独」に陥っているタイプ、つまり不安や抑うつが強いけれども社会でこれらのネガティブな感情を出すことが苦手なタイプをタイプDと名付けました。

欧米の研究では,攻撃的なタイプAだけでなくネガティブなタイプDの性格や行動パターンも心臓病のリスクを高めるとして注目するようになってきました。

オランダのティルブルフ大学の研究では、欧米の全人口のおよそ20%がタイプDに該当し、6,000人以上を対象に解析したところ、タイプDの人はそうでない人に比べて心血管疾患の発症リスクが3倍になっていることが分かっています。

タイプDの特徴

  • 生真面目
  • 人付き合いが苦手
  • 自分は不幸だと感じる
  • いつも不安を感じている

次のチェックリストは、タイプDの判定に使われているデノレットの質問14項目を答えやすく調整したものです。該当する項目が多いほどタイプDの傾向が強くなります。

  1. 人と気軽に交流することができていない
  2. ちょっとしたことで騒ぎ立ててしまう
  3. 人見知りする
  4. 自分は不幸だと思う
  5. イライラすることが多い
  6. 社会的な集まりで身構えてしまう
  7. 悲観的だ
  8. 自分から人に話しかけることはない
  9. 機嫌の悪いことが多い
  10. 引きこもりがちだ
  11. 他人とは距離を置きがち
  12. ちょっとしたことでも気になりやすい
  13. 落ち込むことが多い
  14. 人と何を会話してよいか分からない

14項目中7問以上に該当すればタイプDである可能性が高いといえるでしょう。

(参照…ティンブルグ大学DS14: Standard Assessment of Negative Affectivity, Social Inhibition, andType D Personality内TABLE 3. Factor Structure and Internal Consistency of the DS14)

タイプDの人は、抑うつや不安で起こるストレスから交感神経が亢進しやすく、ストレスを感じると分泌されるホルモン「コルチゾール」が血管に炎症を起こしやすくなるので、タイプA同様に生活習慣病や心臓病のリスクが高くなりがちです。

またうつ病や気分障害も起こりやすくなります。心身の体調管理を心がけてください。

高齢者のタイプDは要注意

日本は欧米に比べ、高齢者にタイプDの人が多いといわれています。

さらに岡山大学の研究によって、日本人の高齢者のタイプDの人は「自分が不健康だと感じる」「心理的苦痛が強い」と感じやすいことが分かっています。

年齢やアルコール、喫煙、肥満、教育歴、社会経済的地位、同居人数を統計学的に調整し解析した結果、タイプD気質のある人では、心理的苦痛を感じるリスクは4~5倍、自分で不健康だと感じるリスクが2倍に上昇することが示された。

特に、65~74歳でタイプD気質のある人の場合、気分障害などの精神的疾患に関する重篤な心理的苦痛へのリスクは9.92倍と高くなり、より注意が必要だということが判明した。

タイプDに該当する人は、ネガティブな考え方を変えてストレスを減らしていく必要があります。

タイプDはコミュニケーションが苦手なため、困っていても周囲の人や医師に症状が伝わりにくいのが厄介です。家族や社会がサポートしてあげることも大切ですね。

それぞれの性格、長所を生かし短所は直して病気を予防しよう

今回の記事は、タイプA~Dに該当する人に対して「あなたは、タイプ○なので、こういう病気にかかりますよ。」と不安をあおっているわけではありません。

タイプA~Dを提唱している医師らの目的は、特定の病気のリスクが高くならないよう自分の弱点を知って、考え方や行動パターンを良い方向へ調整してもらうことです。

またどの病気も発症の原因はひとつではなく、遺伝子、生活習慣、食生活などの要因が複雑に関係しあっているもので、性格や行動パターンを良い方向へ調整することだけが病気の予防や治癒に結び付くわけではないことも理解していただきたいと思います。

どのタイプにも長所と短所があります。素晴らしい長所は活かし短所はなるべく治すようにして、健康を手に入れていきたいですね。

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