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プリン体オフで痛風は予防できない?痛風の真の原因と予防策

ビールを持って驚いている男性

お酒は好きだけど痛風にならないかと心配で、「プリン体ゼロ」や「プリン体オフ」のビールや発泡酒を選んで飲む人が多くなりました。

少しでも健康に気を使う心掛けは良いのですが、実は、痛風が起こる本当の原因はビールや発泡酒ではないのです。

あなたが真に気を付けるべきものとは…?

痛風の真犯人は?痛風を引き起こす原因はビールのプリン体ではない!

プリン体OFF!とPRする酒類メーカーのコマーシャルの影響なのか、痛風を引き起こす原因は、ビールや発泡酒に含まれるプリン体の摂り過ぎにあると考える人が多いようです。しかし、それは全くの誤解です。

確かに、ビールや発泡酒にもプリン体が含まれていますが、それ以上に、私たちが普段口にしている肉や魚の多くには、ビールよりはるかに多いプリン体が含まれているのです。

例えば、一般的なビールには100mlあたり、およそ5mgのプリン体が含まれています。

これに対して、冷奴に添えられたり、料理のダシに使われるかつお節に含まれるプリン体は100gあたり、およそ600mgものプリン体が含まれているのです。

単純に、ビールに含まれるプリン体とかつお節に含まれるプリン体を比較すると、実に、かつお節にはビールの120倍も多くプリン体が含まれていることになります。

実際には、かつお節だけをバクバクとたくさん食べる人はいないでしょうが、和食のベースとなる料理の出汁として使われているのですから、知らず知らずのうちに多くのプリン体を摂っていることになるのは、意外に知られていないことです。

また、そもそもかつお節はカツオから作られるわけですから、カツオそのものにも多くのプリン体が含まれています。初ガツオや戻りカツオといって日本人に好まれるカツオにも、実はビールよりもはるかに多くのプリン体が含まれているのです。

健康に良いとされる青魚の代表格サンマやイワシのプリン体にも注意!

健康に良いとされる青魚のサンマやイワシも、プリン体の含有量を比較すればビールよりはるかに多くのプリン体が含まれています。

缶ビール1本(350ml)にはおよそ17.5mgのプリン体が含まれていますが、これに対し、青魚の代表格であるサンマやイワシには1匹あたり、およそ180~220mgのプリン体が含まれます。
食品 プリン体含有量
缶ビール1本(350ml) 約17.5mg
サンマやイワシ1匹 約180~220mg

プリン体の量だけを比較すれば、サンマやイワシは1匹食べただけでも缶ビール10~12本分のプリン体を摂ることになってしまうのですから、驚くべきことです。

食べ物から摂っているプリン体の量を考えずに、缶ビール1缶のプリン体を50%オフにしても、プリン体を減らせる量はたった9mgにしかになりません。

痛風を予防するために本当に気をつけなければいけないことは、ビールや発泡酒に含まれるプリン体ばかりに気をとられるのではなく、日頃の食べ物に含まれるプリン体の量がどのくらいなのか、ということにも注意を払うということです。

新常識!痛風に最も良くない食べ物はあん肝・鳥レバ・とんこつラーメン

私たちは普段の食生活の中で、ビールや発泡酒に含まれるプリン体の量よりも、はるかに多くのプリン体を含む食べ物を食べています。

その中でも最も多くプリン体を含む「痛風NG食品」といえる食べ物は

  • あん肝
  • 鳥レバ
  • とんこつラーメン

の3つです。

この3つの食べ物1人前に含まれるプリン体の量を缶ビール1本(350ml)に含まれるプリン体の量と比較すると次のような結果が得られます。

  

あん肝 1人前(60g) 鳥レバー (2本) とんこつラーメン (1杯)
プリン体 400mg プリン体 340mg プリン体 1200mg
缶ビール 約23本分 缶ビール 約20本分 缶ビール 約69本分

こうした食べ物にプリン体が多く含まれる理由は、プリン体は生き物の肝臓で代謝されるため肝やレバーにはプリン体が集められ濃縮されるためと考えられます。

また、とんこつラーメンの材料となる豚の骨髄は、骨や血液をつくるための代謝がさかんに行われるため、プリン体の生成が活発になります。そのためプリン体の含有量も多くなると考えられます。

あん肝や鳥レバーなど肝類には、それ自体にプリン体が多く含まれており、痛風を引き起こす原因となるのですが、こうした食べ物は、お酒のおつまみとして食べられることも多いので、痛風の原因がビールなどアルコールの影響だと錯覚されやすいのです。

魚卵にプリン体が多いといわれていますが魚卵のプリン体はどうなのか?

これまでの常識では、タラコや数の子など魚卵にプリン体が多く含まれるといわれてきました。実際にはどうかというと、例えば、タラコや明太子の場合、原料となるスケソウダラの卵に含まれるプリン体は100gあたり190mgです。

1切れあたり10gと考えるとプリン体は、たった19mgとなり、この程度の量ではとくにプリン体が多いとはいえません。

また、数の子は1切れ30gとしてもプリン体は6mgしかありません。サンマやイワシ一匹分の180mgにはとうてい及ばないのです。

痛風予防に関しては、もはや今までの常識は常識ではなくなっており、新しい考え方によって予防することが大切になります。

本当にお酒のプリン体は大丈夫?最もプリン体が多く含まれるお酒は?

ビールや発泡酒に含まれるプリン体は、実は、それほど気にする必要はありませんが、お酒の中で比較すると、最もプリン体を多く含むアルコールは紹興酒です。

紹興酒には100mlあたり20~25mgのプリン体が含まれています。これはビールの4~5倍ということになります。プリン体の含有量で比較すれば、お酒の中で最も気をつけるべきものは、紹興酒ということになります。

また、蒸留酒よりも醸造酒のほうがプリン体は多くなりますが、これも神経質になるほどの量ではありません。それよりも、やはりお酒のつまみとして食べる食材に含まれるプリン体に注意を払うことが先決です。

どんなアルコールでも大量摂取すればプリン体は増える

ビールなどアルコールに含まれるプリン体の量自体は、それほど気にする必要はありませんが、それでも、どんなアルコールでも大量に摂取すれば、体内で生成されるプリン体の量が増えてしまいます。

これは、アルコールは体内で分解される過程でプリン体の生成を促進する働きがあるからです。

そのため、どんな種類のアルコールでもアルコール度数の強いお酒を大量に飲む習慣があれば、プリン体の摂取量というよりも、アルコールの働きにより体内でのプリン体の生成量を増やしてしまう、とはいえます。

摂取するアルコールのプリン体の量ではなく、摂取するアルコールの量に比例して体内のプリン体の量が増えることになります。

ですから、ウイスキーやブランデー、ウオッカなど度数の強いアルコールを摂取するほど、体内で合成されるプリン体が増えることになるのです。ビールだけに気をつけていれば良いというものではないのです。

痛風を引き起こす本当の原因は?体内で生成されるプリン体の影響

痛風の予防を考えるとき、私たちは飲み物や食べ物のように体の外から摂ったプリン体の影響ばかりを考えがちです。たしかに、プリン体を多く含む食べ物を過剰に摂れば、痛風を引き起こす危険は高くなります。

しかし、実際には、体内にあるプリン体の85~90%は、体内で自然に生成されています。

体内で生成されるプリン体のほとんどは、細胞の新陳代謝などによって細胞の核にある核酸が分解されるときに生成されます。

仮に、食べ物などから摂るプリン体が全くなかったとしても、細胞の代謝が起これば体内でプリン体は確実に作られます。そのプリン体の量が過剰になれば、痛風発作を引き起こすことになります。

つまり、痛風を予防するためには、アルコールや食べ物の影響だけでなく、そもそも体内で自然に生成されるプリン体の蓄積をどう防ぐか、という問題を避けては通れないのです。

体内で生成されるプリン体の蓄積をどうやって防げば良いのか?

プリン体は細胞の新陳代謝が起こるときに必ず作られる、いわば新陳代謝の副産物です。そのため、生きている限り、体内でのプリン体の生成をなくすことはできません。

新陳代謝によって生み出されたプリン体は、肝臓に集められ尿酸に合成された上で、血液中に溶け込みます。そして最終的には、腎臓でろ過されて体外へ排泄されます。

このとき問題になるのは、プリン体から合成された尿酸がスムーズに排泄されず、血液中に尿酸が過剰に蓄積されることです。この状態を高尿酸結晶といいます。

高尿酸結晶の状態が続くと、血液中で尿酸の結晶同士が固まり、足の指の関節などに溜まるため、やがて痛風の発作が起こることになります。

つまり、痛風を予防するために最も必要なことは、体内でプリン体から合成された尿酸をいかにスムーズに排泄するかということになるのです。

実は、人間以外のほかの動物には尿酸を分解する酵素があるので体内に尿酸が蓄積することはありません。

残念ながら人間だけが尿酸を分解する酵素(遺伝子)を持っていないので、尿酸を排泄するしか方法がないのです。

体内で作られたプリン体をスムーズに排泄するためには?

痛風を予防するためには、とにかくプリン体から合成された尿酸をスムーズに腎臓でろ過し、血液中に蓄積される前にできるだけ早く体外へ排出することが必要です。

この尿酸の排泄のプロセスを正常にコントロールすることが、痛風の予防に不可欠なのです。そのために、行うべきことをあげていきたいと思います。

1.水分の摂り方が重要!水分は1日5回に分けるルーティンで飲む

水分を摂る量が多いほど尿の量が増えるので、血中の尿酸も排泄されやすくなります。水を摂るタイミングは、起床時、朝昼晩の食事の後、就寝前の1日5回で、それぞれコップ1杯~2杯の水を飲むようにしましょう。

たとえ水を飲みたくなくても同じルーティンで毎日5回、水をしっかり飲むことが痛風の予防につながります。

それにより、体内の水分量が常に増えた状態が維持でき、尿酸の結晶化が抑制され尿量が多くなります。尿量が増えれば、その分尿酸の排出もスムーズになるのです。

また、飲む水の量は1日2L以上を目安として下さい。食事にも水分が含まれているので、3食をしっかり食べるだけでも1L程度の水を摂取していることになります。

そこに、先ほどのコップ5杯分1Lを摂ることで合計2Lとなります。できれば、それに加え、少しでも多く水を飲み、2L以上の摂取を目標にしましょう。

2.利尿作用を促進し尿酸を排出する食べ物BEST3

野菜などに多く含まれるカリウムには、体内に溜まった水分の排出を促す働きがあります。そのため、血液中の尿酸をろ過する働きを高め、体外に排出できるのです。

とくにカリウムが多く含まれ利尿作用が高いのは、次の3つの食材です。

大豆(30mg) 昆布(10g) アボカド(1/2個)
カリウム含有量 570mg カリウム含有量 820mg カリウム含有量 530mg

これら3つの食材は、少ない量でもカリウムを多く摂ることができ、さまざまな料理のバリエーションにも加えやすいものばかりです。毎日の献立に納豆を加えたり、食事やお弁当には昆布をきざみ、和え物を添えることくらいなら簡単にできます。

3.これぞ裏技!ビールを飲んで痛風を予防する!?

ビールを飲むと痛風が治るというと今までの常識では全くナンセンスなことを言うように聞こえるでしょう。これまで説明してきたように、ビールに含まれる微量のプリン体を摂るくらいのことでは痛風発作が起こるとは考えにくいのです。

むしろ、体内の細胞の新陳代謝が行われる過程で大量に生じるプリン体にこそ痛風の原因があり、体内で自然発生するプリン体をどのようにして排泄するかのほうがよほど問題なのです。

そこで考えられるのが、ある意味裏技ですが、ビールなどアルコールの利尿作用を利用し水分を排出する方法です。

アルコールによる利尿作用は、飲んだアルコールの量に1割多く足した水分が尿として排泄されるようになっています。アルコールは飲んだアルコールの水分だけでなく、それに加え、より多くの体内の水分を外に排出する働きがあるのです。

簡単にいえば、普通の水を飲むより排泄される水分のは10%増えることになります。それもかなり短時間で排出されます。

そのため、ビールを飲むことによって、水に比べて強い利尿作用が起こり、血中に含まれる多くの尿酸が比較的短時間で尿として排泄されるので痛風の予防につながるのです。

今まで痛風の原因と考えられていたビールが、痛風の予防として利用できるということは驚きかもしれません。医学や医療の常識は常に変化し、これまで常識とされていたものが全く逆の効果を生み出すことも多々あるのです。

それでも、どうしてもビールを飲むのが不安だという人は、水よりも利用作用が大きい緑茶やほうじ茶を飲むようにすれば、普通の水に比べて尿酸の排出を高める効果があります。

4.体についた余分な脂肪がプリン体を増やす!体重のコントロールも大切

痛風を悪化させる大きな要因の1つに肥満があげられます。プリン体と肥満との関係にはあまり想像がつかないかもしれません。

痛風の直接的な原因は体内でのプリン体の生成にあります。食べ物から摂るプリン体は10%程度ですから、それよりも体内で自然に合成される90%のプリン体が痛風を引きこします。

ここに肥満がどう関わっているのかというと、実は、皮下脂肪が多くなると体に溜まる水分量が多くなり尿酸を排泄する働きが低下します。また、内臓脂肪が多くなるとコルチゾールなどストレスホルモンの影響により尿酸が過剰に作られるようになるのです。

つまり、肥満によって痛風を引き起こすプリン体の生成が促進されると同時にプリン体の排出を妨げることにもつながるのです。ですから肥満の状態であること自体が、痛風を引き起こすリスクを大きく高めるといえます。

痛風の95%は男性に起こる!女性が痛風にならない理由

痛風の95%は男性に起こります。なぜ女性が痛風になりにくいかというと、女性は女性ホルモンの働きにより、腎臓から尿酸を排出する作用が男性よりも非常に強く、尿酸が血液中に溜まりにくいためと考えられています。

しかし、女性も閉経後は女性ホルモンの分泌量が減るので、痛風を起こす人が男性と同じくらい多くなります。

また、男性の体の中にも女性ホルモンはあるのですが、女性よりも量が圧倒的に少ないため、女性ホルモンの作用によって痛風を防ぐ作用はあまり期待できません。

痛風も生活習慣病!痛風を起こさないために日常で心掛けること

痛風を予防するためには、普段の日常生活において次のようなことにも注意しましょう。

痛風発作は朝起こる!とにかく朝、水を飲むことを忘れない

痛風発作が起こる時間帯で最も多いのは朝です。就寝中に体から蒸発した汗によって体の水分量が少なくなり、その分、血液中の尿酸が濃縮され痛風が起こりやすくなります。

さきほど、1日5回の水分摂取のルーティン法をあげましたが、とくに朝起きたときにしっかりと水を飲むようにすることを忘れないようにして下さい。

寝る前に枕元に水を準備しておき、朝起きたらすぐに飲むように習慣づけるとよいのです。就寝中にトイレにいったときなども、その分、すぐに水分を補給するようにしましょう。朝の水分補給が痛風発作を予防する上ではとても大切です。

痛風はサウナで起こりやすい!無理な発汗には要注意

サウナは健康に良いというイメージがあるかもしれませんが、痛風のことを考えるとあまりお奨めできません。サウナでの発汗により血液が凝縮され痛風発作が起こりやすくなるのです。

とくにお酒を飲んでからサウナに入ると、アルコールの利尿作用とサウナでの発汗が重なり、血液が非常に濃縮されるので痛風発作を引き起こしやすくなります。お酒を飲んでからのサウナは控えなければいけません。熱いお風呂での長湯も禁物です。

運動はほどほどに!とくに早朝のゴルフ・ジョギングには要注意

健康のためにジョギングやスポーツをする人が多くなっていますが、体を動かすことで作られる汗や乳酸は、痛風を悪化させる性質があるので、痛風予防の観点からすれば、あまり激しい運動をすることは控えたほうが良いといえます。

とくに注意が必要なのはゴルフをする人です。前日にお酒を飲むことも多く、次の日の朝早くからラウンドをするので、脱水状態の上に急に運動を行なうことになるからです。競争心が湧きストレスホルモンが増加することも痛風発作を起こしやすくなります。

また、早朝のランニングも習慣になっていれば良いのですが、思いついたように急に始める人が痛風発作を起こすことが多いので注意して下さい。

痛風に関する常識も日々新しいものに変わっています。最新の情報に耳を傾け、これまでの固定観念にとらわれないようにすることも大切です。
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