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胃がんを撃退せよ。胃がんの原因、ピロリ菌の検査と退治方法

「ピロリ菌」(正式名:ヘリコバクターピロリ菌)ががんの原因であることは、WHO(世界保健機関)が全世界に向けて、胃がんの原因であると情報を発信しています。それでは、どのような方法で検査・除菌(胃の中から「ピロリ菌」を除去すること)を行うのでしょうか?

ピロリ菌の検査

人間ドックでも健康診断でも、ピロリ菌を調べる検査は、一部の医療機関を除いてほとんどありません。人間ドックでも、標準項目ではなくほとんどオプションになります。また、一般診療でも実施することはあるでしょう。では、どのような検査があるのでしょうか?

【内視鏡検査】

胃部内視鏡検査をしたときに、本人の希望や医師の判断で胃粘膜の組織の一部をつまんで、組織検査を行い、ピロリ菌の検査をします。現在では、最も信頼性のある検査と言えるでしょう。

医師の判断の場合は、胃炎や胃潰瘍が内視鏡で確認された時、患者本人に確認して検査を追加することが多いようです。検査結果は、顕微鏡で調べたりするので、数日~2週間ほどかかります。

【尿素呼気試験法】

負担がほとんどなく一番ポピュラーな検査です。小さな専用バックを2つ膨らませるだけです。

① 何もしない状態で専用バックに空気を膨らませます。このバックの二酸化炭素量が基準になります。
② 次に、「尿素」の入った錠剤を呑んで20分ほど待ちます。
③ 再び、専用バックに息を吹き込んで終了。

原理は、ピロリ菌は「尿素」が餌です。これを分解して「アンモニア」と「二酸化炭素」に分解します。ピロリ菌に感染していれば、尿素を飲んだ後の専用バックに二酸化炭素が多くなっているはずです。最初に膨らませた専用バックの二酸化炭素と比較すれば一目瞭然になります。

大学病院等大きな病院では、専用の検査機器がありますので、その場で検査値がわかりますが、一般診療所では、検査会社に依頼するので、結果は後日聞きに行くことになります。

【抗体法(血液検査・尿検査)・抗原法(便検査)】

血液(採血)・尿・便を調べて、ピロリ菌の有無を調べます。検査精度としては疑問を持つ医師もいるようですが、スクリーニングとしては簡便な方法なので、たくさんの人数に実施するときには、この方法を採用します。

また、胃の萎縮度合いを調べる「ペプシノーゲン検査」と「ピロリ菌抗体検査」を組み合わせて血液検査で行える「ABC検診」(判定をA~Dで評価するのでこの名前が付きました)がだんだん広がりつつあります。これからの主流になると思われます。

ピロリ菌の治療(除菌)

さて、ピロリ菌が発見されたらどうしたたら良いでしょうか?症状はなくても、将来、胃潰瘍や胃がんになる可能性は高いので、ピロリ菌を撃退することが賢明です。

従来、「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」(疑い含む)の病名がつけば、ピロリ菌の除菌は健康保険の適用が受けられましたが、それ以外につきましては健康保険が効かず、全額自己負担でした(50,000円ほど)。

この費用負担が、ピロリ菌除菌を躊躇してしまうとして、2013年2月から内視鏡検査でピロリ菌が見つかった前提であれば、「胃炎」であっても保険診療の適用が受けられることになりました。これは、朗報です。個人負担も8,000円ほど(初診の場合)で済みます。では、どのような方法で治療(除菌)するのでしょうか?

【一次除菌】

二種類の抗菌薬と胃酸を抑える薬を1日2回、1週間服用します。この治療で7割ほどの方に除菌効果が上がります。1週間後、再度ピロリ菌検査を行って、ピロリ菌が除菌されたか確認します。しかし、3割程の方は除菌しきれていないことになりますので、「二次除菌」を行います。

【二次除菌】

こちらも「一次除菌」同様、健康保険が適用されます。「一次除菌」で使った抗菌薬の1種類を別の抗菌剤に替えて、再び1日2回1週間服用します。ここまで来ると、除菌成功率は95%ほどになりますので、ほとんどの方の除菌ができることになります。

【副作用】

除菌中は胃の中だけではなく、腸の菌も殺してしまいますので、統計上では、3割ほどの方が下痢や軟便の副作用がありますが、特別なことがなければこのまま服用を続けても構いません。しかし、ペニシリンにアレルギーがある方は、アナフィラキシーショックや出血性大腸炎の危険がありますので、事前に医師と相談してください。

除菌さえすれば、胃がんは決して怖いものではありません。除菌をすると胃の動きが活発になるため、「逆流性食道炎」になることがありますが、喫煙や食生活を見直すことで克服は可能です。また、除菌すれば、再度ピロリ菌に感染することはないので、是非検査だけでも実施することをお勧めいたします。

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