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シワ取りだけじゃない!実はボツリヌス菌ってこんなにすごかった

『ボツリヌス菌』と聞くと、食中毒を思い出す方も多いのではないでしょうか?この菌の毒素によるボツリヌス食中毒は、致死率が高いと言われる恐ろしい食中毒です。

『ボトックス注射』〜美容関連でのボツリヌス毒素治療〜

一方で『ボトックス注射』と言う言葉も一般的になってきました。ボツリヌス毒素の働きを利用して表情ジワを取るというもので、プチ整形としてもポピュラーなものです。

ボツリヌス毒素は神経の刺激を伝えるアセチルコリンという物質の働きを抑えることにより、筋肉の動きを起こさせないようにします。それにより筋肉は緊張をやめ、ゆるんだ状態になります。筋肉を動かそうと思っても動かせなくなるのです。つまり、シワは寄らなくなります。

また汗腺の部分のアセチルコリンにも働き、発汗を抑える作用があります。これを利用して、多汗症の治療にも使われています。

『ボトックス』と言うのは、実はアメリカの製薬会社の開発した医薬品の製品名です。ボツリヌス菌が作るタンパク質であるボツリヌス毒素を無毒化して医薬品にしたものになります。

正確に言えば『ボトックス』と呼べるのはこの製薬会社のこの製品だけなのですが、現在はボツリヌス毒素を使った治療、美容法などを一般的に『ボトックス』と呼んでいるようです。

ちなみに『塗るボトックス』というものもありますが、これはボツリヌス毒素を使っているわけではありません。ボトックス注射が禁止されているスペインで開発されたアルジルリンという成分を使っていて、ボトックスと同じようにシワを取ってくれる効果があります。

一部の美容クリニックでは安い中国、韓国製のボツリヌス毒素を使用し、安価でシワ取り手術をしていたようです。これらは成分や安全性がはっきりしておらず、健康被害も報告されています。あまりにも安いクリニックは避けた方が無難かもしれません。

ボトックス注射は美容関連ではシワを取ったり多汗症治療の他にも、小顔にしたり、ふくらばぎをほっそりさせたりということに使われています。(多汗症うち重度なものは健康保険でも治療できるようになりました。)

『ボツリヌス療法』〜医療関連でのボツリヌス毒素治療〜

実は、ボツリヌス毒素は医療現場でも利用されています。初めて利用されたのは1977年、斜視の治療に対してでした。現在では他にもいろいろな治療が行われています。 ボツリヌス毒素の「筋肉の緊張を改善する」作用を利用した治療です。

・脳卒中後遺症の手足のつっぱり

脳卒中の後遺症で、筋肉が緊張しすぎて手足が動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう症状があります。手を握ったまま上手く開けなかったり、足先が曲がってしまったりします。内服薬などによる治療法もありますが、ボツリヌス療法も行われます。

・眼の周りのけいれんや顔の片側のけいれん

眼の周りの筋肉がけいれんして眼が上手く開けられなくなったり、顔の片側の筋肉がけいれんし続けたりする病気があります。中高年の女性に多くみられます。内服治療もありますが、ボツリヌス療法も高い効果があります。

・痙性斜頸(けいせいしゃけい)

頭や首の筋肉が異常に緊張することにより、自分の意思とは無関係に首が曲がったりする病気です。内服、手術の他、ボツリヌス療法もあります。

・小児脳性まひの筋肉の緊張、けいれん

小児脳性まひの症状のひとつに、足の筋肉に力がはいり過ぎて動かしにくくなる症状があります。そのため、かかとが床に着かずつま先立ちのような状態になってしまいます。ボツリヌス療法を行うことにより筋肉の緊張がゆるみ症状が改善し、リハビリがしやすくなったり進行を遅らせたりできます。

どの症状に対する治療の場合も、効果は数ヶ月ほど持続して消えていきます。そのため繰り返して治療を受けなくてはいけません。ただ、効果のある間は症状が改善されることにより、痛みがとれたりリハビリがしやすくなったりと日常生活が楽になり、過ごしやすくなります。

副作用としては注射部位が腫れて痛くなったり、体がだるく立っていられなくなったりということが起こることもありますが、一時的なもので時間がたつにつれて落ち着いてきます。

治療の進め方には個人差もありますので、まずは先生によく相談してみることが大切かと思います。このボツリヌス療法はどこの病院、医院でもやっているわけではないので、事前に確認、予約をしてから受診されることをお勧めします。

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