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あなたはあがり症?セルフチェックで症状を理解し克服しよう

日本人には比較的多いといわれるあがり症。無関係な人からすると、特に大きな問題でもないように感じられるかもしれません。

しかしあがり症の人からすると、他人が想像する以上に厄介な症状であると感じられるでしょう。

あがり症は精神的な問題が生じることはもちろんですが、それが身体的な問題として表面化します。人前で顔が真っ赤になったり、季節によらず汗をボタボタ流したり、震えが止まらなくなったりと、とにかくいろいろな症状が現れます。

今回はあがり症の説明、改善方法などについて触れてみたいと思います。

「あがり症」はいくつもの精神的トラブルの総称

あがり症というと、多少輪郭がぼんやりしているところがあります。実際、あがり症を厳密に定義することは難しいです。

というのも、あがり症は、いくつもの精神的トラブルの総称だからです。

何かひとつの症状を差してあがり症と呼ぶのではなく、いろいろな精神的トラブルがどれもあがり症の一種であるというイメージになります。

それでは、あがり症には具体的にどういった精神的トラブルが含まれるのか、代表的な症状を以下に列挙します。

正視恐怖症 目を合わせることができない、視線のやり場に困る
視線恐怖症 他人から見られているのではないかという不安・恐怖
赤面症 対面すると顔がほてって赤くなる
加害恐怖症 他者を傷つけてしまうのではないかという不安・恐怖
笑顔恐怖症 顔がひきつるなどして、上手に笑えない
自己視線恐怖症 他人をにらんでいるのではないかという不安・恐怖
失笑恐怖症 不謹慎なシーンで笑ってしまうのではないかという不安・恐怖
多汗症 緊張から多量の汗をかく
吃音恐怖 声が震えるたりどもったりするのではないかという不安・恐怖
電話恐怖症 電話の応対での失敗への不安・恐怖

上記はすべて「あがり症」に分類される症状です。ただ、どれも同じ、もしくは似通ったメカニズムによって起こる症状ですので、それぞれが完全に独立した症状というわけではありません。

実際、症状の一部が共通する別の症状(病名)として扱われることもあります。

たとえば、よく知られる対人恐怖症は、その症状に正視恐怖症や赤面症と共通する部分があります。

どのあがり症にも発症に共通するメカニズムがある

あがり症は血中のノルアドレナリンの濃度が高くなることで発症します。

ノルアドレナリンには、「覚醒」や「興奮」を促す作用があります。過度の緊張や強い不安を覚えることで、脳の青斑核(せいはんかく)と呼ばれる部位からノルアドレナリンが分泌されます。

ノルアドレナリンが分泌されると、自律神経系のうち、交感神経系の働きが活発になります。

自律神経系は、交感神経系と副交感神経系のバランスによって機能する神経系です。一般的に、両者は相反する状況(覚醒と睡眠、攻撃と防御など)でそれぞれ活性化します。

ところが、ノルアドレナリンが過剰に分泌すると、交感神経系ばかりが活性化します。これにより自律神経系のバランスを失ってしまうのです。これがあがり症のメカニズムです。

交感神経系の働きが活発になると、体温と血圧の上昇が見られ、それに伴って心拍数の上昇も見られます。これが緊張を覚えたときに誰もが感じる「ドキドキ感」です。このことは、何もあがり症の人だけが襲われる感覚ではありません。

ですから医学的に見れば、あがり症だからといって何か大きなトラブルが起こっているわけではないのです。ノルアドレナリンの分泌の頻度や量は個人差の範囲であって、異常ではない場合のほうが多いです。

そして、ノルアドレナリンの分泌が他の人と同程度であるにもかかわらず、自分だけがあがり症なのだと思いこんでしまう性格的な部分も、あがり症には多少影響を与えています。

あがり症の発症は年代と関係している

あがり症はどの年代の人も同程度の確率で起こるわけではありません。

たとえば、ご高齢の方々が緊張や不安で仕方がないといったシーンはあまり見たことがありませんよね?もちろん、幼い少年少女にもほとんど見られない症状であるといえます。

あがり症を最も発症しやすい年代は、10代中盤~20代前半くらいまでです。いわゆる「思春期」と呼ばれる時期と多少オーバーラップするところがあります。

とはいえ、もちろん他の年代には絶対にあがり症が現れないということはありません。40代や50代の人でも、あがり症を発症することはあります。

あがり症のセルフチェックをしてみよう

あがり症と定義される明確な病気はありません。ただ、はっきりとした症状が現れ、しかもそれによっていろいろとマイナスを被ることがある以上、症状のレベルによっては予防や対処をしなければなりません。

病気としての明確な定義がないと、「もしかしたら自分もあがり症かもしれない・・・」と不安になる人もいるでしょう。

その不安を払拭する、あるいはあがり症への何らかの対策を講じるために、まずはセルフチェックをしてみてもよいかと思います。

あがり症のセルフチェックの方法とチェック項目

あがり症のセルフチェックの方法は、あがり症の治療を行う病院でも実施される内容です。

いくつかのテストグループがあり、そのすべてのチェックを行い、最終的に点数化して、被験者があがり症の可能性があるかどうかを判定するという方法です。

せっかくですから、実際にチェック項目を見てみることにしましょう。簡単なテストなので、ご自身もあがり症のチェックを実際にしてみましょう。

まずは、日常生活で誰もが行う行動のチェックです。あまり深く考えずにチェックしてみましょう。

▼下記の合計点数をメモしてください。

  1. 多くの人の前でスピーチする
  2. 目上の人、偉い人と話す
  3. 見知らぬ人に話しかける
  4. 他人の視線や注目を浴びる
  5. 人に叱られる。非難される
  6. 人前で字や絵を書く
  7. 他人と飲み食いする
  8. 公衆トイレで用を足す
  9. 電話に出る
  10. 新年会、クラス会、飲み会などの社交的な集まりに出席する
まったく気にしない 0点
苦手だけどまあ大丈夫 2点
なるべくなら避けたい 4点
大の苦手。絶対に避けたい 6点
恐怖感を感じ、 いつも必ず逃げている 8点

次に、不安や緊張を覚えたときに起こる症状についてのチェックです。

▼下記の合計点数をメモしてください。

  1. 顔が赤くなる。または青くなる
  2. 動悸を感じる
  3. 手足や全身、声が震える
  4. 手や全身に汗を大量にかく
  5. 筋肉がこわばる
  6. 吐き気、腹部不快感をもよおす
  7. 口が異常に渇く
  8. 息苦しさを感じる
  9. 尿が近い、尿が出ない
  10. 頭が真っ白になる。めまいを感じる
まったくない 0点
少し気になることもある 1点
かなり気にしている 2点
とても強く感じている 3点
耐え難いほど強く感じている 4点

次に、チェック3を行います。チェック3は、上記のチェック1・2を踏まえ、日常生活にどのくらい支障が出ているかを自己評価します。

支障はほとんどない 0点
多少支障がある 10点
かなり支障がある 20点
たいへん支障がある 30点

3つすべてのチェックで導いたそれぞれの点数を、すべて合計してメモしてください。

次のところで、あなたのあがり症の可能性を検証しましょう。

(参照…あがり症の特徴とメカニズム – 医療法人和楽会より)

あがり症のセルフチェックの結果を判定しよう

上記3つのセルフチェックの合計点数をみて詳細に判定してみましょう。

30~50点
若干のあがり症の可能性が考えられます。どうしても日常に支障があるなら、何らかの対処が必要です。ただ、このくらいのレベルであれば、むしろあまり気にしないほうがよい場合のほうが多いです。
51~100点
一般的なあがり症と認識できます。一般的なレベルであっても、日常にそれほど支障をきたしていないと判断するのであれば、やはりあまり気にしないほうがよいでしょう。ただ、明らかに支障が出ている人は、病院で治療するなどの対処をすべきでしょう。
101点以上
深刻なあがり症をすでに自覚している人が多いと思います。実際、日常に支障をきたすケースも多いのではないでしょうか?このレベルになると、自力での改善は難しい場合が多くなります。一度医療機関に足を運んで相談してみることをおすすめします。

さて、いかがだったでしょうか?あくまでもひとつの目安ですから、上記の結果が絶対ということではありません。

ただ、症状が悪化するようなことがあるのも問題ですから、あがり症を気にしている人は結果を参考にして対処していただきたいと思います。

緊張とあがり症は同じものなの?

「あがり症」ということばと似たことばで、「緊張」という一般的な用語があります。実際「緊張する」ことを「あがる」と言い換えることもできます。では、「緊張」は結局のところ「あがり症」と同じ意味を表すのだろうか・・・

と、あがり症で悩む人はよくそんなことを考えます。しかしちょっと考えていただけるとわかると思いますが、緊張はあがり症であるか否かにかかわらず、誰もが経験する感覚です。

たとえば面接の待ち時間や、初めてのデートの前の晩などは、緊張しない人のほうが少ないでしょう。もしもそうした経験の持ち主がすべてあがり症だったとしたら、おそらく世界中の人があがり症だらけになってしまうはずです。

ですから、結論としては緊張とあがり症とはまったくの別ものである、ということになります。

ただ、それでは緊張とあがり症とではいったい何がどう違うのだ?と問われると、答えに窮する人が多くなるのではないでしょうか。

緊張とあがり症の具体的な違いはどこにある?

ある条件の下に緊張・不安という感覚に襲われるケースは、誰にでも起こります。緊張や不安という感覚が、平時にくらべて特殊な状況でしか起こらない感覚であるというだけのことです。ある条件の下に緊張や不安を感じるのは、まったくの正常な反応です。

野球で、あとアウト1つとれば優勝・・・などというクライマックスのシーンでは、攻めているほうも守っているほうも、それぞれのチームを応援しているファンも、みな緊張でドキドキするでしょう。スポーツではそのドキドキ感を楽しむことさえできるのです。

このように、「ある条件」が誘う緊張や不安は、異常な感覚ではありません。ところが、あがり症ともなると、明確な条件がないのにいきなり過度な緊張を覚えたり、不安にかられたりします。

というよりも、正常な緊張や不安は必要に応じて湧きおこる感覚であるのに対し、あがり症で湧きおこる緊張や不安は、特に必要ではないのに湧きおこる感覚であるといえます。この「必要性」についてもう少し具体的にお話します。

緊張や不安が必要である場合って、どんなとき?

たとえば上記で挙げたスポーツにおける緊張や不安は、勝つ、あるいは負けないという明確な目的(条件)があることで起こる感覚です。ホラー映画を見ておもしろいと思うのも、「怖い」という条件(目的)があって起こる緊張を楽しんでいるからです。

もっというと、緊張や不安は自身の生命の危険回避の目的から生じる感覚でもあります。突然理由がわからない大きな音を聞くと、あがり症の人ではなくても瞬時に緊張します。その後、音の原因がわからないままだと、今度は不安が襲ってきます。

これらの緊張や不安は、その音が爆発、発砲、事故の衝撃といった、自身に危険が迫っている可能性を連想させるために湧きおこる感覚です。つまり、自身を守ろうとする意識を発動するために「必要な感覚」なのです。

あがり症による緊張や不安は、もちろん「必要な感覚」としても感じるとは思いますが、一般的には必要とされないシーンでも頻繁に感じられてしまうという特徴があります。これが、正常な感覚の緊張とあがり症との明確な違いです。

なぜあがり症になってしまうの?あがり症になりやすい人の特徴

あがり症になってしまう原因は、大きく分けて3つ考えられます。以下に、あがり症になりやすい人のタイプを挙げます。

自意識過剰な人は要注意!

自意識過剰とは、常に他人の目を気にすることです。自意識過剰の人は、自分ではなく、他人の考えを判断の基準にすることが多いです。だからちょっとしたことでも他人の目が気になってしまい、それが高じてあがり症になってしまうのです。

自分をよく見せたがる人も気をつけて!

いわゆる「背伸びをしたがる人」はあがり症になりやすいと考えられます。自分をよく見せようという気持ちは誰もが持っています。ただ、それが高じると、失敗を過度に恐れるようになり、そのプレッシャーがあがり症を呼んでしまうのです。

いつも逃げ道を探す人は最もあがり症になりやすい!

相手(たとえばお客さんや上司など)が求める結果を出すために努力するのではなく、結果を出せなかったときにどうしたらよいかを先に考えてしまうタイプの人です。攻めているときよりも逃げているときのほうが緊張感はずっと大きいことを、みなさんも経験的に体感しているでしょう。

逃げることばかりを考えていると、常に緊張する状況を自らつくってしまいます。結果的に、そうした状況があがり症を招くことになるのです。

あがり症なんてやっつけろ!~あがり症の治療方法

あがり症は、明確な病気ではありませんが、放置すると悪化することもあります。

あがり症が悪化すると、社会不安障害と呼ばれる障害をきたすリスクがあります。日常に支障をきたすことが頻繁に起こるレベルのあがり症の場合、早目の治療が必要です。

あがり症は、感情と身体行動のバランスを欠くことで悪循環を生じやすい精神的トラブルです。たとえば、緊張して何かを失敗し、その失敗が次の緊張を生むといった悪循環です。

ですから、上記の悪循環をどこかで断ち切ることを目的とした治療を行うことが治療のひとつの方向性になります。あがり症の治療が、実際にどのように行われるのかを以下に挙げます。

あがり症の最も一般的な治療~薬物療法による治療

あがり症の治療方法の中で、薬物療法は最もポピュラーな治療方法です。というのも、薬物療法にはメリットが大きいからです。たとえば時間的制約が小さいこと、治療期間も短時間であること、費用が安いこと、有効性が高いことなどがメリットとして挙げられます。

あがり症から逃げない決意を~行動療法による治療

上記の原因のところでも触れましたが、あがり症は「逃げ」の心理から発症することが多い症状です。行動療法は、これまで逃げていたことにあえて立ち向かうことを目標とする治療法です。行動療法では立ち向かう恐怖に慣れ、立ち向かう勇気を見出します。

まずは誤解を解いて前を向こう~認知療法による治療

認知療法とは、あがり症の原因となっている誤った意識に対する指摘を受け、誤りを正す治療法です。たとえば、自分が誰かをにらんでいるという思い込みを正し、正視恐怖症を改善するといった方向性で行う治療が認知療法です。

自分にしか辛さがわからない症状だからこそ相談してみよう

あがり症は、他人に理解してもらおうと思ってもなかなかその苦しみが伝わらない精神的トラブルです。また、他人に理解してもらいたいけれど、あがり症のためにそれすらできないという苦しい状況に陥ることも多いです。

比較的若い世代に多く見られる症状ですから、精神的に大人になることで解決することもあります。つまり、時間が解決してくれることもあるのがあがり症の特徴の1つではあります。

若い時期にあがり症で苦しんだ経験が将来に生きることがあるかもしれませんが、ただ、長い時間苦しい思いをするのであれば、思い切って病院で治療をするという勇気も必要かもしれません。

状況を何とか打開したいと思い詰めているあがり症の人も多いと思います。

決心がついたら、勇気を出して病院の門を叩いてみませんか?実際に治療するかどうかは二の次です。まずは専門的な知識があるお医者さんに、気軽にどんなことでも話してみましょう。

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