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意外と多い小さな子供の頻尿!原因と考えられる病気6つとその対処法

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子供がさっきおしっこをしたばかりなのにすぐにおしっこをすると、親御さんは「また?」とため息が出てしまうかもしれません。

おしっこの回数が急に増えたなら、何か原因があって「頻尿」が起こっている可能性があります。

子供の頻尿の原因になりやすい病気をチェックしておきましょう。

子供のおしっこは1日何回から頻尿?「頻尿」との基準は

「頻尿」とは、排尿回数が標準よりも多いことです。

正常な排尿は次のようなメカニズムで行なわれています。

  1. 膀胱に半分くらい尿が溜まると、膀胱壁が刺激を受ける
  2. 刺激が脊髄から脳に送られ、尿意を起こす
  3. 脳が膀胱に「我慢しなさい」と指令を送ると、尿道が閉まる
  4. 脳が膀胱に「排尿しなさい」と指令を送ると、尿道が開いて排尿される

排尿の仕組み

このメカニズムがスムーズに行なわれないと、さっきおしっこをしたばかりでもまたすぐおしっこがしたくなってしまうのです。

子供が1日に何回おしっこをすれば、頻尿の心配が出てくるのでしょう。

子供の頻尿の目安は?

2~3歳以上の子供なら、1日の排尿回数が10回以上に増えると、頻尿の可能性があります。

赤ちゃんは膀胱が小さく、尿意を感じてからおしっこを出す機能が発達していないので、膀胱に尿が溜まると反射的におしっこが出て、新生児は1日に20回もおしっこをします。

膀胱に一定量のおしっこを溜めてから尿意を感じた時に自分でおしっこを出せるようになるのは2~3歳頃です。その頃には次の排尿までの間隔が長くなって、大人と同じ1日に6~8回くらいのおしっこをするようになります。

子供の1日の排尿回数

  • 新生児…20回くらい
  • 1~2歳…8~12回
  • 2~3歳…6~10回
  • 4歳~…4~8回

また子供はトイレまでおしっこを我慢する機能が完全に成熟していないので、5歳頃まではおねしょをしたりトイレ以外の場所でおもらし(尿漏れ)してしまったりするのは当たり前で、決して親御さんのしつけが悪いということにもなりません。

気を付けたいのは、以前に比べて子供のおしっこが急に近くなったり、明らかに排尿回数が増えたように感じる場合です。もしかすると何か原因があって頻尿になっているかもしれません。

水分を摂り過ぎたりあまり汗をかかなかった日は、誰でも一時的におしっこの回数が増えます。この場合は頻尿とは言いません。

おしっこの回数の多い日が長く続く場合に頻尿を疑ってください。

頻尿には2種類ある

子供の頻尿の理由はさまざまで、大きく分けると「器質性頻尿」と「心因性頻尿(神経性頻尿)」があります。

器質性頻尿
膀胱の病気など体に何らかの原因があって起こる頻尿
心因性頻尿
検査をしても原因が見つからないのに起こる頻尿

また、体の発達が未熟なために起こる機能性の頻尿もわりと多くみられます。

子供の頻尿が気になる場合、まず器質的な原因がないか特定させることが必要です。

大人だけでなく子供にも多い!頻尿ならまず「膀胱炎」を疑う

子供のおしっこの回数が急に増えたら、まず「膀胱炎」を疑ってみる必要があります。

膀胱炎は、尿道口から侵入してきた細菌やウイルスが膀胱に感染して炎症を起こす病気。膀胱炎にかかると、膀胱の粘膜が炎症を起こして神経を刺激するため、すぐおしっこしたくなってしまうのです。

赤ちゃんの場合は、体が小さいので尿路を構成する腎臓、膀胱などの感染症をまとめて「尿路感染症」と呼ぶこともあります。

膀胱炎の症状

幼児になると大人の膀胱炎と同じような症状を訴えるようになります。

  • すぐおしっこしたくなる
  • おしっこが出にくい
  • おしっこをする時に痛い
  • おしっこをした後にスッキリしない (残尿感)

頻尿だけでなく痛みを訴えてきたなら、尿路系のトラブルが起こっていると考えて間違いないでしょう。

このほかに

  • 尿が白く濁る
  • 尿が臭う
  • 赤い尿が出る
  • 下腹部の違和感を訴える

といった症状を伴うこともあります。

赤ちゃんは言葉が話せないのでおしっこをする時に泣いたり機嫌が悪くなったりします。

また高熱を伴うようであれば、細菌が膀胱から腎臓まで到達したために起こる「腎盂腎炎」の可能性があります。

膀胱炎の治療法

頻尿に排尿痛を伴う場合は、すぐに専門家である小児科または泌尿器科を受診させます。

膀胱炎の治療には抗生剤を用います。抗生剤を1~2週間服用(赤ちゃんは注射など)をすれば、症状は快方に向かいます。

病院ではまず尿検査をします。尿内の細菌、白血球や赤血球を調べることで、膀胱炎かどうか診断することができます。

トイレでおしっこできる子供は、コップに中間尿(出始めではない尿)を採取して検査することができますし、オムツの子供や赤ちゃんは尿道にカテーテルを入れたりお腹から膀胱に針を穿指して採尿したりすることもあります。

2歳以下の子供や尿路感染症を繰り返す子供は、尿路に構造上の異常がないかもう少し詳しく調べておく必要があり、超音波検査やX線造影などで膀胱や尿道のはたらきを確認することがのぞまれます。

子供の場合、尿路感染症の原因となる「膀胱尿管逆流」「水腎症」といった先天性の疾患が見つかる場合があるためです。

家庭では、なるべくおしっこをさせて細菌が排出されるよう、こまめに水分を与えて尿量を増やします。安静にして少しでも体の抵抗力をつけ、膀胱炎の回復を促進させましょう。

膀胱炎の原因

膀胱炎の主な原因は、尿道口から侵入した大腸菌などの雑菌感染です。

肛門と尿道口が近いため、大人でも肛門から経由して尿道口に大腸菌が付着するために膀胱炎が起こりやすいのですが、オムツの中で雑菌が増殖したり、子供が排便後のペーパーの拭き方が不適切だったりして、子供も膀胱炎を引き起こしやすいのです。

膀胱炎の完全な予防法はありませんが

  • 排便後には前から後ろに拭くよう、子供に指導する
  • 規則正しい生活をして日頃から体の抵抗力を高めておく

といった心がけは、子供の膀胱炎予防につながります。

子供の心はデリケート…ストレスで起こりやすい「心因性頻尿」

膀胱炎の次に子どもに多いのが心因性の頻尿です。子供のおしっこの回数が増えたのに、体の検査をしてどこも悪くない場合は、精神的なストレスが原因で起こる「心因性頻尿」が考えられます。

尿意は、膀胱に尿がたくさん溜まった時だけでなく、精神的なストレスや緊張を感じた時にも起こります。大人でも緊張すると急にトイレに行きたくなることがあります。それと同じですね。

精神的なストレス受けると交感神経が緊張して膀胱の筋肉が収縮します。膀胱の筋肉が収縮すると尿道は緩むため、尿がそれほど溜まっていなくても軽い尿意が起こったり尿が少し漏れたりしてしまうのです。

子供の体は、膀胱の容量が小さい上に心もデリケートなので、ちょっとした精神的なストレスを受けただけで、大人よりも頻尿が起こりやすいようにできているのです。

心因性頻尿の症状

以前に比べて子供が頻繁に「おしっこしたい」と訴えるようになったら、子供のおしっこに次のような特徴がないか確認してみましょう。

    心因性頻尿の特徴

  • 1日の排尿回数が8~10回よりも多い
  • 尿意を催してトイレに行っても、尿は少ししか出ない
  • 腹痛・排尿痛・血尿など体の症状はない
  • 寝ている間はおしっこをしない
  • 遊んでいる間・何かに夢中になっている間は尿意を催さない
  • 水分の摂取量を減らしても排尿回数が多い

上記の症状がいくつか当てはまり、病院で体の検査をしても尿路系に異常が見つからない場合は、心因性頻尿と診断される可能性が高くなります。

心因性頻尿の原因

ストレスを感じた時に膀胱が収縮しておしっこしたくなったことがあり、その経験を脳が学習すると、ストレスを感じる度におしっこしたくなる癖が体についてしまい、頻尿が起こりやすくなります。

心因性頻尿を引き起こすストレスの原因はさまざまです。子供に多いのは、次のような場面で受けるストレスです。

  • 発表会・運動会など、行事前の緊張や興奮
  • 引越しや入園・クラス替えなど、環境の急激な変化
  • 叱られた
  • 家庭不和
  • 友達とのトラブル
  • トイレトレーニングのストレス
  • おもらしやおねしょなど、おしっこの失敗
  • トイレに行けない時におしっこしたくなって我慢を強いられた
  • など

特におしっこの失敗は、子供にとってショックが大きいことがあり「また失敗したらどうしよう」「おしっこしたくなったらどうしよう」と、子供に強い「予期不安」を植え付けると、条件反射で不安を感じた時に尿意を催しやすくなってしまうこともあります。

心因性頻尿の治療法

排尿には尿路の細菌を洗い流す作用があり、排尿を我慢すると細菌が増殖して膀胱炎や腎盂腎炎を引き起こす恐れが出てくるので子供が「おしっこに行きたい」と言ったら我慢させずにトイレに行かせてあげましょう。

子供の心因性頻尿は、ストレスの原因を取り除くことで解消されます。

ストレスが一時的なもので頻尿が自然におさまれば、それほど心配はいりません。しかし子供のストレスが強く頻尿がしばらく続く場合は、おうちの方が子供のストレスの原因を見つけ、ストレスを取り除いてあげてください。

頻尿に対する予期不安をやわらげることも大切。一番良いのは「おしっこの回数が多くても、気にしなくていい。」と安心させてあげることです。

親御さんも子供がおしっこする度に「またか」と心配してしまうかもしれませんが、一番不安を感じているのは子供なので「おしっこしていいんだよ。おしっこが体の中のいらない物を出してくれるんだよ。」と、子供が安心する言葉をかけて、おしっこをさせてあげるほうが良いのです。

トイレトレーニングでは、失敗した時に叱らないで成功した時にたくさん褒めて自信を付けてあげましょう。

日常生活では子供の自律神経のバランスが安定するように、子供のストレスをやわらげる工夫をしましょう。

  • スキンシップを増やす
  • 子どもの話をゆっくり聞いてあげるようにする
  • 子どもに「また?」「ダメじゃないの」など、失敗を攻めるような事を言わない

心因性頻尿は病院に行かないで治すことができる病気ですが、器質的な疾患が隠れている場合があるので、小児科を受診して尿路系に異常のないことを確認した上で、家庭のケアをするようにしてください。

家庭のケアで改善されにくい場合は、かかりつけの小児科に相談してください。

また子供に「おしっこが治る薬」と言って、偽薬(子供に飲ませても安全なビタミン剤や整腸剤など)を飲ませ「これで治るね」と、良い暗示をかけてあげるのもひとつの手です。

中高年だけではない?子供の尿漏れは「過活動膀胱」のことも

「過活動膀胱」は中高年に多い尿トラブルとして知られていますが、子供にもしばしばみられます。

過活動膀胱とは、膀胱が勝手に収縮して急に強い尿意が起こる病気です。膀胱は自分の意志で動かせない筋肉でできているため、子供の場合は自分の意志に関係なく失禁してしまう(おもらし)こともあります。

過活動膀胱の症状

日中に次のようなおしっこのトラブルがあれば、過活動膀胱が原因かもしれません。

  • すぐおしっこしたくなる
  • 我慢できず、おもらししてしまうことがある
  • 日中に少量の尿が漏れることがある
  • しゃがんだり笑ったりした時に尿が漏れる

過活動膀胱の原因

子供の過活動膀胱は、膀胱の容量が小さく、排泄機能が未熟なために起こります。尿が少し溜まっていなくても膀胱が収縮しやすいので、すぐ尿が出てしまうのです。

5才頃までに起こる軽い過活動膀胱は、排泄機能が未熟なために起こっているので、あまり心配ありません。成長と共に自然と治ることがほとんどです。

しかし精神的なストレスが自律神経のバランスを不安定にして、過活動膀胱を悪化させることもあります。

また頻繁に尿漏れが起こる場合、5歳を過ぎても尿漏れが続く場合は、まれですが尿路系や脳神経など器質的な疾患が原因となっている可能性もあります。

ちなみに40代以上の中高年は、加齢や骨盤底筋の筋力低下などが原因で過活動膀胱が起こります。

過活動膀胱の治療

5歳以下の幼児なら誰でもおもらしの経験があるもので、たまにおもらしする程度の軽い過活動膀胱は自然に治っていくものなので、特別に治療する必要はありません。

家庭では尿漏れの予防を心がけると良いでしょう。

  • こまめにトイレに行っておしっこを出しておく
  • 膀胱をなるべく圧迫しないよう、便秘を予防する
  • 精神的なストレスを避けるため、頻尿やおもらしを指摘しない

過活動膀胱の尿漏れで悩んでいる場合は、小児科か泌尿器科に相談して、薬物療法で排尿をコントロールするのも良いでしょう。

尿が漏れ続けていたり、5歳を過ぎても尿漏れの回数が一向に減らない場合は、器質的な疾患が原因で尿漏れが起こっていて専門治療が必要になる場合があるので、専門家である小児科または泌尿器科を受診する必要があります。

インスリン療法が必要に!乳幼児も発症する「小児糖尿病」

多飲多尿で頻尿が起こるならば「小児糖尿病」が疑われます。ただし、発症率は日本で10万人におよそ3人、とまれな病気です。

糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島から分泌される「インスリン」というホルモンが欠乏して血糖値の高い状態が続いてしまう病気です。

大人の糖尿病は生活習慣が原因で起こるⅡ型糖尿病が多いのですが、10歳以下の子供の場合はランゲルハンス島が機能しないⅠ型糖尿病がほとんどです。

糖尿病といえば成人に増えている病気というイメージがありますが、Ⅰ型糖尿病は乳幼児でも発症し、小児糖尿病とは一般にⅠ型糖尿病を意味します。

小児糖尿病の症状

最初は血糖値が高いだけで無症状です。しかし、インスリンを分泌するランゲルハンス島のβ細胞が破壊されると、次に挙げる症状がみられるようになります。

  • 喉が渇きやすい
  • 甘い飲み物を欲しがる
  • 排尿回数・尿量が多い
  • たくさん食べるのに体重が減少していく
  • 体がだるくなる

一度破壊されたβ細胞が元に戻ることはないので、放置して糖尿病が治ることはありません。インスリンが欠乏すると、体の脂肪や筋肉がエネルギーに使われるようになって痩せてしまいます。

その際に産生される「ケトン体」は体を酸性に傾けるため「ケトアドーシス」という重篤な状態に陥りやすくなります。ケトアドーシスが起こると、嘔吐、けいれん、意識障害を伴って最悪の場合は死に至る場合があります。

Ⅰ型糖尿病ではケトアドーシスが起こりやすいので、注意が必要です。

小児糖尿病の原因

Ⅰ型糖尿病は、遺伝やランゲルハンス島を破壊する自己免疫が原因で起こると考えられています。

ちなみに子供のⅡ型糖尿病は、炭水化物の摂り過ぎと運動不足で起こります。もともと子供には縁のない病気でしたが、生活習慣の変化によって小学生のⅡ型糖尿病やその予備軍も増えてきています。

小児糖尿病の治療法

多飲多尿に気付いたら小児内分泌科を受診し、血糖やケトン体の検査を受けます。

Ⅰ型糖尿病は、自力でインスリンを分泌することができないので、生涯を通してインスリンを投与し続けなければなりません。

毎日決められた量のインスリンを家庭で注射してインスリンを補いながら、食事療法や運動療法を組み合わせて、血糖値をコントロールしていきます。

血糖値が適切にコントロールできれば、健康な子供と同じように通常に日常生活やスポーツを十分に楽しむことができます。

1型糖尿病の人は、インスリンが効き過ぎて低血糖を起こしたり、病気や怪我をした時に血糖値が上昇してケトン体が増えてしまったりして、危険な状態に陥ることがあるので、いざという時の対応ができるよう、主治医からしっかり指導を受けておきます。

多飲多尿が始まったら要注意!糖尿病と区別したい「尿崩症」

まれですが「尿崩症」(にょうほうしょう)という病気が原因で、大量の水を飲んで尿量が増え頻尿が起こる場合もあります。

尿崩症は、尿を濃縮する抗利尿ホルモンがうまく働かず、腎臓に送られてきた水分がそのまま排泄されてしまう病気です。

尿崩症は種類が2つあり、それぞれ原因が異なります。

尿崩症の種類

中枢性尿崩症(下垂体性ADH分泌異常症)
抗利尿ホルモンが分泌されにくくなる
腎性尿崩症
腎臓で抗利尿ホルモンがスムーズに働かないために起こる

「下垂体性ADH分泌異常症」と遺伝性の「先天性腎性尿崩症」は難病にも指定されています。

尿崩症の症状

異常な多飲多尿と水っぽい尿が特徴です。

尿崩症の種類 特徴的な症状
腎性尿崩症
  • 乳児の原因不明の発熱
  • 脱水症状を伴う
中枢性尿崩症
  • 突然に発症する
  • 冷たい水を欲しがる
  • 夜中の排尿回数が多い

多飲多尿は糖尿病でも起こるため、尿崩症との判別が必要になります。

尿崩症の原因

尿崩症は先天性・後天性のどちらでも起こることのある病気です。

  • 腎性尿崩症…遺伝で発症しやすい。腎臓の疾患がきっかけになることもある。
  • 中枢性尿崩症…外傷や脳腫瘍がきっかけで発症しやすい。遺伝や原因不明のこともある。

特に、ある時から急に多飲多尿が始まった場合は、脳に受けたダメージによる中枢性尿崩症が疑われます。

尿崩症の治療法

多飲多尿、赤ちゃんの発熱・脱水症状に気付いたら、小児内分泌科を受診し、検査を受けて原因や病名を特定する必要があります。

多尿による脱水症状が重くなると脳に障害を引き起こすおそれが出てくるので、脱水を起こしやすい赤ちゃんは注意が必要です。

治療では、脱水に注意しながら、腎性尿崩症には利尿薬、中枢性尿崩症には抗利尿ホルモンを投与し、尿量をコントロールしていきます。

どちらの尿崩症も脱水症がすすむと危険なので、早めに適切な治療をする必要があります。

5歳を過ぎてもおねしょが続く「夜尿症」

排泄機能に何らかの原因があって夜の就寝中にもしばしば排尿してしまうのが「夜尿症」(やにょうしょう)です。

私達の体は、夜の就寝中には尿が作られず、朝までトイレに起きなくて済むように作られています。

ただし5歳くらいまでは膀胱の機能が成熟していないので、寝ている間におしっこが作られ、おねしょをするのは問題ありません。

おねしょは「夜間に作られる尿量」が「膀胱の容量」をオーバーした時に起こる現象です。小さな子供は排泄機能が未熟なため、夜間の尿量が膀胱の容量をオーバーしやすいのです。

赤ちゃんは寝ている間もオムツにおしっこをしますが、成長に伴って夜間の尿量が膀胱の容量を下回るようになるので、大人のように就寝中に排尿しなくて済むようになっていきます。それは、排泄機能が次のように発達してくるためです。

  • 夜間に尿を作らないようにする「抗利尿ホルモン」の分泌が高まってくる
  • 夜間は日中に比べ膀胱に1.5~2倍量の尿を溜めることができるようになる
約9割の子どもは5歳頃を過ぎると自然とおねしょをしなくなります。

問題なのは、5歳を過ぎてもおねしょがなかなか治らない場合です。この場合に夜尿症と呼ばれ、生活指導や治療の対象となります。

もしも5歳を過ぎてもおねしょが止まらない場合は、排泄機能がスムーズに働いていないと考えられます。

夜尿症の原因

夜尿症のほとんどは、年齢の割に排泄機能の発達が少し遅れていることが原因となっています。そのほか、生活習慣や器質的な疾患が原因でおねしょをしてしまう場合もあります。

例えば、排泄機能の夜尿症の主な原因は

  • 排泄機能の未発達(抗利尿ホルモンの分泌量が少ない・夜間の膀胱の容量が小さい)
  • 寝る前の水分摂取過剰
  • 心因性のストレス
  • 器質的な疾患

などが挙げられます。

排泄機能が発達していない子供は、夜間の尿量が膀胱の容量をオーバーしやすく、それでもぐっすり熟睡していることが多いため、気付かないうちに排尿(おねしょ)をしてしまうのです。

もちろん寝る前に水分を多く摂れば尿量が増えるので、誰でもおねしょをする確率が高くなります。

寝る前にコップ3杯以上の水分を飲むのはよくありません。しかし排泄機能が発達している子供なら、コップ1~2杯の水分を飲んだくらいではおねしょをせずに済んでも、夜尿症の子どもはやはりおねしょすることが多くなってしまいます。

また、排泄機能には自律神経が関与しているため、夜尿症の子どもに心因性のストレスが加わると、自律神経のバランスが不安定になって、おねしょが長引くこともあります。

まれですが、腎臓・膀胱・中枢神経などに原因があって器質的な夜尿症が起こることもあります。夜間だけでなく日中にも頻尿や尿漏れがあれば、器質的な疾患も疑って検査を受ける必要があります。

夜尿症の治療は必要?

器質的な疾患が原因でない場合は、特に治療しなくても小学校4~5年生頃には自然とおさまることがほとんどです。

ですから、5歳を過ぎておねしょが治らないからと、親御さんがすぐに子供を厳しくしつける必要もありません。

むしろ、子供がおねしょをした時に周囲の大人がガッカリしたり叱ったりすると、子供は傷ついてしまい、ストレスからおねしょが悪化してしまうこともあります。親御さんはあまり神経質にならず、ゆっくり成長を見守ってやるのが良いでしょう。

しかし小学校に上がってもおねしょがなかなか治らない場合、お泊りや修学旅行などを控えて本人がおねしょを深刻に悩む場合があります。実際、小学校5~6年生でも約5%の子どもはまだおねしょが続いています。

小学生になっても週に数回おねしょが続くようならば、泌尿器科・夜尿症外来などに相談してみることもおすすめします。

夜尿症の治療法

夜尿症の治療には薬物療法、生活指導などが用いられます。

夜尿症はいくつかのタイプがあり、それぞれ原因と対処法が異なるので、夜尿症のタイプを知るために検査を行ないます。おねしょの尿量を計量したり起床時に検尿したりして、夜尿症のタイプを見つけます。

主な夜尿症のタイプ

  • 多尿型…抗利尿ホルモンの分泌量が少なく、夜間に尿が作られる
  • 膀胱型…膀胱の容量が小さいため、すぐに膀胱がいっぱいになってしまう
  • 混合型…多尿型と膀胱型が混合している

夜尿症の治療には薬物療法が有効です。特に、多尿型は薬物療法で高い効果が得られます。

夜尿症の治療に使われる薬

  • 抗利尿ホルモン剤…夜間に尿が作られるのを抑制する
  • 三環系抗うつ剤…眠りを浅くしたり、膀胱を柔らかくしたりする
  • 抗コリン剤…夜間の膀胱の容量を大きくする

薬物療法はおねしょを止める効果も高いですが、症状を抑えるだけの治療に過ぎず、併せて生活指導や行動療法も必要になります。

日常生活で気を付けること

  • 寝る前に水分を多くとらせない
  • 塩分を控える
  • 日中におしっこを我慢して膀胱に尿を溜めるトレーニングをする
  • 寝る時に体を冷やさない
  • 規則正しい生活リズムを作る
  • 保護者は子供を、怒らない・焦らない・起こさない

また、膀胱型夜尿症の治療には「夜尿アラーム」というセンサーも使われます。これは水分を感知すると音が鳴るアラームで、パンツに取り付けて寝ることで尿が出た時に音を鳴らして排尿を抑制させ、膀胱に尿を溜めるトレーニング効果を期待することができます。

保護者はとにかく「怒らない」「焦らない」「起こさない」の3つを守って子供に接することが大切ですね。

子供はデリケートなのでおねしょをすると傷つきます。そこへ追い打ちをかけるように怒ったり焦らせたりすると、子どもが強いストレスを感じて、抗利尿ホルモンの分泌が不安定になってしまいやすいのです。

またおねしょをする前に起こすのは効果があるように見えるかもしれませんが、子供の睡眠は決して妨げてはいけません。膀胱に尿を溜めるトレーニングを邪魔してしまうためです。

おねしょをしなかった時は、翌朝にたくさん褒めてあげます!

夜尿症が治るのを自然に任せた場合の治癒率は1年で10~15%、専門治療を受けた場合では1年で約50%とされています。いつまでもおねしょが治らないと子供の心理的な負担も大きくなってしまうので、様子を見ながら対処していきましょう。

治療を続けて1年以上経ってもおねしょの回数が減らなかったり、日中の頻尿もを伴う場合は、心因性の違尿症や器質的な疾患が原因と考えられます。

まれですが腎奇形や2分脊椎など先天性の疾患が原因で起こる場合があるので、詳しい検査を受けることをおすめします。

大人が子供のおしっこのリズムを観察し、適切に対処してあげましょう

子供の頻尿は心配ないものもあれば、適切な治療をしなければならない深刻なものがあります。

小さい子供はどうしてもちょっとしたおしっこの失敗が多いもので、親御さんもあまり神経質にならないほうが良いのですが、普段から子供のおしっこのリズムをよく観察しておいて、いつもと違う所にはすぐ気づいて対処してあげることも大切です。

小さな子供でも大人同様に、おしっこの不調はとても不安になってしまうものなんですよ。周りの大人が上手にサポートしてあげたいですね。
キャラクター紹介
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