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急に忘れっぽいと感じたら?物忘れがひどいのは危険な病気の症状かも

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「実は最近忘れっぽいんです…」最近このように感じることがありませんか?

仕舞っている物の場所を思い出せなかったり、名前を忘れてしまったりすることでこのように感じることは珍しくありません。

「覚える=記憶」は歳をとることで低下する機能の一つです。しかし急激に忘れっぽくなるとしたら、それは病気が原因かもしれません。あなたの記憶は大丈夫ですか?


あなたの物忘れは心配ない物忘れ…?加齢と物忘れの関係性

私もそうですが、人間歳をとると忘れっぽくなってしまいます。しかしそれは限られた範囲のことであり、日常生活において大きな支障はありません。簡単に言いますと「笑い話」の範囲であり、他人に迷惑をかけることも少ないのです。

なぜ歳を重ねると忘れっぽくなるのでしょうか?

加齢による物忘れは仕方がない症状

「ホレッ」「アレッ」とお爺さんが言うと、お婆さんが「ホイ」「コレね」と何かを渡します。文字だけで会話を見ていると宇宙人の会話であって、我々地球人には理解できない言語ですよね。

しかしお婆さんは的確にお爺さんの必要なものを理解して対処しています。見ている私は「おーテレパシーだ」と感じてしまうのですが、当人にとっては普通の日常生活に過ぎません。

この場合、お爺さんはほしい物を正確に認識していますが、その名前を思い出すことができません。しかし、その物が自宅にあることは認識しており、あくまで名前だけが思い出せないのです。

これは加齢による物忘れであり、「存在は覚えているのに名前が出てこない」状態です。

覚える能力を「記憶力」と言いますが、人間の記憶力のピークは20歳と考えられています。つまり生まれてから20歳までは脳の成長もあり、記憶力は増加してきますが、それを過ぎると反対に低下してしまうと言うのです。

このように人間の能力の中には20歳をピークに低下するものがありますが、ちょっと早すぎるのではないかとの疑問も湧きますよね。そこには人間の寿命が大きく関与しており、寿命が伸びたことでアンバランスが生まれたとの指摘があります。

寿命の伸びが忘れっぽい人を増加させていた

日本人の平均寿命は男性で80歳程度、女性は86歳程度で推移しています。これは世界でもトップクラスの長寿国であることを示しており、反面「超高齢化社会」を構成している原因でもあります。

しかし人間がこのように長生きできるようになったのは、比較的最近のことであり、ほんの100年前までは平均寿命も現在では考えられない数値でした。

例えば日本が近代化を進めた明治時代の平均寿命は40歳程度であり、戦前の昭和でも50歳程度とされています。

「人間50年下天の内をくらぶれば …」は織田信長の名言として伝わっていますが、この中の「人間50年」とは、「人の一生は50年に過ぎない」と言う意味と解釈されており、当時の寿命が長くて50歳であることが解ります。

本来人間の生物的な寿命は40歳~50歳であり、現在の状況は医学の発展による副産物なのかもしれません。そう考えると記憶力が20歳でピークを迎えるのは不思議ではありませんよね。

寿命が伸びることは記憶力のピークを過ぎた人が増加することになることから、忘れっぽくなるのも仕方がなかったのです。

高齢者が物忘れしやすいのも自然の摂理です。本来の姿は寿命が50年程度なのかもしれません。

危険な物忘れの症状とは?6つの危険な物忘れの特徴

物忘れには「普通の物忘れ」と「危険な物忘れ」があります。上記した加齢による物忘れは普通の物忘れの一種であり、ある意味仕方がないものです。

しかし中には物忘れの原因が単なる加齢の影響ではなく、病気に関連している可能性があります。危険な物忘れについて紹介します。

【危険な物忘れ1】自分の行為を忘れてしまう

仕事場で「昨日何やったっけ?」「続きはどこからだっけ?」などと考えこむことはよくあることです。大抵は数秒考えた後で思い出したり、同僚から「ここからでしょう」と言われたりして思い出すことができます。

これは普通の物忘れであり、特に気にする理由はありません。しかし中には同僚から指摘されても「そうだったか~」「いやそんなことはしていない」などと、自分の行為事態を忘れている人がいます。

また「今日のお昼ごはん何食べたの?」と急に質問されて答えられないのは単なる物忘れですが、食事をしたのを忘れるのは危険な物忘れと言えます。

危険な物忘れは内容よりもその行為を忘れてしまうことであり、同じことを何度も繰り返してしまうことがあるのです。

私の友人の中にも約束の内容を忘れるだけでなく、約束をした行為事態を忘れてしまう人がいます。そのような人は「こうこう約束したでしょう」と言っても、約束した行為を覚えていないので全く話になりません。

このような状態は病気が関係している危険な物忘れなのです。

【危険な物忘れ2】同じことを何度も話してしまう

会話をしている状況で同じ内容を話してしまうことは珍しいことではありません。特に、正確に理解して貰いたい話や、面白かった話などはついつい何度も話してしまいますよね。

しかしこれが病的な会話であったら、それは危険な物忘れかもしれません。

例えば「○○が見つからないんだけど知らない?」と聞かれて「知りませんよ」と答えたのに、1時間おきに同じ質問をされてしまいます。

あまりにしつこいので「本当に知りません!(怒)」と言ってしまいましたが、当の本人はキョトンとした態度でいます。これはなんども聞いたことを覚えておらず、初めて聞いたと思っている状態です。

同じことを何度も話してしまう場合は、危険な物忘れが関係しているかもしれません。

【危険な物忘れ3】存在自体を忘れてしまう

危険な物忘れの中には存在自体を忘れてしまうことがあります。

例えば会社で使用しているものの中には、コンピューターや通信機器(FAXなど)があります。最近の機械は使用方法も難しく、メーカーごとに操作も違うために覚えるのも一苦労です。

中にはそれらを覚えるのが苦手で、毎回苦労することもありますよね。しかし使用方法だけでなく装置そのものを忘れてしまったらどうでしょう?

「このコピー機でこの書類をソートして10部コピーする操作はどうだっけ?」は単なる物忘れですが、「コピーはどの機械でやるの?」はコピーする機械を忘れている危険な物忘れです。

また人間でも同じことが言えます。テレビのタレントさんの名前を覚えていないことはよくありますが、顔を見ても記憶にない場合は危険な物忘れと言えます。

「ダレノガレ明美」さんと言うタレントがいますが、テレビで見ると「ダレノ…うーん」と思い出せないことがあります。「ダレノカロ」「ダノレカレ」…となるのですが、これは悪い物忘れとは言えません。

テレビで顔を見ると認識できるのですから単に興味がないだけです(ごめんなさい)。しかし何回もテレビで見ているのに人物を思い出せないのであれば、存在自体を忘れてしまっている可能性が高いと考えられます。

街中で突然出会った友人に声をかけても反応が薄い場合は、名前だけでなく存在を忘れているかもしれないので、その友人には危険な物忘れが進行している可能性があります。

【危険な物忘れ4】日常生活での習慣を忘れる

どんな人間でも独自の生活様式や習慣があります。例えば好みもその一つであり、コーヒーを飲む時にシュガーやミルクを入れる量も生活習慣になります。

しかしいつもコーヒーに砂糖を入れていた人が、ある日突然入れなくなったらどうでしょう。もちろん「たまにはブラックでいいかな?」と思うことはあるでしょうが、コーヒーを飲む時の習慣を忘れていることも考えられます。

母親が作る料理の味付けが急に変化するのも、生活習慣を忘れたことが原因であることがあります。味が濃くなったり薄くなったりするのは、もともと作っていた料理を忘れてしまうのが原因です。

本来日常的に行われている動作は習慣であり、頭で考えなくても感覚で理解しています。しかし、危険な物忘れの状態ではその感覚さえも忘れてしまい、どうすればよいのかを思い出すことができなくなるのです。

甘党の人がブラックコーヒーを好むようになったら、「糖尿病になった」か「危険な物忘れ」になった可能性があります。

【危険な物忘れ5】不可解な行動を行う

サラリーマンや学生の中には毎日決められた時間に出かけて、帰りも同じ電車で帰ってくる人が多いようです。

Aさんは毎日会社の帰りに地下鉄の駅に到着したら奥さんに電話を入れるのが習慣です。「今駅に着いたから今から帰るね」携帯電話で自宅の奥さんにいつも通りに連絡します。

奥さんは「あと15分で帰るわ」と思い、お風呂の準備をしながら待っていても今日はなかなか帰ってきません。心配して外の様子を見ているといつもより遅い30分もかかって帰ってきたのです。

奥さんはAさんに理由を聞いたのですが、その返事が曖昧でよく解らないのです。「いつもどおり歩いたのだが、何となく道が解らなくなってウロウロしてしまった」これがAさんの答えです。

「ちょっと疲れたのかな?」と言うAさんに奥さんは一抹の不安を覚えてしまうのです。

このように通勤ルートは毎日通う道であり、本来であれば間違うことや忘れてしまうことは考えられません。しかしAさんは道を忘れてしまい、いわゆる迷子状態になってしまいました。

このようにいつもは何も考えなくてもできる行動ができなくなるとそれは危険な物忘れになります。この症状が進むと地下鉄の降りる駅や、自宅まで忘れてしまうこともある危険な状態であるのです。

毎回違う道を歩くような行動には注意して下さい。

【危険な物忘れ6】気分の落ち込みに伴う状態

ストレス社会の日本では精神的な負担によって精神疾患を引き起こすことが珍しくありません。「引きこもり」「睡眠障害」「不安」…精神疾患の症状は様々ですが、多くが元気もなく気分も沈んだ状況にあるのです。

そしてこのような精神状態の中で物忘れも進行します。例えば約束をしても約束を忘れてしまい、それを言っても思い出すことがありません。

精神的な不安は増してしまいさらに症状は悪化して、約束自体をすることをためらってしまうのです。そして引きこもりへ繋がり精神疾患が進行してしまいます。

気分の落ち込みと共に物忘れが多くなる場合は、危険な物忘れと考えてよさそうです。

危険な物忘れは単なる物忘れは違います。簡単に考えないで症状を把握することが必要です。

危険な物忘れを引き起こす代表は認知症!認知症チェックをしてみよう

危険な物忘れは高齢者だけが発症するのではなく、若者層においても同様の症状が出ることがあります。認知症は危険な物忘れを引き起こす病気の第一要因と考えられます。

物忘れの原因となる認知症は脳の病気

超高齢化社会が進行している日本では、認知症が社会問題となっています。認知症とは脳機能の低下によって、「記憶」「判断」「認識」などに障害が出る病気で、主に脳細胞の障害が原因と考えられています。

認知症には以下の種類があります。

  • アルツハイマー型認知症
  • レビー小体型認知症
  • 脳血管性認知症
  • 若年性認知症
  • 前頭側頭型認知症
  • アルコール性認知症
  • その他

認知症の中でもアルツハイマー型認知症は最も症例数が多く、今後さらに増加が予測できる認知症です。原因は特殊なタンパク質(アミロイドβなど)が脳内で増加することで、脳の神経細胞が死滅することだと考えられています。

脳内の神経細胞が死滅することで神経伝達が阻害されて記憶が引き出せなくなってしまうのです。さらに神経細胞の死滅は脳の海馬領域にダメージを与えて、脳細胞の萎縮を引き起こす原因になります。

海馬領域のダメージにより新しい情報を記憶する機能も低下することから、物忘れが酷くなってしまうのです。

また脳血管疾患(脳梗塞など)が原因で脳細胞が萎縮してしまう症状が脳血管性認知症です。

脳梗塞を発症して回復した後に物忘れが酷くなるのが症状ですが、これは脳の血管が閉塞されたことにより、総細胞がダメージを受けたことが原因です。

さらに交通事故などで頭を強く打った場合や、アルコールなどの化学物質で脳にダメージを与えた場合も同じことが言えます。

認知症では脳細胞が萎縮してしまう状態が見られることが多く、一度萎縮すると回復することは難しいようです。危険な物忘れを指摘されたら、脳のMRI検査で脳の萎縮を調べることが重要です。

若い人も認知症になる若年性の症状とは

アルツハイマー型認知症は高齢者に多い病気と思われていますが、近年では若者にも多く発症が見られるそうです。

「若年性アルツハイマー型認知症」は、その名の通り若者が発症する認知症で、原因は高齢者と同じく特殊なタンパク質にあります。

男性と比較して女性に多く見られ、遺伝も関係していると考えられることから、家族にアルツハイマー型認知症の患者がいる場合は注意が必要です。

若年性の認知症では高齢者と違い、他の精神疾患と間違えられることがあります。例えば「うつ病」もその一つで、記憶の低下による気分の落ち込みを間違って診断されてしまいます。

この場合うつ病の治療を行っても改善されることはなく、症状は少しずつ進行してしまい、気がついた時には重度の認知症に進行していることがあります。

「若いから認知症ではないよ」と思わずに、危険な物忘れの兆候がある場合は、MRIで脳の検査を受けるようにしましょう。

認知症を見分けるチェックポイントを紹介

危険な物忘れ状態だけでは認知症を見極めるのは難しいかもしれません。そこで認知症を見分けるチェックポイントを紹介します。

  1. つい先程会った人の名前が思い出せない
  2. 同じことを何回も話す
  3. 自分のものを盗んだと疑いをかける
  4. いつも探しものをしている
  5. 話の内容が支離滅裂になっている
  6. 決められた片付けができない
  7. いつもの道で迷ってしまう
  8. 約束の時間が守れなくなる
  9. 怒りっぽくなった
  10. 自分の失敗を認めず他人のせいにする
  11. 常に不安を訴える
  12. 食欲がなくなった
  13. 趣味を止めてしまい新しい趣味がない
  14. 自宅に引き篭もってしまう
  15. 服装や身だしなみが悪くなった
  16. 過去に脳血管に関する病気になっている

このチェックポイントはあくまで目安であって、専門病院での検査を受けなくては症状の確定はできません。

しかし危険な物忘れが多い状態で、このチェックポイントにあてはまる場合は、いずれかの認知症が発症している可能性がありますので診察を受けるようにしましょう。

認知症は高齢者だけの病気ではありません。心当たりがある場合は早急に病院で検査を受けましょう。

認知症以外で危険な物忘れを引き起こす病気

認知症以外にも記憶の低下をもたらし、物忘れを引き起こす病気がいくつかあります。代表的なものを紹介します。

脳血管障害は進行中でも物忘れを引き起こす

民間の医療保険の特約で「三大成人病特約」なるものがありますが、これはどの病気を指しているのか知っていますか?

もともと成人病とは「40歳前後から死亡率が高くなり、全死因の中で高位を占め、働き盛りに多い疾患」とされている病気で、要は中年を過ぎたあたりから発症する危険な病気です。

成人病と言えば「糖尿病」が代表的な病気ですが、糖尿病自体で死亡することは少ないのです。三大成人病とは以下の病気を指しています。

  1. 癌(ガン)
  2. 心臓疾患
  3. 脳血管疾患

実はこの3つの病気で日本人の死因の約60%にあたると言われており、国民5人に3人がいずれかの病気で亡くなっているのです。

そしてこの三大成人病の中にも物忘れを引き起こす病気があります。それが「脳血管疾患」であり、中でも「脳梗塞」は酷い物忘れを引き起こしてしまいます。

脳梗塞とは脳の血管が詰まってしまい血液が流れにくくなってしまう病気で、原因は血液中のコレステロールが増加してドロドロになることです。

コレステロールが増加した血液では血栓(血の塊)が作られやすく、それが脳の血管を塞いでしまうのです。脳の血管が塞がれてしまうと血流は阻害され、脳細胞に酸素や栄養が届かなくなります。

脳梗塞の初期段階では完全に血流が止まっている訳ではないので、脳細胞はかろうじて活動を続けています。しかし徐々に脳細胞の萎縮は進み、記憶力も低下してしまうのです。

また萎縮が進むと認知症と似た症状が出ることから、医師の診断に間違いが出ることもあります。

脳梗塞は放置すると血流が完全に停止してしまい、死亡することも珍しくない病気です。危険な物忘れが気になる場合は、脳の血管もチェックする必要があります。

アルツハイマー型認知症と間違えない脳血管疾患の見分け方を紹介します。

  • 記憶力が低下する
  • 言葉のロレツが回らない
  • しゃべろうとしても言葉が出てこない(思い出せない)
  • 身体に麻痺がある
  • 頭痛や吐き気がする
  • 手足が上手く動かせない
  • 身体がふらつく
  • 目眩がする
  • その他

酷い物忘れと共にこのような症状が出ているケースでは、脳血管に障害があることが予想されます。脳神経外科などの専門病院で診察を受けるようにしましょう。

脳に障害が無いのに記憶力が低下する健忘症とは

危険な物忘れを引き起こす多くの病気が、脳の障害が要因となっていますが、中には脳を調べても異常が見つからない症状もあります。

健忘症とは記憶障害の一種で、自分が過去に経験した出来事を忘れてしまう病気です。健忘症は20代~30代で発症することも多く、「若年性健忘症」は特に増加が懸念されている病気の一つと言えます。

健忘症の特徴は脳細胞の萎縮などの障害が見られないことで、診断も慎重に行う必要があります。

健忘症の原因は解明されていませんが、脳に対するストレスが関係していると予想されています。職場や友人との人間関係、家庭環境など様々なストレスが脳を刺激し蓄積されてしまいます。

一定程度のストレスであればそれを処理することも可能ですが、それを超えると脳機能は低下して物忘れも酷くなってしまうのです。

もしかしたらストレスから脳を守るために、外界の刺激と脳を自然に分断させているのかもしれませんね。

また普段から偏った脳の使い方をするのも、健忘症を引き起こす原因と考えられています。

つまり毎日同じ作業を行っている人は、脳の同じ部分だけを刺激していることになります。そうなると脳の他の部分は使用されておらず、その部分の領域が機能低下を引き起こすのです。

テレビドラマを見ていると事故で頭を打った人が記憶喪失になることがあります。「ここはどこ?私は誰?」なんか聞いたことがあるセリフですが、これも健忘症(記憶喪失)の一種とされています。

「事故で頭は打ったのですがMRIの検査において脳の損傷は見つからない」この状態は、脳が衝撃を受けたことによる記憶障害が起きたことを意味しています。

しかし記憶が失われた訳ではなく、記憶が引き出せない状態であり、何かをきっかけに記憶が蘇るのは記憶が消去されていない証拠です。

脳に記憶が残っていてもそれが引き出せないと物忘れが酷い状態になるのです。

精神疾患が危険な物忘れを引き起こす

精神疾患は「心の病」と言われていましたが、現在では脳機能の低下が原因と考えられることが多くなっています。特に「うつ病」は脳内の神経伝達物質の分泌異常が原因であることが多く、それが気持ちを落ち込ませてしまいます。

また「不安」や「憂うつ」な精神状態を作り上げてしまうのです。

脳細胞間の伝達は神経伝達物質を介して行われていますが、これらの分泌バランスが崩れてしまうと情報が上手く伝わらずに、精神面でのコントロールができなくなるのが理由とされています。

また情報のやり取りに異常が起きると同時に、記憶力も低下してしまい危険な物忘れの原因になってしまうのです。

うつ病が発症すると頭が「ボーッと」なってしまうのは、脳機能が低下している状態であり、神経伝達物質が少なくなっていることから起きる状態です。

心が沈んで頭が回転しない状態での物忘れは精神疾患を疑うことも大切です。

パーキンソン病の発症で物忘れが酷くなる

パーキンソン病は脳内の「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が分泌されにくくなる病気で、筋肉があるにも関わらず身体が動きにくくなる病気です。

パーキンソン病気の代表的な症状である四大症状を以下に紹介します。

  1. 振戦(手や足が震える)
  2. 無動(身体の動きが遅くなる)
  3. 固縮(筋肉が硬くこわばり関節が稼働しにくくなる)
  4. 姿勢反射障害(身体のバランスが崩れる)

このようにドーパミンの不足は脳から筋肉に対する司令を阻害して、身体を動かすことができなくなります。症状が悪化すると身体を動かすこともできずに寝たきりになってしまうこともあります。

実はパーキンソン病と物忘れには関係性がないと長い間言われていましたが、近年の研究においてパーキンソン病の治療過程で「アセチルコリン」の減少が見られるケースが報告されています。

脳内神経伝達物質であるアセチルコリンは「記憶」「学習」「覚醒」などに関係している物質で、これが脳内で減少すると記憶力が低下してしまいます。

本来正常な状態ではドーパミンとアセチルコリンは共生関係にあります。つまりドーパミンが増加するとアセチルコリンは減少し、アセチルコリンが増加するとドーパミンが減少してバランスを保ちます。

しかしパーキンソン病ではこの共生関係が崩れてしまうのです。このようにパーキンソン病ではドーパミンの不足が原因なので、治療は薬によってドーパミンを増やすことが行われています。

しかし強制的にドーパミンを増加させる治療は、脳内のアセチルコリンを急激に減少させることに繋がり、記憶力の低下を引き起こしていたのです。

【パーキンソン病の治療で認知症が発症する理由】

パーキンソン病を発症した人が認知症を併発することが多いと言われていますが、その理由はアセチルコリンの減少にあります。パーキンソン病の治療ではドーパミンを増加させる薬を服用します。

結果としてアセチルコリンが減少して、それが長期間続くことで認知症を発症させてしまうのです。また反対に認知症の人が、アセチルコリンを増加させる薬を服用することで、ドーパミンを減少させてしまうケースもあります。

このケースでは認知症状は改善しても運動機能に支障が出ることになります。ドーパミンとアセチルコリンのバランスはそれだけに微妙なのです。

専門医と症状を見ながら正しい薬物治療を行うのが大切です。

抗癌剤の影響で物忘れが酷くなるケモブレイン

近年病気の治療に使用される薬剤による、記憶力の低下が話題になっています。特にガンの治療で使用される抗癌剤による症状は「ケモブレイン」と呼ばれ、注目を集めています。

ケモブレインとは「ガンの化学療法で使用される抗ガン剤が原因で、記憶や集中、思考する能力が低下する」症状であり、脳に何らかの障害を与えていることが考えられています。

原因は解明されていませんが、抗ガン剤の成分が脳血管を通りぬけて脳細胞に影響を与えているとの報告もあります。

現状では症状が確認されたに過ぎす、原因解明には至っていませんが、抗ガン剤を使用した状態で記憶に変化がある場合は、医師に相談するようにしましょう。

「物忘れ=認知症」と考えている人が大勢います。しかし認知症以外にも沢山の原因があることを理解しましょう。

危険な物忘れは直ぐに対処することが重要

「たかが物忘れでしょう」と考える人もいると思いますが、危険な物忘れではそれが命取りになってしまうことがあります。

前述した通り脳細胞が一度萎縮(死滅)してしまうと、それを回復させることはまず無理と言ってよいでしょう。そうなると脳機能は低下して麻痺などの運動機能まで、影響を与える可能性があります。

また物忘れが重度の病気のサインであることも珍しい話ではなく、特に脳血管疾患の初期では物忘れが症状として表れることがあります。

記憶力とは「記憶する」だけでなく、記憶した内容を「引き出す」ことができないと成り立たないものです。まずここを理解して貰いたいのです。

単純に物忘れと言ってしまえばそれだけですが、実際には「記憶する機能の障害」なのか、「記憶媒体の障害」なのか、それとも「記憶を引き出す機能障害」なのかが解りません。

物忘れを甘く考えないで「最近物忘れが酷いな?」と感じたり、家族が急に物忘れをしたりするようになったら、神経内科、脳神経外科、心療内科などの専門医で検査を受けるようにしましょう。

私は嫌なことは直ぐに忘れて、楽しかったことはいつまでも覚えている脳が理想ですね。

キャラクター紹介
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