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加齢による記憶力の低下は、栄養を考えた食事で食い止めましょう

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年齢を重ねるとどうしても物忘れが出てきます。

「トシだからボケたかな?」などと自虐的に笑ってごまかしてはいるものの、本音としては心中穏やかじゃありません。

自分の両親や祖父母が認知症を患っていたなんて経験があると恐怖以外の何物でもありませんよね。

老化は誰にでも起こりますし、記憶力の低下はやむを得ない部分もありますが、食事を中心にした生活習慣の改善で防げる部分は防いで老後に備えましょう。

物忘れはなぜ起こる

根本的な原因は判っていませんが、ひとくくりにすれば脳機能が衰えてきたことに原因があります。

そしてそれは純粋に加齢によって身体的能力が衰えるのと同じように自然に記憶力が落ちる生理的な物忘れと、病的な原因による認知症の物忘れに分類できるのです。

生理的な物忘れも、病的な物忘れであっても、いずれにせよ年齢を重ねるにしたがってリスクは上がってきます。そしてどちらもある程度は生活習慣の見直しで予防改善は可能なのです。

男女差

病的な方である認知症は、女性に多いアルツハイマー性認知症によるものと、男性に多い脳血管障害性認知症による物が代表的です。

とは言っても、男性がアルツハイマー病にならないとか女性が脳血管障害を起こさないと言う意味でもなくて、飽くまで発症の確率が男女で異なると言う程度の話です。

もしかして神様の優しさ?

「人間は誰もがいずれ死ぬのだから、迫りくる死の恐怖を感じないように、年老いるとだんだん記憶力や判断力が鈍るようにしてあるのだ。」

などと言う、神様の思し召し的な意見も聞かれます。言われてみれば「なるほど」と思えなくもないのですが、人生の賞味期限がたっぷり残っているうちから記憶力がなくなるのは困ります。

「人事を尽くして天命を待つ」なんて諺もありますし、まずは物忘れしないように生活を見直し、それでも年老いて記憶力がなくなってきたら、それが天命と受け入れることにしましょうか。

まずは目標、「しっかり覚えられる100歳」を目指しましょう。

アルツハイマー病

最近では40代くらいから発病する人も珍しくなくなって、ずいぶんと研究が進んだようでもありますが、それでも謎の多い病気です。

今回はそのアルツハイマー病を含めて、記憶にトラブルが出るのを防ぐ方向で考えます。

アルツハイマー病特有の治療法と言うのはもちろんあるのですが、アルツハイマー病を予防できるであろうと言われている生活習慣は、脳血管障害による認知症の予防にも、さらには他の生活習慣病の予防にも役立ちます。

脳にできる老人班

アルツハイマー病の患者さんの脳にはアミロイドβと言う物質によってできた老人班のようなものが多くみられることから、これが原因ではないかと言う考え方が多くなってきていました。

ところが全く逆に、別の原因で発生したアルツハイマー病から脳神経を保護するためにアミロイドβが増えているのではないかと言う研究も海外で発表されたようです。

しかし、もし保護が目的のアミロイドβであっても、やはり増えすぎは問題なのではないかと言う指摘もあり大変問題が複雑になってきています。

そうなると、薬でアミロイドβを増減させようとすると、場合によっては元の症状の意味が全く逆の現象になるため、薬の使い方が180度変わってきますよね。

しかし、生活習慣の改善でアミロイドβの産生量が減ったとしたら、それはアミロイドβが病気の原因であったとしても、結果であったとしてもアルツハイマー病は改善できていると言う事になります。

糖尿病的生活の危険性

血糖値が高い、それだけで物忘れにつながる危険性は増大します。

血糖値が高くなると動脈硬化などを引き起こし、脳血管の血流が悪くなります。その結果、脳血管障害性認知症を引き起こしてしまう可能性が高いんですね。

糖尿病性のアルツハイマー病

ところが最近になってアルツハイマー病も糖尿病によって引き起こされるか悪化しているのではないかと言う研究結果が発表されました。

それも治療を続けている重症の糖尿病患者さんより、軽症の糖尿病やそれに至らないメタボリックシンドロームの人に危険性が高いそうです。

その原因を見て行きましょう。糖尿病に深くかかわるホルモンのインスリンが脳の中では神経を保護しています。

ところが糖尿病の初期に見られるインスリン濃度が高すぎる状態、高インスリン血症が起こると、中枢神経や脳では逆にインスリンが足りなくなるのです。

脳神経を保護してくれるインスリンが足りなくなった結果、アルツハイマー病になると言う流れなんですね。ですから血糖値の異常はアルツハイマーにも脳血管障害にも悪いと言う事なんです。

インスリンを正常化する食事

高インスリン血症は身体のインスリン抵抗性と言う状態が引き起こします。これは肥満、メタボリック症候群が原因ですので、まずは適正体重への体重管理が最優先ですね。

糖尿病の治療と言うと糖質制限と言う方法もありますが、インスリン抵抗性を抑えるにはなによりもまず体重の適正化が優先ですので、栄養バランスを考えて、一応糖質は控えめにしながら体重を落としましょう。

痩せてればOKではありません

これは特に女性に多いアルツハイマー病による認知症の話題になるのですが、アルツハイマー病は栄養不足からも起こります。

女性のアルツハイマー病患者さんは、特に体重や摂取カロリーが標準範囲を下回った人が多かったそうです。

ですので肥満も痩せもダメってことですね。BMI18.5~24.9の範囲に収めるようにしましょう。身長(m)を二乗して18.5を掛けたのが体重の下限、24.9を掛けたのが上限です。

例えば身長165センチなら1.65×1.65=2.7225。

そして、18.5×2.7225≒50.4kgより痩せてはいけません。

さらに、24.9×2.7225≒67.8kgより太ってはいけません

と言う事です。

さらに、インスリン抵抗性は脂肪細胞が原因で発現しますから、体脂肪率は重要です。家庭用の体脂肪率計でも、最近のものは正確になってきているようですので測る習慣を付けましょう。

ただ、古い機種や安価なものは実際の測定を行わず、身長と体重だけから計算しているようなのでダメですね。

説明書などに「インピーダンス測定」と言う事が書かれていれば、ちゃんと測定していますので、説明書に書かれた通りの方法で測ってみて下さい。

さらにリアクタンス測定や複数周波数測定を行っていればより精度が上がります。

電極に触れる皮膚が乾燥しすぎていたりすると正確な数値が出ませんので注意して下さいね。

そして体脂肪率ですが成人女性で概ね30%未満、成人男性で18%以下ぐらいにはしておいた方が好ましいです。

魚と野菜とお肉

食べ物に関する研究によると、緑黄色野菜と魚を食べるのが予防効果が高いと言う、極めて常識的な内容となっています。

しかし、ちょっと意外なのは、お肉を食べるのが悪いのじゃなくて魚を食べないのが悪いと言う結果が得られていることです。

必須脂肪酸のリノール酸はω6系不飽和脂肪酸、DHAやEPAはω3系不飽和脂肪酸ですが、このバランスが悪いのが脳に悪影響を与えているのです。

リノール酸はお肉にも含まれていますが、基本的に野菜の油に多く含まれるものです。ですからDHAやEPAを多く含む魚を食べないとダメっていう事ですね。

脳サプリに注意

リラックス効果で脳を活性化させると言うγ-アミノ酪酸、通称GABA(ギャバ)。いっときチョコレートなどにも入れられていたりして注目を集めた成分です。

ただ、GABAは脳関門と言う、脳に送られる血液中の成分をふるいにかける場所を通り抜けられないので、神経伝達物質としては食べても役に立ちません。

一方で血圧を下げる効果などでリラックスには有効な成分なのですが、脳内のGABAの量を増やす成分は、逆に健忘(物忘れ)を引き起こす恐れがあるとされている物質でもあります。

サプリで摂る程度なら毒にも薬にもならないとは思いますが、食べ過ぎには注意しておきましょう。

ビタミンC・E

これは抗酸化作用が期待されて実験が行われたわけですが、やはりビタミンCやビタミンEには物忘れを防ぐ効果があるようです。

サプリで摂るにしても食べ物から摂るにしても、摂り過ぎに注意すれば物忘れだけではなくいろいろな効果が期待できる優れものだったようです。

ワインは控えめに

海外での研究ではワインを飲む人は飲まない人よりアルツハイマーになりにくいと言う統計があります。

しかし、これは原因と結果が逆である可能性が出てきました。

アルツハイマー病では脳に有毒物質がたまるのですが、それを分解する酵素があって、それが多くの人の脳の健康を守っています。

この分解酵素はアルコールの分解にもかかわっていて、お酒に弱い人はこの酵素が少ないのです。

ですからワインを飲むとアルツハイマー病にならないのではなく、アルツハイマー病になりやすい人はお酒に弱いだけだったのです。

また、この有毒物質はビタミンEで分解されることも判ってきましたから、ワインは控えめにしましょう。アルコールも物忘れの大きな原因の一つです。

ビールは効きません

2014年に、漢方生薬のヒシュカにアルツハイマー病の予防効果がある事が判りました。これはビールの苦み付けに使われるホップと同じものなのです。

ただ、残念なことにビールの製造過程において有効成分は取り除かれてしまっているので、ビールを飲んでも物忘れを予防することはできません。

物忘れも生活習慣病?

実は脳血管障害もアルツハイマー病も、適度な運動が予防と発症後の改善に役立つ事が判ってきました。

食べ物の選び方と運動、まさに生活習慣病と同じですね。

体重の管理に気を付け、肉を控えめにして緑黄色野菜と青魚を食べましょう。

ビタミンCやビタミンEを多く含む果物やゴマ、ナッツを摂りましょう。

お酒は控えめに、サプリも多くは摂らず、運動をしましょう。

これってほとんどの生活習慣病を予防できる生活パターンです。

と言う事は、生活習慣病を予防できる生活スタイルは物忘れも予防できると言う事で、さらにお得な生活パターンだと言う事ですね。

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