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血液検査の数値が警告する脂肪肝!肝臓癌を防ぐためにすべきこと

皆さんが勤務する会社などの職場では、毎年定期健康診断が実施されることと思いますが、その検診の中には肝臓の状況を示す検査結果も提示してくれます。それが血液検査における「GPT(ALT)」「GOT(AST)」「γ-GTP」の数値なのであります。

上記の数値の中で、特に脂肪肝に関わる検査結果は「GPT(ALT)」「GOT(AST)」になります。ということで、ここではこれら数値の意味するところ、脂肪肝の原因、そして対策についてご説明してまいりたいと思います。

GPTとGOTが語る肝臓の状態

■GPT(ALT)
細胞の中で生成される酵素で、主に肝細胞の中に組み込まれているのですが、肝臓に異変が発生して肝細胞の崩壊が始まりますと、血液の中に流出してしまうのです。

もし血液の結果、この数値が高いのであれば酵素の流出量が多いということになりますので、崩壊した肝細胞の量も多いことを意味するわけです。GPT(ALT)基準値は、5~45U/Lとなっています。

■GOT(AST)
細胞の中で生成される酵素で、主な存在場所は肝細胞、腎臓、心臓などの臓器になっています。GPT(ALT)と同様に肝細胞の崩壊が始まりますと血液中に流出しますので、数値が高いのであれば肝細胞の崩壊している量も多いということになります。

GOT(AST)の基準値は、10~40U/Lとなっています。ただし、GOT(AST)は他の臓器にも含まれているため、この数値が高いからといって肝臓に異変が発生していることにはなりません。

GPT(ALT)とGOT(AST)の数値が同時に高い結果になりますと、肝臓の異変は濃厚ということになります。GOT(AST)の数値のみ高い場合は、肝臓以外の病気を疑う必要があります。

そもそも脂肪肝って何ですか?

脂肪肝というのは、文字通り肝臓に脂肪が溜まってしまった状態のことです。もっとハッキリ言えば、中性脂肪が溜まった状態のことです。皆さんも世界3大珍味の一つと言われる、フォアグラというフランス料理をご存知ですよね。

フォアグラは、ガチョウやアヒルに無理矢理たくさんの餌を与えることで肝臓を肥大させて作られたものです。要するに人間の肝臓も、このフォアグラ状態になっているということになります

肝臓に脂肪が溜まるのはなぜ?

脂肪が体内に取り込まれると、その脂肪は胃の中で脂肪酸に分解されてから肝臓へと送られます。肝臓に送り込まれた脂肪酸は、そこで中性脂肪を生成する材料となって中性脂肪が作り出されるわけです。

肝臓で作られた中性脂肪は、緊急時にエネルギーとして使われる備蓄用みたいなものなのですが、だからと言って備蓄量が多すぎると、やはり問題になるわけです。

健常者の中性脂肪の比率は3~5%程度なのですが、30%を超えてしまうと脂肪肝と言われるようになってしまいます。

脂肪肝の原因とは?

脂肪肝になってしまう原因には、下記のようなことが考えられます。

  • 食べ過ぎ
  • お酒の飲み過ぎ
  • 糖尿病

それでは、個々の原因についてご説明していくことにしましょう。

食べ過ぎが原因の脂肪肝

日々の食生活において食べ過ぎるということは、当然の結果として太ってしまうわけでありますが、太り過ぎの人が脂肪肝になる確率は、かなり高くなってしまいます

また食事の内容にも関わってくることですが、甘いものや脂質の多い食べ物は肝臓で中性脂肪が生成されることになりますので、肝臓に脂肪が溜まりやすくなってしまいます。

お酒の飲み過ぎが原因の脂肪肝

お酒の飲み過ぎによるアルコールの過剰摂取は、アルコールを処理する役割を担う肝臓にとっては、非常に大きな負担になってしまいます。さらに言えば、アルコールの過剰摂取は、脂肪酸からたくさんの中性脂肪が生成されることになりますので、脂肪肝を起こしやすいわけであります。

また、お酒を飲む人は高タンパクで高脂質なおつまみを食べる傾向にありますので、脂肪肝になりやすいと言えるでしょう。ちなみに、昔は高タンパクなものは肝臓に良いとされていたのですが、最近は栄養の与え過ぎは逆効果と言われるようになっております。

糖尿病が原因の脂肪肝

肥満を伴う糖尿患者の方は、脂肪肝を発症する合併率が非常に高いと言われております。それは、インスリンの分泌不足によって血糖のコントロールができなくなり、肝臓が中性脂肪をドンドン作り出してしまい、脂肪肝になってしまう可能性を高めてしまうからのです。

また、その逆も真なりで、脂肪肝の方は糖尿病を発症しやすいと言えますのでご注意いただきたいと思います。

脂肪肝を放置するとどうなる?

健康診断などで肝臓に関わる数値が異変を知らせるものであったにもかかわらず、放置してしまった場合どうなってしまうのでしょうか?仮にその数値が脂肪肝を意味するとして、それを放置してしまったら自然治癒することはあり得ませんから進行することになります。

脂肪肝が進行した場合に考えられるケースとしましては、下記のようなことをあげることができます。

  • 肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓癌

肝炎とは?

肝炎とは、文字通り肝臓が炎症を起こしている病気ということになりますが、実は3つのタイプがあるんですね。それは下記の通りです。

  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 劇症肝炎

現れてくる症状としましては多少の違いがあるにしても、基本となる症状は同じようなものが出てまいります。例えば、黄疸、食欲不振、倦怠感、食欲不振、吐き気などをあげることができます。

急性肝炎と慢性肝炎は、病院で適切な治療を受けることで、数ヶ月程度で病状の収束も見られるようになりますが、劇症肝炎は危険な合併症を起こす可能性があるために、救命処置が必要となるでしょう。

肝硬変とは?

肝炎を放置していますと、やがては肝硬変になってしまいます。肝硬変とは、それこそ病名の通りに肝臓が硬くなってしまうのですが、それに加えて小さくなってしまうんですね。

肝硬変が悪化すると、肝臓は小さく硬くなり、機能はドンドン低下して最後には機能を全て失います。肝硬変になった時の症状としましては、顔が浅黒くなる、食欲不振、下痢、疲れを常に感じるなどが現れます。

肝臓癌とは?

肝臓癌の治療には大変な困難が伴い、治すことも難しいと言われている疾患です。さらに肝臓癌を厄介なものとしているのは、この病気になっても自覚症状が現れないことなんですね。

深く静かに、しかも着実に進行した肝臓癌は、見つかった時には既に手遅れというケースも少なくありません。ただ、自覚症状がほとんどないという中にあっても、多少の症状は出てくるんですね。その僅かな症状を見逃さないことが大切なのです。

肝臓癌の初期症状は、食欲不振、腹痛、倦怠感などがあります。何だかごくありふれた症状ですよね。ついつい見逃しがちになりますけれども、身体の異変を感じたら、何よりも病院に行って検査を受けるべきですね。

脂肪肝を改善する方法

健康診断などで、肝臓の数値に問題があって病院での診察の結果、脂肪肝と診断されれば、そのまますぐに主治医の指導の元、治療が始まるはずです。脂肪肝を放置してしまいますと、前述した通り、病状はドンドン悪化して肝硬変や肝臓癌になりかねません。

必ず治療を受けてくださいね。ただ、中には、個人の努力で脂肪肝の改善に臨まれる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、そんな方たちに参考になるような脂肪肝対策について、ご説明してみたいと思います。

食生活を改善しましょう

脂肪肝になる人というのは、肥満の方が多いと言われておりまして、また実際に肥満は脂肪肝の原因になります。ということは、肥満による脂肪肝を改善するためには、肥満もまた改善する必要があるということです。

脂肪肝の原因となる肥満を改善するためには、何よりも脂肪分と糖質を控えることが大切です。特に、脂肪肝の進行に歯止めがかかっていない方は、脂肪分と糖質の制限は絶対条件になります。

肥満が原因の脂肪肝の改善を摂取カロリーの面から見てみますと、一日に必要とされるカロリーは1600kclと言われておりますので、この数値を超える事のないように注意しながら、良質なタンパク質である魚や大豆、そしてビタミンやミネラルなどで栄養バランスの取れた食生活にすることが大切です。

脂肪肝の方にお勧めの食事

もともと脂肪肝は、食生活に問題があって引き起こされているわけですから、食事の内容を変えることで改善できるはずです。ということで、脂肪肝に効果のある食事を3点ほど、ご紹介してみたいと思います。

  • ささみのハンバーグ
  • 野菜のミルク煮
  • イカとニンニクの炒めもの

いかがでしょうか?上記のような食事が脂肪肝に良いと言われているのです。まずは、鶏のささみハンバーグですが、この肉は高タンパク低カロリーの食材としてもよく知られた存在ですので、これを中心にして作ることになります。

ミンチにした鶏のささみに豆腐、炒めた玉ねぎ、パン粉、牛乳などを加えた上で、塩コショウをふりかけてからかき混ぜてください。充分にかき混ざったら、お好みの大きさにして、後は焼くだけです。

2つ目の野菜のミルク煮ですが、家にある色々な種類の野菜を入れるだけで作ることができます。野菜には、ビタミンであったりミネラルなどの栄養素がたくさん含まれていますし、これに牛乳も加わるわけですので、肝臓にはとても良い食事と言えます。

作り方は、コンソメスープに食べやすい大きさにカットした野菜と牛乳を入れて塩コショウをした上で軽く煮こむだけです。

3つ目のイカとニンニクの炒めものですが、イカもまた低脂肪ながらも高タンパクな食材なんですね。イカはぶつ切り、そしてニンニクはみじん切りにして両方を一緒に塩コショウをしながら炒めるだけです。お好みに合わせてカレー粉を混ぜてもOKです。

脂肪肝に良い食事というのは、脂質の少ないヘルシーな食べ物ということになります。だからといって、このメニューのものを食べ過ぎては意味がありませんのでご注意くださいね。

タウリンは効果がありますか?

テレビCMなどでお酒の好きな方を対象にして、タウリンが配合された健康ドリンクを宣伝しているのをご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、脂肪肝にもタウリンは効果があるのでしょうか?

そもそもタウリンの目的は、肝臓の機能をアップさせるところにあります。それに対して脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が溜まって機能低下を起こす病気ですから、そういう意味では効果があると言えます。

ただし、タウリンを摂取することで肝臓の機能が活性化されたとしても、薬ではありませんから肝臓に溜まっている脂肪を減少させてくれるわけではありませんので、根本的な解決にはなりません

効く漢方薬はありますか?

脂肪肝を改善する効果を期待できると言われる漢方薬がいくつかありますので、ここにご紹介しておきますね。

  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 大柴胡湯(だいさいことう)
  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
■桃核承気湯
この漢方薬は、脂肪を減らすための補助的な働きがあります。その結果、肝臓に溜まってしまった脂肪を燃やしやすくしてくれるんですね。肝臓の脂肪が燃えてしまえば、肝臓の数値も下がることになります。
■大柴胡湯
この漢方薬は、内臓脂肪の排泄を促進する働きがあることから、脂肪肝を患う方に処方されることが多いんですね。また、肝臓の機能障害にも効果があると言われています。薬剤師曰く、体格がいい方にオススメだそうです。
■防風通聖散
この漢方薬は、脂肪を燃焼させる効果があると言われております。ということで、肝臓内の脂肪を燃やすことで蓄積されにくい環境を作る働きを期待できます。

脂肪肝に効果のある運動

運動療法というのは、色々な病気の症状を改善する効果があります。例えば最近では、うつ病の症状を改善する効果があることが明らかとなっております。そして脂肪肝にも運動は有効なんですね。

脂肪肝の症状を改善する効果を期待できる運動とは、脂肪を燃やすことのできる有酸素運動です。そもそも脂肪肝は、肝臓に脂肪が溜まった状態のことですから、脂肪を燃やす有酸素運動は大変効果があることは、誰の目から見ても明らかでしょう。

ただし、脂肪肝になってしまった方というのは、運動不足から肥満の人が多いはずですから、そんな方がいきなりジョギングのような厳しい運動をしたら、関節を痛めたり、そもそも継続することができなくなる可能性もあります。

脂肪肝を改善するための有酸素運動は、1回や2回の単発で終わっては、まるで意味のないものになってしまいます。したがいまして継続できる運動を行うべきです。具体的な運動としましては、ウォーキング、自転車漕ぎ、水泳などがあげられます。

この中でも、最もお勧めなのは、誰もが手軽に、そしていつでもできるウォーキングでしょう。最初はゆっくりと散歩くらいの運動から始めて、少しずつ本格的なウォーキングに移行すると、体にかかる負担も少なくて済みます。

また、ウォーキングは、人体の75%の筋肉が集まっている下半身の運動が中心になりますので、筋肉の強化とともに基礎代謝も上げることができます。基礎代謝を上げることができれば、その分消費カロリーも大きくなります。

尚、有酸素運動を行うにあたっての注意点があります。実は肝臓から脂肪を燃やすために提供させるためにはタンパク質が必要です。したがいまして、有酸素運動の前にタンパク質を摂取してから始めるようにしましょう

有酸素運動を行う時間についてですが、毎日20分以上は継続して行うべきです。そうでないと肝心の脂肪を燃やすことができませんからね。

お酒を控えましょう

お酒の好きな人に向かって『お酒を控えましょう』などと言っても『そんなこと分かっているよ』と言われてしまうかもしれませんが、それでもアルコールの過剰摂取が原因で脂肪肝になっている方は、やはりお酒を減らす努力をする必要があるわけです。

少なくとも、お酒を飲む時に高カロリーなおつまみは止めておくべきですね。あるデータによりますと、お酒をたくさん飲む人は、およそ80%もの方が高確率で脂肪肝になってしまうという数字があります。

ということは、すでに脂肪肝の方は飲酒量を減らさなければ、次の段階の肝硬変の可能性が出てくるということになりますので、お酒の好きな方はご注意ください。

脂肪肝の原因に対処しましょう

脂肪肝になる原因にはいくつかの要因があるわけですが、それは患者さん本人もご自身の生活習慣を振り返ることで、大方のところ明らかになるはずです。例えばお酒を日常的にたくさん飲んでいる方とか、あるいは肥満だったりします。

脂肪肝を改善するためには、患者さん毎にそれぞれ異なっている原因に対処する必要があります。脂肪肝は進行すると肝硬変や肝臓癌になりかねません。

自覚症状がないからといって脂肪肝を放置すると、やがてはご自身の命の危機にも発展しかねない病気であることを認識していただきたいと思います。

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