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アルコールは食道がんの原因!上手にお酒と付き合う方法を考える

近年、よく耳にする病気があります。その病気とは「食道ガン」であり、最近も大物アーティストがこの病で死亡したニュースがありました。ガンが不治の病と言われるようになってかなりの年月が経ちますが、なかなか克服には至らないのが現状です。

ガン死亡の統計を見てみますと、男性ではトップが「肺ガン」、そして「胃ガン」「大腸ガン」へと続きます。女性では「大腸ガン」がトップで、「肺ガン」「胃ガン」の順番となっています。

この統計で分かるのは「順番の差はありますが、同じ種類のガンが上位を占めている」ことです。この統計の中で食道ガンは、5位以内にも入っていませんが、増加が懸念されている病気なのです。

食道ガンは主に男性に増加している

皆さんは食道と呼ばれる臓器をご存知でしょうか?食道は字の通り「食物を運ぶ道」であり、口から食べた物を胃へ運ぶ筒状の臓器のことを差します。具体的には喉と胃を繋ぐ部分であり、成人でだいたい25cmの長さがあります。

食べ物はこの食道を通って胃に入るのですが、入り方は自然に流れるだけではなく、食道の筋肉の動き(ぜん動運動)によって運ばれるのです。食道はあくまで食べ物を胃へと運ぶルートであり、消化機能は持っていません。

そのため胃の内容物が逆流しないように食道の下部にある「噴門(ふんもん)」が防いでいます。この噴門に異常があると、胃の内容物や胃酸が食道へ入り込み、「逆流性食道炎」を引き起こすのです。このように、食道は口から入った食べ物と直接接している臓器と言えるのでしょう。

女性と比較して男性が多く発症

食道ガンの特徴の一つとして上げられるのが、発症の男女比ではないでしょうか?実は食道ガンの発症は男性が圧倒的に多く、女性の約6倍の発症リスクがあると言われています。また50歳以上の年齢層での発症が多く、男性で50歳以上の人は十分に注意が必要です。

食道ガンは転移しやすい危険なガン

食道ガンは早期であれば切除することで、完治することも可能なガンです。しかし、食道周辺にはリンパや血管が張り巡らされており、進行するとガン細胞の浸潤により身体全体への転移が考えられます。

リンパ液、血液に入り込んだ場合には、肝臓、肺などへも転移することがあるのです。また、食道ガンの危険性として上げられるのが、早期発見の難しさではないでしょうか。自覚症状が薄く、気が付いた時にはガンが進行していたケースが多いようです。

食道ガンが発症する要因は「お酒」って本当?

なぜ食道ガンが男性に多いのでしょうか?実は食道ガンには種類があり、「扁平上皮ガン」と「腺ガン」に分けられます。日本人に多く発症しているのが扁平上皮ガンであり、このガンの発症にはある要因が隠されていました。それが「アルコール(お酒)」なのですね。

アルコールと食道ガンの関係とは

WHO(国際保健機関)の外部団体であり、ガンの研究、撲滅を目的とした「国際がん研究機構(IARC)」の報告では、アルコールが食道ガンの要因の一つであるとされています。

これは世界中の研究者も同意見であり、お酒が食道ガンのリスクを向上させることは間違いないと考えられているのです。しかし、日本人と欧米人では体質や生活習慣も違うことから、この結果について疑問を投げかける人も多かったそうです。

しかし、日本の「独立行政法人国立がん研究センター」の日本人を対象にした研究報告においても、アルコールと食道ガンの発症とに大きな関係があるとされていますので、飲酒行為が食道ガンのリスクを上げるのは確定と言っても良いと思います。

アルコールが食道ガンを引き起こす理由とは

それでは、なぜアルコールが食道ガンのリスクを向上させるのでしょうか?お酒を飲んでからアルコールが分解され、食道ガンが発症するまでのメカニズムを紹介しましょう。

① お酒(種類は関係なくアルコール成分のドリンク)を飲む。
② アルコール成分の分解は肝臓で行うが、この時「アセドアルデヒド」と呼ばれる発ガン物質が生成される。
③ アセドアルデヒドはアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)で分解されるが、ALDHが少ない体質の人(お酒に弱い人)はなかなか分解ができない。
④ アセドアルデヒドが蓄積してしまい、発ガンのリスクが向上する。
⑤ 食道は身体の中でもALDHの働きが弱く、食道ガンが発症する。

アセドアルデヒドはお酒を飲んだ時に、「顔が赤くなる」「気持ちが悪くなる」などの原因物質であり、発ガン性が確認されている物質です。アセドアルデヒドを無害化する物質がALDHなのですが、体質により少ない人が相当数いることが判明しています。特に日本人などのアジア人種には、体質的にALDHが少ないことも確認されているのです。

顔が赤くなったら気をつけろ!

赤面は、シャイな日本人気質だけを表したものではありません。実はお酒を飲んで顔が赤くなる人は「フラッシング」と言って、体質的にALDHの活性が弱いことを示しているのです。つまり、このような人が飲酒を行うことは、食道ガンのリスクを向上させることになるのです。

また、「自分はお酒を飲んでも顔が赤くならない」と言っている人でも、お酒を飲み始めた当初に顔が赤くなった人はALDH活性が弱いと考えられます。長年の飲酒行為でお酒に強くなったと考えても、ALDH活性が良くなったのではないと理解しましょう。

このような人は食道ガンに注意が必要だ

食道ガンは早期発見さえできれば、完治が可能なガンと言われています。そのためには定期的な検査を行い、発ガンのサインを見逃してはいけません。自分が食道ガンのリスクが高いのかを判断する基準を紹介します。

  • 定期的にお酒を飲むが、お酒を飲むと顔が赤くなる人。
  • 日常的に1日1合以上のお酒を飲む人。
  • お酒を飲み過ぎると気持ち悪くなる人。
  • 家族がお酒に弱い家系の人。
  • 食べ物を飲み込む時につかえた感じを受ける人。
  • 食べ物や飲み物を飲み込んだ時に、チクチクしみる感じを受ける人。
  • 声がかすれてきた人。
  • 痰が多くなったり、咳が出るようになったりした人。

このような条件に当てはまり、飲酒をしている人は食道ガン発症のリスクが高いと考えられますので、定期的に消化器内視鏡検査を受診することをオススメします。

食道ガンは怖いが…お酒と上手に付き合うには?

食道ガンは怖いのですが、ワイワイ、ガヤガヤと仲間や友人と飲むお酒も捨てがたいですよね。食道ガンのリスクをなるべく上げないで飲酒する方法を考えてみましょう。

お酒の量に気をつけろ

毎日お酒を飲む人でも、特に日本酒換算で一合以上を飲むと食道ガンのリスクが向上すると考えられています。その意味では毎日1合未満であれば、ぎりぎりセーフかも知れませんね。

日本酒1合と同じアルコール量を考えてみますと、「ビール大瓶1本」「ワイン250cc」「焼酎0.6合」程度になります。また、顔の赤くなるのが強い人は更に少なくする必要があります。

休肝日を作って有害物質を完全に消去しよう

毎日飲酒をする人でも、毎週2日程度はお酒を飲まない日を作りませんか?いわゆる休肝日ですが、2日連続で休むのが理想と考えられます。週に5日は1合以下のお酒を飲んで、連続した2日を休肝日にするのです。

2日も休肝日を作れば身体に蓄積された有害物質も分解され、アルコールの影響もなくなるでしょう。1週間に合計5合程度のお酒をリミットとして考えるのも良いと思います。

強いお酒は薄めたりチェイサーを利用したりする

ウイスキーやバーボンなどのアルコール度数が高いお酒を飲む場合、そのまま飲むと喉、食道、胃を痛める原因になります。また、急激なアルコールの摂取は肝臓を痛めて、アセドアルデヒドの生成を強めてしまいます。

アルコール度数の高いお酒は、水やソーダで薄めてゆっくりと飲む事をオススメします。またどうしてもストレートで飲みたい人は、チェイサーを忘れないようにしましょう。

チェイサーとは「追いかける物」の意味で、車同士で追いかけることを「カーチェイス」といいますよね。ここで言うチェイサーは、コップに入った水のことです。強いお酒を飲んだ直ぐ後に、水を一口飲むのです。そうすることで食道の刺激を減らし、胃の中ではアルコール分が薄まるのです。

少ない量のお酒でもゆっくりと飲む

大酒飲みの人にとって1日1合では物足りないかも知れませんが、ここは我慢が必要です。そして飲み方にもポイントがありまして、少ないからと言ってグイッと一気飲みするのではなく、ゆっくりと飲むのがオススメです。

一気にアルコールが体内に入るとアセドアルデヒドの生成が急激に増えてしまう可能性があります。ゆっくり飲む事でアルコール代謝もゆっくりとなりますので、アセドアルデヒドの分解にも効果があるのです。お酒はゆっくりと楽しむのが良い飲み方と言えるでしょう。

タバコの併用をやめよう

タバコも食道ガンのリスクを向上させる物質であり、飲酒と併用することで何十倍もの発ガンリスクが生まれてしまいます。反対に言えばお酒を飲んでいても、禁煙ができればそれだけで発ガンリスクが軽減することになるのです。お酒を止められない人は、禁煙にチャレンジしてみては如何でしょうか?

熱い食べ物には注意して

冬などは鍋を囲みながら日本酒なんて最高ですが、熱い食べ物には食道ガンのリスクを上げる可能性が隠されています。日常的に熱い食べ物を摂取することは喉や食道を痛めることになり、アセドアルデヒドの活性を助ける可能性があります。

熱いお茶を好んで飲む地域では、食道ガンの発症比率が高いと報告されているようです。お酒飲みの人はあまり熱い食べ物を食べないように注意して下さい。

野菜と果物をしっかり食べよう

緑黄色野菜や果物には食道ガン予防する効果がありますので、しっかり食べることを心掛けて下さい。毎日お酒を飲んでいる人でも、野菜と果物をしっかり食べている人は発ガンリスクが半減するとの報告もあります。

ここでのポイントは野菜と果物をバランスよく食べることで、一方に偏らないように注意して下さい。目安は一日で500gです。おつまみには野菜と果物を選びましょうね。

お酒を飲む人は内視鏡検査を最低年1回

毎年、健康診断や人間ドックに行かれる人は多いと思いますが、消化器の内視鏡検査をオプションで入れていますか?前述した通り、食道ガンは早期発見では完治可能なガンです。しかし、胃のレントゲン検査では早期発見は難しいと言えるでしょう。

日常的にお酒を飲んでいる人で、顔が赤くなりやすいと自覚している人は、最低1年に1回は内視鏡検査を受けるようにしましょう。

上手にお酒と付き合う方法を自分で見つけることが大切

会社の付き合いや友人との飲食。なかなかお酒をやめることは難しいのかも知れませんが、上手に付き合う方法を見つけることで食道ガンの発症リスクを減らすことは十分に可能です。近年、急激に増加が懸念されている食道ガン、皆さんも日常生活を見直してみて、食道ガン対策を考えてみては如何でしょうか?

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