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酵素やコラーゲンは食べても効果なし!?正しい知識と食品の選び方

ドリンクとサプリメント

年齢とともに減っていく酵素を補う!とか、コラーゲンたっぷり!お肌プルプル!などというキャッチフレーズを一度は目にしたことがあると思います。

ですが、これらの酵素食品やコラーゲン食品には、どれほどの効果が望めるものなのでしょうか。

インターネットを少し検索しただけでも賛否両論、様々な情報が出てきます。

ここでは、これらの食品が「効果がない」と言われる理由や、効果があるもの・ないものの違いを見ていきましょう。

酵素やコラーゲンはタンパク質!その性質を知ればよくわかる

そもそも、酵素やコラーゲンって何者なのでしょうか。この二つは、両方とも「タンパク質」というくくりにまとめられています。

タンパク質は、人間の体の中で水の次に多い物質です。

ほとんどの方が、タンパク質という言葉を聞いた事があると思いますが、タンパク質とは何なのか、確認しておきましょう。

タンパク質とは

タンパク質は、アミノ酸が鎖状に繋がって出来ています。タンパク質を作っているアミノ酸は20種類あります。

アミノ酸の並べ方・数・種類を変えることによって、無限の種類のタンパク質を作る事ができます。

たんぱく質の構造

さらに、この鎖がらせん状やシート状に折りたたまれることによって、複雑な形のタンパク質が出来上がります。

そのタンパク質がどのような機能を持つかは、アミノ酸の種類と立体的な形で決まっています。

ほぼ無限の種類があるタンパク質ですが、大きく2つに分ける事ができます。

  • 体を構成している「構造タンパク質」
  • 体の中で化学反応に関わる「酵素」
構造タンパク質には、角質や爪、髪の毛を主に作っているケラチンや、皮膚の下の方にあるコラーゲンなどが含まれます。

酵素には、胃から出る消化酵素ペプシンや、腸から出る消化酵素トリプシン、肝臓でアルコールの分解に関わるアルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼなどが含まれます。(例の名前がわからなくても大丈夫です。)

人間はこれらのタンパク質を体内で作っています。他の動物のタンパク質を食べてその材料として使っています。

では、動物の肉などを食べて取り入れたタンパク質はどのように取り込まれて利用されるのでしょうか。

タンパク質は胃で分解されてから吸収される

食べたタンパク質は、胃や腸で分解されてバラバラにされます。つまり、一つのタンパク質から、単独のアミノ酸の集まりへ変えられるのです。

この後、これらのアミノ酸が腸の壁から血管の中へ吸収されます。普通はタンパク質がそのまま腸の壁から血管に入ることはありません。

つまり、吸収された時には、タンパク質としての機能はすでに失われているのです。

分解されないものもある

タンパク質は、消化酵素であるペプシンやトリプシンによって、バラバラのアミノ酸にされます。

ところで、ペプシンやトリプシンも酵素ですからタンパク質です。では、胃の中でペプシンが隣のペプシンによって分解されてしまうことはないのでしょうか。

そんなことは普通起こりません。なぜなら、ペプシンはペプシンによって分解されにくい特殊な形をしているからです。

このように、例外的にペプシンやトリプシンに分解されないタンパク質が存在します。

タンパク質のまま吸収されることもある

腸には、アミノ酸を取り入れるだけではなく、タンパク質をタンパク質のまま吸収するための細胞も存在するといわれています。この細胞は、ある程度取り入れるタンパク質を選んでいるようです。

つまり、タンパク質が分解されないまま腸までたどり着いたのなら、タンパク質のまま血管に入ることもありうるということです。

つまり、酵素食品やコラーゲン食品が効果を表すためには、酵素やコラーゲンが胃や腸で分解されず、腸で吸収されることが必要ということです。

では、それぞれ実際にどうなのか見ていきましょう。

酵素に効果はあるの?よく耳にするうたい文句の真実は

まず、酵素についてもう少し認識を深めておきましょう。酵素は大切!という以前に、酵素がなければ生命として成り立ちません。

食べ物を消化する、アルコールを分解するといったことはもちろん、腕を動かす、歩く、考える、物を見るといった動きにはすべて、複数種類の酵素が関わっています。

さて、酵素食品の触れ込みには、

  • 酵素は必要不可欠な栄養素である
  • 酵素は年齢とともに減って行き、補給する必要がある
  • 人間が一生に作ることのできる酵素の量は限られている

といったものをよく見かけます。

まず、酵素は「栄養素」ではありません。酵素を栄養素として分類するとタンパク質に含まれます。牛や魚の肉と同じです。

また、酵素は人の体だけでも数千種類あり、それぞれが全く違う働きを持っています。酵素は機能を持った機械のようなものだということができます。

テレビが壊れた(足りなくなった)時、同じ「機械」だからといって冷蔵庫を買ってくる(補給する)人はいないでしょう。

同じように、もし酵素が不足して、補給する手段があるとしても、その不足した酵素を数千種類の中から特定して、その特定の酵素を補給する必要があります。

酵素ならなんでもいいから補給する、というのでは何の意味もありません。

さらに、そもそも酵素が不足するとは考えにくいです。人間の遺伝子には、必要な酵素の作り方が書かれています。その「設計図」を読んで体はその通りに酵素を組み立てます。

いくら酵素を作ったとしても、「設計図」は減りませんし、材料(アミノ酸)は食べ物からいくらでも摂取できます。

つまり、「一生に作れる酵素の量には限りがある」というのは間違いです。

このため、人間が持っている酵素を「補給」するというのは、意味がありません。

でも、もし食品の中に人は持っていない素晴らしい機能を持つ酵素が含まれていて、その酵素を取り入れることができれば何かいいことがあるかもしれません。

しかし、酵素は分解されやすいものが多く、胃や腸で分解されないものはほとんどありません。

また、もし人間の持たない酵素が血管の中に入ってきたら、それは「異物」として免疫系によって排除されます。

このため、どんなに優れた酵素でも体の中で作用させるのは難しいでしょう。

でも例外もある!ナットウキナーゼはアリかも

どんなものにも例外はあるものです。

納豆に含まれているナットウキナーゼは摂取することによって効果が望める場合があります。

ナットウキナーゼは腸まで届くと腸を刺激して、血液をサラサラにする物質の生産を促進する、と言っている研究者もいます。

ただ、ナットウキナーゼが胃や腸で分解されない、という証拠は見つけられませんでした。今後の研究に注目する必要があるでしょう。

コラーゲンに効果はあるの?よく耳にするうたい文句の真実は

さて、ではコラーゲン食品ではどうでしょう。

コラーゲン食品の触れ込みは、

  • 肌のコラーゲンは年齢とともに低下する
  • コラーゲンが不足するとシワの原因になる
  • 食べ物からコラーゲンを取ると、肌に補給される

といったところでしょうか。

まず、年齢とともに肌のコラーゲンが減少し、シワの原因になるのは事実です。このため、肌のコラーゲンを増やして美肌効果を得ようとするのは正しいアプローチです。

しかし、コラーゲンは胃で分解されてしまいます。しかも、コラーゲンは基本的にほとんど同じ構造をしているので、例外的に分解されないものも無いでしょう。

このため、コラーゲンを食べたとしても、そのコラーゲンがそのまま肌に届くことはありません。

スッポン鍋やフカヒレを食べたとしても、ほとんど美肌効果は望めないでしょう。

ですが、コラーゲン食品すべてに効果が無いとは言い切れません。

低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)

最近のサプリメントなどには「低分子コラーゲン」というものが含まれているものが多くあります。低分子コラーゲンは、アミノ酸が2つから3つしかない、コラーゲンの断片です。(元のコラーゲンはアミノ酸が1000個ほど繋がったものです。)

この断片は小さいので、消化酵素の攻撃をくぐり抜けて、腸までたどり着くことがあります。この断片は腸の壁を通過して吸収されます。

実際に、低分子コラーゲンを口から摂取すると、血液の中のコラーゲン断片が大きく増えるという研究結果が出ています。

また、低分子コラーゲンを摂取すると乾燥肌が改善するという研究結果もあります。

ただ、このコラーゲン断片がそのまま肌のコラーゲンの材料になっているわけではありません。

このコラーゲン断片は、皮膚の細胞に働きかけて、コラーゲンを作り、肌の水分を保つようにすると言われています。

ただ、この効果にもまだまだ分からない点が多いようです。

低分子コラーゲンは効果が数時間しか続かないと言われているため、毎日継続的に口にすることが必要です。

それなのに、1ヶ月程度低分子コラーゲンを摂り続けると、効果がなくなってくるという研究結果があります。

また、低分子コラーゲンが皮膚の細胞にどのように働きかけているのかは、具体的にはわかっていません。

よく研究がされているようなので、これからいろいろ分かってくると思います。

いかがでしたでしょうか。結局の所、これらの食品・サプリメントに過度の期待をするのは良くないでしょう。

商品のキャッチフレーズだけを見るのではなく、本当に効果があるものなのか疑問を持つ癖をつけると、騙されることはないでしょう。
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