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夜尿症の早期治療で小学生治癒率約3倍にアップ!

夜尿症は自然経過で治癒する頻度が比較的高いので、昔は経過を見ていくことが主流でした。しかし、成長した小学高学年以上になっても治らない子どもにとって、おねしょはとても本人の自尊心を傷つけてしまうことです。

キャンプ、修学旅行といった泊まりの学習がだんだん増え、本来なら楽しい筈の数日が、この子どもたちにとっては暗澹とした数日となってしまいます。このような背景もあり、最近は本人や家族の心理的負担を考慮して、5,6歳を過ぎても持続する夜尿症には積極的に治療が試みられるようになりました。

まずは膀胱や尿道に異常がないことをきちんと検査で確認してから「おねしょ」の治療に入っていきます。

夜尿症には3つの型(タイプ)があります

夜尿症は覚醒障害を基盤として、抗利尿ホルモン(ADH)の日内変動の欠如や排尿機能の発達遅延が加わっておこると言われています。一つ目は夜間尿量0.9ml/kg/hrを超える多尿型です。下垂体後葉から出るADHの分泌量には日内リズムがあり、夜間に増加します。

この日内リズムは普通、3~4歳で確立されますが、夜尿症の子どもの約1/3は夜間のADHの分泌量が不十分で、夜間睡眠中に薄まった尿(希釈尿)が大量に排出されます。只、ADHの夜間分泌量は正常で、寝る前の水分、塩分の摂りすぎによる多尿をきたす例も含みます。

2つ目は昼間の機能的膀胱容量(ぎりぎりまで我慢した時に溜められる量)が7ml/kg以下の膀胱型です。膀胱、尿道は蓄尿機能と排尿機能を有しており、排尿反射回路によって支配されています。この回路が何らかの理由で副交感神経優位になると、膀胱平滑筋が強くなります。

同時に尿道の排尿抑制が不十分になって多尿をひきおこしてしまいます。夜尿症の子どもの約1/3がこの膀胱型で、昼間の尿失禁の合併率が高いことも特徴です。

3つ目は多尿型と膀胱型の両方の要素を持っている混合型です。夜尿症の子どもの約1/3が混合型です。

夜尿症の治療は生活指導が非常に大事です

まず、夕方以降の飲水量を10ml/kgに制限し、寝る前の2時間はほとんど水を摂らないように指導します。こうした生活習慣を守るには夕食時間がカギとなります。19時前に夕食、21時頃に寝ます。勿論、昼間は飲水制限はしません。

又、塩分やカルシウムの摂りすぎは多尿の原因となるので、夕食時に塩辛いものや牛乳の多量摂取は控えなくてはいけません。睡眠時間は8~9時間が適切で、休日にダラダラ長時間寝ないようにします。

膀胱型や混合型の場合は機能的膀胱量の拡大を目的とした排尿抑制訓練を行います。具体的には1日1回、夕方帰宅後に尿意を感じた時に排尿をギリギリまで我慢してから排尿します。目標は機能的膀胱容量が7ml/kgを超えることです。

こうした生活指導で夜尿症の約20%が改善、生活指導を守っても改善しない時は薬物療法やアラーム療法の併用を考慮します。

アラーム療法とは?

夜間睡眠中に失禁すると、排尿開始時にアラームが感知して、子どもに音や振動で覚醒させるもので、特に膀胱容量の小さい子どもには有効です。この方法は家族の協力と主治医の定期的なフォローが成功の鍵を握っています。

夜尿症による自尊心やQOLの低下は適切な治療で改善できます

難治性の場合は薬物治療が施され、長期間、夜尿症が見られなくなれば、薬の量も減り、再発がなければ終了です。おねしょはほっといても自然に治っていくと言われますが、学童期になってもおねしょが治らない子どもの心は深く傷ついています。

生活指導、薬物治療を早期に始めることで、夜尿症の治癒率が約3倍に高まるという報告があります。実際に夜尿症を治療することで性格が明るく、積極的になった子どもは沢山います。

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