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更年期の不正出血は子宮体がんの症状かも!すぐに受診してほしい理由

ハートを持つ女性

更年期には様々な症状が現れますが、そのひとつに不正出血があります。不正出血の原因はいろいろですが、更年期になってホルモンバランスが乱れたことも大きな原因となっています。

ただ不正出血の原因は他にもあります。子宮体がんの初期症状でも不正出血が起きてしまうのです。子宮体がんは特に閉経前後から発症しやすくなるがんで、近年患者が増加しています。

発症したら少しでも早く治療を始めることが大切ですが、主な初期症状は不正出血くらいで、それに気付かず放っておいたりするとどんどん進行してしまいます。ですから不正出血があったら、まずは病院へ行くようにしていただきたいのです。

初期には痛み無し、でも見逃せない!子宮体がんの症状

子宮体がんになっても、初期には痛みなどはありません。初期症状としては不正出血などがあり、これを放っておかないことが大切になります。

子宮体がんで現れる症状には次のようなものがあります。

  • 不正出血(不正性器出血)
  • おりものの変化
  • 普段と違う月経
  • 進行すると痛み、貧血、尿路障害など

最も多い初期症状は不正出血です。不正出血とは、月経ではない時期にある性器からの出血です。性交中や性交後の出血にも注意が必要です。子宮体がん患者の90%に不正出血があったとされます。

不正出血は更年期に現れやすい症状でもあります。ただ何か問題があるために不正出血が起きている可能性も否定できないのです。一時的でごく少量の出血だったとしても、放っておかずに病院を受診するようにしてみてください。

不正出血は子宮体がん以外にも様々なことが原因で起きてしまいます。不正出血が起きる可能性のある病気は、他には次のようなものがあります。

  • 子宮頸がん
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 子宮頸管ポリープ
  • 膣部びらん
  • 膣炎 など

この他にも、不正出血は婦人科系の多くの病気で起きる可能性がある症状です。ただし病気が原因ではなく、ホルモンバランスの乱れによって一時的に出血してしまうこともよくあります。

ですから、不正出血があったからといって心配しすぎなくても大丈夫です。ただ中には大きな病気があったりということもありますから、念のため婦人科を受診するようにはしておきましょう。

他にも、子宮体がんになるとおりものの量が増えたり、おりものに血や膿が混じって黄色や褐色になるといった症状が現れることがあります。

また閉経前の場合には月経が普段よりも長く続く、月経血の量が今までより多くなる、といったこともあります。このような症状は子宮体がんだけでなく、子宮筋腫などでも起きることがあります。

そして子宮体がんが進行してしまうと、痛みなどが出てきます。子宮体がんは転移しにくいがんとはされますが、転移して貧血を起こしたり腹痛を起こしてしまったりすることもあります。

子宮体がんを早期に発見するためには不正出血を見逃さないことと、なんと言っても定期検診を受けることです。40歳を過ぎたら、子宮体がんの検査を受けておきましょう。

その際、自治体などの子宮がん検診に「子宮体がんの検診」は含まれていないかもしれないことを忘れないでください。医師が必要と判断すると追加で検診が行われることもありますが、通常は「子宮頸がんの検診」のみになります。

不正出血があった場合には、ごく少量ですぐに治まってしまった場合でも必ず病院へ行くようにしてください。

どんな病気でも同じことですが、子宮体がんは早期に発見して治療を行っていくことが大切です。婦人科受診は他の科に比べると行きにくく感じられるかもしれませんが、自分自身と周りの人のためにも受診するようにしましょう。

子宮体がんを早期に発見するためには、定期検診を受けることと不正出血を見逃さないことですね。何か症状があった場合には、しっかり専門医に診てもらいましょう。

子宮体がんと子宮頸がんは全く違う病気です

あなたは地方自治体や健康保険組合の「子宮がん検診」を受けていますか?

毎年受けているから子宮体がんの心配はないと思われたあなた、実はそうではないこともあります。地方自治体や健康保険組合が行っている「子宮がん検診」は、「子宮頸がん」の検診だけということが多いのです。

「子宮がん」には「子宮体がん」と「子宮頸がん」があります。二つまとめて「子宮がん」と呼ぶのですが、この二つは全く違うタイプのがんです。検診を受けたつもりで安心していても、子宮頸がんの検診だけかもしれません。

「子宮体がん」は子宮体部に発生したがん、「子宮頸がん」は子宮頸部に発生したがんです。違いは発生する部位だけではありません。発生の原因も、そして治療方針までも全然違います。

それぞれのおおまかな違いは次のようなものになります。

子宮体がん 子宮頸がん
発生する部位 子宮体部 子宮頸部
主な原因 女性ホルモンの乱れ HPV(ヒトパピローマウイルス)
に感染
発症しやすい
年齢
40~60歳代
(50歳代にピーク)
30~60歳代
(30~40歳代にピーク、
20歳代に急増している)
自覚症状 不正出血 初期は無症状が多い
(性交時の出血あり)

子宮体がんの初期症状としては不正出血のほかに、おりものの変化などもあります。ただそのような症状があっても、「更年期にありがちな症状だから大丈夫」と自分で判断し放置してしまいやすいため気をつけなくてはいけません。

子宮体がんについては後で詳しく説明します。ここでは子宮頸がんについて、簡単に説明しておきましょう。

子宮頸がんはワクチンで予防が可能

子宮頸がんにはHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が深く関わっているとされます。このHPVは性交によって感染するウイルスで、ごくありふれた誰でもが感染する可能性のあるウイルスです。

女性の半数以上(80%以上ともされます)は、生涯に一度はHPVに感染した経験があるとされます。HPVはそのくらい珍しくないウイルスなのです。

男性も感染しますが、症状が出ることはほとんどありません。女性の場合にも、感染しても90%以上は自分の免疫力によって自然に消えていきます。ただまれに感染が続いてしまうことがあり、そのほんの一部の人が子宮頸がんになってしまうのです。

つまりHPVに感染すると絶対に子宮頸がんを発症してしまうというわけではなく、HPVに感染したことに加えていくつかの因子が関わって子宮頸がんを発症することになるのです。

子宮頸がんになっても、初期にはほとんど症状がありません。発見にきっかけは検診で、ごく初期の段階で発見されればほぼ間違いなく治るとされます。がんが進行してくると不正出血や性交時の出血があったり、普段と違うおりものになったりします。

子宮頸がんには予防ワクチンもあります。このワクチンは子宮頸がんの原因となるHPVへの感染を防ぐことが目的です。HPVに感染してからでは効果がないため、初めて性交する前の10代前半で接種することが推奨されています。

ただしこのワクチンについては、(ワクチンに原因があるのかどうか、まだはっきりとはしていませんが)副作用があるかもしれないという問題も出ています。メリットとデメリットをきちんと理解した上で、接種の判断をするとよいでしょう。

発症のピークは30~40歳代ですが、60歳代以降でも発症することはあります。また最近は、20歳代にも急増しています。20歳以上の全女性に子宮頸がん検診の公費負担が整備されていますので、ぜひ受けることをお勧めします。

ワクチンの効果の持続期間はまだはっきりとしていません。またHPVにはたくさんの型があり、ワクチンはその全ての型に対応しているわけではありません。そのため、ワクチン接種をしていても検診は受けるようにしてください。

子宮体がんの原因は女性ホルモンのバランス乱れ

では子宮体部に発生する「子宮体がん」とは、どのような特徴のあるがんなのでしょうか。

子宮の壁は三層構造になっていて、その一番内側の壁を「子宮内膜」と言います。子宮体がんは主に子宮内膜の細胞に発生するがんで、そのため「子宮内膜がん」とも呼ばれます。(子宮の筋肉に発生する「子宮肉腫」もまれにあります。)

子宮内膜は毎月ホルモンの影響を受けて、一定の周期で厚みを増しています。精子と卵子が出会って受精卵が子宮内膜に着床できると、これが妊娠の成立です。妊娠が成立しなかった場合にはやがてはがれ落ち、月経になります。

エストロゲンとプロゲステロンのバランスが大切

女性の体の中では毎月、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の量が周期的に変化しています。子宮体がんの原因は、このエストロゲンとプロゲステロンの分泌される量のバランスの乱れにあるとされます。

エストロゲンは月経の終わる頃になると分泌されはじめ、そのエストロゲンの働きによって子宮内膜は増殖して厚みを増してきます。やがて排卵が起きると、今度はプロゲステロンが分泌されるようになります。

プロゲステロンは子宮内膜の増殖を抑えて、子宮内膜を受精卵の着床に適した状態へと変化させます。またプロゲステロンには体温を上昇させる作用もあるため、排卵後には体温が少し上昇して高温期となります。

妊娠が成立しなかった場合には、その後エストロゲンとプロゲステロンの分泌は減少していきます。子宮内膜は剥がれ落ちて排出され、これが月経です。そして月経が終わる頃には、再びエストロゲンが分泌されるようになります。

これが女性の体の中で毎月繰り返されている月経周期です。この月経周期が順調な人は、子宮体がんになりにくいとされます。

子宮体がんは子宮内膜から発生するがんです。月経周期が順調ならば子宮内膜は毎月増殖し、毎月はがれ落ちて排出されます。もしも子宮内膜ががん化してしまっていたとしても、毎月定期的に排出されるため、それほど心配はいらないのです。

しかし排卵がきちんとない場合には、女性ホルモンのバランスが乱れてきてしまいます。排卵がないとエストロゲンの分泌量は変わらないまま、プロゲステロンの分泌がなくなってしまうのです。そうなるとエストロゲンの働きは相対的に強くなります。

プロゲステロンがないためエストロゲンの子宮内膜増殖の働きが抑えられなくなり、過剰に増殖していきます。それによって子宮内膜増殖症になったり、場合によってはがんになってしまったりするのです。

エストロゲンが相対的に過剰になると、子宮体がんのリスクは上がります。月経が不順な人は排卵がうまく行われずにホルモンバランスが乱れ、エストロゲンが過剰になりやすくなっています。そのため注意が必要です。

ただし子宮体がん患者の1、2割ほどは、エストロゲンに関係なく発症してしまうタイプであることもわかっています。

エストロゲンが関係するタイプ(Ⅰ型)は閉経前後に発症しやすく、エストロゲンが関係しないタイプ(Ⅱ型)は閉経後の高齢者に多いとされます。

エストロゲンの多い状態が続くほど、子宮体がんのリスクが上昇

エストロゲンが関係するⅠ型の子宮体がんは、エストロゲンの多い状態が続いているほど子宮体がんのリスクも高くなります。(エストロゲンが関係しないⅡ型では老化などがリスクを誘引すると考えられますが、詳しいことはまだわかっていません。)

特に子宮体がんになりやすいのは、次のような人です。

  • 妊娠・出産の経験がない、又は経験が少ない人
  • 月経不順の人
  • 閉経が遅い人
  • 不妊症(排卵障害)の人
  • 肥満の人
  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病のある人
  • 子宮内膜増殖症のある人
  • 乳がん、大腸がんの既往がある人
  • 家族など近親女性に子宮体がん、乳がん、大腸がんの人がいる
  • 更年期障害の治療などでエストロゲンのみを補っている人
  • 乳がん治療薬のタモキシフェンを服用している人 など

妊娠・出産の経験が少ない人は子宮体がんになりやすいとされます。妊娠すると、その期間中は妊娠維持のためプロゲステロンが多量に分泌されます。しかし妊娠・出産の経験が少ないとそのような期間が少なくなってしまうのです。

プロゲステロンの多い期間が少ないということは、エストロゲンにさらされている期間が多くなります。そのため子宮体がんのリスクが上がってしまうのです。

また更年期障害の治療には、分泌が減少してきているエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)が行われます。このとき長期間エストロゲンのみを補充していると子宮体がんになりやすいことがわかりました。

現在はエストロゲンとプロゲステロンを併用する治療法になっています。

太った人は子宮体がんになりやすい

太っている人は子宮体がんになりやすいこともわかっています。高血圧や糖尿病のような生活習慣病がある人も、子宮体がんになりやすいとされます。動物性脂肪を摂り過ぎるような食事も肥満に繋がるため、良くありません。

実は閉経して卵巣の機能が停止しエストロゲンやプロゲステロンが産生されなくなった後も、エストロゲンは脂肪組織で産生されてしまいます。男性ホルモンのアンドロゲンにアロマターゼという酵素が働いて、エストロゲンができるのです。

このアロマターゼは脂肪組織にたくさん存在していて、そのため肥満で脂肪組織が多いとエストロゲンが過剰になりやすくなり、子宮体がんのリスクも上がってしまいます。

卵巣で産生されていたエストロゲンと脂肪組織で産生されるエストロゲンは、正確には同じものではありません。卵巣からのものを「エストラジオール」、脂肪組織で産生されるものを「エストロン」と言います。

エストロンが細胞を増殖させる力はそれほど強くありません。しかし閉経してプロゲステロンがない状態では、エストロンの存在だけでも子宮体がんのリスクは高くなってしまうのです。

肥満でエストロンの量が多い人は、卵巣がんや乳がんにもなりやすくなります。ただ更年期にエストロゲンが減少することでなりやすい骨粗鬆症には、肥満の人はややなりにくいとされます。

肥満は生活習慣病になりやすいだけでなく、子宮体がんや乳がんのリスクにもなってしまうのです。やっぱり肥満は体に良くないことには間違いないのです。
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