TOP > > 朝食抜きの生活で起こる健康被害と恐ろしい病気のリスクとは

朝食抜きの生活で起こる健康被害と恐ろしい病気のリスクとは

Japanese breakfast

朝食はしっかり摂った方が良いのか、それとも食べ過ぎの現代において朝食は身体を悪くする原因なのか、様々な意見が飛び交っていますが結論は出ていません。

もしかすると、これは永遠に結論が出ない問題なのかもしれませんね。しかし。科学的に集められた統計データから、少なくとも日本人においては、脳卒中に関して発症リスクが高まることが判りました。

子供と大人は生活パターンも必要な熱量や栄養も異なる

本論に入る前に、子供たちの朝食について考えてみましょう。まず、子供たちについては問答無用で朝食が必要です。もちろん、しっかり栄養バランスを考えた朝食を食べさせましょう。

子供は大人と違って、身体が必要としている栄養を1日3回の食事では補いきれないくらい、1回の食事で摂れる食べ物の量が少ないのです。だから「おやつ」と言う習慣が存在するんですね。朝食抜きなんてのはもはや虐待の世界だと考えて下さい。

現代の食品は、カロリーだけは充分ですので、子供の肥満も問題になっている今、カロリーオーバーにならないよう注意しつつ栄養素をそろえなければなりません。そのためには大人が正しい知識を身に付ける必要がありますね。

朝食抜きは子供の発達を遅らせる

朝食抜きと言うのでは、まず身体が動きません。まだ身体が完成していない子供たちは、ただでさえ重い教科書や教材などを持って、徒歩で学校に向かうわけですから、朝食を摂っていないとそれだけで身体を傷めます。

文部科学省のデータによると、小学生の全国平均で14.7%の子供たちは、朝食を摂らない日があるそうです。一方、スポーツ少年団に所属している子供の場合、朝食を摂らない日があると回答したのはわずか3.0%でした。

つまり、運動を行う点において、朝食の重要性は良く認識されていると言うことが見て取れます。

そこで今度は、学力について見てみましょう。

survey results graph for breakfast and children's academic achievement

これは小学校6年生と中学校3年生で、国語と算数・数学のテストを行い、朝食を食べる頻度との関係を見たデータを平均したものです。

毎朝きちんと朝食を摂っている子供に比べて、全く食べていない子供では2割ほど点数が低くなっています。これは、授業に集中できないとか通学でエネルギーを使って血糖値が下がってボーっとしているとかが原因でしょう。

このように、子供の場合、しっかり朝食を摂らないと、身体にも頭にも悪い影響が出てしまいます。

子供の朝食と言うと、それだけで何回分かの記事になるくらい深いテーマですからここでは簡単に。食べないよりはましですが、単品の食事はNGです。トーストだけ、牛乳だけといったようなものですね。

また、生野菜よりフルーツを最初に食べさせましょう。野菜は火の通ったものをしっかり食べた方が良いです。和食ならある程度作り置きの効く「菜っ葉と揚げの煮物」、「ダイコンなどの根菜と肉類の煮物」が良いですね。

洋食となると夏はたっぷりチーズをかけたラタトゥイユ、冬はポトフにすれば作り置きも効いて一品で栄養バランスが取れるので便利です。

太りたくないとか食べる時間がないとかは言い訳

大人の場合は、例えば一日のカロリーを落とすのには一食抜くのが手っ取り早いとか、つきあいで夜遅くにも食べているのに朝食を摂るのが苦痛だとか言う話をよく聞きます。

また、それを正当化するためでしょうか、1日1食が健康的なのだとか、朝食を食べるのは身体に悪いだとか言う話題も耳にします。

大人の場合は、それでいいかもしれませんが、子供について、もう一つ重要な情報があります。

それは、保護者が朝食を摂る家庭では1割程度の子供しか朝食を食べないと言うことはないのに、保護者が朝食を食べない家庭では4割近くの子供が朝食抜きになっていると言う事実です。

子供のためにも、大人が率先して朝食を摂り、健康な生活を送る手本になるべきですよね。

朝食は子供の「身体」と「頭脳」と「精神」を養う重要な食事です。テストの点数をとやかく言う前に、正しい食育を行う素養を親が身に付けるべきですね。

大人の朝食は自由だけれど朝食抜きの悪影響を知っておこう

朝食を食べることについての弊害や、朝食を抜くことによって得られる効果について、テレビやネットではさまざまな理由が述べられていて、どれも一理あるかもって思わせる内容が多いです。

しかし、その弊害や効果について、統計に基づく研究が行われたと言う話はあまり耳にしません。今回朝食を摂った場合と摂らない場合の統計データが入手できましたので紹介しましょう。

朝食抜きは血管をダメにする

この研究は大阪大学医学部大学院などの研究グループによって行われ、2016年1月5日にその概要が、アメリカ心臓協会の学会誌を通じて、概要が一般公開されたものです。

それによると、朝食抜きはやはり健康に悪いと言うデータが採れたようですね。しかも死亡リスクの高い、脳血管障害のリスクが高まると言うことが判ったのです。

どんな発想や意見も自由ですが、「私が見本です」と言う考え方に同調するのは大変危険です。マネする人が見本の人と同じ体質である可能性は大変低いわけですから。

もちろん、どんな研究の成果も当てはまらない人はいます。しかし、大規模な研究になればなるほど多くの人に当てはまる内容になるであろうことは、どなたにでも納得してもらえるでしょう。

ですから統計的な研究、コホート研究と言うのが重要視されるのです。

働き盛りの朝食抜きは脳出血リスクを高めてしまう

この研究はおよそ83000人の日本人男女(男性約39000人、女性約44000人)を対象に1995年から2010年までの15年間、生活と発症の状況を追跡して統計を取ったものです。

その中から、毎日朝食を摂る人に対して、朝食を摂らない人の心血管疾患や脳血管疾患の罹患リスクがどうなるかについて調査されました。

breakfast with the survey results graph of about the disease

その結果はこのグラフの通りです。いずれの病気についても、朝食を摂らない人のリスクは上がっていますが、冠状動脈疾患、つまり心筋梗塞などの心臓病については統計のばらつきもあって有意なデータにはならなかったようです。

一方、ばらつきを計算に入れても、脳卒中は朝食をちゃんと摂る人より18%リスクが高くなっています。また、その中でも脳出血のリスクは36%増えていますから、朝食を摂らないことは脳出血リスクを高めると言う傾向が明らかです。

脳出血は頭蓋内出血とも呼ばれる病気で、脳内出血のほか、クモ膜下出血が有名ですね。脳内出血の場合致死率はおよそ75%、クモ膜下出血は致死率35%程度ですが後遺症が残ることの多い病気です。

脳卒中の中でも、より危険度が高い脳出血のリスクが増えると言うのが怖いですね。朝ごはんだけでリスクを下げられるのであれば、しっかり食べたいものです。

朝食抜きのリスクは血圧と関係している

なぜ、朝食を食べない人の方が脳卒中、それも脳出血のリスクが高まるのかについて、研究グループは高血圧との関係を推測しています。

毎日朝食を食べる人の方が、朝食を食べない人に比べて血圧が低いのではないかと言うことですね。この研究ではそこまで踏み込んだ数字は収集されていませんが、他の研究などを参考に原因を考察したとのことです。

朝食は午前中の血圧を下げてくれる効果がある

脳出血は高血圧を原因として起こることが多い病気で、特に午前中に発症することが多い病気として知られています。一方、長時間空腹であった朝の血圧は、朝食後下がることが観察されています。

空腹で血糖値が下がってくると、人間の身体はアドレナリンなどのホルモンを分泌して血糖値を一定レベルに維持しようとします。ダイエットの時に、体を動かして空腹感を紛らわせると言う物がありますが、これはアドレナリンの分泌を促しているんですね。

アドレナリンを分泌すさせることで、肝臓に蓄えられているグリコーゲンを分解して血糖に変えることで血糖値を上げ、空腹感を消しているのです。もちろんエネルギーの供給なしに血糖値を維持する以上、体重は減ります。

しかし、アドレナリンは闘争&逃走ホルモンと呼ばれるもので、一瞬のパワーを作り出す作用のために血圧の上昇を伴います。つまり、空腹が長く続くとそれだけ血圧が上昇しやすくなるんですね。

別の研究では朝食抜きをストレスとしてとらえていた

この研究の中で原因を推定する際に参考にされていた別の研究は、長時間の空腹がストレスとして身体に悪影響を与えていると言うことを示唆しています。たまの朝食抜きならともかく、毎日朝食を食べないと言うのは慢性ストレスになると考えられました。

食事を摂らない時間が長く続くと、脳の中の視床下部から脳下垂体、副腎へと刺激が伝わり、コルチゾールと言う副腎皮質ホルモンが分泌されます。

この一連のメカニズムをHPA軸と呼びますが、これの過活動は長時間の空腹が日常的に繰り返されることで起こる慢性ストレスが原因となってといることが判っています。

コルチゾールも血糖値を上げるホルモンですので空腹に対応するものですが、多く分泌されすぎてしまうと血圧を上げ、免疫反応を抑制し、さらには不妊症の原因になることもある物です。

もともと血圧の高い人が朝食を抜くのは危険かも知れない

血圧の高い人と言うと、どうしても過体重が問題になるケースが多いようです。そのため、体重を減らすために朝食を抜いている人も多いのではないでしょうか。

しかしそれでは本末転倒になりかねません。血圧を下げたいから朝食を抜いて体重を減らしても、その血圧を空腹で上昇させていたのでは意味ないですよね。

肥満は解消しなければいけませんが、朝食を抜いて体重を減らすと言う考え方は誤っています。減量は健康のために行うもので、減量のために健康を損なっては無意味です。

高血圧を予防改善するのが脳出血を防ぐ最も有効な手段

先にもお話しした通り、脳出血は致死率が高く、生命が助かっても後遺症の残りやすい重病です。それだけに予防が大切になりますが、それには血圧のコントロールが非常に重要になります。

血圧と言うことになると、まず動脈硬化と塩分の摂り過ぎが問題になります。これは運動もさることながら、まずは食事の内容についての改善が要求されるものですね。

しかし、今回の研究で明らかになったように、内分泌の影響によって血圧が上がりやすいと言う状況も無視できません。同じ食べ物を食べていても、食べ方によって病気のリスクが変わると言うことですからね。

これまで朝食抜きは心臓に悪いと考えられていた

この健康生活の中でもご紹介していますが、朝食を食べないことが心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こすと言われていました。これは欧米での研究でそのような結果が多く得られていたからなんですね。

そして、この心臓に対する悪影響も高血圧に起因すると言うことが判っていました。しかし、今回の研究では心臓への影響より脳血管疾患への影響が大きいことが判ったんです。

これは欧米人と日本人の体質の差かもしれません。あるいは欧米人と日本人の食事内容の違いから、動脈硬化や糖尿病などの影響が心臓と脳のどちらに出やすいのかの差かもしれません。

しかし、いずれにせよ朝食抜きが高血圧を招くと言う推測される原因は共通していますから、朝食で血圧を改善すれば両方に有効だと言うことになりますね。

高血圧を予防するにはまず適切な体重の維持

肥満は高血圧を招きます。ですので、適切な体重の維持は非常に重要ですね。まずはBMIを18.5kg/m2から24.9kg/m2の範囲に収めるようコントロールしましょう。もちろん塩分の摂り過ぎにも注意して下さい。

最近の体重計は身長を入力しておくとBMIを自動計算してくれると言う便利な機能の付いたものも多いようですので、こうしたものを利用されるのも意識付けにはいいかもしれません。

また、こうしたことが問題になるのは中高年の人が多いわけですので、あまり無理して体重を下げ過ぎるよりも、標準体重である22kg/m2から上限である24.9kg/m2くらいにしておく方が良いでしょう。

40歳以上の年齢になると、やや太目のほうが長生きだと言うデータもありますしね。

BMI=24.5kg/m2と言うと、普通体重の範囲の上の方ですが、実際の数値で見ると意外に太目さんなんですよ。例えば身長155cmの人なら58.9kg、165cmなら66.7kgです。美容的にはちょっと厳しいかもしれませんね。

血糖値の変動に注意しながら減量するのがベスト

こうしたことが問題になる年齢になると、糖尿病も血管を傷める原因として注意しなければなりません。そうなってくると、血糖値にも注意が必要ですね。

糖尿病を予防改善する場合、「血糖値の急激な変動を起こさせない」と言うことが重要になります。同じ量の糖質を摂っていても、血糖値の変動が大きい摂り方をすると糖尿病リスクが高まりますし、同時に肥満に繋がります。

これは血糖値が急激に上昇すると、インスリンが大量に追加分泌されて血糖値を下げにかかるわけですが、インスリンによって身体に取り込まれた糖質は、エネルギーとして使われない分は中性脂肪に変わるのです。

インスリンを大量に分泌すると膵臓は疲れてだんだん分泌能力が落ち、糖尿病へ近づいて行きます。一方、インスリンの働きで中性脂肪になった糖は、肥満の原因となって高血圧をもたらします。

ですので、血糖値が大きく上がったり下がったりと言う状況は、すべてにおいて身体を痛めつけることだと考えて下さい。

食事は食べ物の内容だけではなく食べ方に注意することも重要です。健康に大きな意味を持つ内分泌(ホルモンを働かせること)は朝食によっても大きく影響されるのです。

食事の基本は3食きちんと食べることにある

breakfast of Western

よく「昔は1日2食が普通だった」などと言うことを朝食抜きの根拠として提示されるのを見ますが、これはいかがなものでしょう。たしかにそういう時代はありました。ではそういう時代と1日3食の現代、どちらが健康的なのでしょうか。

平均寿命を見るまでもなく明らかですね。ある意味、食事は回数を分散させる方が良い事もあるんですけれど、かと言って社会生活を営む上で5回も6回も食べると言うわけにはいかないので、3回が良い線じゃないかと言うことです。

朝食の摂り方が最も重要な意味を持つ

そこで朝食です。睡眠不足や夜食大好きの人はともかく、一般的には前夜の夕食から少なくとも10時間以上食べ物を摂っていない状態になっているはずです。そこに食べ物を入れるわけですから注意が必要なのは当然です。

少なくとも甘い飲み物を一番に飲むことは避けましょう。おなかの中が空っぽですから、液体で糖分を摂ると一気に吸収されてしまって血糖値が急上昇します。

和食なら具の多い味噌汁、洋食なら野菜の煮込みスープなど、水分と同時に食物繊維を摂れる物が良いですね。それからたんぱく質、炭水化物と食べて行ってください。朝は多少カロリーオーバーでもOKですので、その分は夜に調整しましょう。

大事なのは一日の合計カロリーと栄養素

本来は毎食栄養バランスを考えて摂るのが好ましいのですが、社会生活の中ではそれも難しい場合があります。ですので、一日の栄養素が不足しないよう朝食である程度種類をそろえましょう。

逆に食べ過ぎてカロリーオーバーになった分は夕食で減らすのがベストです。合計のカロリーが過剰にならない限り肥満しません。

夕食の時にカロリーを調整するため量を減らすとしたら、栄養素のバランスを考えた上で翌朝の朝食に残しておくのが栄養バランスを取るコツですね。

朝食の重要性をお話しするのはいまさらと言う気もしますが、最近はまた朝食が軽視されがちですので、今一度栄養バランスを含めてしっかり食生活を見直しましょう。
キャラクター紹介
ページ上部に戻る