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「コーラで骨が溶ける」は高齢女性では本当!炭酸飲料のウソホント

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コーラを飲むと骨が溶けると言う話、子供に対するある種の怪談としてすっかり定着してしまったような気がします。

子供だましの怪談や都市伝説と言われることがあるかと思えば、何となく科学的に裏付けされたような話題が提起されることがあったりして、よく判らなくなっていると言うのが実際のところでしょう。

コーラは本当に骨を溶かすのか?実は溶かさない!

結論から言うと、コーラを飲んでも骨は溶けません。ただ、高齢女性において、たくさんコーラを飲む人では、骨密度が下がる傾向が見られたから注意が必要ですと言うことなんです。

当然の話ですが、コーラが骨を溶かすと言ううわさから派生した炭酸飲料と骨の関係も存在しません。つまり、炭酸飲料で骨が溶けることもないのです。それは単に尾ひれがついただけの根も葉もないうわさです。

なぜコーラを飲むと骨が溶けるなどと言う話が出てきたのか

これは推測の域を出ませんが、食事の時でさえもコーラを手放さない子供のしつけをするため、親が子供を怖がらせるために創った話が独り歩きしたんじゃないかと思います。

まあ、「火遊びするとおねしょをしてしまう」と言うのと同レベルの話ですね。

とは言え、コーラの飲み過ぎは糖分の摂り過ぎや食欲の低下など他の害がありますから、子供に対しては「いけない行為」としておいても良いでしょう。

しかし、分別盛りの大人の間にまで、いつの間にやら「コーラは炭酸だからいけない」なんて言い出す人がいたりして大変です。

私の知人の年金世代の夫妻にもそんなことを言う人がいます。なので「でも、ビールも炭酸飲料だよ」と言ってみました。

すると奥様は「だからビールなんか飲まない方が良いのよ」と仰いますし、旦那さんは「酒は百薬の長だからビールは大丈夫なんだ」と仰います。もはや何を言ってるのか判らなくなってきました。

こうした健康に関するうわさは、一旦広がってしまうと修正が難しいので大変です。ですので、せめて自分だけは正しい知識を持っておきたいものですよね。

アメリカでの研究では高齢女性にはわずかにリスクがあった

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アメリカで行われた大規模研究によると、閉経後の高齢女性において、コーラを多く飲む人は骨密度が有意に下がったと言う研究があります。

しかし、そのレベルは週に3~7杯飲む人で、全く飲まない人より約2.7%、週に7杯以上飲む人で約3.8%低いと言うレベルでした。週に3杯未満の人は全く飲まない人との差は見られませんでした。

なお、1杯は8液量オンスだったので約237mLです。ペットボトル半分弱と言う程度ですね。

これまでに、様々な研究が行われてきましたが、高齢男性や、成人男女、思春期の男の子については、統計にばらつきが多くてコーラと骨の関係性は見いだされていません。

また、思春期の女の子はコーラをよく飲んでいる子は骨折率が高いと言う研究がありましたが、コーラの消費量そのものは男の子の方が多いと言うデータもあります。

研究グループは、思春期において男の子の方がずっと運動量が多くなるので、骨の成長の方がコーラの悪影響よりも強い可能性を第一の原因として推測しています。

あるいは、思春期には女の子の方がダイエットなどで栄養のバランスが悪くなりやすいため、コーラ以外の要因で骨折率が増えているのかもしれないとも推測しています。

閉経後の女性は、高齢であるだけで骨粗しょう症のリスクが高まっていますので、コーラの何が悪いかに関わらず、あまりそうしたものを多飲するのは避けた方が良いかも知れないと言うことですね。

コーラの成分の何が骨に悪いと言われていたのか

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もともとこの手の話の発端は、コーラに骨を数日間浸しておいたら、ぐずぐずに脆くなったと言うようなデモンストレーションに始まったのだと思います。

しかし、これはその手法そのものが実験ではなく見世物であったと言うことに大いなる問題があります。

例えば鯵の南蛮漬けが骨まで軟らかくなって美味しく食べられるのは、油で揚げると言う効果と同時に酢に漬け込むことで骨のカルシウムが抜けて柔らかくなるからです。

だからと言って、骨粗しょう症になるからお酢を食べるのをやめようと言う人はいませんよね。コーラも同じで、酸性の飲み物ですから、数時間以上漬け込めば骨からカルシウムが抜けます。

しかし、コーラを飲んでも骨に直接コーラが触れることはあり得ません。それどころか、胃の中は胃液の塩酸によってコーラよりずっと酸性度が高いのですから、口から入れる物の酸性度を心配する必要などないのです。

歯についても、唾液の緩衝作用と再石灰化作用によって、酸性の食べ物は無害化されますので全く心配はないのです。

この先は、コーラの成分と骨との関係について見て行きます。少し化学的な話も出ますので、興味がない方は次の「コーラを多く飲む~」の見出しまで飛ばしていただいてもOKです。

リンとカルシウムのバランスを心配する声もあるが影響は少ない

コーラの原材料表を見ると、酸味料と言う項目があります。文字通り、コーラに酸っぱい味を与えるための調味料ですが、これにリン酸が使われていることが多いようです。

リン酸はクエン酸などに比べると価格が安いので、コーラのような飲料に使うにはもってこいなんですね。しかし、そのことがコーラの評判を落としているようですから皮肉なものです。

リンは人間にとって必須のミネラルです。骨の主成分はリン酸カルシウムです。ですからリンが足りないと骨がもろくなってしまうんですね。

高級歯磨きで歯の再石灰化を進めることを売りにしている商品の有効成分はヒドロキシアパタイトですが、これもリン酸カルシウムの一つなんです。

一方、リンとカルシウムは結合して結晶化しやすいため、腸の中でこの反応が起こるとどちらも吸収されず、便として排泄されてしまいます。

このことからリンはカルシウムの吸収を阻害し、骨を脆くすると言われたこともありました。しかし、例えばコーラと一般的な野菜ジュースに含まれるリンの量はほぼ同じです。

また、豆乳はコーラの約4倍、牛乳は8倍以上のリンを含んでいるのです。さらに、するめ10グラムにはコーラ1リットル分に相当するくらいのリンが含まれています。

ですから、ことリンに関してもコーラが原因で骨が弱くなることはあまり考えられません。

コーラに食品添加物のリン酸塩は使われていない

良く勘違いされるのですが、コーラなどの清涼飲料水に入っているのは酸味料としてのリン酸です。ハムやアイスクリームなどに使われているリン酸塩ではありません。

リン酸塩も酸味料として使えなくはないのですが、飲料に使う場合は基本的にpH調整剤としての役目が多く、最近ではめったに清涼飲料水では見なくなりました。

また、リン酸はクエン酸の2倍以上酸っぱく、さらには独特の渋味があります。これが「コーラの風味」を出しているため、欠かせない調味料なんですね。参考情報として知っておいていただくのも良いでしょう。

コーラを多く飲むような食習慣が骨を弱くしている

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リンはお肉や魚にもたくさん含まれています。ですから、ある程度は自然に多めに摂れてしまうんですね。このこと自体は健康に悪影響を出すものではありません。

また、たんぱく質は多く摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害することが知られています。一方で、適切な量のたんぱく質はカルシウムが腸で吸収されるときの助けになるのです。

それなら、なぜコーラだけがこれほどまでに骨に対する悪役にされてしまったのでしょう。

コーラはジャンクフードと合わせるからこそ美味しい飲み物

皮肉なことに、コーラを代表するコカコーラやペプシコーラは、当初民間医療の薬として創られたものだったんですね。ペプシは名前の通り消化酵素のペプシンを含んだ胃薬だったんです。

そこから1世紀余り、今ではジャンクフードの食事には欠かせない飲み物になっています。もちろん、懐石料理と一緒に飲んだり、フレンチのお供にしても法律違反と言うわけではありません。

でも、やっぱりコーラはハンバーガーやフライドポテトのお供にするのがベストですよね。身体に悪いと判っていても、たまに無性に食べたくなる「心の栄養」です。

しかし、フィジカルでは不健康でメンタルでは栄養豊富なジャンクフードは、たまに食べるからこそ良いのであって、しじゅう口にしていると身体を壊してしまいます

コーラは骨の敵というイメージが強く、低濃度ですが含まれているリンがその一因となっています。さらにコーラを飲むと歯や骨が溶けるという話は、一般論として定着しています。しかし、これらの科学的な根拠はありません。

(中略)

コーラが体に良くないという漠然としたイメージがあるのは事実ですが、ヒトにおける信頼できる研究は疫学研究の他ほとんど無く、コーラが骨密度を低下させるかどうかは確かめられていません。

しかし、コーラを含めた炭酸飲料は砂糖をたくさん含むものも多いため、多量・多回に摂取するようなライフスタイルを続けることが、低い骨密度の原因になると考えられています。

つまり、コーラが飲み物として中心にあるような食生活は、全体のバランスから骨も弱くしてしまう恐れがあると言うことなんです。

ジャンクフードでも考え方一つで改善できる部分はある

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ハンバーガー・フライドポテトとコーラを合わせた食事を見てみると、リンとカルシウムのバランスはおよそ6:1になります。カルシウムが全く足りていませんね。

そこで、栄養成分について細かく公開してくれている日本マクドナルドのデータから、二つを比較してみます。普通のハンバーガーとチーズバーガーです。チーズの効果がどれだけあるのかに注目です。

ハンバーガーの方はリン:カルシウムはおよそ3.6:1、チーズバーガーでの比率はおよそ1.6:1です。チーズバーガーだとほぼ問題のない比率ですよね。

もう一組比較してみましょう、チキンフィレオとえびフィレオです。こちらは鶏肉と海老の差になります。

チキンフィレオを見ると、リン:カルシウムはおよそ7.9:1、えびフィレオでの比率はおよそ1.5:1です。えびフィレオは理想的な数値に近いです。

こうした差は、乳製品はリンよりカルシウムの方が多いことや、陸上動物の肉はリンが多くカルシウムが少ない(約50:1の比率)ことなどから現れているのです。

ですので、ファーストフードのメニューであっても、選び方一つで骨に悪影響を及ぼさない献立も十分考えられます。あとはコーラの代わりにミルクにしておけばもっといいですね。

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