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健康になるには「空腹」それとも「十分な栄養」どちらがいい?

昨年、売れに売れた本といえば『空腹が人を健康にする』。乳腺専門医として著名な南雲吉則氏が「1日1食」を推奨し、「お腹がグーッと鳴ると、体中の細胞が活性化する」として大きな話題となりました。

それに対し、昨秋には美容外科医・高須克弥氏が『その健康法では「早死に」する! 』という刺激的なタイトルの本を上梓。南雲氏のベストセラーを意識し、その主張に反論するかのような論旨が展開されています。

そこで、おふたりの主張をシロウトなりに整理してみました。「どちらのほうが正しいか?」という二者択一ではなく、両方の主張の「いいとこ取り」をしてみたいと思います。

両者の対立する主張とは

まず、南雲氏の「空腹」論から。南雲氏は「空腹でお腹が減ると、体にいいことが細胞レベルでどんどん起きる」と言い、さらに「肉食をやめて野菜中心の食生活に変えると、体調が良くなる」と説いています。

そして彼がたどりついたのが、夕食だけを食べる「1日1食」生活。これによって彼自身、体重が減っただけでなく、肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるほど若返ったというのです(ちなみに南雲氏は現在58歳)。

それに対する、高須氏の主張は? 彼は、南雲氏の主張を「現在では否定されているデータ」と切り捨てます。そして「医療の根源は食にあり」と説き、「小太りがいちばん長生き」という説を採用しています。

また、南雲氏が否定的に記述している「肉」や「お酒」「コーヒー」等の摂取も積極的に勧め、「美酒美食こそが長寿の鍵」と主張するのです。あなたはどちらを信用するでしょう?

少食が若さの元は本当

まず筆者の個人的体験から話を進めます。筆者は30歳を過ぎてから太り始めました。20代前半は60kg程度だった体重が35歳ごろには70kg以上に増加! その後ジョギングなど各種のダイエットに挑戦しましたが、成果は芳しくありませんでした。

試行錯誤の末、たどり着いたのは結局のところ食事制限。若い頃より食事量を2~3割程度減らし、「ゆっくりと長く噛む」食事を心がけました。また食事回数も1日2回程度にしたところ、54歳現在の体重は56kg。筆者の中学生頃の体重と同じです。

体型や体重維持という点では「少食」に軍配が上がります。また「若さ」という点でも、動物実験で「より少ない食物を与えたサルのほうが、十分な食物を与えたサルよりも若々しさを保てる」という結果が確認されています。

ここまでを見ると南雲氏に軍配が上がるように思われます。しかし物事はそれほど単純ではありません。

栄養不足の高齢者が増加中

いま、高齢者の間で「PEM」という症状が問題になっています。これは「Protein Energy Malnutrition」の略語。たんぱく質やエネルギーが十分にとれていない低栄養状態のことをいいます。

低栄養状態に陥ると、肺炎をはじめとした病気を発症しやすく、また寝たきりや認知症になる確率も格段に高くなります。「飽食の時代」と言われて久しい現代ですが、高齢者は少食や偏食による影響で危険な低栄養状態に陥っている場合が多いというのです。

さらに、昔は「年を取ったら粗食が一番体にいい」と言われてきましたが、最近は「動物性のタンパク質を多く摂取した高齢者の方が、植物性タンパク質中心の高齢者よりも老化が遅く、病気にもなりにくい」というデータが出てきました。

高齢になると、若い頃に比べて全体の食事量は落ちます。そのぶん栄養価の高い動物性タンパク質を積極的に摂取し、「量より質」の食生活を心がけるのが良いのです。この点においては、高須氏の「肉をしっかり食べよう!」という主張のほうが有利な気もします。

バランスのとれた結論とは?

正反対の主張を比較して見えてきたものをまとめましょう。昔からよく「腹八分目」といいますが、体のためにはそれが良さそうです。ダイエット的な観点から考えても健康面から考えても、「少食」のほうが良いコンディションを保ちやすいでしょう。

しかし食事量をコントロールするのであれば、別の注意が必要です。良質で栄養価の高い食品を摂取しないと栄養不足に陥ってしまう危険があります。

そうなってしまうと逆効果で、抵抗力が弱まり、体調不良や病気を引き起こしてしまう可能性があります。体づくりの元となる良質なたんぱく質を積極的に摂取することを心がけましょう。

いろいろな主張に耳を傾ける

いかがですか? 私たちはしょせんシロウトです。シロウトですから、専門家のように他人に「こうしなさい」と主張しているわけではありません。自分がどうするかを決めればよいのです。そういう意味では気楽に、自分にフィットした情報をチョイスすればいいのではないでしょうか?

ひとつの情報源だけですぐに結論を出してしまうのではなく、いろんな声に耳を傾けた上で、自分なりに取捨選択していくテクニックを身につけていきましょう!

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