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健康の敵?インスタント食品が体に悪い食べ物といわれる理由

instant food

「インスタント食品はなぜ体に良くないのか?」と聞かれると、皆さんもいくつかその理由が頭に浮かぶことと思います。

私達はどのようにインスタント食品と付き合っていったらよいのでしょうか。インスタント食品のデメリットを深刻な順に挙げてみました。

摂り過ぎると骨が弱くなるリンが多い

ほとんどの加工食品には「リン酸塩」が大量に含まれています。

「リン」は体に必要なミネラルの一種。ほとんどの自然食品に含まれていて、加工食品を食べない場合でも多くの人が1日に必要な量以上のリンを摂取しています。そのため、食生活にインスタント食品を取り入れると、リンの摂り過ぎになってしまうのです。

リンの過剰摂取を長期的に続けると、次のような弊害が起こるようになります。

  • カルシウムの吸収を阻害するので骨や歯が弱くなる
  • 腎機能が低下する
  • 甲状腺機能に障害が起こる

特にリンのほとんどはカルシウムと共に骨の形成に使われており、カルシウムとリンは1:2のバランスで摂取するのが理想的です。

インスタント食品を食べることの多い現代人はとカルシウムとリンのバランスが1:3に傾いているといわれています。

インスタント食品を食べる回数を減らし、カルシウムとリンのバランスを1:2に近づけましょう。

カップ麺1食で5gも!塩分が多過ぎる

ヒトの味覚は、薄味より濃い味を「おいしい」と感じやすいため、外食や加工食品は味付けが濃い傾向にあります。

そのため、外食をしたり加工食品を食べたりすることの多い日本人は自然と塩分の摂取量が多くなっており、1日に推奨される塩分摂取量より2~3gも多く塩分を摂取している傾向がみられます。

塩分の過剰摂取は高血圧の原因になるほか、胃がんのリスクを高めることが分かっており、塩分の過剰摂取には注意が必要です。

1日に推奨される塩分摂取量は男性で9g、女性で7g。大さじ1杯くらいの量です。インスタント食品にはどれくらい塩分が入っているのでしょう。一般的なインスタント麺の食塩相当量をチェックしてみました。

食品名 食塩相当量(g)
カップ麺(ラーメン)

4.8
カップやきそば 5.8
カップ麺(うどん) 5.6
袋めん(しょう油) 6.4

インスタント麺には5g前後の食塩が含まれており、1食で1日に推奨される摂取量の大半を占めているのです。

インスタント麺を食べる時は、スープやソースの量を減らしたり、ラーメンのスープを残したりして、少しでも塩分摂取量を減らす工夫が欲しいです。

カロリーは高いけど栄養は不足している

最近のインスタント食品は、栄養強化剤としてビタミン類、カルシウム・食物繊維を配合したり、糖質・塩分をカットしたりと、少しでもヘルシーに食べてもらうような配慮がなされています。

それでもインスタント食品は栄養バランスが良い食品とは言えません。エネルギーの材料となる炭水化物と脂質は多いのですが、ビタミン・ミネラル・食物繊維はどうしても不足してしまいます。

加工食品は加熱殺菌されているので、生野菜や果物から摂取できる酵素も損失されてしまっています。

もしインスタント食品ばかり食べ続けると、「お腹は満たされ太っているけど体は栄養失調」というアンバランスな状態に陥ってしまいます。最近じわじわと増えているビタミンB1の欠乏症「脚気」を引き起こす可能性も高くなります。

また、ナトリウム(塩)の過剰摂取から高血圧、脂質の過剰摂取から高脂血症が起こりやすくなり、動脈硬化のリスクも高まってしまいます。

食事をする時はインスタント食品だけを食べるのではなく、肉・卵・野菜・海藻類・きのこ類をインスタント食品に加えたりおかずとして食べたりして、栄養バランスを良くしましょう。

安全とは言い切れない食品添加物が心配

加工食品には食品添加物が含まれています。食品添加物は、食品の品質を維持したり風味を向上させるために欠かせません。例えば保存料・調味料・着色料・香料などがあります。

日本の場合、安全性の厳しい基準をクリアし厚生労働省に認定された656品目が食品添加物として使うことを許可されているので、製品に食品添加物が入っていても基本的には安心して食べることができます。

しかし中には、まれにアレルギー体質の人が過敏に反応したり胃腸の弱い人が炎症を起こしたりする可能性を持つ食品添加物もあるので、念のためにインスタント食品を食べた後の体調には注意が必要です。

実は先に説明したリン酸塩が加工食品に多く含まれるのは、食品添加物にリン酸塩が入っているからなのです。食品添加物が多く使われている加工食品ほどリン酸塩の量も多くなってしまいます。

参考までに、あるインスタントラーメンに使われている食品添加物を紹介しましょう。無害なものと無害とは言い切れないものが含まれています。

食品添加物 用途 まれに起こる症状
かんすい めん質改良材 胃腸の不快感
炭酸カルシウム めん質改良材
栄養強化剤
なし
アミノ酸 うま味調味料 めまい・吐き気(グルタミン酸ナトリウム)
グァーガム 増粘剤 なし
ビタミンE 酸化防止剤 なし
ビタミンB1・B2 栄養強化剤 なし

「添加物」と聞くと体に悪いイメージもありますが、合成添加物もあれば天然添加物もあり全てが体に悪いわけではありません。赤キャベツの汁で作った赤い色素、果物に含まれるペクチンという増粘安定剤など体に害のない天然添加物も多数あります。

しかし食品添加物の基準は各国で異なっており、外国で危険とされている添加物が日本で使われているのも現状です。

食品添加物のおかげで食品が安全に提供されているのも事実。あまり神経質になる必要はありませんが、念のためにインスタント食品は食べ過ぎないようにしましょう。

油あたりや動脈硬化の原因に…脂質が酸化している

インスタント食品は加工してから時間が経過しているので、油脂が酸化して脂質が「過酸化脂質」と呼ばれる有害な物質に変わってしまいます。

メーカーは酸化防止剤を添加したり酸素を遮断するなどして、食品の酸化を防ぐ配慮をしていますが、それでも酸化はある程度進んでしまいます。

過酸化脂質は体に良くありません。摂取した時に「油あたり」を起こして吐き気や下痢を伴うことがあるほか、摂取し続けると血管に悪玉コレステロールが溜まって動脈硬化を起こしたり、細胞を傷つけたりするおそれもあります。

インスタントラーメンの場合、脂質の少ない「ノンフライめん」を使った製品を選ぶと、過酸化脂質の害を少しでも減らすことができます。

インスタント食品は子どもの歯やあごの発育を阻害する

子どもにインスタント食品を与えることが多ければ、歯やあごの発育が阻害される可能性もあります。

加工食品は柔らかく、歯で噛み切ったりしっかり噛みつぶす必要がないので、インスタント食品を食べることの多い子どもは歯やあごが発達せず、歯並びが悪くなったりあごの力が弱くなったりしてしまいます。

まさか子どもにインスタント食品ばかり与える保護者はいないと思いますが、子どもが喜ぶからと言って柔らかい食事ばかり与えてはいけません。

カップ容器も危険?発泡ポリスチレンの安全性は

また、カップ麺の容器には「発泡ポリスチレン」というプラスチック樹脂の一種が使われています。この素材に環境ホルモンの溶出や発がん性の疑いがもたれることがありました。

発泡ポリスチレン(PSP)とは、各国で安全な食品包装材として使用が認められているポリスチレンを発泡させ、軽く断熱性を持たせたものです。先進国では食品包装材の約50%にPSPが使われています。

カップ麺の容器からは、成分がごく微量に流出したり食品に移行したりすることも報告されていますが、通常の範囲で食べる場合には人体に影響のないことが分かっているので、あまり神経質にとらえる必要はないようです。

ポリスチレンには極少量のスチレンモノマーが残留しており、ポリスチレン容器から食品に移行するかもしれません。

しかし、この濃度レベルで有害な影響が認められたとのデータは一切ありません。スチレンに発がん性があるとされる根拠は極めて高濃度のスチレンを吸入した際のデータに基づいています。

スチレンは我々が摂取する天然食品中にも含まれています。ポリスチレン容器から食品へ移行するスチレンの濃度は、これら天然食品に含まれるスチレンと同じレベルです。

発がん性や内分泌かく乱物質の疑いがあると聞くと、安全性に問題ないと言われても不安になってしまいます。PSPの安全性について事情を把握しておきましょう。

PSPは体に有害な内分泌かく乱物質?

一般に「環境ホルモン」と呼んでいるのは「内分泌かく乱物質」のことです。体外から取り込むことで私達の内分泌(ホルモンの合成や分泌)を異常にし、体に有害な影響を起こす作用が危惧されています。

カップ麺の容器に使われるPSPに含まれる「スチレンダイマー・トリマー」は、かつて内分泌かく乱作用があると考えられていました。

しかし調査の結果、内分泌かく乱作用を起こす科学的な根拠がないことから、2000年には環境庁(省)が内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質のリストから削除しました。

ちなみに内分泌をかく乱することが疑われている物質には、ゴミを燃やした時に発生するダイオキシン、ポリカーボネート樹脂に使われるビスフェノールAなどがあります。

内分泌かく乱物質による影響は、野生動物で確認されています。ヒトの場合、生殖機能や神経の障害、胎児の染色体異常などが起こる可能性が考えられていますが、現段階ではヒトの人体で有害な影響が明らかに確認されたことはありません。

よって、現在ではカップ麺の容器に内分泌かく乱物質の影響を心配する必要はなくなっています。

PSPと発がん性は関係ある?ない?

スチレンは発がん性が「ある」という見方と「ない」という見方に分かれています。

IARC(国際がん研究機構)は、PSPの原材料スチレンに発がん性の可能性を示唆、厚生労働省では発がん性のある有機溶剤のひとつにスチレンを挙げ、プラスチック産業に携わる人の職業ばくろに注意を呼び掛けています。

一方、EUはリスク報告書でスチレンに発がん性がないと報告しています。

がんのリスクが懸念されるのは、高濃度のスチレンを吸入するおそれのある職業ばくろで、天然食品に含まれるスチレンやPSPから移行したスチレンはごく微量のため、経口摂取してもがんのリスクには影響しないと判断されています。

カップ麺を全く食べない人も、もともと天然食品からスチレンを経口摂取しているわけで、たまにカップ麺を食べる程度でならば、がんのリスクが高くなるとは言えないようです。

とはいえ100%「発がん性がない」と断定されていない状態なので、やはりカップ麺は食べ過ぎないほうが良いのです。

デメリットだけじゃない!メリットを活かして上手に付き合おう

インスタント食品のデメリットを一気にたくさん取り上げました。しかしメリットもたくさんあるので多くの人にずっと愛され続けているのです。

【インスタント食品のメリット】

  • 経済的
  • いつでも簡単に作れる
  • 冷蔵庫がなくても保存できる
  • 長期保存できる
  • 菌が繁殖せず衛生的

きっと、どの家庭でもないと困る存在になっているのではないでしょうか。災害時の常備食としても役立っていますよね。

インスタント食品は神経質に避ける必要もありません。家庭には必要最低限の量をストックしておき、週1~2回くらいにとどめて食べるのが良いでしょう。

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