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正しい炭水化物制限の方法!炭水化物は摂り過ぎも不足もNG

ご飯やパンなどの炭水化物をとらない「炭水化物制限ダイエット」がブームになりましたね。

炭水化物が好きな人にとってはちょっと辛そうなダイエット法ですが、すぐ体重が落ちるということで高い人気があるのです。

しかし「炭水化物を抜くのは危険」という声も上がっているため、炭水化物を制限して良いのか悪いのか戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回は炭水化物制限が注目される理由、正しい炭水化物の制限について解説していきます。

炭水化物制限がブームになった理由

炭水化物は、たんぱく質、脂質と合わせて「3大栄養素」と呼ばれている、体の主なエネルギー源です。ご飯、パン、麺類などの主食、砂糖などに多く含まれています。

炭水化物には糖質と食物繊維があり、エネルギーに使われるのは糖質のほうです。糖質はでんぷんや甘い物、食物繊維は消化されずに排出されるものです。

正確には「糖質=エネルギー源」ということになるのですが、一般に「炭水化物=エネルギー源」という表現も広く使われてきましたので、今回は糖質と同じ意味合いで炭水化物という用語も使わせていただきます。

一般に、炭水化物は1日に必要なエネルギーの55~60%でまかなうのがのぞましいといわれており、それより不足または過剰摂取が起こると体に悪影響を及ぼします。

不足 過剰
  • 疲れやすくなる
  • 体が酸性に傾く(ケトン体増加)
  • 思考能力の低下
  • 痩せ過ぎ
  • 高血糖
  • 糖尿病
  • 糖質が体脂肪に変わる

そして、現代人はどちらかというと炭水化物を摂り過ぎていることが分かっています。

1日あたりの摂取推奨量の基準値(男性 250g/女性 200g)に対し、実際に一日の食事で摂取している糖質の総量の平均は男性 309g、女性 332gと過剰摂取傾向。

「炭水化物もの」は我々のお腹と心を満たす大きな魅力があって、多くの人がつい食べ過ぎてしまうのです。

そういった背景があり、「糖質オフ」「糖質ゼロ」「血糖値の上昇を穏やかにする」をうたう食品もブームになっているのですが、炭水化物制限(または糖質制限)というダイエット法が登場して話題になりました。

これは「カロリーは特に制限せず、炭水化物を控えるだけで楽に痩せられる」というものですが、自身が糖尿病で医師の江部康二氏が糖尿病の食事療法として推奨する「糖質制限食」が世間に知られブームに火がついたもの、と思われます。

この食事療法は「主食を抜いて炭水化物の摂取量を大きく減らす」のが特徴です。糖質を摂取しないことで、

  • 代わりに体脂肪がエネルギーとして消費される
  • 肥満ホルモンとも呼ばれる「インスリン」の分泌が抑制される

といった作用が生まれ、ぐんぐん痩せるということなのです。短期間でダイエットに成功できた喜びの声も多く聞かれました。

糖質制限ダイエットに「待った!」の声も

ちなみにこの方法では糖質制限のレベルが3段階で用意されており、目的によって自分に合った糖質制限を行うことが提案されています。

主食を取る回数 1日の糖質摂取量 推奨される目的
スーパー糖質制限 0回 50g前後 糖尿病・メタボの解消
スタンダード糖質制限 1回
(朝または昼)
100g前後 糖尿病・メタボの解消
プチ糖質制限 2回
(朝と昼)
150g前後 ダイエット

糖質摂取量が少ないほど、血糖値を下げたり体重を減らしたりする効果は大きくなります。

表の糖質摂取量を確認すると、1日の摂取推奨量(男性250g・女性200g)に比べて明らかに少ないことが分かります。

そうすると「糖質が不足して、健康に問題の出ることはないのか?」といった心配が出てくるかもしれませんね。

実は、糖質不足に対して次のようにたくさんの危険性も示唆されているのです。

  • 体の水分は抜けて体重が落ちるが、体脂肪は減りにくい
  • 脳のエネルギー不足でイライラ・集中力の低下が起こる
  • ケトン体の増加で体が酸性に傾き、重篤になると昏睡に陥ることもある
  • 栄養のバランスが偏り、たんぱく質や脂質が体脂肪に変わりやすくなる
  • 体に必要な食物繊維まで不足しやすくなる

また、脳のエネルギー不足によってイライラしやすくなると、ダイエット中にストレスが溜まりやすくなり、つい過食に陥って体重がリバウンドしてしまうこともあるようです。

しかしスーパー糖質制限を長年継続している江部氏は、ずっと良好な体調を保っているとのことです。

うーん、糖質制限は安全なの?危険なの?戸惑ってしまいますよね。

そもそも糖質制限は治療法のひとつだということ

糖質制限自体は、正しく実践すれば健康管理に大きく貢献する療法です。ただし、間違った認識のもとで安易に行なうと、当然ながら糖質不足の弊害が起きてしまいます。

そもそも糖質制限というのは、糖尿病の患者を対象に医師や管理栄養士の指導のもとに行なわれている食事療法です。

安全な糖質制限をするには、専門家が患者の病状・身長・体重・ライフスタイルなどをふまえ、体調を細かく管理しながら指導を行なわなければなりません。

ですから糖尿病の治療を受けていない人が、個人でダイエット目的の糖質制限を行なうと、方法を間違えてしまうおそれがあります。

江部氏が糖質制限で良好な体調を保っているのは、糖尿病治療に必要な療法であることと、自身が医師で専門知識のもとに血糖値のコントロールができているためです。

江部氏は糖質制限を推奨するにあたり、いくつかの注意点も挙げています。

  • 糖質制限をすれば、あとはいくらでも食べて良いわけではない
  • 肥満者には効果があるが、普通体重の人はそれ以上痩せることはない
  • 特定の持病のある人は糖質制限をしてはいけない
  • 糖質は制限しても体に必要なエネルギー量はきちんと摂取する

糖質制限をしてはいけないのは次の持病のある人です。

  • 活動性膵炎
  • 肝硬変
  • 長鎖脂肪酸代謝異常症

また血糖値に異常のある方も注意が必要で、糖質制限にあたっては医師の指示が必要になります。

上記の注意点を無視して、勘違いな自己流ダイエットを行なってしまうと、かえって太ってしまたり健康を害してしまう可能性が高くなってしまいます。

「早く結果を出したいから」「ダイエット成功者が絶賛しているから」と、安易に糖質制限をするのはお控えください。

糖質制限ダイエットを紹介している個人ブログや口コミも多く見かけますが、ダイエットをする時は、信頼できる情報を参照してください。

それからヘレンさん、心美ちゃんみたいにスリムな女性には糖質制限ダイエットは不要かもしれませんね。

ダイエット目的ならゆるやかに炭水化物を制限しよう

私達が食生活に糖質制限を取り入れるなら、どのような形で行なえば良いのでしょうか。結論から申し上げると、

  • 高血糖または糖尿病の人は、医師の指導のもとに糖質制限を行なう
  • 健康でダイエットが目的の人は、ゆるやかな糖質制限を行なう

が適切ということになります。

まずは、検診などで定期的に自分の血糖値を把握しておきましょう。血糖値が高めになっていても自覚症状はないため、気付かずに過ごせば糖尿病に進むおそれがあるのです。

血糖値の高い人は、ある程度の糖質制限が必要になるので医師の指示に従って食事療法を行なってください。

血糖値に異常がなく、糖尿病予防やダイエットが目的の人は、極端に糖質を制限する必要はありません。

先に紹介したように、多くの人が普通に食事をして1日に50g以上の余分な炭水化物を摂取しているので、主食を三食のうち1回抜く「プチ糖質制限」程度のゆるやかな糖質制限をする程度なら、エネルギー不足になりません。

その場合、ダイエット目的の方は糖質の摂取量が1日100g以下にならないようにしましょう。また、脳にはエネルギーとして1日に75gの糖質が必要なので、三食の主食を抜いて糖質の量が75g以下にするような糖質制限は行なわないでください。

たんぱく質・脂質・食物繊維は不足しないようにしっかり摂取することも重要です。

さあ!実際に炭水化物を減らしてみよう

現段階で血糖値に異常がなくダイエットや健康管理が目的だという方は、大きく糖質制限をする必要がありませんので、大まかに炭水化物をカットするコツを押さえ自分で食事のバランスをコントロールすることをおすすめします。

というのも、食品に含まれる糖質の量を正確に把握するには、毎食ごとに細かい栄養計算が必要になる上に、1g・1カロリー単位で評価して一喜一憂するとそれがストレスになりやすいからです。

そこで、ダイエットや健康管理がが目的の方には、「軽く主食を抜く」「炭水化物の多いメニューを控える」といった簡単な方法をおすすめします。

(ただし、血糖値に異常のある方は、血糖値のコントロールを間違えると重篤な症状を引き起こす場合があるので、自己判断で糖質制限を始めないで必ず医師や管理栄養士に相談してください。)

炭水化物の多い食品とは

炭水化物の多い食品は、米・小麦粉・豆・果物・砂糖・野菜など。参考までに、食品に含まれる炭水化物の量の一例を挙げておきます。

食品とその量 含まれる炭水化物の量
ごはん1膳 52g
6枚切り食パン1枚 31g
カップラーメン1杯 70g
バナナ1本 26g
ビール(350ml) 10g
コーラ(500ml) 57g
りんご(1個) 30g
さつまいも(1/2本) 45g
パンケーキ(1枚 50g
ショートケーキ(1個 29g

炭水化物の摂り過ぎになりやすいメニュー

さらに炭水化物ものを組み合わせたメニューは、炭水化物の量がかなり多くなってしまうことも忘れてははいけません。

<例>

  • 天ぷらうどん
  • うどん+丼物のセット
  • かつ丼
  • カツカレー
  • 焼きそばパン

炭水化物の多いメニューを食べる時は、量を減らしたり、炭水化物以外の物(サラダ・卵など)と組み合わせるなどして、炭水化物の摂り過ぎを防ぎます。

知らず知らずのうち、炭水化物の摂り過ぎになりやすいおかずもあります。それは、材料に炭水化物を使ったおかずです。例えば…

いも類・かぼちゃ・栗・小豆などを使ったおかず

  • 肉じゃが
  • かぼちゃの煮物
  • じゃがいものみそ汁
  • ポテトサラダ
  • 栗きんとん
春雨やパスタを使ったおかず

  • 春雨サラダ
  • マカロニサラダ
小麦粉・片栗粉・パン粉を使ったおかず

  • フライ
  • 天ぷら
  • シチュー
  • グラタン
  • あんかけ
砂糖・みりん・酒・はちみつを使ったおかず

  • 煮物
  • 大学芋

…などがあります。炭水化物のおかずを献立に取り入れる時は、主食を抜いたり量を減らしたりするか、一食に炭水化物の多いおかずが複数並ばないようにましょう。

ポテトコロッケやクリームコロッケは衣も中身も炭水化物、大学芋はさつまいもと砂糖で作られていますね。

このように、中にはほとんど炭水化物みたいなおかずもあります。

私もコロッケは大好物なのですが、炭水化物の摂り過ぎには注意しなくちゃですね…。

低GI値の食品を選ぶ

また、血糖値が高い人にとっての糖質制限の目的は、「食後血糖値の上昇をおだやかにすること」でもあります。

血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるために膵臓がインスリンを大量に分泌しなければならなくなり、血糖値の上昇が続くとインスリンを分泌する機能が壊れ、常に血糖値が高い状態となってしまうためです。

そこで血糖値の高い方には、食後血糖値が上昇しにくい「低GI値」の食品を選んで食べることがすすめられています。GI値は食後血糖値の上昇度を示す指数です。

参考までにGI値の低い物から高いものまで一例を紹介しておきます。GI値が高い食品の食べ過ぎには注意しましょう。

低GI値 中GI値 高GI値
  • 海藻
  • ナッツ類
  • 葉物野菜
  • 柑橘類
  • こんにゃく
  • 牛乳
  • 肉・魚
  • そば
  • 五穀米
  • 全粒粉
  • スパゲティ
  • バナナ
  • 白米
  • うどん
  • ラーメン
  • クッキー
  • フランスパン
  • 砂糖
最近は、こんにゃくを使った「糖質オフ」の加工食品がバラエティ豊富に販売されています。

ご飯や麺類が大好物の人は、こんにゃく麺やこんにゃくご飯を使うのもおすすめです。

こんにゃくは低GI値で、おいしく糖質制限ダイエットできますよ。

食事制限だけではなく適度な運動もお忘れなく!

いかがでしたか。糖質制限のポイントをまとめると、

  • 現代人は炭水化物を摂り過ぎているので、摂取量を減らしたほうが良いこと
  • そもそも糖尿病の治療として行なう食事療法なので自己判断で行なうのはNG
  • 検査を受けて自分の血糖値を把握しておくこと
  • ダイエット目的の人は、ゆるやかな糖質制限にとどめること

の4点になります。また血糖意のコントロールやダイエットには、適度な運動を組み合わせることも忘れてはいけません。

糖質について正しい知識を持ち、工夫しながらおいしく楽しく食事をしましょう。

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