TOP > > 下痢に正露丸、は現代的ではない?正露丸の効果と下痢の正しい対処法

下痢に正露丸、は現代的ではない?正露丸の効果と下痢の正しい対処法

薬と水

下痢に効く市販薬として、おそらく日本でもっとも有名なのは正露丸だといっても過言ではないでしょう。一方で100年以上も昔から使われているため、現代的ではないというそしりも聞こえてきます。

さらには、正露丸はただの消毒薬だとか、発がん性があるとか、かなり誤った情報が蔓延しています。正露丸は止瀉薬(下痢止めのための医薬品)です。ですので正しい使い方をすれば非常に有効ですし、誤った使い方をすれば危険になるという訳です。

複数の製薬会社から発売されている?正露丸の主成分と現状

それほど遠い昔ではありませんが、いわゆる「危険な日常品」をあげつらって部数を稼ぐ雑誌や書籍がブームになったころ、正露丸もそのターゲットとなってしまったことがあります。

もちろん製薬会社はきちんと科学的な証拠を示して反論し、出版に関係した側からも誤りを認める発表がありました。しかし残念なことに、こうした誤報と言うのは、一度世間にイメージとして定着するとなかなか消えません。

その混乱の原因となったのは「クレオソート」と呼ばれる物質なのです。

クレオソートには植物性と鉱物性がある

クレオソートは複数の物質を含んだ、混合化学物質の名前です。正露丸の主成分である有効成分は、ブナや松などの木から採れた木タールを繰り返し蒸留生成して作られた「日本薬局方・木クレオソート」と言う物質です。

ところがややこしいことに、コールタールを精製して作られる工業原料にも、日本工業規格に定められた「石炭クレオソート」と言う物質があるのです。タイヤに使われる物質の原料になったり、木材に浸みこませる防腐剤になったりする発がん性のある物質です。

今でこそこのように書き分けられていますが、20世紀にはどちらもクレオソートとだけ表記されることが多かったのです。そうした背景に無知な人が、この2つを混同して正露丸は危険だとやってしまったと言う訳です。

もちろん、この2つの物質はまったく異なるものです。ですので、正露丸自体に発がん性はありませんので、安心して飲んで問題ありません。

正露丸は一つの処方ではなくメーカーごとに異なる

大幸薬品正露丸商品ページ
正露丸 製品情報 – 大幸薬品株式会社

上記の他には大幸薬品のセイロガン糖衣Aなどが有名ですね。

ブランド名の訴訟にも発展したことのある「正露丸」と言う名前ですが、あまりにも有名で歴史も長く一般名としての要素が強いことから、明治時代に最初に正露丸の製造販売免許を取った会社の権利を引き継いだ大幸薬品には、完全な商標登録は認められませんでした。

ですので、現在でも正露丸は複数の製薬会社から発売されています。そして正露丸は、主成分が日本薬局方・木クレオソートであることが共通しているだけで、副成分はメーカーごとに異なります。

もっとも有名な大幸薬品の正露丸には生薬の日本薬局方・アセンヤクと言う、小腸の蠕動運動を抑制する作用を持つものが配合されています。また、他のメーカーでは、やはり生薬の日本薬局方・ゲンノショウコを配合したものもあります。

また、さらに別のメーカーでは、日本薬局方・ロートエキスと言う、胃痙攣を抑える薬が配合されたものもありますね。

このように、主成分こそ同じでもメーカーによって副成分の効果が異なりますので、最初にお求めになる際には薬剤師さんに相談して下さい。

大幸薬品は「ラッパのマークの正露丸」としてCMをやってますね。あのラッパのメロディーは、大日本帝国陸軍の「食事ラッパ」なんですよ。お腹の薬らしいメロディーです。

正露丸は下痢の原因菌を殺菌できないが下痢を抑える効果は抜群!

正露丸の主成分である木クレオソートは、昔には強い殺菌力を持っていると考えられていたことから「単なる殺菌剤で、ウイルス性の下痢やストレス性の下痢に効果は無い」と言った情報も、かなり多く流れています。

しかし、この情報は良くも悪くも誤っています。正露丸に含まれている程度の木クレオソートの量では、下痢を引き起こすような細菌を殺菌してしまうには足りません。

また、正露丸の持っている下痢止め効果は、ウイルス性であったもストレス性であっても、細菌性の下痢に対するのと同じ効果が発揮されます。

木クレオソートの持つ働きは殺菌ではなく静菌効果

まずは2005年に発表された論文から、木クレオソートの持っている、お腹に対する働きについて見てみましょう。

木クレオソートは消化管運動抑制効果及び消化管内水分分泌抑制効果を有することが分かった。一方、臨床用量を服用した場合、下痢を引き起こす外来性細菌を殺菌するのに必要な消化管内有効濃度に到達しないことが分かった。

このことから、木クレオソートの止瀉効果は消化管内の殺菌効果によるものではなく、消化管運動異常亢進に対する抑制効果と水分分泌異常亢進に対する抑制効果の2つの抑制効果によって成り立っていると結論付けることができる。

実際に、大幸薬品の正露丸の添付文書を見ても、木クレオソートの効果に殺菌と言う言葉は含まれていません。似たようなイメージの言葉としては「腸内静菌」と書かれているのです。

殺菌と言うのは、文字通りそこにいる細菌を殺すことです。ですので殺菌剤を使うと、例えば1000個いた細菌を1個に減らすことができます。

一方、静菌と言うのは細菌の増殖を抑え込むことです。抗生物質や抗菌剤でも多くはこの働きで菌を抑えています。これは、同じように1000個いた菌は、自然に死滅するまで1000個のままですが、増殖できなくなっているため、ゆっくり減ってゆくのです。

下痢は水分のバランスと腸の動きの異常

正露丸はよく効くお薬です。実際に飲まれた経験のある方は、飲んでからそれほど時間が経たないうちに下痢や腹痛が治まるといった経験をされた方も多いでしょう。でもよく考えてみて下さい。

正露丸は殺菌効果のない、静菌効果のお薬です。それに、殺菌効果が本当にあったとしても、菌を殺したところで、いったん始まった下痢や腹痛がすぐに止まるはずありませんよね。

菌がいなくなっても、菌が出した毒素や菌によって発生した炎症がなくなるわけではありません。では、なぜ正露丸によって下痢が止まり腹痛が治まるのでしょう。

これには2つの要素があります。1つは木クレオソートの成分であるα-メトキシフェノール(グアヤコール)による麻酔効果です。歯医者さんの治療で、綿球に浸して虫歯に詰め込み仮封するお薬ですね。

正露丸も虫歯の痛みを抑えるために、歯に詰めるという用法が添付文書にも示されていますが、この物質による麻酔効果を狙ったものです。歯医者さんのお薬のように純粋抽出したものではないので効き目は穏やかですが、弱い局所麻酔効果はあります。

もう1つは、大腸で起こっている異常を正常化する効果です。何らかの原因で下痢が起こる場合、大腸が異常に激しく動き、水分の吸収が抑えられ、逆に便に水分が与えられる現象が起こります。

これらの異常な動きを正常化する働きが木クレオソートにはありますので、大腸が激しく動くことによる腹痛や、便の水分量が多すぎることで起こる腹痛や下痢を抑えられるのです。

先の引用の通り、こうした正露丸の効果は21世紀になって判明してきた部分も少なくないのです。

それまでは、いわば「結果オーライ」的な使われ方をしてきた部分も少なからずあるということですね。

正露丸が効く下痢ってどんな下痢?分泌性下痢と運動亢進性下痢とは

分泌性下痢と言うのは、食中毒や食物アレルギー、医薬品の副作用などによって腸の粘膜が傷んでしまい、水分の吸収より水分の分泌が多くなったことが原因で下痢を起こすものです。

一方、運動亢進性下痢は文字通り腸の運動が異常に活発になってしまって起こる下痢です。充分便が形成されないうちに腸の内容物を肛門にまで押し出してしまうため下痢が発生すると言うものです。

分泌性下痢は食中毒などでよくおこる下痢

分泌性下痢は食中毒や毒素原性大腸菌などの感染によって起こる下痢です。有名なところでは旅行者下痢症と言う病気がありますね。かつて旅行者下痢症に正露丸が有効だとされたのは、殺菌効果があると信じられてきたからです。

しかし、先に紹介したように正露丸には殺菌効果はなく、静菌効果があるだけです。しかし、別の理由によって、旅行者下痢症だけでなく、何らかの毒素による下痢に有効であることが判りました。

この下痢は細胞にあるアニオンチャンネルと言う部分がかかわっています。アニオンチャンネルは塩素チャンネルとも呼ばれ、主に塩素イオンを中心とする陰イオンの細胞膜通過を行うものです。

細胞に毒素などの刺激が加わると、このアニオンチャンネルが開き、塩素イオンが腸の中に入ってくるのですが、その際に大量の水分も腸に送り込まれます。

木クレオソートにはこのアニオンチャンネルい直接働きかけることができます。それによって、アニオンチャンネルを水分吸収量に見合ったレベルにまで閉じる働きを持っています。

その結果、便の水分が適正レベルに落ち着き下痢が改善されるという効果となって表れるという訳なのです。ただし、人によって、あるいは飲み方によっては水分の分泌が抑えられすぎて便秘になる場合があります。

正露丸による水分分泌と吸収のバランスを整える効果

正露丸の副作用の欄にも、便秘は記載されています。

運動亢進性下痢は過敏性腸症候群の症状でもある

運動亢進性下痢は精神的ストレスがかかったり、冷えたり、暴飲暴食をしたりすると起こる下痢です。もちろん分泌性の下痢に刺激されて運動亢進性下痢も連動します。

冷えも暴飲暴食も、そして大腸内への水分分泌が増えること自体も肉体的ストレスになっていると考えてもいいでしょう。

このようなストレスに関係するホルモンがあります。副腎皮質刺激ホルモン放出因子と呼ばれるもので視床下部から出てくるペプチドホルモンです。

これがたくさん放出されると、大腸の蠕動運動が激しくなって、その度合いによっては腹痛と下痢が生じます。こうした際に正露丸の主成分である木クレオソートを投与すると、大腸の蠕動運動が正常化されました。

しかし、こうした脳の重要な部位から分泌されるペプチドホルモンによる働きを抑制する可能性が示唆されると、もしかして身体に悪いんじゃないかと言う不安も生まれますね。

実際に、正露丸は神経毒で大腸を麻痺させているなんて言う記述もネット上では見られます。

しかし、これは杞憂です。大腸の蠕動運動が正常化されたという動物実験を行った際に、もともと大腸の運動が正常であった実験動物に臨床量の5倍量の木クレオソートを投与しても、蠕動運動を過剰に抑制することはなかったと報告されています。

つまり正露丸は、過剰になった蠕動運動を正常な運動に戻す働きはあるけれど、水なしで飲める一部の下痢止めに見られるような、蠕動運動そのものを抑え込むほどの力はないと言うことです。

つまり、正露丸はよく効くけど、なぜ効くのかと言う本質の部分は使われ始めて100年後になって初めて見えてきたということなのです。

正露丸はよく効くお薬!・・・でも副作用も危険性もある

さて、ここまでは正露丸の正しい働きについて、ベネフィットの部分を中心に見てきましたが、正露丸も医薬品ですから必ずリスクが付きまといます。

そこで、今度はリスクの部分と、そのリスクを避ける方法について見てみましょう。やはり、比較的意外な内容もあるんじゃないかと思います。

正露丸を飲んではいけない人もいるが比較的少ない

正露丸を飲んではいけないと明記されているのは、次のような人です。

  • 正露丸自体や正露丸の成分でアレルギーを起こしたことのある人
  • 5歳未満の乳幼児
  • 他の下痢止めを飲んでいる人

5歳未満の乳幼児は、のどに詰める恐れがあるからダメなのだそうです。

また、注意しなくてはいけないから、お医者さんや薬剤師さんに相談してから使わないといけないとされている人もいます。受診して治療を受けている人は、もちろんそのお医者さんに相談が必要ですし、お薬の代謝や排出に関連する肝臓や腎臓に病気がある人も対象です。

その他、主だったものは正露丸以外のものに対するアレルギーや、血縁者にアレルギー体質の人がいる場合と言った、アレルギーに関するものです。また、高齢者や妊娠授乳中の人と言う、お薬の注意書きには必ず注意を促される人たちです。

そうした中で、特に注意しておきたいケースがあります。これを見落とすと大きなトラブルに見舞われる可能性があります。

  • 発熱を伴う下痢がある人
  • 血便のある人
  • 粘液便が続く人

これらの症状は重い感染症である場合があります。例えば腸管出血性大腸菌O157による腹痛や下痢ではこうした症状が伴いますし、その他の食中毒やウイルス性の下痢でも、ここまで重い症状が出た場合は、原因物質を早く排泄してしまった方が良いことが多いですね。

ですので、お医者さんや薬剤師さんに相談して、下痢による脱水症状などのリスクと、原因物質の排泄時間とを見比べて、飲むか飲まないかを決めることが大切になります。

正露丸自体は腸の正常な蠕動運動まで止めてしまい、O157などの原因菌を腸の中にとどめてしまうタイプのお薬ではありません。ですので、正露丸を飲んだら悪いものが身体の中に残るというのは誤解です。

しかし、下痢のように激しいスピードで排泄するのに比べると、正常な腸の運動では少し余分に時間がかかるのも事実です。ですので、血便や高熱を伴う場合には、受診か、最低でも薬剤師さんへの相談が求められるのです。

正露丸よりよく効くお薬もある

下痢止めとして最も効き目が強く、処方箋薬でも第一選択になるものがあります。ロベミン(一般名:ロペラミド塩酸塩・ジェネリックは一般名でたくさん存在します)と言うお薬です。

効き目としては、腸の蠕動運動を抑え、水分吸収を向上させると言う、正露丸の主成分である木クレオソートと同じ働きです。しかし、特に蠕動運動を抑える力は強力です。しかも一般市販薬として、薬店でこの成分が配合されたお薬を買うこともできます。

正露丸とロペラミド塩酸塩の排便に対しての効果

このお薬は、オピオイド(アヘン類縁物質)と呼ばれるグループに属していて、いわばモルヒネやヘロインの仲間です。しかし、依存性はほとんどなく、超高用量(医療用の数百倍)用いた場合に麻薬的な効果がある程度です。

しかし、副作用として眠気をもたらすことが知られていて、このお薬を飲んだ後は運転などをしてはいけません。また、このお薬は腸の運動を強力に抑制しますので、人によってはひどい便秘になってしまうこともあるようです。

正露丸やロべミンに限らず下痢止めを飲んではいけない病気がある

先に正露丸を飲んではいけない場合で紹介した、「発熱を伴う下痢」「血便がある」「粘液便が続く」という場合では、原因菌やウイルス、原因物質を少しでも早く出してしまうために正露丸を飲んではいけないと言うことでしたね。

その理由から見ると、正露丸に限らずどんな下痢止めであってもこうしたケースでは使わない方が良いということです。市販薬を求める場合でも、必ず薬剤師さんに症状を伝えて相談する習慣を身に付けましょう。

合言葉的に「『血・熱・粘液』に下痢止めはNG」と覚えておきましょう。粘液便は過敏性腸症候群の分泌型でも見られる場合がありますが、赤い色の粘液便は赤痢などのように正露丸を飲まない方が良い時に出ることもあります。

ですので、熱がある時や血便や粘液便が出た時には、自己判断で市販薬を求めず、必ず薬剤師さんに症状を伝えてお薬を選んでもらいましょう。

下痢は止めた方が良い場合と止めない方が良い場合があるので注意が必要です。家に正露丸や他の下痢止めがあったからと言って、安易に飲んではいけません。熱や血便などがなければ、飲んで様子を見てもOKでしょう。

お薬による副作用を避けるには正しい服用方法を守ること

正露丸に限らず、お薬は正しく飲まないと副作用が出ます。ですので、まずはお薬を正しく飲むという習慣を身に付けましょう。

さすがにビールでお薬を飲むという前時代的な人は、もうめったに見られないと思いますが、意外に常識的な人でも正しくない服薬習慣を持っておられる方は少なくないのです。

薬を飲む場合は最低180mLの水か白湯で飲む

これが意外にできていない人が多いのです。もちろん、お薬によっては「○○mLの水で飲む」と言うことを明記してある場合もあります。そうした場合を除いて、すべてのお薬は180mL以上の水か白湯で飲んで下さい。

また、必ず水か白湯でないといけません。清涼飲料水やお茶、コーヒーなどの嗜好品飲料、お酒やビールなどのアルコール飲料などは全部NGです。

細かいことを言えば、そうした個別の嗜好性飲料とお薬は組み合わせによって大丈夫な場合もありますが、それをすべての薬について覚えるよりは、最初から水か白湯で飲んでおく方が楽です。

この理由として、水か白湯以外ではお薬の効き目をスポイルするということがよく言われますが、それだけではありません。薬が吸収されて効くまでの時間が、水か白湯が一番短いからなのです。

さらに、充分な量で飲まないと、お薬が消化管のどこかにくっついて、そこでゆっくり溶けることで非常に高濃度な薬液が消化管に傷をつけることがあります。食道で潰瘍が起こるケースも珍しくないんですよ。

糖衣錠ではない、昔ながらの正露丸では、もしかすると今のお薬よりこうしたことに敏感であるかもしれません。

用量と用法は必ず守って飲む

1回3錠と書いてあったら、絶対に3錠を超えて飲んではいけません。処方箋薬の場合、お医者さんが患者さんの年齢・性別・体格・生活習慣から既往症に至るまでを勘案して量を決めて下さいますが、市販薬はそうではありません。

ですので、最大公約数的な用量となっていますが、これは副作用のリスクが一定レベルを超えない最大量として製薬会社が決めた数値ですので、決して超えてはいけません。

市販薬は、意外にその用量を無視して多く飲む人が多いとも聞きますが、どうしてもたくさん飲みたいのであれば、受診してお医者さんの判断を仰いで処方してもらいましょう。

また、食前・食後などの指示も守らないと、お薬の効果が出なかったり副作用が強く現れたりします。

そして、服用間隔と言うのも重要ですね。1日1回のお薬であれば、大抵毎日同じ頃に飲むのでトラブルも少ないんですが、1日2回とか3回とか言う場合には、服用間隔に注意しておいて下さい。

1日3回服用タイプのものでは4時間以上、2回服用タイプのものでは6時間以上の間隔をおいて服用してください。また、飲み忘れた場合は特に指示がない限り、次の時も同じ量を飲むのがルールです。

前回飲み忘れたからと言って、次の時に2回分飲むと言う行為は非常に危険ですので、絶対にやってはいけません。

血液の量は体重に比例しますから、血中濃度をキープするには体重が2倍になればお薬も2倍必要になります。しかし、肝臓や腎臓がお薬を代謝し排泄できる量は必ずしも体重に比例しません。

ですので、自分は体重が重いからと説明書より多い量を飲むと、どんどん血中濃度が上昇して大きな副作用につながることがあるのです。

下痢の時に最優先しなければいけないのは脱水症状の予防

下痢で問題になるのは、水分と電解質が大量に出てしまうことによる脱水症状です。ですので、酷い下痢の場合には受診して電解質を含んだ点滴を行ってもらうことが良いでしょう。

一方、点滴は大げさだと言うときには、下痢止めを利用して、同時に水分と電解質の補給を行うことが求められます。

経口補水液は様子を見ながら飲む

下痢止めを飲む場合でも、その後の排便の様子をしっかり見て、水分を失った量が多すぎると感じたら経口補水液を利用するのも悪くありません。

ただし、経口補水液には1日当たりの目安量が設定されています。いくらたくさん水分を失ったからと言って、2Lも3Lも飲むのは行き過ぎです。設定された目安量に従って、それ以上の分は水やお茶で補いましょう。

そもそも、その目安量で追いつかないぐらいであれば、受診して治療を受けた方がいいですね。

水分はゆっくり少しずつ補給するのが良い

水分はくれぐれも一気飲みしないで下さい。たくさんの水分を一度に流し込んでも、効率よく吸収できませんから、チビチビと飲んで下さい。

また、一気に飲むと胃腸を刺激して下痢が悪化するかもしれませんので、そうした飲み方はやめましょう。

さらに、人肌程度に温めた飲み物の方が刺激が少なくて良いかもしれません。市販の経口補水液も加温して飲むことは差し支えないとされています。

下痢の際に口やのどが乾いて仕方ないのに、飲もうと思っても気持ち悪くて水が飲めないとなったら、すぐに病院に向かってください。脱水症状は危険なのです。

正露丸は歴史あるお薬なので歴史的なお話もたくさんある

正露丸がこの世に登場したのは明治35年、1902年のことです。大阪の中島佐一薬房と言うお店が「忠勇征露丸」と言う名前で営業免許を取得したのが始まりです。

ちょっと現在とは字が異なりますが、この2年後の1904年に日露戦争が始まったことを考えると、そうした時代背景が見えてくるような気がしますね。

日露戦争時には陸軍が作って陸海軍に配布していた

日露戦争開戦の前年には、木クレオソートにチフス菌を抑える効果があることを当時の陸軍軍医学校の先生が発見しています。

そのことから、当時は感染症だと考えられていた脚気にも効くはずだと考えた、第2軍軍医部長の森林太郎(ペンネーム:森鴎外)が全軍に服用するよう計らったと言うことです。

残念ながら脚気はビタミンB1欠乏症ですから、まったく効果がなかったわけですが、全軍が正露丸を飲んでいたおかげで、腹痛や下痢で戦線を離脱する人が激減したという実績が残っています。

また、当時から歯痛に効くことも知られていましたので、前線で戦う兵士たちにとってはありがたい薬だったようですね。

さすがに征露丸は具合が悪いので正露丸になった

日露戦争ののち、軍の正式装備品としての配給はなくなりましたが、軍の常備薬としては太平洋戦争時でも用いられていたようです。

そして、自衛隊も海外派遣の際には糖衣錠を装備して海外での任務に当たっています。

第二次世界大戦後には、さすがに「征露丸」では特定の国に対して攻撃的過ぎると判断したのか、「正露丸」と改められています。でも、実は1社だけ昔の名前で作っているところもあるらしいですよ。

森鴎外は日露戦争の後、軍医総監中将と言う、軍医のトップに上り詰めてから退役しています。医学博士で文学博士、しかも軍医のトップで文豪、なんだか凄いですよね。
キャラクター紹介
ページ上部に戻る