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糖尿病患者にはNG!?間違った糖質制限食がもたらす危険性

食べたいものを食べたいだけ食べられない苦痛を伴う食事制限。いくら治療の一環と言われてもと、我慢できない人も多いはずです。そんな中、糖質制限という言葉が流行り出しました。糖質(炭水化物)をとらなければ他は何を食べてもいい。そんな夢のような話、果たして本当なのでしょうか。

糖尿病と炭水化物

糖尿病は糖分が尿中に出てくることが問題なのではありません。血液中の糖分を細胞たちが取り込めず、溢れかえってしまうことが問題なのです。それにはインスリンという、細胞が糖分を取り込むための箸の役割をする物質が関わってきており、この箸が少ない、機能しないのが糖尿病というわけです。

血液中の糖分が多すぎる(高血糖状態)のも問題ですが、糖分は細胞たちのエネルギー源なので、少ない(低血糖状態)のもまた問題なのです。

したがって、糖尿病であっても、ある程度の糖分は必要になってきます。そうしなければ身体は無理な代謝を行って、身体の筋肉を分解しながらエネルギーを絞り出さなければならなくなるからです。

カーボカウントと糖質制限

日本では長らく食品交換表というものを使って糖尿病の食事指導をしてきました。これは1単位を80kcalとして、1日に何単位食べれば良いかを示したものです。

ですが近年、カーボカウントという考え方が、アメリカから入りつつあります。これは食品中の炭水化物の量に着目したもので、血糖値のコントロールに重点を置いています。

カーボカウントは血糖値をコントロールしやすいというメリットがありますが、エネルギー源がたんぱく質と脂質に偏るため、体重管理には不向きであり、栄養バランスも崩れやすいというデメリットがあります。

糖質制限とカーボカウントの考え方は基本的には同じですが、糖質制限はより厳密に炭水化物の摂取を控える方法として認識しておくと良いでしょう。

カーボカウントも糖質制限も医師や栄養士の管理の下、身体の状態をよく把握した上で行われなければなりません。また、日本でこの考え方を取り入れている医師は少なく、日本糖尿病学会も糖質制限に関しては否定的です。

実施されている期間が短く、糖質を抑えた食事を続けることでどんな影響があるのか分からないという問題があるのです。

糖質制限を行う危険性

これまでは漠然とした問題点を上げてきましたが、より具体的な問題点をいくつか紹介したいと思います。

第一に、糖質制限は日本人にとって多大なストレスになるという点です。日本人は米という主食を食べる文化を持っており、その米をほんの少量しか食べない、あるいは全く食べないということは大きなストレスになってきます。

ストレスは血糖値の維持にも影響を与えます。また、このストレスに耐え切れなくなったとき、食欲を抑えきれなくなって大量にご飯を食べてしまうということも考えられますし、実際に医療現場でもそのようなことが起こっています。欧米人には向いていても、日本人はそのストレスに耐えられない可能性が高いのです。

次に、薬物との関わりがあります。日本では血糖降下薬として様々な薬が用いられていますが、糖質制限を行うとそれらが効きすぎてしまう恐れがあるのです。また、薬の種類によっては腎臓への負担が大きくなることもあります。すぐにインスリン注射による治療を行うアメリカとの違いはこういったところにもあるのです。

また、糖質制限は動脈硬化を進行させる危険性もあります。先ほども説明した通り、糖質制限を行うと食事のバランスがたんぱく質と脂質に大きく偏ります。糖尿病の恐ろしさは合併症にあるので、血糖値はコントロールできても他の病気になってしまっては元も子もないのです。

血中の脂質が上がると動脈硬化が進行しますし、たんぱく質の摂取が多ければ腎臓に負担がかかり、やがて透析のリスクが上がります。

体重を落とせば改善できるはずの血糖値が、脂質過多のために改善出来ない可能性もあります。バランスのとれていない食事を続けると、身体のどこかで無理が生じてしまうのです。

これまでは糖尿病治療と糖質制限について説明してきましたが、最近はダイエットにもこの考え方が広がってきているようです。

しかし、糖質制限のダイエットは6ヵ月で体重が落ちなくなるという科学的な根拠が得られており、リバウンドを起こすという問題点があります。こういった点からも、糖質制限が決して健康的ではないということが分かるかと思います。

糖質制限という考え方の流行で、炭水化物は身体に悪いものという風潮がありますが、そうではありません。食べ方を間違わないということが大切なのです。まずはきちんとバランスのとれた食事を心がけ、自分の身体を大事にするようにしてください。

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