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糖尿病に良いのは牛肉?豚肉?実は人それぞれに個性があるのです

糖尿病の治療に糖質制限が有効であることは、もはや常識になってきました。まだ病院などではカロリー制限を主にした食事療法をしているようですが、今日お話しする内容は、そのどちらにも共通することなのです。

夕食にお肉を80g、およそ160~240kcal分くらい食べるとしたら、血糖値の上昇に繋がらないのは牛肉と豚肉のどちらでしょうか?正解はありません。それが今日お話しする内容なのです。

常識の限界

病院で行われる栄養指導に従った場合、カロリーが一緒なら関係ないという話になります。カロリーが同一なら、牛肉と豚肉の間に赤身と白身の比率の差はそれほど発生しませんから、たんぱく質と脂質の摂取量は同じという事になるわけですね。

一方で糖質制限食の常識に従った場合、牛肉も豚肉もほとんど糖質を含んでいませんので、どちらも血糖値は上がらないという事になります。

個人的体験

ところが私の場合、牛肉を食べた場合だけ血糖値が上がってしまうのです。もちろん調味料や主食、他のおかずの影響を排除した上での話であることは言うまでもありません。そして通常は、食後30分ぐらいから2時間ぐらいの間に血糖値の変動があるのですが、この場合は夕食に食べて翌朝の空腹時血糖の値が大きく変動するのです。

原因は糖質とカロリー以外

食べてすぐの血糖値変動ではないという事は、糖質が取り込まれて血糖値を上げたことによる影響ではないという事です。また、食べた翌朝に反応するという事は、体重の増加などでインスリン抵抗性が出て血糖値が上がるには、短期間すぎるとも言えるでしょう。

では、いったい何が原因なのでしょうか。多分たんぱく質や脂質の成分のうち、牛肉の方に肝臓での糖新生に使われやすい比率があるとか、糖新生を抑えるインスリンの働きを阻害する要素があるとかという想像はできます。しかし、そんな話は他で聞いたことがありません。

ということは、私だけに起こっているということになりますから、原因不明なのです。でも、そうした現象が繰り返されると分かっていれば、肉を食べる時でも牛肉を減らして、豚肉や鶏肉にするという選択ができます。

常識の非常識

糖尿病患者が糖質を食べる場合、一般にはうどんより蕎麦の方が好ましいと言われます。確かに挽きぐるみの黒っぽい蕎麦なんかは、いかにも食物繊維多めで、血糖値の上昇がマシなんだろうなって思いますよね。ところがどっこい、私の場合蕎麦とは相性が悪いんですよ。

他の何より蕎麦を食べた時の食後高血糖の値と時間が最悪なんです。蕎麦アレルギーはないんですけれど、これまたまったくもって原因不明なんです。常識的に見れば、GI値が80前後のうどんに比べれば60前後の蕎麦の方が、絶対血糖値の上りは少ないと思うんですけどね。

正直なところ、苺ショートケーキといい勝負をするくらい、血糖値の上昇スピードと上昇幅があるのです。多分これも他の人には当てはまらないでしょう。私の個性だと思っています。だからやむを得ず麺類を食べる時はラーメンにしています。

嘘みたいな話ですが、実は一番マシなんですよ。油分が多くて糖質の吸収が遅れるということと、具にたんぱく質や脂質が多いからスープを残しやすい、というのも一因かもしれません。

自分の事情に合わせた食事を

糖尿病に限らず、食事制限の必要な病気治療は一生続けるものですから、個性に合わせたメニューを作り上げるのが秘訣になります。例えばアレルギーでお悩みの方は、アレルギーを引き起こす食品を避けますよね。また、アレルギーの度合いに応じて、量を控えるだけなのか、完全に排除するかの違いも現れます。

糖尿病の食事療法も同じなんです。病院でこう言われたからその通りにした、著名な先生の本に書かれていたからその通りにした、では、好ましい結果は得られにくいでしょう。食べ物に対する自分自身の体の反応を、注意深く見守ることが大事なのです。では、どのように自分の体の反応を見るのが良いのでしょうか。

SMBGのススメ

SMBG、どこかの銀行みたいな名前ですが違います。血糖自己測定(Self Monitoring of Blood Glucose)の略号なんですよ。自分で指先から血液を一滴の数分の一程度絞り出し、専用の小さな機械の測定電極に吸い込ませて測る、ごく簡単な作業です。

血を出すといっても、ばね仕掛けの道具で一瞬チクっとするだけですから、子供でも大丈夫な程度です。ばね仕掛けといえば、ガムを勧められて引っ張り出すとばねで指を挟まれる、といういたずら玩具が昔ありましたが、あれよりずっと痛くないですね。

SMBG装置の購入と代金

1型糖尿病などでインスリン自己注射を行っている人なら保険適応なのですが、それ以外の人は自費になるので、ちょっとお金がかかります。測定機本体は1万円~1.5万円くらい、測定用電極は1枚(1回分)100~120円くらい、採血用の針は1回分20~30円くらいでしょう。

私はアキュチェックアビバという、割合メジャーな測定器を使っています。消耗品は上手く探せば、もうちょっと安く買えますよ。

どのように使うのか

最初はちょっともったいないですが、様々なシーンで測定して、それをメモしておきましょう。もちろんその時の食事メニューも忘れずに。基本は次のような時に使います。

  • 起床時の空腹時
  • 食前
  • 食事開始後30分
  • 食事開始後60分
  • 食事開始後120分

ですが、これだと一日に13回測ることになります。朝食の食前値は起床時ので置き換えても良いですが、それでも12回ですよね。最初の一日二日は珍しいもの見たさも加えてこの程度の測定をやっても良いですが、まずは自分の傾向をよく見てみましょう。

でないとお金がもったいないです。一般的には、食事開始後30分から1時間ぐらいで血糖値は上昇のピークになり、2時間後には食前より少し高い程度まで下がるはずです。もし2時間値が1時間値よりまだ上がっていたりする場合は、3時間値も測定しましょう。

何を知るのか

最初に知るべきなのは、毎朝の空腹時血糖ですね、これは基本です。

  • ~100mg/dL 正常
  • 100~109mg/dL 正常高値
  • 110~125mg/dL 境界型
  • 126mg/dL~ 糖尿病

以上が糖尿病診断の一つの基準ですので、これを参考にするのが良いでしょう。ただし、一度糖尿病と診断されてしまった人は、たとえ空腹時血糖が常に100mg/dL未満であっても糖尿病が治ったという扱いにはならず、コントロール優秀な糖尿病患者という事になります。

血糖値の変動に個性が出る

食後の血糖値については、次のようなことに注目して下さい。

  • 血糖値のピークと下がるタイミング
  • 食べた物とピーク血糖値の関係
  • 食べた物と血糖値が上昇している時間の関係
  • 思ったより血糖値が上がった食べ物(と組み合わせ)
  • 思ったより血糖値が上がらなかった食べ物(と組み合わせ)

この辺りについては、几帳面に毎食測定する必要はありません。自分で興味が向いた時に測定してみて、自分の身体の癖をつかみましょう。先にお話しした私の癖、牛肉で血糖値が上がるとか、蕎麦の方がうどんより性質が悪いなどは、どうなんだろうと思った時に測って得られた結果なのです。

続けることが大事

どの食べ物が自分の身体に合って、どれが合わないという傾向がつかめたら、血糖値の測定は毎朝の空腹時血糖だけでOKです。さらにコントロールが安定してきたら、2~3日に1回でも問題ありませんよ。一方で、滅多に食べない物を食べたり、ちょっと食べすぎたなと思った時などは随時測ってみましょう。

意外な発見があるかもです。さらに、病気でもないのに何となく体調が悪い時というのも、測定に良いタイミングです。血糖値が上がっていたり、逆に下がり過ぎたりしていることもあります。そうした場合は、2~3時間のうちに何か変わったことをしたとか、逆に食事を抜いていたとか、思い当たる節があれば、それはそれで自分の個性と健康の管理に役立つデータになります。

病院などで指導される栄養管理は、役に立つ部分もありますので、基本はしっかり学んでください。その上で、自分の身体に合った対応を早く見つけて生活に取り入れる、これが糖尿病コントロールの秘訣なのです。

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