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シナモンに血糖値を下げる効果あり?!スパイスの持つ秘めたる力

シナモンと言えば、シナモンロールやシナモントースト、アップルパイといった、甘いお菓子の材料というイメージではないでしょうか。他にも紅茶やカクテルに使われたり、意外なことに辛い料理にもよく合うそうです。

独特な香りと甘みがあり、「スパイスの王様」とも言われています。そんなシナモンですが、実は美味しいだけでなく様々な効果も期待できるようなのです。そのひとつが血糖値を下げる効果です。お菓子に使われるスパイスで、本当にそのような効果があるのでしょうか。

シナモンは世界最古のスパイス

シナモンの歴史はとても長く、世界最古のスパイスのひとつとされています。薬にも宗教儀式にもかかせないスパイスで、すでに紀元前4000年ごろのエジプトでは、ミイラを作る時の防腐剤として使われていた記録があります。

中国最古の薬物書とされる「神農本草経」にも、その記載があるとされます。日本には8世紀前半に伝わったとされ、正倉院の宝物の中にもシナモンがあるそうです。漢方薬にも使われていて、桂皮と呼ばれます。

実は、一般的にシナモンとして売られている商品には、カシアという植物が使われているものも多くあります。シナモンもカシアもどちらも同じクスノキ科ですが、違う属の植物になります。その樹皮をはがして乾燥させたのが、このスパイスです。

この二つはかなり昔から混同して使われていて、現在でも同一に扱われることがほとんどです。シナモンの原産地はスリランカ、カシアはベトナムなどになります。カシアのほうが香りは強いですが、シナモンのほうが上品で繊細な香りと言われます。

スティック状にしたときの形状には違いがあります。シナモンは「シナモンスティック」のイメージそのもので、筒状にカールしています。それに対してカシアはあまりカールしていなく、樹皮そのままといった感じです。

風味は似ているシナモンとカシアですが、成分の含有量などには違いがあります。主成分は桂皮アルデヒドというものです。通常シナモンパウダーとして市販されているものは、シナモンとカシアが混ざっていることが多くなります。そして全て合わせてシナモンと呼ばれています。

シナモンが血糖値を下げる!

シナモンは昔から薬としても使われてきました。例えば芳香性健胃薬として、吐き気や食欲不振などに効果があるとされています。そして、糖尿病に対しても効果があるのではないかとして、現在研究がされています。

糖尿病に有効とされる研究結果あり

1型糖尿病患者、2型糖尿病患者、健康な人を対象に、シナモンが血糖値などにどう影響するかを調べた研究が、いくつか行われています。1型糖尿病とは、生活習慣などとは無関係にインスリンが欠乏してしまうタイプの糖尿病です。

2型糖尿病は食事や運動などの生活習慣が原因で、インスリンの作用が低下するタイプの糖尿病で、日本人の糖尿病患者の9割以上にあたります。2型糖尿病患者や健康な人が、シナモンやカシアを粉末状にして1日あたり1~6gで飲み続けたところ、血糖値が下がったり、食後の血糖値の上がり方を抑えられるという結果が出ました。

またコレステロールや中性脂肪にも、良い影響があったようです。ただし、全ての研究で良い結果が出ているわけではありません。同じようにシナモンを続けていても(研究によってシナモンの量や服用期間はまちまちです。)、特に血糖値やコレステロール値が変わらなかったという結果もあります。

シナモンは消化酵素の働きの邪魔をする

シナモンには、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼの働きを邪魔する作用があることが分かっています。これはどちらも消化酵素で、食べ物として体内に入ってきたデンプンを分解し、最終的にブドウ糖に変えます。

分解されたブドウ糖が小腸まで送られ、ここで吸収されていきます。小腸はデンプンのままでは吸収ができません。ブドウ糖にまで分解されて、初めてその栄養素を吸収できるようになります。

そして、小腸から吸収されたブドウ糖は血液中に入ります。血液中にブドウ糖が増えると、血糖値が上がります。食後はどんどん食べ物が消化・吸収されていき、血液中に入るブドウ糖が増えるために、血糖値が急に上昇してしまうのです。

この消化の段階で、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼの働きが邪魔されてしまうと、デンプンがブドウ糖にまで分解されるのに時間がかかってしまいます。そして小腸はなかなかブドウ糖を吸収できなくなり、血糖値は急には上がらなくなります。

つまりシナモンがα-アミラーゼやα-グルコシダーゼといった消化酵素の働きを邪魔することで、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができると思われるのです。これらの研究がもっと進んでくれば、糖尿病予防の可能性も広がるかもしれません。

とは言え、まだまだ研究段階です

シナモンは血糖値に対して、何らかの良い影響があるのではないかと思われます。ただ今のところ、シナモンが糖尿病にどのような効能・効果をもたらすかなどを調べた臨床研究は、十分とは言えません。

効果があったという結果がある一方、何の効果もなかったという結果も出ているのです。もっとたくさんの研究が行われて、十分に検証されていくことを期待したいと思います。

服用には注意も必要です

シナモンの糖尿病に対する効果は、今のところはっきりしていませんが、もしサプリメントとして使用してみようと思われた場合には、いくつか注意が必要です。

まず現在糖尿病で薬を飲んでいる方は、追加でシナモンのサプリメントを飲んでしまうと、血糖値が下がり過ぎてしまう恐れがあります。お菓子に入っている程度のシナモンでしたら心配しなくても大丈夫ですが、サプリメントで飲むのは止めてください。

また食事で摂るくらいの少量のシナモンでしたら問題ありませんが、サプリメントとして比較的多い量を、しかもある程度長期で続けて飲んでいくといった場合には、その安全性がまだ確認できていません。シナモンにはクマリンという成分も含まれています。

これは桜の葉などにも含まれていて抗菌作用もある成分なのですが、日常的に摂り続けると肝障害が出てしまう可能性もあるのです。ドイツでは、シナモンを過剰に摂ってしまうことで健康にリスクが出ることも否定できないとして、注意するように言われています。

妊娠中、授乳中にサプリメントのような形で大量に摂るのも止めてください。お菓子や料理に含まれている程度の量でしたら、心配しなくて大丈夫でしょう。スパイスとしては長年使われてきている成分ですから、安全性は高いといってよいと思われます。

シナモンにはこんな効果もあり

シナモンには長い歴史があります。その中で、他にもいろいろな効果があるとして使われてきました。

  • 胃のむかつきをとって食欲を増進させる
  • 下痢、吐き気、腹痛を改善する
  • 腸の中のガスをとって、お腹の張りを改善する
  • 風邪の症状をやわらげる
  • 生理時の不快感をやわらげる
  • 熱を下げたり痛みをやわらげる
  • 血行を良くする など…

これらの有効性については、きちんと研究された信頼できるデータがあるわけではありません。しかし長年、薬としても使われてきたスパイスですから、何か気になる症状があれば試してみても良いのではないでしょうか。

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