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行儀の悪い食事で【膵臓】を休ませて糖尿病の原因を取り除こう

昔流のお行儀のよい食事、例えば「毎食を決まった時間に食べる」「食事は急がず、それでいて食事に集中して食べる」「どれか一つに集中するのではなく、まんべんなく順序良く食べる」「食事は中座しない」「出されたものは全部食べる」などなど。

こうしたルールには、実は健康を維持するために大きな意味がありました。それはすなわち口にした食べ物を効率的に身に付け、太るために作られた、まだ飢餓が現実のものであった時代のルールなのです。

そうなってくると、過食が健康を害する恐れのある現代におけるお行儀とは、どんなものなのでしょうか。実際の生活パターンを想像しながら見てゆきましょう。

お行儀も時代とともに変わります

価値観は時代とともに変わります。例えば有名なグリコキャラメル。コピーは「一粒300メートル」。昔はこれを「一粒食べたら300m走れるエネルギーになる」(実際にそれに相当するカロリーがあるようです)というポジティブな内容だったのですが、現在では皮肉にも「一粒食べてしまったら300メートル走らないと消費できないカロリーがある」という意味合いにとられてしまいかねません。

そして本題のお行儀です。行儀とは「作法にのっとった行動」ぐらいの意味合いですが、何となく難しく感じられるものですね。その行儀には、実は大まかに分けて二つの側面があります。一つは対人関係を円滑に保つための行動規範、もう一つは自分自身の健康や安全を守るために無意識に取る行動の原理です。

例えばお食事の時、どれを食べようかと箸を食べ物の上で逡巡させる「迷い箸」、これは一緒に食事している人に不快感を与える行為ですから、それをいけないこととする行儀は、対人関係を円滑に保つための側面ですね。

一方、一日三食を決められた時間に食べる、食事の時間には家族そろって食べるなどというのは、不規則な食事によって健康を害さないようにとか、家事労働の手間を効率化で減らすなど、実利的な部分を行儀というルールに置き換えたと言えるでしょう。今回は後者を見直しの対象として、お話ししてゆきたいと思います。

ぐずぐず、だらだら…

前提として、一日に食べる食事の合計量は同じとしておいてください。これに差が出ると別の問題が発生します。その上で、ある人物の休日の朝から一日を見てみましょう。ちょっと長くなりますが、生活パターンを考える上で必要なのでお付き合い下さい。

朝食はだらしなく

ウィークデーの習慣で、いつもと同じ時間に起きたのはいいけど、朝はおなかが減りません。電車に間に合わせなきゃいけない訳じゃないし、テレビを見ながらソファーでごろごろ。ちょっと喉が渇いたのでお茶を少々。朝起きてすぐに行ったのに、一時間もするとトイレに行きたくなって小さい方を…思ったよりよく出ます。

で、手を洗って出てきたら、何となくお腹がすいたので朝食という事にしましょう。冷たい野菜ジュースと目玉焼きにハム。トーストは1枚、バターとジャムをたっぷりつけて…あとはチーズサラダ。取り敢えず手間のかからない野菜ジュースを飲みながら、ネットで健康サイトを巡回します。

やっぱりこれだけじゃ物足りないので、面倒だけどトーストにも取り掛かりましょう。雑誌を読んだりテレビを見たりしながら、トーストと野菜ジュースを一時間以上かけてぐずぐずと。子供のころなら絶対お母さんに叱られますよね。大人にだけできる特権を満喫です。

バターとジャムのおかげで体が温まってきたので、散歩にでも出かけることにしました。もう朝起きてから2時間以上も経って、お日さまも高く昇っています。ぶらぶら街を歩いていると、開店準備にかかっているレストランの前に、今日のランチの予告が貼ってあります。

昼食はおやつの時間に

目に留まったのは「ブロッコリーとアンチョビのパスタ」、これは美味しそうですね。でもお値段は…休日という事もあって結構リッチです。家で作ることに決定しました。アンチョビはチューブ入りのペーストが冷蔵庫にあるので、ブロッコリーを仕入れましょう。

そしてただのスパゲティじゃ物足りないので、スーパーに寄ってフェットチーネを買って平打ち麺を楽しむことに決定しました。ニンニクと唐辛子も忘れずに。家に帰ると、卵とハムを冷蔵庫から出したままです。チーズサラダも。取り敢えずそれを食べながら音楽を聴いて、読みかけの雑誌に戻りました。

おっと洗濯もしないとだめですね。ハムとチーズをつまみながら洗濯機を回します。しばらくして友達から電話、ついつい長話になりました。目玉焼きをつつきながら話してたら「何食べてるの?」と友人に突っ込まれたり。

電話を切ると、なんだか疲れたのでソファーに寝転がったら一時間ほど寝ちゃいました。気づけばお昼をかなり回っちゃってます。空腹と言うほどではないけど、たぶんそのうちお腹がすくでしょうから、予定のパスタメニューの調理に取り掛かります。

DVDを見ながら食べて、冷めちゃってもスパゲティボールにならないよう、オリーブオイルはちょっと多めに絡めました。さて、至福の時の始まりです。DVDが終わるともう夕方、夕食はどうしましょうね。

健康に良いのか悪いのか

いかがでしたでしょう。文中にもあった通り、子供のころならお母さんに「行儀が悪い!さっさと食べてしまいなさい、片付かないでしょ」と叱らせること請け合いです。しかしながら平日の生活と見比べた場合、上の休日の過ごし方のほうがずっと健康的と言えるのです。

例えば、朝起きてすぐに上のメニューを20分で平らげて出勤、お昼にはパスタメニューを15分で食べて仕事に戻らなきゃならない。見た目にはけじめがついて行儀もよくて仕事の効率も高いからその方が良く、休日は怠けているだけにも見えますね。

そこでちょっと試算してみましょう。何を計算するかと言うと「肥満ホルモン」という別名を持つインスリンが、どの程度出るかと言う事です。概算ですが朝食、昼食とも650kcalと糖質が70グラムぐらい含まれています。

夕食とおやつにもよりますが、健康な若い人であればまぁまぁいい線でしょう。で、糖質制限で有名な先生のお言葉を借りると、この食事を平日パターンで食べると、健康な人の血糖値はピーク値でおよそ100mg/dl程度上がることになります。

もちろんそれに対してインスリンが追加分泌され、食後2時間ぐらいで元の値に戻ります。一方、休日パターンでぐずぐず食べると、血糖値は上がりながらも同時にある程度糖質が処理されてしまっているので、上がってもせいぜい50~70mg/dlでしょう。

という事は、対応するインスリンの量もそれに応じて減ります。インスリンは過剰な血糖を脂肪に変換、脂肪細胞に保管して飢餓の時に使えるよう、人間を太らせる働きを持っています。そのおかげで食べられない時があっても、すぐに死なずに済んでいるわけですが、現代では逆に肥満製造メカニズムになっているのです。

同時に、インスリンは膵臓のランゲルハンス島と言う臓器にあるベータ細胞で作られていますが、一気に血糖値が上がるとベータ細胞も必死で働いてインスリンを作るので、疲れてしまいます。これを繰り返すとベータ細胞が過労死して、2型糖尿病になるんですよ。

血糖値の上り方がゆっくりだと、例えるならベータ細胞も定時で帰れるので、過労で倒れる恐れがないというわけです。糖質制限が糖尿病に効果があるというのは、過労死寸前までいったベータ細胞を休ませて、現役に復帰させることにあると言う事なんですね。

さらに、ぐずぐず食べていると、その間に体も動かします。筋肉が動くと、血液中の糖を筋肉に取り込む機能が働いて血糖値を下げてくれるので、さらにインスリンの量が少なくて済むというわけです。

注意すべきは「ついつい」

このように、きびきびと生活のリズムを保って食事を摂るより、お腹が減ったら食べ、満足したら途中で中断、また気が向いたら食べる。さらには1日中いつでも気楽に食べるという「行儀の悪い食べ方」の方が、健康的でダイエットにも適しています。

しかしながら、絶対に注意しなければならないのは「1日に食べる合計量」です。だらだら食べていると、ついつい食べ過ぎるんです…。いえ、そんなことは言わずもがな、どなたでも経験からよくご存知なんじゃないかと思います。

ですので、1日に食べる量をあらかじめしっかり設定して、それを気分に応じて、だらしなく行儀悪く食べるのがコツとでも言えるでしょうか。いえ、行儀と言うのは最初に述べたとおり、上手く生きるためのルールです。時間の許す休日などは、健康のため膵臓を休ませるのが、新しい行儀なのかも知れませんよ。

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