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糖尿病の栄養管理を体得したい患者さんの教育入院活用術

教育入院をきっかけに

糖尿病の教育入院という言葉を聞くと、楽しいこと、好きなものは我慢して、難しく厳しそうなことをするという、漠然としたネガティブイメージを抱く方も少なからずおられます。

糖尿病の診断を受けた初期だけでなく、慢性化した患者さんが、自分の病気を知り、食生活を改善したり、運動療法に取り組むきっかけになるよう組まれたプログラムなので、そうした危惧は不要です。

教育入院は、オリエンテーリングから始まり、疾患のコントロールと治癒の為に、栄養管理や運動療法の有効性への理解を深めていく構成で、医療機関によって異なりますが、5日から1週間程度(温泉療法がある場合は中期に及ぶ入院もあります。)で、座学から調理実習や理学療法を含むプログラムを受講します。

複数の患者さんが同時期に参加する入院プログラムなので、疾患を治療する診療科だけでなく、理学療法担当科や看護科、栄養指導担当科の協力のもとに、比較的大規模な病院で行うことが一般的です。

入院といっても、症状が安定している状態での教育入院は自由度が高いので、空き時間にスマートフォンやタブレット等で自分の用事を済ませることもできます。

食生活を変えたいけれどきっかけがない、お付き合いがやめられない、という方や、歩行に関連する装具を使用し始めたけれど、うまく使えるようにならず、却って日常の行動に支障がある、という大変さも、教育入院をきっかけに好転するケースが大変多くあります。

又患者さんやその家族が周囲への理解を求める際、「教育入院を受けたら、このように教わった。」という説明が出来る点も、大変心の負担を軽くします。疾患を抱える人とその方と身近に暮らす方が、糖尿病治療へ理解を求めるツールに、教育入院と言う経験を利用するのは、とても有益です。

医師、医療機関、というトラの威は、借りる方が得策です。仕事関係者が糖尿病について知識がない場合、患者さんが疾患を理由に何かを遠慮したり、拒否をすると、誤解をされるケースが珍しくありません。

その時に教育入院で知ったんだけど、と話すことができると、医学的な裏付けがある為、極端に批判的な理解をされることがありません。教育入院をきっかけにコミュニケーションや生活全体が好転するのは、患者さん自身だけではありません。長期休暇が取れるならば、教育入院の予定を組み入れたいものです。

糖尿病の栄養指導

教育入院中受ける栄養指導は、管理栄養士が入院中の糖尿病食を例に栄養素、栄養価、調理方法の工夫、血糖値が急降下しない食事の取り方について教材と資料を使って説明をしてくれることが基本的な内容ですが、その説明を体得する為に、調理実習をすることもあります。

栄養指導に家族が一緒に参加できるケースは、患者さんに付き添いが必要な場合を除き、必ず認められると確約できるものではないので、患者さん自身が普段家庭で調理をする家族等にきちんと伝えられるように、記録を取りたいものです。

急激に血糖値を上げないように、又下がらないように、他の臓器にも負担が掛からず、咀嚼を楽しむことが出来て、でも満足感が得られる食事、という条件を1食で叶えることは難しく、嗜好も影響しますし、アレルギーがあるとなお知識が必要になります。

病院の入院食を参考に栄養指導を受けることにより、調理法や栄養価の計算や、毎食必ずバランスを取ることが難しい場合の対処法を知ることが出来ます。後者が最も一般に知られておらず、又教育入院して良かったと思えることです。教育入院の数日は有益だったと後々も思える情報を得ることが出来ます。

気持ちが若返る

学校を卒業後、改めて座学を受けたり、レッスンのように手とり足とり熱心に教わる機会は少なくなってしまいます。仕事をしている方は、その関係で研修を受けることもありますが、責任感で受ける研修は緊張感が強く、自分の為に勉強するゆとりはありません

疾患や、場合により身体の不自由さを抱え辛い状況ではありますが、同様の境遇の方々と医師を始め専門的な勉強をしてきた医療従事者から、理論と実証に基づく、病気に関する説明を受け、それによって自分の体と疾患への理解を深めて、理学療法や栄養指導を受けると、単に「良いらしい」からと思っていたことが、良いことなのだと確信に変わる体験をします。

講義を受ける部屋に入り、ホワイトボード等を見ながら資料等の説明をうけると、学生気分になります。それだけでも気分が引き締まり、何となく若返ったような気持ちになりますが、更に実体験と理論や理屈が一致する経験をする、つまり目からうろこが落ちる経験をすると、「知っちゃった人」になり、やや上から自分の病気を俯瞰する意識を持つことが出来るようになります。

病気と対等に付き合うことは難しく、大抵最終的に人の方が負けるケースも多いのですが、上から目線を得ると、勝てるかもという強気が出てきますし、その気持ちが周囲の人をも明るくしますので、教育は力だと思って、上手に活用したいものです。

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