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糖尿病患者さんに多い全身の痒みは、食後の血糖値が関連していた!

糖尿病患者さんで皮膚の痒みに困っている方はいらっしゃいますか?

意外と知られていない糖尿病の皮膚症状なのですが、それもそのはずであまりこのことに関して試験などは実施されていません。その為、この掻痒症のせいで不眠などに悩まれている患者さんが多いのに、どうしたら良いのかということも問題とされていませんでした。

今回は、台湾からの発表でこの問題に着目した試験です。良いところに着眼したなと筆者は思いました。

どのような試験をしたのでしょうか?

今回の試験は2型糖尿病患者さん390名程に協力していただきました。痒みの状態や皮膚の状態などは視覚アナログスケールを使用したそうです。

この視覚アナログスケールとは、簡単に言うと普通の10センチの定規を思い出してください。その定規の0cmのところが全然痒くないとしたら、右へいく程、数値が大きくなりますね。5cmあたりのところの痒みなら5ポイントみたいな感じです。

痒みや痛みなどを視覚的に表した時に、全然痒くないのが左端だとして一番辛くて眠れないくらい痒いのが右端だとしたら、あなたの痒みはどの辺りですか?という問い合わせをしていって測定する方法です。一番わかりやすい概念となります。

例えば数字で表されても10段階で言うと?と聞かれても「う~ん、6.5くらい」みたいな感じでイメージが湧きにくい場合があります。視覚アナログも個人によっては感じ方の問題ですから難しいところがありますが、患者としては尺度としても用いやすいです。

痛みの薬がどのくらい効いているかのドラッグチャレンジテストというのがあります。5種類の薬で痛みがどれくらいマシかというのを測定する時に使います。というのもこのテストのときの患者さんは意識が朦朧としている訳です。正直10点満点で何点くらい?なんて聞かれても話すこともできない場合もあります。

そんな時はこの視覚アナログスケールとかっこいい名前がついていますが要は定規に水平に指で動かせるルーラーみたいなのがついていて、意識朦朧としている患者さんは必死でこれをつまんで「この辺」って感じで表すワケです。これは経験者しか言い様がないです。

また、今回は多変量ロジスティック解析で解析したとも言われています。この言葉も難しいですがロジスティック解析とは一つの病気に対して様々な条件を考えて解析していくことです。

今回は食前の血糖値、食後の血糖値、掻痒症、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の条件を解析しています。またまたここでHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)って何?と思われた方がいるかもしれません。

これは糖尿病でしっかり病気について勉強している患者さんはよくご存知だと思います。グリコヘモグロビンという、血中内のブドウ糖とくっついた赤血球のことを言います。HbA1cはそのグリコヘモグロビンの1種です。

この値で血中の血糖濃度を測定することが可能なのです。ここ3年程前に病院でHbA1cが変わります!という訳のわからない張り紙を見かけたことはありませんか?

今までは日本独自の標準値を使っていましたが、糖尿病患者が多くなっていて完全に欧米化しているところもあり、国際基準に合わせられました。

試験結果はどうだったのでしょうか?

試験の結果ですが、まず被験者で全身の痒みを訴えている人は約28%でした。結構多いですね。

そのうち約25%が痒みで眠りにつけないけどまだ寝ることができる。また15%は眠ることはできないけどいつの間にか寝ている。約10%は睡眠薬を使用しないと眠れない状態でした。また、食後の血糖値が高ければ高いほど痒みはとても酷かったそうです。

結果から言えること

今回のこの結果から言えることは、糖尿病の全身掻痒に関して少しでもマシにしたいなら食後の血糖値をコントロールして血糖値を下げれば良いということがわかりました。とは言え食後は必ず血糖値が上がるものです。

しかしその患者さん個別に、この値以上なら痒みが酷いがこれくらいなら大丈夫というように自分で見つけることは可能です。食事の内容を変えたりすることで可能ということです。例えば炭水化物は食事の中でも糖に変わります。

また油物も最終的には糖に変わってしまいます。そのため糖尿病の患者さんは炭水化物と脂肪の摂取量を極力制限されるのです。痒くて睡眠薬まで使わないと眠れないという患者さんは、やはり重症だと考えます。

睡眠薬は糖尿病の予後を考えてもあまりお勧めできるものではありません。それなら今よりも多少、ご飯やおかずの量を絞り、増やしても大丈夫な食物内容を栄養士さんに考えてもらうのも良いと思います。

睡眠不足はかえって糖尿病を悪化させます。それを防ぐ為にも掻痒でお困りの方は医師と相談して、晩御飯のレシピを少し変えてみるのが良いと筆者は考えます。是非とも参考にしていただければと思います。

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