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【カロリーゼロ表示】実は一定の基準以下のカロリーという意味

糖尿病の治療や改善において、カロリー制限を用いた体重コントロールは必須です。最近では糖質制限に対する誤解もあって、カロリー制限は必要ないと思い込んでいる人も少なくないようですが、それは勘違いです。

糖質制限で糖尿病をコントロールする大前提は、適切なカロリーを摂っていることを忘れては、糖質制限も意味をなしません。アピールするための宣伝文句「カロリー制限はもう不要」が、妙な独り歩きを始めて誤解に繋がったようですね。

本来は、これまでの糖尿病治療と言うと、成人男性でも一日1,200~1,400kcalと、極度に厳しいカロリー制限を行っていました。それに比べると、例えば1,800~2,000kcal程度と、健康な人が太らない程度のカロリーを摂っても、糖質制限をしていれば大丈夫ですよと言った意味合いなのです。

別名「食いたい病」と呼ばれた糖尿病の患者にとって、ゼロカロリー食品は今でも強い味方と言えるでしょう。ですからゼロカロリー食品の持つカロリーを知って、上手に利用していただきたいと思います。

ゼロとは『無』のことではありません

もうすっかり生活に定着した「ゼロカロリー食品」。でも本当にカロリーがないのかは、気になるところですよね。例えばゼロコーラなら、もともとカロリーの原因だった糖分を人工全部甘味料に替えてしまえば、ゼロカロリーになるのは理解できます。

けれど世の中には「果汁が入っているのにカロリーゼロ」などと言う飲み物があったりして、とっても不思議な気分になってしまうことも。これは一体どういうことなのでしょう。

ヒントは、これもまた飲み物、最近流行のノンアルコールビールにありました。缶に書かれた表示を見てみましょう。そこには「アルコール分0.00%・カロリーゼロ」などと書かれています。この表記の差は何なのでしょうか。

ちょっと昔話になりますが

かつて「ノンアルコールビール」という名前で売られていた商品にアルコールが含まれていて、飲酒運転や未成年者の飲酒問題などのトラブルを引き起こしていたことがあったのです。

このトラブルは、酒税法においてアルコール度数が1度(1%vol.)以上のものをお酒と規定してあったため、アルコール分が1%に満たないビールはお酒じゃない、という解釈が行われたから起こりました。

でも、もともとビールのアルコール分は5%内外ですし、ビールは大量に飲める飲料でもあります。ですから、アルコールが入っていないと思ってたくさん飲むと、お酒に弱い人なら充分酔っ払えたんですね。

そこでメーカーは0.5%未満になるよう、自主的に規定を変えました。これなら、小数点以下一桁目を四捨五入してゼロと言えます。しかし、それでも大量に飲んじゃって、トラブルを起こした人が続出したのです。

味もそれほど美味しくなかったですし、そんな経緯もあって、しばらくの間市場からノンアルコールビールは姿を消していました。しかし各メーカーは開発を続け、満を持して出てきたのが、現在のノンアルコールビールやノンアルコールカクテルの製品群です。

中には梅酒風や日本酒風もあるとか。そこには「アルコール分0.00%」と誇らしげに書いてあります。この数値は、どんなに多くても0.005%未満のアルコールしか含まれていないことを示しているので、言い換えれば普通のビール並にアルコールを摂取しようと思ったら、1,000倍飲まなきゃならないという事ですね。

糖尿病患者においてゼロと無には大きな開きがあります

一方、カロリーについてはどうでしょう。解釈に困るのは『ゼロ』という部分です。うっかりすると、0.5未満だからゼロなのじゃないかと思ってしまいますが、一の位を四捨五入していたら5未満ですし、十の位を四捨五入していたら50未満という事になります。

そこで農林水産省は、栄養成分表示に規定を設けました。ゼロとかフリーという表示を行う条件を定めたのです。「食品100グラム当たり5kcal未満であること」つまり100gあたりのカロリーを、一の位で四捨五入する方式ですね。

ですからゼロカロリー食品には、100グラム当たり5kcalをわずかに下回るカロリーがあると言っても良いでしょう。栄養指導などを行われる栄養士さんは、ファーストフードのゼロコーラのカロリーを、一杯あたり10~20kcalで計算されることが多いようです。

もし基準スレスレなら

このようなことから、カロリーゼロは必ずしも0.00kcalを示していません。基準ラインぎりぎりの場合、例えば一日にゼロカロリー飲料をペットボトル1本、デザートのゼロカロリーゼリー200gを1個、そしてゼロカロリーサラダ300gを1人前食べていたとした場合、最大で49kcalの熱量を摂取していることになるわけです。

これは糖尿病治療に絡んで体重をコントロールしている人にとっては大きな問題ですよね。ですからいわゆるゼロカロリーものを口にする場合、ゼロではなく常に5kcal/100gのカロリーを意識して摂るようにしましょう。

もう一つのトリック

低カロリー食品で食物繊維が豊富、しかもデザートに最適と言えば寒天ですね。さまざまなフレーバーの寒天や、寒天を使用したゼリー状食品がお店には並んでいます。さて、寒天はゼロカロリーなんでしょうか。

ゼリー状になった「すぐ食べられる状態の寒天」は、味付けのカロリーを除くと100gあたり3kcalですから、堂々とゼロカロリー食品を謳えます。一方で、まだ調理前の水分をあまり持たない棒寒天や粉末寒天はと言うと、100gあたり150kcal以上ありますのでゼロ表示はできません。

同じ事はこんにゃくにも言えるのですが、残念ながらこんにゃくは、あのぷるんとした状態の製品になっても5~7kcal/100gですので、ゼロ表示はできないんですね。でも「ゼロカロリーこんにゃくゼリー」って見たことないですか?

新時代の「水増し商法」?

この秘密は水分量にあります。普通のこんにゃくは水分量がおよそ97%くらいで、こんにゃく芋の成分は3%程度です。一方、先に挙げた寒天は、ゼリー状になった時に水分量は98.5%くらい、寒天や味付けの成分が1.5%くらいなんです。

もともとこんにゃくゼリーは、おでんに入っているこんにゃくよりずっと柔らかいですよね。そう、水分量を多くしてあるんです。仮に寒天と同じレベルにすると、カロリーのある固形成分は3%から1.5%と半減しますので、カロリーも3.5kcalくらいに落ちます。

あら不思議、水分量を1.5%増やしただけでカロリーが7からゼロに。こうしたマジックは、食品の売り文句の中にごろごろしています。さらに、それはあくまで100gあたりであって、寒天を例にとると、200~250g程度の容器に入っていることが多いようですね。

他にもあるんでしょうか

カロリーがそうなら、糖分や脂肪分もゼロと書いてあってゼロじゃないケースがあるんでしょうか。実はこれがあるんです。それも全部が統一して、100gあたり5kcalや5g未満というわけではありません。

塩分はどうなの?

まずは高血圧の人にとって気になる塩分です。この場合ナトリウム量ですが、100gあたり5㎎未満の場合、塩分ゼロ表示ができます。ナトリウムで5㎎というと、食塩換算で12.7mg(0.0127g)です。それほど多い量ではありませんが、塩分制限をしている人にとっては気になりますよね。

糖類ゼロ表示は?

缶コーヒーなどでよく見かける、糖類ゼロ表示はどうでしょう。これは100gあたり0.5g未満です。ショート缶の場合190gが多いので、一本当たり1g弱の糖類が入っている可能性がありますね。もちろん甘味料で調整しないと甘くないでしょう。

コレステロールフリー、ノンオイル

健康で気になるコレステロールゼロというのにも基準がありますが、ちょっと複雑なので簡単に。基本は100gあたり5㎎未満で、一食分の量によって基準が追加されます。そして脂質、つまり油脂分ですね。ノンオイルと表示できる基準はどうでしょう。

これも糖類と同じで100gあたり0.5g未満です。ただちょっと困ったことに、ドレッシングについてだけは基準が甘いんですよ。100mlあたり3g未満ならノンオイルと表示できます。油脂は比重が軽いので体積比にすると、100mlあたり約3.3ml未満のオイルが入っていても、ノンオイルドレッシングと表示できるんです。

なぜドレッシングだけ基準が甘いのか、ちょっと変ですよね。このように、ゼロ表示がなされていても、入っていない訳じゃないということを、今後は頭の片隅にでも置いて頂いて、健康をお考えになることを是非お勧めしたいです。

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