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コーヒーよりクロロゲン酸の含有量が多いゴボウで糖尿病予防

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最近健康効果が注目されているコーヒーの成分、クロロゲン酸。コーヒーをよく飲むと糖尿病リスクが下がるとか、脂肪の燃焼を促進してくれるとかの情報があります。

一方、コーヒーが苦手と言う方、何杯も飲むのは嫌!と言う方もいるでしょう。

そういう方に朗報です。クロロゲン酸はコーヒーにしか含まれない物ではなく意外に広く分布しているポリフェノールなのです。

どういうこと?という方こそ、下まで少しお付き合いくださいね。

クロロゲン酸って何?

クロロゲン酸は双子葉植物(発芽した時に双葉を出す植物)に広く含まれるポリフェノールの一種です。

健康食品やトクホの宣伝のせいで、コーヒーに特徴的な成分のように誤解されていますが、たまたまクロロゲン酸が初めて単一の物質として分離された原料がコーヒー豆であったと言うだけです。

糖尿病予防効果

クロロゲン酸には、でんぷんなどの糖質を食べた際に、ブドウ糖にまで分解されるのを抑制する作用が確認されています。その効果によって血糖値の急上昇を防ぎ糖尿病の予防に貢献していると言う事ですね。

この効果は、例えばトクホ食品に良く使われている食物繊維の難消化性デキストリンにもありますし、この効果を持つ糖尿病の治療薬、αGI薬(アルファ・グルコシターゼ阻害薬)もあるのです。

抗酸化作用

クロロゲン酸はラジカル捕捉剤としての機能を持っていますので、抗酸化物質として期待されているようです。

ポリフェノール類ですから、抗酸化作用は十分に期待できるでしょうね。

メタボ改善作用

宣伝を見ると、ダイエット効果が謳われていることが多いのですが、脂肪の燃焼作用を強調している場合と、脂肪の蓄積防止を強調している場合が見受けられます。

有名コーヒーメーカーが学会で発表した論文によると、試験管レベルの実験ではありますが、クロロゲン酸は膵臓から分泌される脂肪分解酵素、リパーゼの働きを阻害することが分かったそうです。

つまり、脂肪の吸収を抑える働きがあると言う事です。また上でお話しした糖質の吸収抑制効果から見ると、糖質の中性脂肪への再合成が遅くなることも示唆されています。

ですので、脂肪の蓄積を抑制することについては効果があるかもしれません。

一方、すでに身体についてしまった皮下脂肪や内臓脂肪、血中脂質を積極的に減らす効果については、それを裏付けるような論文は見当たりませんでした。

もちろん脂肪の蓄積を抑制することによる副次的な作用として、吸収されるカロリーが減る分、すでに身体にある脂肪をエネルギーに変えて消費する可能性はあると思います。

コーヒーに期待されるもの

もともと、コーヒー豆に4~5%(100gあたり4~5g)も含まれている訳ですから、かなりの高濃度と言えるでしょう。しかし、コーヒーは生豆では使えませんから焙煎しますよね。

クロロゲン酸は熱に対して弱いので、200℃から300℃で10分以上加熱するコーヒーの焙煎段階でほとんどが失われてしまいます。

最終的に飲み物としてのコーヒーに入っているクロロゲン酸は200mg/100mLくらいだそうです。つまり、なんと0.2%!

コーヒーのクロロゲン酸

もちろん、サプリの原料として見た場合、焙煎していない緑色のコーヒー豆には他に例を見ない高濃度で含まれているので、コーヒーしかないでしょう。

しかし、私たちが普通に口にするレベルで見た場合、決してコーヒーが高濃度でクロロゲン酸を持っている唯一の食品とは言えません。

例えば、レギュラーコーヒーの業界団体によると、抽出された飲み物としてのコーヒーには100mL(100g)あたり約200mgのクロロゲン酸が含まれていると言う事です。

一方、缶コーヒーの場合は濃く出して原材料費を浮かせるために高温長時間焙煎を行うためクロロゲン酸はほとんど失われます。

それでもトクホ食品として認可を受けているクロロゲン酸強化の缶コーヒーの場合、100gあたり約140mgのクロロゲン酸が入っていると言う事でした。

ここで、ちょっとうんちくです。

このトクホ食品の缶コーヒーの宣伝を見ると、普通のレギュラーコーヒーのクロロゲン酸の含有量は約70mg/100gとなっています。コーヒーの業界団体が示している数値の1/3ですね。一体どうなっているのでしょうか。

そこで、宣伝をよく見てみると、対比用に検査したレギュラーコーヒーは「フレンチロースト」であると書いてありました。

コーヒーのロースト(焙煎)段階は全部で8段階あります。

  • ライトロースト:極浅煎り、ほとんど使われません。
  • シナモンロースト:浅煎り、ほとんど使われません。
  • ミディアムロースト:やや浅煎り、アメリカン向け。
  • ハイロースト:中浅煎り、酸味系コーヒー用。
  • シティロースト:中煎り、日本のホットコーヒーで最も一般的。
  • フルシティロースト:中深煎り、苦味系コーヒー用。
  • フレンチロースト:深煎り、エスプレッソやカフェオレベース用。
  • イタリアンロースト:極深煎り、黒く見えます。アイスコーヒー用。

私たちが普段飲んでいるホットコーヒーはシティローストのものが一般的です。それに対してフレンチローストを基準に採っているわけですからクロロゲン酸含有量は少なくて当たり前なんですね。

もちろん、缶コーヒーはアイスで飲むことが多いので、メーカーがインチキをしているわけではありません。むしろありがたい情報を提供してくれているのですよ。

つまり、ファミレスのドリンクバーなどに置いてあるエスプレッソコーヒーは、大抵フレンチローストレベルの豆ですから、クロロゲン酸はあまり期待できないと言う事なんです。

コンビニなどでもコーヒーマシンを見る機会は多くなっていますが、豆の状態が見られる場合にはチェックして下さい。表面にうっすら油のてかりが見えるくらいまで焙煎した濃い色のコーヒー豆はクロロゲン酸が少ないと言う事なんです。

一方、コーヒー専門店などでは焙煎した豆をショーケースに入れて売っていますよね。それを見て、豆の表面が枯れた感じのもので、茶色が薄めの場合にはクロロゲン酸がたっぷりだと判断できるでしょう。

クロロゲン酸を期待してコーヒーを飲むなら、せっかくですからコーヒー豆の状態を確認して飲むのがベストだと思いますよ。

クロロゲン酸とゴボウ

ゴボウを笹掻きにして水に晒すと、水が茶色くなります。アクだと思われていますが、実はあの色がクロロゲン酸の色なんです。でも、色が出るってことはクロロゲン酸を捨ててしまっているということでもあります。

実は、見た目はともかく、ゴボウを美味しく健康的に食べるには水にさらさない方が良いのだと言うことが、もう10年くらい前から新しい常識になってきているようです。

と言うか、そもそもゴボウを白く食べる料理って限られるようにも思えます。きんぴらなんか、かなり濃い色ですし。

ゴボウに含まれるクロロゲン酸

ゴボウを普通に調理する程度の温度で加熱した後に測定したところ、100g中230mgのクロロゲン酸が確認されたそうです。これはトクホのコーヒーより60%以上も多い含有量です。

これは是非食べなきゃいけませんね。でも、調理の際に失われないよう十分な注意が必要です。

まずはゴボウを買ってくるところから気を付けましょう。切って水と一緒にパック詰めされたものはだめです。クロロゲン酸は全部捨てられていると言って問題ないでしょう。

と言うのも、クロロゲン酸はゴボウの皮の表面2~3ミリのところに集中しているからです。従って、いわゆる洗いゴボウもクロロゲン酸がかなり減っていると見て良いでしょう。

と言う事で、ゴボウを買う時は「土付きゴボウ」一択です。そして、使う直前まで洗わずにキッチンの隅っこにでも転がしておいて下さい。

クロロゲン酸を活かす調理

いよいよゴボウを食べると言う段になったら、まずシンクにゴボウを入れ、流水を掛けながら亀の子たわしでゴシゴシこすって土を落とします。その時にとれちゃう以上に皮をむいちゃだめですよ。

表面全体がきれいな黄土色になったら、食べやすい大きさにカットして調理開始です。水にさらしてはいけません。

なんとなく水にさらさないとアクが強そうなイメージがありますが、実はゴボウにアクはほとんどないのです。

いわゆる野菜のアクと言うものには、毒性のあるものから野菜の風味の元になっているものまで、実にさまざまなものがあります。

その中でゴボウのアクと言われてきたのはタンニンです。タンニンと言えば渋味物質ですね。でも、ゴボウにはあまりタンニンは含まれていません。

個性として、ゴボウを切った瞬間に切り口が真っ黒になってくるようなものはタンニンが多めなので、こうした場合は10秒ほど水に晒すといいでしょう。それ以外の場合は必要ありません。

ではなぜゴボウはタンニンが多くてアク抜きが必要だとされてきたのでしょうか。それは、昔はクロロゲン酸はタンニンの一種だと言う扱いを受けていたからなんです。

現在、クロロゲン酸はタンニンとはみなされていません。実際食べてみると、水に晒してない物の方がゴボウの味や香りがして美味しく、水に晒したものは物足りなく感じられます。

ゴボウがきれいになったら筒切りにして、調理の内容に応じて縦に割って下さい。きんぴらゴボウでも縦四つ割ぐらいの大きなカットがお勧めです。

笹掻きに比べて表面積が小さくなる分、からむ調味料が少なくなるので、減塩効果もありますよ。

ゴボウは他の成分もある優れた食材

ゴボウと言えば食物繊維と言うイメージが強いでしょう。もちろん固形成分の1/3が食物繊維で豊富に含まれてはいますが、その他にもいいものがいっぱいなんですよ。

レスベラトロール

レスベラトロールはポリフェノールの一種で、フレンチパラドックス(たばこを良く吸い、高脂肪食を食べワインをよく飲むフランス人に心臓病が少ない、と言う現象のニックネームです)の有効物質と推定されているものです。

また、フィトアレキシンの一つに数えられ、強い抗菌作用を持つことも知られていますし、長寿遺伝子の活性化にもかかわっている可能性が示されるなど、ある種の夢の成分ですね。

もともと、戦前に日本人科学者が発見した物質ですが、このレスベラトロールがゴボウにもたくさん含まれているようです。ゴボウ茶の有効成分と言われてもいるようですね。

フラクトオリゴ糖

有用細菌であるビフィズス菌の増殖活性を高めることで有名な成分です。いわゆる「オリゴ糖が乳酸菌のエサになる」と言うのは、このフラクトオリゴ糖のことを指しています。

これがゴボウにはたっぷり含まれているんです。摂り過ぎによって多少お腹がゆるくなることもあるそうですね。

イヌリン

糖尿病に有効であるとか、脂質異常症に有効であると言われるキクイモの薬効成分ですが、実はゴボウにもたくさん含まれています。

ただ、これらの有効性は十分な研究がされていませんから、治療効果があるかどうかは断言できる状態ではありません。

“クロロ”ゲン酸

クロロと言う接頭語は、有機塩素化合物に良く使われます。例えばクロロエチレンと言えば塩化ビニルの正式名称ですね。

クロロホルムと言えば20世紀前半までは麻酔薬としても使われた毒性の強い有機塩素化合物です。

ではこのクロロゲン酸も塩素化合物なのでしょうか。ご心配なく、化学式はC16H18O9でどこにも塩素は入っていません。

実はクロロと言うのは、本当は「緑色の」と言う意味の接頭語なのです。葉緑素はクロロフィルと言いますね。

塩素は世界で初めてつかわれた毒ガスで、気体の状態で黄緑色をしているんですよ。塩素が英語でクロラインと呼ばれるのは、緑色だからなんです。

煮しめ料理などで、白こんにゃくとゴボウを一緒に炊いたら、こんにゃくが緑色になったと言う経験をお持ちの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

クロロゲン酸はアルカリの元ではきれいな緑色になります。こんにゃくを固めているのは強アルカリの石灰ですから、こんにゃくとしての製品もアルカリ性を示します。それがクロロゲン酸を緑にしてしまうんですね。

それが白いこんにゃくを緑に染めたと言うわけです。害はありませんから、面白い現象として楽しんでください。

これだけ好ましい効果が期待できる成分をたくさん含んでいるゴボウですが、実はほとんどの国では薬用としてしか用いられていません。例えばハーブティーのバードックルートと言うのは「ゴボウ茶」のことです。中国でも漢方薬の扱いですね。

せっかくゴボウを料理として口にできる日本にいるのですから、積極的にこの健康的な優秀食材ゴボウを食べてくださいね!

キャラクター紹介
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