TOP > > うつ病はなぜ増えた?仕事や時代の背景から原因を探る

うつ病はなぜ増えた?仕事や時代の背景から原因を探る

現在、日本ではうつ病と診断される人の数は年々増えています。2000年頃までは20万人前後でしたが、2002年を境に、44万人まで急増しています。その後も増え続け、2012年には70万人を超えました。うつ病・躁うつ病を含む気分障害は、2010年に100万人を超えています。

うつ病による自殺の危険

1998年に入り、2万人台だった自殺者数が3万人を超えました。2011年の自殺者は約3万3000人、それに対し、同年の交通事故死者は約5000人です。2011年の調査で、最も多い自殺の原因は健康問題でした。その中でほぼ半数がうつ病に集中していました。

これは、あくまでもうつ病と診断された人の数のみです。すべての原因において、自殺する直前はうつ病になっている可能性が高いとも言われ、うつ病対策の重要性が認識されました。これほどまでに増えてしまったうつ病。その背景には何があるのでしょうか。

うつ病の時代背景

鎖国終焉までの日本は、不条理なところはたくさんありましたが、皆が生きるために必死であり、それでいて、独自の文化を楽しむ余裕もありました。現代ほどの競争概念もありません。鎖国から開国され、異文化を吸収した日本は、新たな日本文化を模索しながら、華々しく大きな変化をとげます。

昭和に入るとすぐに第一次世界大戦、その後、第二次世界大戦が起こりました。戦争はとても過酷で悲惨ですが、実はうつ病は減少すると言われています。そのかわり、文化、土地、身体、こころに、大きな傷を作ります。そして、復興の時代が始まります。その後、すぐに高度経済成長期に入ります。

戦後の爪痕から大きく脱却し、日本の活気が特に高まります。そしてその後、安定成長期に入り、日本はさらに大きな成長をとげます。この安定期までにも、認識されてない(調査に反映されていない)うつ病患者はたくさんいたと思われますが、現在と比べると少数です。まだ自殺者が少ないからです。

特に高度経済成長の日本は現在とは違い、仕事をすればするだけ成果が出るような時代でした。世界から日本が注目され、世界は日本に学ぼうとしました。普通に働いていたら給与は下がることは無く、終身雇用と年功序列で、将来は常に安定していました。

不条理な先輩や上司などがいたり、個人的な夢がなくとも、日本社会そのものに活気がありました。現状のようなストレスがここまで広がるようなことはありませんでした。80年代、利益を出すこと、お金を使うことは、一種の遊びにも似た側面がありました。

日本中にお金が飛び交います。ここまでの日本は戦争と成長の歴史です。成長せざるをえない状況から、実際の急成長まで、やればやるだけ成果の出る時代です。うつ病はその後、人々が目的を持てなくなった時代から蔓延し始めます。

不況とうつ病蔓延の始まり

バブルが終わり不況が始まります。そして、その10年後からうつ病と自殺者が倍増します。不況の中では結果を出せることは稀です。経済成長で作り上げた仕組みや概念が、まったく通用しなくなりました。そこで、米国のビジネスを取り入れます。

うつ病先進国の理論です。経済は向上しません。増えるのはうつ病患者で、削られるのは人件費でした。人件費を削るのは成果主義です。終身雇用制も年功序列もなくなります。成果が出ない経済で成果主義になると、ほとんどの人は脱落します。

脱落しなかったとしても、出世は個人にかかる負担が大きくなります。成果主義は運が左右します。将来は不安のままです。頑張っても成果が出ず否定される過酷な状況です。過労の中、人々は収入に不安を持ち、将来に不安を持ちます。

以前のような、否定されても給与は下がらず、遊ぶお金があり、将来は安定であった時代とは大きく違います。ストレスが蔓延した将来の見えない職場で、ストレスと闘うのです。

今は「幸せ」を本質から見直す時代

「生きる意味」を感じにくい今になって、脳科学的見地からも、医学的見地からも、心理学的見地からも示唆されている事があります。それは人間は幸せになるために生きている、ということです。「幸せ」になると、こころと身体を最大限にまで健康にします。

人はそのような作りになっているのです。ということは、今は「幸せとは」を本質的に見直す時代なのかもしれません。自分にとって、何が楽しくて、何がうれしくて、何が幸せなのか。それを得るためには、どうしたら良いのかを見つけなければなりません。

「最も幸せなこと」が人生の目的です。他人を傷つける事は「幸せ」ではありません。これを日々探して実践し、常に楽しむことが「人が生きる」ということです。これがうつ病を減らす根本原理です。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る