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遊んでるわけじゃない!治りかけのうつ病患者との接し方

うつ病は治りかけが一番大事と言われるワケ

沢山のメディアで取り上げられるうつ病。そこで何かと目にするのが「うつ病は治りかけが肝心」という言葉。うつ病は少し良くなってきたからといって「よかったよかった」では終わらないということです。

なぜうつ病は治りかけが大切と言われるのか?それはうつ病という病気の性質にあります。うつ病は身体だけでなく心にも強く症状が出る病気です。症状は患者さんによって様々ですが、概して気持ちがマイナスになります。

うつ病が良くなれば体が少し軽くなり、ちょっとした意欲も湧いてきます。ただしまだ治ってはいないので、いつでも後転する状態です。うつ病の患者さんは真面目な人が多いですから、少し元気になると「何かしなきゃ」「人生の遅れを取り戻そう」と焦りがちです。

頑張って意欲的に取り組んでも、思うように上手くいかないことは誰にでもあります。しかしうつの患者さんは自信がない状態ですから、上手くいかないと分かると人生への絶望を感じ、治りかけで体力があることも相まって、衝動的な自殺を計る可能性が高いのです。これがうつ病患者の治りかけのリスクです。

統計でも治りかけの自殺者は多く、自殺まではいかなくても状態が悪化する方も多くいます。これが、治りかけが一番大事と言われる理由です。

患者が暴走しないよう周囲はブレーキ役を

うつが良くなりかけたとき、患者さんは「早く良くなろう」「早く仕事をしよう」と焦りがちです。しかし少し良くなったからといって、すぐに何でもできるようにはなりません。

ずっと療養していた身だと体力もないですし、嫌な出来事の対処を上手くできないことが多くあります。そのため急に動くと疲労が溜まり、具合が悪くなりがちです。

患者さんには急に何でもやらせないよう、ブレーキ役として接するのが寛解への近道となります。その時の体調に見合ったことを少しずつやらせるようにしましょう。患者自身が適度にリハビリできるタイプであれば、そっと見守り、必要なときに支えてあげるくらいが丁度良い関係になります。

絶対にやってはいけないことが、周囲の人間が「あれもやれ、これもやれ」と患者を焦らすことです。患者は言わなくても気づいています。そして出来ない自分に非常に負い目を感じています。ですから周囲の方も「早く治す」のではなく「確実に、少しずつ」ということを心がけてください。

娯楽はリハビリなので怠けや甘えと言うのはよそう

「娯楽がリハビリだなんて、なんて都合の良いことだ」と、健康な人は思うかもしれません。しかし怒らず冷静に考えてほしいのです。まずはうつ病の病状変化について、下記をご覧ください。

1.不調を感じる
2.動けなくなる(2は無い場合もあります)
3.治療開始(1で治療することもあります)
4.段々とできることが増える
5.寛解

うつ病の治りかけは4に当てはまります。今まで生活もままならない状態であった患者が、段々とできることが増えてくる。それは投薬治療の成果でもあるし、患者自身の努力の賜物でもあります。投薬だけで出来る事が増えることは決してありません。そこには必ず患者自身の勇気や行動力が存在します。

例えば患者としては買い物にも努力が必要であるし、趣味をしたり旅行をすることも決して楽ではありません。普通の人にはただの遊びと感じるかもしれませんが、患者にとっては””遊び””ではなく””試練””なのです。

どうにかしないとという思いで頑張っている患者に対して、周囲の人間の対応が「病気のせいにして遊ぶな」「治ったなら働け」というようなものであったら、患者はどうのように感じるでしょうか?

自分なりに努力して散歩したり買い物ができるよう練習している段階であるのに、復帰の練習すら認めてもらえなかったら心底傷つくはずです。それは病体の悪化にも繋がるので絶対にしてはいけません。

そもそも最低限の買い物や遠出ができなければ、生活や仕事はできません。つまり、ある種の娯楽は社会復帰へのリハビリの一環になります。

仕事を探すよりもまずは「買い物」「長時間集団で過ごす」「遠くまで歩く」など基本的な行動を取り戻せるよう、少しずつ後押しすべきです。それが寛解へと繋がり、社会復帰へと繋がります。

患者の中には味をしめて遊びにばかり現を抜かすものもいますが、そうでなければ暫く黙って様子を見守ることが大切な期間であると言えるでしょう。

普通の人にとっては小さなことでも、患者にとっては何かができるようになることは大きな出来事です。達成できた事柄について無下に扱わず、しっかり聞いてあげると復帰への原動力となるでしょう。

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