TOP > > 寒くなると眠い、無気力になる?秋冬に起こる冬季うつ病の症状と対策

寒くなると眠い、無気力になる?秋冬に起こる冬季うつ病の症状と対策

憂鬱な女性

秋が深まり冬が近づいていくタイミングで体調や気分に変化を感じることはありませんか?ある季節が来ると気が滅入ったり食欲が増したりまたは減ったりなど心身に変化が起こる場合もしかすると「季節性感情障害(SAD)」かも知れません。

季節性感情障害という言葉が登場したのは1980年代に入ってからですが、そのもっと前から季節の移り変わりは人の心に影響を及ぼすことが知られていました。

この病気は毎年決まって冬になると気持ちが妙に落ち込んでしまったり、うつ病のような症状が見られたりします。(少ないですが夏にこのような症状が出る方もいます)

日照時間が短くなる時期から出始め、日が長くなる3月ごろにが治るということの繰り返しであることから「ウインターブルー」とも呼ばれています。

過度の疲労やストレスで脳内物質の分泌異常が起こることが原因と言われているこの季節性のうつ病。今回は一番多いと思われる「冬季うつ」を中心に症状、予防法、治療法などを説明していきます。

春が来れば治るから我慢する、ということろするとそのまま季節に関係のない「うつ病」になってしまう可能性もありますので、自分自身に心当たりがあった場合はこの記事を読んでぜひ予防・改善に取り組んでいただきたいと思います。

秋、冬が辛い・・・季節性感情障害(SAD)とは?

うつ病といえば心の風邪と言われよく知られていますが、通常のうつ病とは少し違う季節性感情障害というものがあります。

季節性感情障害とは、何年も連続して、特にこれといった理由はないのに特定の季節が訪れるたび抑うつ状態を発症することをいいます。

その中でも代表的ともいえる「冬季うつ病」とは季節性感情障害の一つであり、うつ病の一種です。ある季節に発症し、その季節が終わると治まるというサイクルを繰り返すことから「反復性冬季うつ病」とも呼ばれています。

10月ごろの秋口からうつの症状が出始め春になると治るというのが2年以上続くとこの病気と診断されます。

徐々に日が短くなるにつれて疲れやすくなったり気分が落ち込んだり無気力になったりしますが春には治るのでなかなか病気とは気付かず、冬が終わるまで我慢したり放置したりする方も多くいます。

欧米に比べ日本の有病率人口は全体の3%以下と比較的少ないのですが、発症者は圧倒的に女性が多く、男性の3~4倍にも上ります。その理由はまだ解明されていません。

中でもほかのうつ病と同じように妊娠可能年齢である女性に一番多く見られ、子どもや高齢者で季節性感情障害になる方はまれです。

また地域によっても発症者の数は違います。基本的に赤道近くに住む方より赤道から離れた場所では季節性感情障害を発症する方が多くなります。

うつ病全般にいえることですが、日光に当たる時間がこれらの病気に大きく関係します。なので秋田県や札幌市などの高経度の地域は日照時間がほかの地域に比べ少ないため、発症率がダントツに高くなっています。

眠気、過食、うつなどが起こる、季節性感情障害(SAD)の症状

冬季(夏季)うつの症状は簡潔に言えば「特に思い当たるストレスはないのに一年の間の特定の時期だけ無気力になったり精神的に不安定になったりする」ということになります。時期としては10~3月が一番出現しやすいです。

特定の季節の間だけ発症するという部分を除けば普通のうつ病と同じような症状はいくつかあります。

うつ病と季節性うつの共通点

  • 無気力
  • 倦怠感
  • 気分が落ち込む
  • 好きなことをしていても楽しめない
  • イライラする
  • 性欲低下
  • 人と会いたくない

これに加え一般的なうつ病の場合は摂食障害を伴うことが多くまた不眠で悩む方も多いことが特徴といえます。

しかし冬季うつの特徴として他のうつ病と違うのは、不眠や食欲低下がないことです。逆に冬季うつにかかるといつも眠たいため過眠、食欲増進のため過食(中でも炭水化物や甘いもの)で太るという特徴がみられます。

朝起きるのもとても大変で、仕事中も強い眠気に襲われ仕事に集中できません。

なので名前に同じ「うつ病」とついても異なった症状があります。冬にだけ下記のような症状が出ていたら冬季うつの可能性があります。

冬季うつの主な症状

  • 1日に10時間以上寝る。なのにまだ昼間に眠気を感じる。
  • 炭水化物や甘いものが夏場に比べ無性に食べたくなる。体重増加。
  • 以前やっていた仕事ができない。
  • 仕事に集中できず、決断力も明らかに低下している。
  • 特に理由もないのに悲しい気分。
  • 自己否定的になる。
  • 朝起きるのが辛くなる
  • できれば一切動きたくない
  • 人付き合いが辛くなり、外出したくない

また春になると回復しますが、季節性うつの30%以上の人が春から夏にかけては一気に気分が高揚した状態(そう状態)になる傾向があります。その場合冬にうつ、春・夏にそう状態になり、一年かけて躁うつを経験することになります。

冬は動物も冬眠します。人間も厳しい寒さを乗り切るための本能から、夏場より体にエネルギーをため込もうとする生理的な働きがあるのは当然です。

よって多くの人が睡眠時間が増加したり、あまり動きたくなくなり温かいものや甘いものが食べたくなるため多少の体重増加などの体調の変化が起こっても不思議ではありません。

しかしそれらによって日常生活に支障がきたすレベルにまでなればそれは季節性のうつの可能性が考えられます。幸い、冬季うつ病の方は自殺リスクが非常に低いという点があります。

また冬季うつ病に比べて数は少ないですが稀に5~9月ごろに出現する夏季うつ病というものも存在します。そちらは通常のうつ病と同じように食欲低下や不眠などの症状が出ます。これらは夏バテの症状と似ているのでなかなか気付かないことも多いです。

見分けるポイントは「気分が落ち込むかどうか」となります。

まだ知名度が足らない季節性うつは、このような症状があっても自分がうつだとは気付かなかったり、自覚症状を持っているのに春の到来を待ちわびながら我慢している人が多いのが現状です。

原因は日照時間の減少による自律神経の乱れ

冬季うつ病の原因はおそらく日照量が不足することだと考えられています。冬は日の入りが早くなりどうしても日照時間が減りますので同時に日光に当たる時間も自然と減ります。

それによりメラトニンなどの神経伝達物質が影響を受けバランスが崩れてしまうのです。メラトニンとはホルモンの一種で、「睡眠ホルモン」と呼ばれるほど睡眠に影響を与えます。

人の体は太陽の光を浴びると脳内でメラトニンが分泌され、また約15時間後に再び分泌されちょうど就寝時間ころに眠気を催すなど、体内時計を正常にし睡眠と覚醒のリズムを調整する働きがあります。

日光に当たる時間が減り、メラトニンが作用が弱まると体が活動するべき朝や昼間にも気力がなくなり脳の活動も低下し、さらには抑うつ症状にまで発展してしまいます。

実際に海外では日照時間が少ない地域では有病率が高まり、国内でも北海道や秋田県などの東北地方の方々に多く発症しています。

また、日光の入らない部屋にばかりいる人も冬季うつ病と同じような症状があらわれやすくなります。一人暮らしのアパートやマンションは日当たりの悪い部屋も多いですし、仕事柄長時間日当たりの悪い部屋で過ごす方々にも注意が必要です。

その上現代の生活では全体的に屋内で過ごす時間が多くなりがちですので普通に暮らしていても日光に当たる機会が激減している傾向もあります。植物と同じように人間もある程度の太陽光を浴びないと生体リズムが崩れてしまい体や心に悪影響を及ぼします。

日がほとんど入らない部屋に住んでいる方や昼夜逆転の癖がついてしまっている方、昼間もカーテンを閉め切っている方はどうしても冬季うつ病になりやすい環境と言えます。

だからといって簡単に引っ越せない、仕事の関係で生活リズムを整えるのが難しいという方もいらっしゃると思いますが、意識的に太陽の光を生活に取り入れるよう工夫されてみてはいかがでしょうか。

意識的に太陽に当たる!冬季のうつの予防法・改善法

上記に書いた通り、冬季うつ病の大きな原因は日光に当たる機会が減ってしまうことにありました。つまり意識的に日光の光を浴びるようにすればそれが有効な予防・改善法になります。

ここまで読んで、自分が太陽に当たる時間が少ないと自覚した方はぜひ下にまとめました「冬季うつの予防法」の項目のできそうなものから取り入れてみることをおすすめします。

朝か昼に外出する習慣を作る

太陽が出ている時間帯で買い物や散歩の習慣を作ることは非常に効果的です。

女性の中には紫外線が気になるからあまり日に当たりたくないという方もいらっしゃると思いますが、直接肌に日光を当てなくても視界を太陽光で明るくする状態を習慣的に作るだけで効果があります。

なので体は陰にいる状態から太陽の光が降り注いでいるところを見ているだけでも目に入る照度の量があればいいのです。太陽の光を浴びる、視界に入れることは冬季うつ病以外にも様々な健康効果があります。

規則正しい生活をする

毎朝同じ時間に起きて同じ時間に寝るという規則正しい生活習慣を身に着けることが大切です。朝は起きたらまず一番にカーテンを開け、太陽の光を浴びます。3食のご飯もできるだけ決まった時間に食べるようにします。

生活の中に運動を取り入れる

寒い季節は特に動きたくないかも知れませんが、それが悪循環に陥ることもあります。日照時間がぐっと短くなる10月ごろから職場の一つ前の駅でおりて歩いてみたり休日には30分ほど散歩してみたりして積極的に太陽光を浴びることは大変有効な対策になります。

運動は爽快感を得られ、心身を健康に保つ効果があります。運動を習慣にすることで「ドーパミン」という気持ちをコントロールしてくれるホルモンが分泌され、気持ちの落ち込みや無気力の改善に期待できます。

ドーパミンには抗うつ作用もあり神経の成長も促進してくれます。運動といっても難しく考えず、太陽の下を少々早歩きするだけでも立派な運動になります。快適なスピードで歩いてみることからはじめましょう。

長時間いる部屋を明るくする

自宅や職場ではなるべくカーテンを開け、太陽光が降り注ぐ環境を作りましょう。冬は日照時間が短くなるので、できるだけ照明を明るいものに取り換えることも有効になります。

その他

ストレスをためないことも重要です。意識してリラックスする時間を持ったり夢中になれらう趣味をったりすることも冬季うつ病対策になります。

加え、漠然とやることが多すぎると気分も落ち込みやすいので「やるべきことのリスト」を作り優先順位をつけ確実にひとつずつこなしていくという方法も、無駄に頭を使い悩んだり焦ったりすることを減らすことができます。

朝起きにくいという方には光で起こしてくれる目覚まし時計もおすすめです。起きる時間をセットしておくとその1時間前にうっすらライトが点灯しそれが徐々に明るくなりながら起こしてくれます。

紫外線をほとんど出さず最大20000ルクスの明るさを実現!セロトニンの活性化を手助けする光る目覚ましです。


intisquare商品イメージ

大きい音で起こされるストレスもないですし、人工的に夜明けに似た状態を作ってくれるので冬の朝、どうしても起きるのが辛いという人は一度試してみてもいいでしょう。

病院で行う治療「高照度光療法」がすごい

上に書いたような自分でできる季節性うつ改善法で、実際ある程度の回復を目指すことは十分可能です。しかしなかなか効果を得られないという方には高照度光療法というものが必要になるかも知れません。

冬季うつ病の代表となる治療法はこの高照度光療法と内服薬がありますが、一般的には高照度光療法の方が高い効果が期待できます。

高照度光療法とは毎日30分~1時間、太陽光と同等の光を放つライトボックス(人工光)に当たり体内時計をリセットして生体リズムを整える治療法です。高照度の光療法はセロトニン(メラトニンを生成する物質)を上昇させます。

通常のスタンドライトの2~3倍程度かそれ以上の強い光を浴びますがその光には紫外線が含まれていないので肌や目への害も心配ありません。

またこの光療法は70~90%の患者さんに顕著な効果があらわれるという結果が出ている非常に有効な治療法です。

できれば朝に行うのが一番効率がよく、ほとんどの方は使用を始めて一週間で早くも症状が改善されていきます。

副作用として、個人差はありますが頭痛や吐き気などの症状が出る場合があります。しかしあったとしても軽度ですし、ライトボックスとの距離を調整しながら行えば多くの場合は心配いりません。

それに加え、新たに5年間に渡り照射を行った研究でも危険な副作用はなかったことが確認されていますので安全性にも問題ありません。光療法で改善されなかった場合は光感受性を高めるビタミンB12のサプリメントや抗不安薬、抗うつ薬を服用します。

季節性うつ病は自律神経を整えることで改善に向かいます

季節性うつ病の症状は冬になるとなんとなく悲しくなるなどの軽い症状からはじまり気付けば生活に支障をきたすレベルになっているということもあります。まさか自分は違うだろうという油断は禁物です。

しかし軽いうちに自分でできる対策を行い手を打っておけば十分予防効果は期待できます。症状が重い場合は光治療が抗うつ薬の併用なども可能ですが、本人の希望や続けやすさを考慮した上で治療法を決定します。

気温の変化自体もストレスのひとつです。肌寒くなる時期から徐々に気分のすぐれない日が多くなり、無気力に襲われるような感覚があれば注意してください。意識的に朝日を浴びたり外出を増やすように心がけましょう。

太陽の光は生き物にとって不可欠なものです。それがないと自律神経のバランスも崩れ、ゆっくりと人間の体や心にも影響していきます。

少しでも「自分は季節性うつ病ではないか」と思ったらすぐにでも太陽の光を浴びたり外に出ることを習慣にしましょう。太陽光もウォーキングもタダですが、心身の健康にこの上ない恩恵を与えてくれますよ。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る